新潟県長岡市在住の
もろはしせいこうさんの新作紙芝居の紹介


芥川龍之介 原作/すずき出版 /\3800/2007年7月初版/

原作は芥川龍之介の「蜘蛛の糸」。、天上の極楽にいるお釈迦様は、地獄に落ちた悪人カンダタが、かつて蜘蛛を助けた唯一の善行により一本の蜘蛛の糸を垂れて救ってやろうとする。カンダタは蜘蛛の糸を上っていくが・・・。
人間のエゴイズムをテーマにした芥川龍之介の名作を、紙芝居で、わかりやすく絵解きして描いています。
文章は原文になるべく忠実におっとり丁寧に上品に進みますが、絵はお釈迦様と極楽の清らかさを描いてから一転して悪人・地獄のおどろおどろしさ、憎々しさ、はげしさ、をぶつけてきて、びっくりさせられます。

(諸橋紙芝居から感じること)
怖いです。カンダタの形相が怖いです。地獄も地獄の亡者も怖いです。『あらしのうみのゆうれい』もこわかったですが、こちらはもっと激しくおどろおどろしいです。小学生以上にお勧めします。
けれど、よみおわると、起承転結の起と結で登場する、お釈迦様と極楽の暖かさと美しさがちゃんと心に残ります。でも私には、容姿のみにくい心の狭いカンダタに自分が近いのをつきつけられ、情はこちらに寄りました。











新美南吉 作/すずき出版/¥3800/2005年1月初版

新美南吉の名作童話を
もろはしせいこうさんが紙芝居化しました。
これまでにも、絵本や紙芝居でたくさん描かれている作品です。

諸橋紙芝居では 南吉の故郷、愛知県知多半島に取材を重ね、越後の風土とはまったく違う、あたたかな光と空気を、伝えようとして、まったく伝えてくれています。

諸橋紙芝居から 感じること
(イメージ断片)こぎつねのゴンはいたずらっ子 でもひとりぼっち 親思いのたくましい兵十もひとりぼっちになった 兵十もさびしそう ゴンはいつも兵十の遠く近くにちょこんといる(これは作者が意図的に描いています) すまないことをして罪滅ぼしをしたいというだけではない何かが感じられる。 兵十はゴンにとっての父親像か? 兵十は とてもたのもしそうにたくましそうに描かれている。
いいことをしていたのに悪い子だと勘違いされたまま撃たれ死にする悲しい話なんですが、この紙芝居からは 「父」に自分を認めてもらいたかった息子像、愛してほしいのに愛してもらえなかった すねた子ども像がみえてきます。でも 結末は 悲しいながらも やっと分ってもらえた、やっと認めてもらった幸せ感が満足感が漂っています。と、勝手に感じています。(2005.1)

私はこの場面が好き。




 斎藤隆介 作/すずき出版/¥3800/2001年7月初版

 おくびょう豆太は峠の小屋でじさまと二人暮し。 夜ひとりでは外にあるせっちん(トイレ)にいけません。
 でも、じさまがはらいたを起こしたときはくらい夜道を ひた走って 医者を迎えに行きました。
そして、 モチモチの木に灯がともるという山の神さまのおまつりを 見ることができました、それは勇気のあるたったひとりの こどもしか見ることのできないものなのです・・・・

  千手観音のこども夏祭りで、演じられる超大型(畳2枚分の)紙芝居が、もとになっているので、ダンボール紙に、ワイルドなタッチの筆使いで 描かれていて迫力ある絵です。
その荒々しさから 豆太の不安やおそれは 十分伝わってきますが、静謐で安心感があります。
諸橋ブルー と諸橋レッド(オレンジ系の)も利いていますが、白(雪)の暖かさもすばらしい。トミオカホワイトならぬモロハシホワイトです。

(諸橋紙芝居から感じること)
 有名なTさんの絵本の絵は秋田の凍るような雪の冷たさと豆太の緊張感をあらわしているのに対して、諸橋かみしばいの絵は 越後の真綿のようなあたたかみのある雪と じいちゃんによせる孫の信頼しきった安堵感と慈愛をあらわしているように思えます。

 ゆうれいやおばけの話がお得意だった諸橋かみしばいに ほのぼのとした心あたたまる児童文学が追加になり、おばけがこわーいと泣いていた小さな子どもたちにも好評です(2001.7)

このたび再来年からの「学校図書」3年教科書の挿絵として採用が決定しました。紙芝居の絵が教科書に登場するのは初めてではないかと、作者も、(このきっかけとなった地元の千手小学校のみなさんも) たいへん喜んでいます。(2003.3) →学校図書の教科書3年上の挿絵








<諸橋 かみしばい一覧> <諸橋 えほん一覧>
やまぶし石ものがたり はしれ!チビ電          (童心社)  
あらしのうみのゆうれい ナムチンカラトラヤーヤー  ーねことおしょうさんー 
松谷みよ子文            (小学館)
茂吉のねこ おしどり寺ものがたり(正覚院) 
あき寺のばけもの 野口英世(2005年)
鬼のつば 般若心経絵本    (小学館 2005.10発行) 
なめとこ山のくま  (以上 童心社 発行)   ジャータカ絵本(大宝輪閣 2007.1発行)
モチモチの木    (鈴木出版 2001.7発行)       
ごんぎつね     (鈴木出版  2005.1発行)               
くもの糸      (すずき出版 2007.7発行)
       ほかに仏教説話集 多数。

リンク:  仏教童話は『千手観音』公式ホームページで見ることができます。

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