冬期講習
フレッシュアップ古文・ハイレベル
第四・五講『枕草子』補充
みなさん、こんにちは!
五日間お疲れさまでした。
授業でお話できなかった『枕草子』の続きを、ここで説明しておきたいと思います。
参考になさってくださいね。
まず、重要単語。
23ページの17行目、「汗あゆる」の「あゆ」は大丈夫でしょうか。「あゆ」は「落ゆ」と書いて、「流れ落ちる」という意味です。ここは、みんなの前で中宮定子にほめられて、清少納言が冷や汗をかいているわけですね。汗が「流れ落ちる」という意味。
19行目、「つつまれて」の「つつむ」も注意が必要。「つつむ」は「包む」が語源です。「本音を包む」というところから、「遠慮する・気おくれする」という意味になりました。「つつまし」はその形容詞形で、「遠慮される・気が引ける」という意味。「つつまり」も重要語ですから気をつけてください。
22行目、「よし」。これにはいろんな意味がありますが、「――よし言ふ」という形で使うと、「――ということを言う」という意味をあらわします。たとえば、「うれしきよし言ふ」で、「うれしいということを言う」。ここは、「おぼえぬよしを啓す」ですから、「覚えていないということを中宮様に申しあげる」。「啓す」は「中宮に申しあげる」という絶対敬語の謙譲語ですね。
最後に、23行目「もてなす」。多義語ですが、「@ふるまう A世話する B取り扱う Cもてはやす」。ここはB。「仰せごとを映えなうもてなす」で、「中宮様のご命令を映えないように取り扱う」という意味になります。
あと、問題が二題残っていますね。
まず問三。
この問題は、Aを考えてもムダ。Aを考えようとしても、普通の受験生には意味不明になるはずです。この問題は、Bで正解を出すべきです。
Bなら簡単ですよ。まず19行目を見てください。
中宮定子は、「古今(集)の草子(=本)」を前に置いて、ゲームをしようとしているんですね。
「歌どもの(?)を仰せられて、『この末(下の句)はいかに』」と質問しています。現代語でいうと、「たくさんの歌の(?)をおっしゃって、「この下の句は何といいますか?」って女房たちにきいたわけです。『百人一首』のかるた取りと同じですね。「上の句」をいって、「下の句」を答える。中宮定子が、ある歌の「本(上の句)」をいうと、女房たちがその歌の「末(下の句)」を答える。
空欄Bは、下に書いてある「これが末、いかに」の「末」をヒントに、「本」が正解だと考えます。
選択肢を見ると、Bを「本」にしているのは、@しかありませんよね。これで、Bの空欄には「君」が入るとわかります。
最後に問一の(ウ)です。
「などかうつたなうはあるぞ」。これは「などかくつたなくはあるぞ」が変化したもの。
「など」は「どうして」。「かく」は「このように」。「つたなし」は「@愚かだ A不運だ」という意味の形容詞ですが、ここは@。直訳が「どうしてこんなに愚かであるのか」。これは女房たちのせりふです。中宮様がせっかく「本」をおっしゃって、「末」をきこうとしていらっしゃるのに、女房たちは満足に答えることができませんでした。それで、「どうしてこんなに愚かなのか(もの覚えがわるいのか)」と嘆いているわけですね。