「千影、誕生日おめでとう」
そう言って、プレゼントを差し出す兄くん。フフフ、相変わらず律儀だね。誕生日プレゼントなんて、気にする必要無いのに。私が本当に欲しいもの、兄くんの全てを、いずれ手に入れるのだから。
そう、兄くんと私は、結ばれる運命なんだよ。何の因果か、兄妹という関係にあるけど、それは気にするほどのことでは無い。私たちは結ばれるために、何百年という時を待ったんだから。今更何を気にすることがあるだろう。兄妹という血の繋がりも、……他の妹たちも、関係のない。
最近では、兄くんと他の妹が仲良くしているのを見るだけで、何ともいえない気分になる。それはとても微笑ましくて、そして……許せない、兄くんの笑顔が私以外の人に向けられるのが、我慢できないん。それが例え、妹であってもだよ。兄くんの笑顔も何もかも、私だけのものなんだから。
兄くんを私だけのものにしたら、妹たちはとても悲しむだろうね。私の大切な妹たちの悲しみを想像するだけで、胸を掻き毟りたくなるくらい辛くて、目眩で倒れそうになるほど……、心地良いんだ。愛する妹たちを悲しませてまで、兄くんを私だけのものにする、これ以上素晴らしいことがあるだろうか。それがどれほどの快感か、私にも想像がつかないよ。フフフ、フフフフ……。
兄くんは何て言うかな。妹たちの嘆きに苦しむか、あるいは私を責めたてるのか。そうだね、兄くんのことだからきっと、「またみんなで仲良く暮らそう」なんて言うだろうね。でもそれは、見当外れ。これは既に決まっている運命、手遅れなんだよ。運命は止められないし、……私もあがらう気はない。むしろ、進んで運命に身を任せるだろう。
でもね、兄くん。安心して良いよ。それは、もう少し先の話だからね。今のうちに、覚悟を決めておくことだ。何とかしようと思っても、無駄だよ。何度も言うように、既に決まっていることなんだから。せいぜい妹たちとの残された時間を、有効に使うと良い。
それは私も同じ……。焦ることは何も無い。今しばらくは、兄くんと共に、妹たちとの微笑ましい時間を……。