周波数帯の解説


第4級アマチュア無線技士の資格で運用のできる周波数を解説します。
第4級アマチュア無線技士の資格では扱える電波形式、出力に制限がありますので、
その範囲内で、周波数別にどんな違いがあるか解説します。

HF帯 (短波帯)

1.8/1.9MHz帯。

電信(モールス符号を使う通信)しか許可されていないので、
第4級アマチュア無線技士の資格では運用できません。
第3級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。

3.5/3.8MHz帯

第4級アマチュア無線技士の資格で運用できる最も低い周波数。
第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式はSSBのみ。
LSBを使用をするので、無線機の表示で「3.528〜3.575」がSSBで使用できる範囲。
3.8MHz帯は海外交信用として使われるが、10Wでは難しい。

波長が80mとなるため、1/2波長ダイポールアンテナでも、40mもの長さになる。
田舎の敷地のある家ならまだしも、住宅街ではアンテナを張るのが大変。
ただし、折り曲げたり、コイルを入れたりすれば、アンテナを小型化できる。
(小型化すればアンテナの能率は落ちるので飛びも悪くなる。)

10Wの出力でも大型のアンテナがあれば、電離層反射で日本国内の各地域との交信が可能。
この周波数では昼間は電離層が使えないため、何も聞こえない。
16時頃からチラホラ聞こえ出し、夜中は日本津々浦々が聞こえる。
その間、近場がスキップするということがあまりない。
朝になると再び静かになる。

10WSSBでは海外との交信は難しい。

割と年配の方が多く、HiFi-SSBやアンテナの実験をやられている方が多い。
混信はそれなりにあるが、バンドの中はのんびりムードが漂っているので、
国内の遠くの局とゆっくり交信するにはいいかも。

7MHz帯

国内交信の花形バンド。
第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式はSSBのみ。
LSBを使用をするので、無線機の表示で「7.033〜7.200」がSSBで使用できる範囲。
2009年3月より使用できる周波数帯が広がった。

波長は40mで、1/2波長ダイポールアンテナで20m。
住宅地でもなんとか張れる長さ。
ただし、折り曲げたり、コイルを入れたりすれば、アンテナを小型化できる。
(小型化すればアンテナの能率は落ちるので飛びも悪くなる。)
市販されている2万円以上する多バンドGPよりも、
しっかり調整された1/2波長ダイポールアンテナの方がはるかに良く飛ぶ。
敷地が許せば、という条件があるが。
このバンドのダイポールアンテナは電線でつくることになる。
条件にもよるが、同軸ケーブル、支柱も含めて10000円もあれば完成してしまう。

10Wの出力でも、電離層反射で日本国内の各地域との交信が可能。
季節によって入感状況が変化するが、
昼間は比較的近距離(静岡からだと、東京、愛知、長野など)と、
夜間は比較的遠距離(静岡からだと、北海道、東北、四国、中国、九州)と交信できる。

10WSSBでは近隣諸国(ロシア、韓国、中国辺り)以外の海外との交信は困難。
コンテストの時に北米のビッグステーションがオンエアしてくるが、
これらの局は巨大なアンテナを使用しているので10WSSBでも交信が可能。

平日の昼間でもたくさんの局が出ているが、週末はさらに混雑する。
なので、混信は当たり前。混信していても文句を言わないこと。
「かぶっている。」と近くの周波数で運用している局にクレームを言う人がいるが、全くのお門違い。
逆にいえば、それだけ混雑しているので10WSSBではつぶされてしまうこともある。

混雑しているので、簡潔な交信が多い。
(のんびり運用しても何ら問題ないが)
QSLカードやアワード目当ての局が多いが、モービル局もいたりする。
周波数を固定して運用しているグループもあるが、本来は間違った運用方法。
限られた周波数でいかに混信から逃れて交信するか、譲り合いの精神で運用しよう。

10MHz帯

電信(モールス符号を使う通信)しか許可されていないので、
第4級、第3級アマチュア無線技士の資格では運用できません。
第2級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。

14MHz帯

第2級アマチュア無線技士以上の資格が必要。
第4級、第3級アマチュア無線技士の資格では運用できません。
海外との交信によく用いられるが、国内同士でのんびりラグチューしている人もいる。

18MHz帯

第3級アマチュア無線技士以上の資格が必要。
第4級アマチュア無線技士の資格では運用できません。
国内にも海外にも良く飛ぶ。

21MHz帯

海外交信の花形バンド。
第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式は電話ではSSBのみ。
USBを使用をするので、無線機の表示で「21.150〜21.447」がSSBで使用できる範囲。
RTTY(ラジオテレタイプ)で交信する方法もある。
その場合は「21.070〜21.125」を使用する。

波長は15mで、1/2波長ダイポールアンテナで7.5m。
住宅地でもダイポールアンテナは設置できるでしょう。

この辺りの周波数になると、アルミパイプを使ったヤギアンテナを使う局もいる。
当然ヤギアンテナを使ったほうが海外との交信も楽になる。

10Wの出力でも、電離層反射で日本国内の各地域との交信が可能。
ただし、日変化が激しく、全く聞こえない時もある。
Eスポが開けると、混雑する。
(Eスポとは「スポラディックE層」のことで、電離層の一種。
4〜9月の夏場の昼間に突然発生する。)
Eスポ伝播で特徴的なのは遠方の方が良く伝播するということ。
と言っても、Eスポの地上からの高さ(100km前後と言われている)と、
地球の丸みから算出することで遠方の限度が分かる。
静岡からだと、沖縄、北海道、九州との交信が容易。
関西や関東と交信できる機会はあまりない。

10Wでも近隣諸国(ロシア、韓国、中国辺り)との交信は容易に出来る。
また、さらに遠くの北米、南米、ヨーロッパ、アフリカといった全世界とも交信できる。
その時はE層よりも高い位置にあるF層という電離層が活躍する。
ただし、F層の活動は太陽活動に大きく影響される。
太陽活動は10〜11年周期で上下しており、2014年がピーク。その次のピークは2025年頃。
太陽活動の低調な時期は、ヨーロッパやアメリカとの交信は困難になる。
21.295MHzがDXスポットで、普通の局は出ないほうが良い。

DX目当ての局が多いが、国内QSOも楽しい。

24MHz帯

10/18/24MHzの3つの周波数帯を「WARCバンド」と言う。
1979年の「WARC会議」で、他の周波数に遅れて新たにアマチュアに開放されたバンドだからだ。
この周波数は1990年頃にアマチュアに開放された。
なので、1979年以前の古い無線機には、この周波数のバンド切り替えが無い。
WARCバンドのうち、第4級アマチュア無線技士の資格で運用できるのは、この24MHzのみ。

第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式はSSBのみ。
USBを使用をするので、無線機の表示で「24.930〜24.987」がSSBで使用できる範囲。

波長は12mで、1/2波長ダイポールアンテナで6m。
住宅地でもダイポールアンテナは設置できるでしょう。

アルミパイプで作られたヤギアンテナを使う局もいる。

21MHzと同様な伝播で国内、海外との交信が可能。
ただし、歴史の浅いバンドとあって、21MHzよりも局が少ない。
また、21MHz帯に比べて電離層伝播の使える時間帯も少ない。

局が少ないので割とのんびりしていると思う。

28MHz帯

HF(短波)帯では最も高い周波数で、VHF(超短波)帯の性格も持つ。
第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式はSSBの他、FMも使用できる。
SSBの場合はUSBを使用をするので、無線機の表示で「28.200〜28.997」がSSBで使用できる範囲。
FMの場合は、無線機の表示で「29.00〜29.30」が使用できる範囲。メインチャンネルは29.30MHz。

波長は10mで、1/2波長ダイポールアンテナで5m。
住宅地でもダイポールアンテナは設置できるでしょう。
GPやヤギを使う局の方がむしろ多い。

このバンドも21MHzと同様に電離層伝播を使用しての交信がメイン。
21MHzよりも電離層反射の使える時間は少なく、
普段は何も聞こえないが、Eスポが開けると混雑する。

国内交信は29MHz帯のFMが良く使われる。
FMなので音も良いし、同調も楽。
北海道や沖縄からの信号がFMでクリアに聞こえるのは中々面白い。

海外との交信はFMよりもSSBの方が多い。
国内ではそんなに人気がないが、世界的に見ると運用している局は多い。
21MHzと同様に海外との交信ではF層を使用する。
太陽活動の最少期には近隣諸国を除いてほとんど海外との交信ができない。
しかし、太陽活動の最盛期には世界中の信号が強力に入感し、
10WSSBでも楽々と北米やヨーロッパと交信が出来る。

VHF帯(超短波帯)

50MHz帯

ここからはVHF(超短波)帯になる。が、VHF(超短波)の中では最も低い周波数なのでVHF(短波)の性格も持つ。
第4級アマチュア無線技士では、出力は20Wまで、電波形式はSSBの他、FMも使用できる。
いまだにAMで運用する人もいるし、RTTYのアクティビティーもあり、多彩な電波形式を体験できる。

SSBの場合はUSBを使用をするので、無線機の表示で「50.100〜50.997」がSSBで使用できる範囲。
FMの場合は、無線機の表示で「51.00〜51.98」が使用できる範囲。メインチャンネルは51.00MHz。

50.100〜50.150MHzは海外向けに空けておくことが多い。
SSBの国内交信は50.150〜50.300MHzで盛んに行われている。

波長は6mで、1/2波長ダイポールアンテナで全長3m。
ヤギアンテナを使用する局も多い。
SSBでは水平偏波、FMでは垂直偏波が良く使われる。
SSBではお手軽なのが2エレHB9CV。FMではGP。
マニアの人は6エレ以上のアンテナを使用。12エレなんて市販のアンテナもある。

50MHzの醍醐味は多彩な伝播を体験できることでしょう。
VHF的伝播として、グランドウェーブ、山岳回折、ダクトが使用でき、
HF的伝播として、電離層反射、スキャッター(電離層散乱)が使用できる。
伝播状況の変化が激しいため、スリリング。

グランドウェーブ以外の異常伝播で最もポピュラーなのがEスポ。
4月〜8月がシーズンで、北海道、東北、九州、沖縄が強力に聞こえてくる。
近場は中々オープンしない。

国内交信としてはSSB/FMどちらも使われるが、SSBの方が局は多い。
SSBでは毎週のように移動運用をする局が聞こえてくる。
ロケーションの良い山の上からの電波は、思わぬところでも聞こえることがある。

海外との交信はできないことはないが、かなりマニアックな世界。
10Wでも、韓国やオーストラリアとは交信できるが、他は難しい。
太陽活動の最少期には近隣諸国を除いてほとんど海外との交信ができない。

昔は安値でSSBトランシーバーが売られていたこともあり、かつては入門バンドだった。
今は、学生は少ないが、学生時代にこのバンドから始めた人が根強く運用している。
(これを書いているJG2TSL片桐もその一人)

近年は下落傾向にあるものの運用技術に長けた人が多く、国内交信においても効率的でスマートな交信がなされている。

144MHz帯

TV放送の3chと4chの中間に位置する周波数で、VHF(超短波)のど真ん中という感じ。
第4級アマチュア無線技士では、出力は20Wまで、電波形式はSSBとFMを使用できる。

SSBの場合はUSBを使用をするので、無線機の表示で「144.100〜144.497」がSSBで使用できる範囲。
FMの場合は、無線機の表示で「144.70〜145.78」が使用できる範囲。メインチャンネルは145.00MHz。
バンドプランを無視した違法局も多い。このページを見ている皆さんは必ずパンドプランを守ること。

波長は2mで、GPかヤギアンテナを使用する局が多い。
SSB/FMどちらも垂直偏波が良く使われる。とりあえず、ということであればGPでも十分楽しめる。

FMでのローカルラグチュー、SSBの国内交信が主な使われ方。
FMにはたくさんのモービル局がいる。最近は違法局が多いのが残念。
電離層伝播はごくまれにEスポを利用できるが、1年に数回程度といったところ。
ほとんどがグランドウェーブ、山岳回折、ダクトによる交信。
グランドウェーブは最も飛ぶ周波数だと思う。SSBは5KHzステップで運用する局が多い。

海外との交信はほとんど不可能。アマチュア衛星を利用すれば海外交信も可能。

移動運用をする局もいる。
ロケーションの良い山の上からの電波は、思わぬところでも聞こえることがある。

今でも入門用に人気のある周波数。

UHF (極超短波帯)

430MHz帯

ここからはUHF(極超短波)になる。周波数が高くなればなるほど、電波の直進性が強くなる。
第4級アマチュア無線技士では、出力は20Wまで、電波形式はSSBとFMを使用できる。

SSBの場合はUSBを使用をするので、無線機の表示で「430.100〜430.797」がSSBで使用できる範囲。
FMの場合は、無線機の表示で「431.42〜431.88」「432.12〜433.98」「438.02〜438.98」が使用できる範囲。
メインチャンネルは430.00MHz。
バンドプランを無視した違法局も多い。このページを見ている皆さんは必ずパンドプランを守ること。
レピーター(中継局)もある。

波長は70cmで、GPかヤギアンテナを使用する局が多い。
SSB/FMどちらも垂直偏波が良く使われる。とりあえず、ということであればGPでも十分楽しめる。
ヤギアンテナも小型になるので、使用している人は多い。

FMでのローカルラグチュー、SSBの国内交信が主な使われ方。
FMにはたくさんのモービル局がいる。最近は違法局が多いのが残念。
電離層伝播は全く利用できない。ほとんどがグランドウェーブ、山岳回折、ダクトによる交信。
SSBは5KHzステップで運用する局が多い。
見通し範囲内が主な交信可能範囲で、
静岡市からだと、箱根の手前、牧の原台地の手前までがその範囲になるでしょう。
(屋外に標準的なGPをつけた場合)
山岳回折を利用すると、関東圏とも交信できる。

海外との交信は不可能。アマチュア衛星を利用すれば海外交信も可能。

移動運用をする局もいる。
ロケーションの良い山の上からの電波は、思わぬところでも聞こえることがある。

今、入門用としてもっとも人気のある周波数。

1200MHz帯

UHF(極超短波)になる。電波の直進性が強い。
第4級アマチュア無線技士では、出力は10Wまで、電波形式はSSBとFMを使用できる。
(常置場所以外の移動運用では1Wに出力が制限されている。)

SSBの場合はUSBを使用をするので、無線機の表示で「1294.000〜1294.497」がSSBで使用できる範囲。
FMの場合は、無線機の表示で「1294.62〜1295.78」が使用できる範囲。
メインチャンネルは1295.00MHz。
違法局はほとんどいない。レピーター(中継局)もある。

波長は23cmで、GPかヤギアンテナを使用する局が多い。
垂直偏波が良く使われる。とりあえず、ということであればGPでも十分楽しめる。
ヤギアンテナも小型になるので、使用している人は多い。

最近は静岡近辺では局が少ないため、相手を探すのに苦労するかも。
逆に言うと、ガラガラに空いているので、友達とヒソヒソ話をするのには向いているかも。

海外との交信はほとんど不可能。アマチュア衛星を利用すれば海外交信も可能。

ロケーションの良い山の上からの電波は、思わぬところでも聞こえることがある。

最近は市販品も少なく寂れた感もあるが、
技術を持った先輩ハム達が2400MHz以上のマイクロウェーブとセットで楽しむ人が多い。

完全見通しになると俄然強く聞こえるが、少しでも間に山やビルが入ると、全く聞こえなくなる。

周波数毎のまとめ
周波数帯 出力
上限
電波
形式
周波数(MHz) 偏波 伝播範囲 使われ方
見通し
距離内
国内
近距離
国内
中距離
国内
遠距離
近隣
諸国
海外
遠距離
ラグチュー 近距離
仲間内
アワード
QSL
コンテスト DX モービル 移動
運用
HF 1.9MHz - - -
3.5MHz 10W LSB 3.528〜3.575 水平 ★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★ ★★ ★★
7MHz 10W LSB 7.033〜7.100 水平 ★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★
10MHz - - -
14MHz - - -
18MHz - - -
21MHz 10W USB 21.150〜21.447 水平 ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★
24MHz 10W USB 24.930〜24.987 水平 ★★★ ★★★ ★★ ★★ ★★ ★★
28MHz 10W USB 28.200〜28.997 水平 ★★★ ★★★ ★★ ★★ ★★
FM 29.00〜29.30
(メインch 29.30)
垂直 ★★★ ★★★ ★★ ★★
VHF 50MHz 20W USB 50.100〜50.997 水平 ★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
FM 51.00〜51.98
(メインch 51.00)
垂直 ★★★ ★★★ ★★ ★★
144MHz 20W USB 144.100〜144.497 垂直 ★★★ ★★ ★★★ ★★★
FM 144.70〜145.78
(メインch 145.00)
垂直 ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
UHF 430MHz 20W USB 430.100〜430.797 垂直 ★★★ ★★
FM 431.42〜431.88
432.12〜433.98
438.02〜438.98
(メインch 433.00)
垂直 ★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★★
1200MHz 10W USB 1294.000〜1294.497 垂直 ★★★
FM 1294.62〜1295.78
(メインch 1295.00)
垂直 ★★★ ★★★ ★★

いろんな周波数を体験することで、アマチュア無線をより楽しめるようになりますよ。


(JG2TSL)