空と文字(MOUNTAIN)

気象


登山を安全に行うには、天気の変化を予測しなければなりません。
このページは天気図の書き方を解説しています。
天気図を書いて明日の天気の予報をしましょう。






1.準備する



準備するものは

 

1.        ラジオ

2.       天気図用紙

3.        筆記用具(黒ボールペン、鉛筆、カラーペン(赤・青・紫))

 

3点。

ラジオはAMが聴ける物であれば良い。気象通報のラジオ放送はAMと短波でやっているが、短波は放送時間も早いし、なにより周波数が大きいため、波長が短く山など障害物があるところでは受信しにくい。放送時間は以下の通り。

 

l       NHK第2放送 9:10〜9:30 6:00の情報

l       NHK第2放送 16:00〜16:20 12:00の情報

l       NHK第2放送 22:00〜22:20 18:00の情報

l       ラジオたんぱ第1 5:30〜5:45 3:00の情報

 

事前に自分の現在地の周波数に合わせておかないと、いざ合わないということになってしまう。ちゃんと事前に調べておこう。

代表的な地域のNHK第2放送の周波数はこちら。↓

http://www.nhk.or.jp/res/tvres5/h50303.htm

 

天気図用紙は大きな本屋さん(目安として国土地理院発行の25000分の1地形図を売っているようなところ)で購入することができる。(株)クライムから50枚綴りで550円(本体524円)で発行されている。(2003年2月現在)

天気図用紙にはNo.1(一号用紙)とNo.2(二号用紙)があるが、通常は広範囲な二号用紙を使う。一号用紙は地図の範囲が狭い分、メモ欄がついているが慣れてしまえば端っこにメモする程度でできるようになるため、初めから二号用紙で慣れていたほうがいいでしょう。ちなみに値段はどちらも同じ。

 

筆記用具は各地の天気をプロットする黒ボールペン。低気圧や高気圧や前線を描くカラーペン。等圧線を描く鉛筆(と消しゴム)が必要。ただ山に行くときは荷物をシンプルにしたいので、個人的には黒・赤・青の3色ボールペンとシャープペンシルのみを使い、閉塞前線のための紫色は赤と青のストライプで代用している。

 

2.事前に知っておく事


まずは、天気記号をマスターしよう。

 

天気記号(日本式)
快晴 晴れ 曇り にわか雨 霧雨
雨強し にわか雪 (みぞれ) 霧・氷霧 煙霧
砂塵・嵐 地吹雪 雷・雷雨 (ひょう) (あられ) 天気不明

 まずは、天気記号を覚えるのは苦手と言う人も、ちょっとした話といっしょに覚えたら覚えやすいでしょう。私はこんな風に覚えています。

 

気象庁風力階級
風力
矢羽記号
風速[m/s] 0.3〜1.5 1.6〜3.3 3.4〜5.4 5.5〜7.9 8.0〜10.7 10.8〜13.8
風力 10 11 12
矢羽記号
風速[m/s] 13.9〜17.1 17.2〜20.7 20.8〜24.4 24.5〜28.4 28.5〜32.6 32.7〜

 いわゆる「ヤバネ」です。矢羽は風の吹く方向へ伸ばします。つまり北風だったら北のほうへ矢を伸ばします。よく北から風が吹くから南へなびいている様子を表すんだと描いている人がいますが(そんな奴いないって)、それは間違いです。
 気をつけないといけないのは、風力1は「く」では無く「ト」です。よく間違える人がいますが、これにはちょっとした訳があります。

 というのは、アナウンサーがラジオで読むスピードはなかなか速いですし、また台風などが近づいているときには台風の予想進路、なども限られた時間で読み上げるため、「御前崎、風力9、・・・大島、風力8・・・・」と早口で読みます。それを矢羽で描くのですが、いちいち羽を9本、8本と書いていると間に合いません。そこで、放送中の風力7以上は右側(上の図の向きで)の羽を省略して描く事もあります。
 放送が終わってから仕上げるときに、改めて右側を描けばいいわけですから、それを区別するためにも必ず風力1は「ト」で描くようにしましょう。


記入例 風向き

 人にもよりますが、私の場合は風向きに関係なく丸の右上に気圧、左上に気温を描いています。中には丸から見て矢羽の右側に気圧、左側に気温を描く人もいるようです。この方法だと矢羽によって気圧などの数値が見づらくなることは少なくなります。しかし、一般的には矢羽に関係なく右上・左上の方がいいでしょう。風弱く矢羽無しということもありますし。
 方角はNEWS(ニュース)で覚えたほうがいいでしょう。「南南西へ時速30キロで進んでいます。」を「ななせ30キロ」とメモするよりも「SSW30K」とメモしたほうが早いです。


前線記号 特徴
寒冷前線 短時間に激しい雨が降る。
雨後は気温が下がる
温暖前線 長時間に穏やかな雨が降る。
雨後は気温が上がる
停滞前線 暖気と寒気の勢力が拮抗しており長時間雨が降る。
閉塞前線 低気圧を中心として回転する温暖前線に寒冷前線が
追いついた状態。
低気圧は衰弱に向かう


 前線には上記の4種類があります。

前線とは暖かい空気と冷たい空気の境目です。この付近では暖かい空気と冷たい空気とでは含まれる水蒸気の量が違うために注意すべき気象現象が発生します。
暖かい空気にはたくさんの水蒸気を含むことができます。これが冷やされると水蒸気は凝縮して水となります。これは夏の温かい日に冷たいジュースを入れたコップを置いておくと、コップの周りに空気中の水蒸気が凝縮して水となることと同じです。
前線ではこれと同じことが大規模に行われてます。即ち雨です。したがって前線付近では雨が降るのです。




筆記用具は各地の天気をプロットする黒ボールペン。低気圧や高気圧や前線を描くカラーペン。等圧線を描く鉛筆(と消しゴム)が必要。ただ山に行くときは荷物をシンプルにしたいので、個人的には黒・赤・青の3色ボールペンとシャープペンシルのみを使い、閉塞前線のための紫色は赤と青のストライプで代用している。

 

3.ラジオ放送を聞いて描く予想する



 最初に「各地の気象」が報告されます。「石垣島」からスタートしますので、それぞれの地点に   (1)風向   (2)風力   (3)天気   (4)気圧(1000hPa以上の場合上2桁は省略する)   (5)気温(℃) の順に記号や数字をすばやく記入します。この時必ずボールペンで記入します。後で鉛筆で等圧線を記入するときに消しゴムをかけてしまった場合に大事なデータを消さないためです。

 まず、風向ですが、アナウンスされた方角に直線を延ばします。次に風力の 数だけ旗を書きます。東の風なら右下方向へ、西の風なら左上方向へ書きます。 風力6以上は書くのに時間がかかるので、6の場合は一番外側だけ1本、 7以上の場合は反対側に風力−6の数だけ旗を書いておき、後から書き加えると良いでしょう。 特に台風の近くなどは風力が8〜12が連続しますので、この技をマスターしておく必要があります。

 天気の記入で時間がかかるのが「雨」「にわか雨」「雨強し」の塗りつぶしです。これも適当に 省いて書いておき、後からていねいに塗りつぶすようにしましょう。

 気圧は天気記号の右上、気温は左上に書くのが原則です。ただし、地点が近いと風向・風力の記号と 重なったりしますので、ある程度ずらして書いて構いません。

 慣れてくると石垣島から始まる順番を覚えてしまいますが、初心者の場合でも概ね放送される順番を理解しておいたほうがいいでしょう。
      1.   「石垣島」から始まる
      2.   日本を北上する
      3.   ロシアを南下
      4.   朝鮮半島を経て台湾へ
      5.   中国東北部へ飛び
      6.   中国沿岸を南下
      7.   フィリピン経由で太平洋へ
      8.   最後は富士山

 各地の天気に続いて「海洋ブイおよび船舶からの報告」です。   (1)風向   (2)風力   (3)天気(不明がほとんど)   (4)気圧(hPa)  海洋ブイ、船舶ともに天気図用紙に○印がありませんので、アナウンスされる緯度、経度の位置にすばやく○を書いて、風向・風力を記入します。

 次に「漁業気象」です。「台風」、「低気圧」と前線の位置、「高気圧」、「低圧部」、「高圧部」 等について、位置(緯度、経度)、中心気圧、進行速度がアナウンスされます。位置のアナウンス に従って、中心に×を書き、「台風」は
、「熱帯低気圧」はTD、「低気圧」は、「高気圧」はを 近くに書きます。また中心気圧も記号の近くに書きましょう。ちなみに低気圧等の色は赤で高気圧の色は青です。これは赤が危険を表す色だからと一説には言われています。
 前線の位置は×印と種類を簡単にスケッチ またはメモしておき、後から清書します。これら以外に霧の濃い地域、風の強い地域についてもアナウンス されることがありますが、直接天気図には反映しません。  最後に特定の気圧を結ぶ「等圧線」の緯度・経度がアナウンスされます。これも×印などを付けておき、 後から清書します。アナウンス量が多い(低気圧や高気圧の数が多い場合など)ときは、アナウンサーが 猛烈なスピードで読み上げることもありますので、緯度・経度を余白にメモするのも良い方法です。また 録音できる場合には、後から再生しながら仕上げることもできます。


4.仕上げる


 各放送内に書けなかったものについて、仕上げをします。
 まず天気や風力7以上などなど、きれいに記入できなかった ところを仕上げます。
 次に低気圧や前線などを仕上げます。速度等は矢印で記入するのがいいでしょう。色分けもしっかりとしておきましょう。
 最後に等圧線を引きます。精密に仕上げる場合は2hPa刻み、大まかに仕上げる場合は4hPa刻みで書きます。ちなみに高校登山大会の場合には2hPa刻みに仕上げます。
 放送される気圧はアナウンスのあった緯度・経度を結ぶだけですが、それ以外の気圧については、各地の 気圧、高気圧や低気圧等の中心気圧から判断しなければなりません。また、風は等圧線に対して、ほぼ各地の 緯度の傾きで(日本付近なら30度ぐらい)吹きますので、風向も等圧線を引くための基準にしなければなりません。  ただ、厳密な天気図を書く場合を除けば、それ程神経質にならなくても気象状況は把握できますから、 ある程度は「大ざっぱ」で構わないでしょう。
 また、出来上がった天気図が正確かどうかはインターネット上で公開されている天気図などで確認をすると「答え合わせ」ができて習熟がいっそう進むでしょう。

5.予想する



 天気図を書くのは予想するためですからしっかりと予想しましょう。
 予想する地点の周りの状況を分析します。雨をもたらす前線や低気圧などの速度から、何時間後に到達するか、つまりいつ頃から雨が降るか、また前線が遠ざかる場合には温暖前線であれば緩やかに回復するでしょうし、寒冷前線であれば急速に回復をし気温が下がるでしょう。それぞれの気象状況の速度から数時間〜1日後の気象状況を予測し、それによって天気がどうなるかを予想するわけです。
 予想をしたら、天気図の余白にしっかりと文章で記述しましょう。

<例文>


6.LINKS


天気図
地域別の主なラジオの周波数一覧表
国土交通省 防災情報提供センター
広島県防災情報システム
広島県警察ホームページ

ワンクリック気象情報サイト[tenki.jp]
NHK第2放送・周波数一覧
JWA Home Page

Alpine Log-キレットルーム


観天望気と観察

下り 気象知識・読図練習(コース概要)

さて,山頂では涼しいだろう。あまり体を冷やさないうちに下山しよう。
ところでなぜ涼しいのか?

一つは気温減率(温度減率とも言う)だ。
上空11kmくらいまでは,高度100m上昇につき0.65℃気温が下がる。これを気温減率と言う。
君たちはスタート地点から688m登ってきたので,

0.65×(688/100)=4.472

つまり4.5℃くらいスタート地点の気温よりも低いはずだ。
この温度減率は空気が乾燥していると1℃/100m,湿っていると0.5℃/100mであり,0.65℃/100mは平均的な値である。
この湿度による温度減率の違いが,フェーン現象を生む。


もう一つは山頂は爽快な風が吹いているからだ。大雑把に体感温度は風速1[m/s]につき1[℃]下がると言われているが,この根拠はリンケの式である。

T=t−4√v

T:体感温度[℃]
t:気温[℃]
v:風速[m/s]
で表される。
風速1[m/s]では体感温度は実際の気温よりも4[℃]下がる。
風速4[m/s]では体感温度は実際の気温よりも8[℃]下がる。
風速9[m/s]では体感温度は実際の気温よりも12[℃]下がる。
のだが,実際には湿度の影響や個人差等もあり目安として考えると良いだろう。


さあ,コンパスを使って西の空を見てみよう。何が見えるだろうか?

(西の)空を見て,天気の変化を察知することを,観天望気と言う。
日本の天気は概ね西から変わっていくので,登山中に西の空が見えたらそれは貴重な情報である。

雲には形が10種類あるが,雨を降らせる雲は主に2種類しかない。乱○雲と〇乱雲だ。覚えておこう。




空と文字(MOUNTAIN)