海外で日本の常識は通用しないのが常識、納得できなくてもそれが現実の
米国郵便事情
ある日、ネットサーフィンしていてなんとなくVectrx(ゲーム機)で検索していたら煩悩倶楽部のベクトレックスのページというのに引っかかり、これがまた非常に細かく説明がなされていて私のいい加減なベクトレックスのページとは大違いだなと感心しながら読んでいたんです。
そしたらコラムのところに”ダンボールにベクトレックス入れて粉砕”の話が出ていたんですね。
思い出しました・・・・これ実は私のことです。 随分前にそんなこと投稿したのを忘れていました。(笑) それをきっかけに今回、海外ネット通販をやろうとしている人に是非知って欲しいアメリカの郵便事情をと思い、私の独り言的このページを作成した次第。
まず最初に言いたいのは”アメリカは先進国にしては郵便物が無事に到着する率がやたら低い”ということ。 郵便物が消える、破損するなど日本人には想像できないがアメリカでは日常茶飯事。
その中でよくあるトラブルは
A.郵便物が局内で紛失
B.配達後に盗難
C.郵便局員の扱いが雑なために郵便局内で破損
D.発送者の梱包が雑な為に配送中に破損
Aの郵便物が局内で紛失というのは郵便局員でない私にはどうしてそうなるのかは判らないが考えられるのは
1.郵便局員による窃盗
2.局員の乱雑な扱いにより郵便物が破損、その為に内緒で丸ごと廃棄
3.誤配
1と2は証拠がないので私の憶測ということにしておくが、3の誤配は実際に私もよく受け取っています。 ということは逆に私の郵便物も同じくらい他人の郵便箱に入れられてる可能性があるということになる。 日本に居たら誤配なんて葉書程度でせいぜい年に1度あるかないかです。
誤配も問題だがもう一つの問題は、その間違って配達された物を受け取った人の中でそれを返しにいく奇特な人間が少ないということ。 開けて価値あればそのまま貰われちゃうし、価値なければ捨てられます。 よって本来の受け取り人へのところへは届かない・・・という悲しい結末。
あと時々不思議に思うのは住所が似ていたから誤配というなら判るが、住所がどこも似ていないのに間違った家に投げ込まれることもあるということ。 いくらなんでも仕事がテキトウすぎ。
Bの郵便物が配達後に盗難というのはアメリカ独特の郵便受けの構造にある。 このかまぼこ型の郵便受けは鍵がついていない。 日本の郵便受けと違いスリットの無い箱型なため、鍵を付けてしまうと配達局員が配達物を入れることができなくなるので施錠ができない。 つまりいつでも誰でも郵便物を取り出すことができる状態にある。 しかもこれがまた配達員が車に乗ったまま入れやすいように必ず道路っぱたに立っているので盗ろうと思えば誰でも自由である。
そして、この大きさに入らないサイズの箱などは(というか大抵の箱はこんな小さな筒に収まらない)郵便受けの上に置かれてしまうか或いは玄関先に投げたままにされてしまう。(受領確認が必要なものを除く)
かくして、往来に放置された郵便物は怪しい人に持っていかれてしまうことになってしまうのです。
Cの配達員の扱いが雑な為に破損という実例がこれ、でもこれならまだだいぶマシな方、下手をすると完全にぺっちゃんこで平たくなっている時も結構ある。
今回たまたま中身は車のアルミホイールだったために中身の破損はなかったが、これで細かいものが入っていたら間違いなくこぼれ出ていたろう。
とにかく扱いが雑!。 ダンボールなどは相当の緩衝材を詰めないと大小関係なく投げられるので角はへこみ、穴は開き、柔かい箱は丸ごと押し潰されとにかく無残。 アメリカから通販したことがある人は知っていると思うが、送られてくる箱は過剰なくらい緩衝材が入っている。 つまりそのくらいしないとアメリカでは形あるまま届かないのである。 FRAGILE(割れ物注意)という警告シールもあるが全く機能しないと言っていい。
それから、葉書や封書なら薄いから大丈夫だろうとタカをくくってはいけない。 よくあるのが、封筒にデカデカと靴の足跡、台車のキャスターが上を通ったと思われる跡、何故か封が切られてまたテープで留めてある封筒、或いは切られたままの封筒、稀に届く口が開いていて中身が無い封筒 ect・・・・
日本の郵便料金は高いという人もいるが私は他の国と比べても安い方だと思う。 なぜなら、いくら安くてもちゃんと届かないのでは意味がないから。
そしてこれが私が言いたかった今回の本題、発送者の梱包が雑な為に起こる破損。 いくらアメリカに雑な人間が多いとはいえ、さすがに殆どの人は郵便の扱いが酷いことは知っているので(というか、私は日本の郵便の良さを知っているからそう思うのであって、アメリカ人はこの状況に慣れてしまって酷いとは思っていないのかもしれない)大抵の人はわりと厳重に梱包するのだが・・・・・ やっぱり雑な人間が多い国なせいか常識では考えられないような送り方をする人が時々いる。
←それ再現したのがこれ。
どう思いますこの梱包? 中に入っているのはベクトレックス本体なのだが、それにあつらえたようにピッタリのダンボール箱、しかも一切の緩衝材なしの状態。 この箱は実際に2004年にebayにて購入したベクトレックスが入ってきた箱。 むしろよくこの筐体にこれほどぴったり入る箱があったもんだなと感心すらする。
テレビモニターのような重い壊れ物を送るのであれば少なくともこのくらいの大きさの箱に目一杯の緩衝材を詰め込んでおくのが常識であると思うのだが、アメリカ人には常識というものが通用しないので、米国で郵便を使う以上は破損と盗難というトラブルはどこまでいっても付いて回ることになる。
ちなみにアメリカ郵便は大きく3つに分けてファーストクラスメールとプライオリティメールとエクスプレスとがある。 ファーストクラスというと聞こえは良いが実はこれが最低ランクの配達方法で値段も一番安く、紛失や破損の確率もダントツ。 以前にebayで商品競り落としたアメリカ人から送り方法について”アイテムが無くなると困るので絶対にファーストクラスでは送らないでほしい、私は現役の郵便局員です”というメッセージを受け取ったほど。
つまりこれはそういうレベルのサービスなのである。
アメリカの郵便局の各種サービスの中のいくつかを紹介。
郵送証明:Certificate of mailing 郵便を送ったという事実のみを証明。何の情報も郵便局には記録されない。ほぼ、ただのレシート。別名紙屑。
配達証明:Certified mail 郵便を送ったという証明。送ったという事実のみが郵便局に記録される。 会社等が出す郵便物にはよく使われる。
配達確認証明:Delivery confirmation いつ郵便局が荷を受けとり、いつ配達されたかがWebで確認できる。 ebay等、見知らぬ他人に小包を送るときには使った方がベター。
保険郵便:Insured mail 郵便物が国内を移動中に破損紛失したという証明がある場合にのみ対応する。 バリューによって価格が違うのだが、1万円を保証するのにだいたい350円くらい払う、結構高い。 なお保障の上限は$5000までである。
書留郵便:Registered mail 郵便局が行えるサービスの中で最大のもの。 上記全てを含んでいてなおかつ受け取り人を指定でき、保険の補償額は$25000まである。 しかし結構高いので滅多なものでは使われない。
(注 上記記載内容、金額は2007年でのことです)
ちなみにUPS, FEDEX等の宅急便だと一番下のランクの配達でも郵便書留程度のサービスは最初から付いてくる。(ただし保険は$100〜額別)
なお、海外のほとんどの国の郵便制度に現金書留は存在しない。 封筒の外から”これには現金が入っている”と判ったらすぐなくなってしまうからである。 それを思うと日本はなんで平和な国なんだといつも感心する。
しかしここで勘違いをしてはいけないのは、保険を掛けたかから、或いは配達証明を付けたからといって郵便が無くなる可能性が低くなる訳では決してない。 これらはあくまでも”郵便物が無くなった時に発生するトラブル回避”が前提で付けられるものであって、こんな紙切れ付けたところで無くなる時はなくなるし、壊れるときは壊れて届く・・・その程度のものなのである。
ちなみに国際郵便で保険を掛けたものが破損した場合、保険が降りることは稀らしい。 その理由は”当該破損がアメリカ国内にある間に起こったことが証明できる場合にのみ対応する”であるからだそう。(郵便局員談) 保障されるのはあくまでも米国内でのトラブルについてだけであって、国外でのトラブルについては全く保障されない。 紛失の場合は国外へ出たか出ていないかがトラッキングナンバーによりはっきりするのだが、破損となると、これが米国内で起こったのか国外に出てから破損したのかを証明する方法はほとんどない。・・・しかしこういうのは99%米国内で破損しているものと思うのだが・・・何故なら日本に住んでいたときには小包が破損して届いたなんてことは1度も無いですから。
話はベクトレックスに戻るが、結局届いたベクトレックスのモニターは木っ端微塵、筐体も内部のプラスチックがいくつも割れていて修復不可の状態。
保険は掛けていなかったが、もし掛けていても緩衝材なしでディスプレイを送ったと判れば支払いは拒否されたと思う。 完全に送り主のミスであるが、この程度の常識も通用しない人間に苦情を言ってお金が返った試しは1度もない。 こういう所がネットオークションの怖さである。
その後ベクトレックスは分解され、割れた筐体とディスプレイは処分し今は基板だけみみっちく残っているという状態。 偏向ヨークもCRTに挿さってないと情けない姿である。 しかしベクトレックスはゲーム機としては元々壊れ易いマシンなので、手元の無事なマシンのパーツ取りと思えば無駄ではなかったかもしれない・・・とポジティブに思い込むことにする。 まぁ今は入手し難いパーツが多いマシンだしねぇ。
結論としては高い勉強代を払ったということなったが、海外ネットオークションはこの程度のトラブルに当たることはそう珍しくなく、もし”俺はそんなこと一度もないよ”という人が居たらその人は非常な幸運の持ち主だと喜ぶべし。
なお、ネットオークションの商品紹介の文面は100%は信用しないこと、写真を見て自分で状況判断すべし。アメリカ人は都合の良いことは誇大に宣伝し、都合の悪いことは聞かれるまで自らは言わないのが普通。 しかし、悪意がない限り嘘まで言うことは滅多にないから、事前質問は用心して考えうる全てを問うべし。 それでもし返事が来ないようであれば取引はしないのが吉である。 評価(Feedback)も参考程度であって完全に信用してはいけない。 ネガティブフィードバックがないというのは”今までにトラブルは発生してない”という意味ではなく、仕返しでネガティブフィードバックを入れられるのを恐れた相手が評価を入れないまま取引終了にしている場合(つまり泣き寝入り)があり、実際にもそういうことは非常に多い。
欄外 アメリカの郵便トリビア
- 郵便物の長距離移送業務は国がやっているのではなく、実はUPSという民間の宅急便屋が行っている。 実際、UPSがストライキをやると国内の郵便業務は停止同然になる。
- 米国車は通常左ハンドルだが郵便配達車は右側にハンドルが付いている。 運転席から乗ったまま家のポストへ配達する為である。 そのため窓は電車窓の様に馬鹿でかい、しかし殆どの配達人は走行中でも窓どころかドアまで開けっ放しである。(配達車のドアはスライド式なので開けたまま走れる) ちなみに郵便車の左側に助手席は無く、代わりにアルミ製のテーブルが据え付けられている完全一人乗り車。
- 個人の郵便箱は個人で買うものなのだが、一度設置するとそれは政府のものとなる。 その為、自分の郵便箱であろうと中に郵便物以外のものを入れるのは違法である。 ちなみに個人のポストは受け取る為だけに有るのではなく、出したい郵便物を入れておけば配達に来た郵便局員が同時に持って行ってもくれる。 しかし、前記の通り郵便は常に盗まれる危険があるので、ここへ投函したい物を入れておく人はあまりいない。
- アメリカ人はパスポート申請を郵便局で行い、また受け取りも郵便局である。日本のようにパスポート専用のオフィスというのはない。ほとんど国外に出ない国民性だからパスポートはあまり必要ないのにそういう所は無駄に便利。
- アメリカの大手通販会社は商品配達手段に必ずUPSやFedexという民間の宅急便を使うが、郵便局を使う会社はほとんどない。 それが何故かは今更説明するまでもない。
注1 上記内容は今までに私個人が見た事実、思ったことを記したまでであり、事象が全てに対して当てはまるわけでは有りません。
注2 郵便トラブルに関する個人的質問等は受付けません、苦情、質問等は郵便局へ行ってください。