違憲訴訟裁判の会 6月18日 総会開催!

総会後、記念講演があります!

イラク自衛隊派兵違憲裁判の会
ニューズレター静岡NO.8


6月18日総会開催!
 昨年5月26日、217名の原告団と47名の弁護団で静岡地裁に提訴してから1年がたちました。この
間未だ国は認否を行っていません。また、前号で報告しましたように裁判所は突然審議打ち切りを示唆
してきました。
 このような現状を打開し、展望を切り開くため、総会を開催する事にしました。

■総会及び記念講演

【日 時】6月18日PM6:00〜
【場 所】第静岡労政会館展示室 (静岡駅北口国1道沿い西へ徒歩5分)
【次 第】総会 PM6:00〜7:00

     記念講演 PM7:00〜8:30
     演題 イラク戦争の今…
         戦火の中の人々 そして、自衛隊のしていること
     講 師 豊田 直巳さん

プロフィール
フォト・ジャーナリスト
1956年、静岡県生まれ
1983年よりバレスチナ問題の取材を始める.
1992年より中東の他、アジアや旧ユーゴスラピア、アフリカなどの紛争地を巡り、
そこに暮らす人々の日常を取材。
主に新開、雑誌、テレビにて作品を発表。
日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員
近著に『難民の世紀〜悪流する民』(出版文化社、2002年9月)、
『写真集・イラクの子供たち』(第三書館、2002年12月)

■事務局活動報告
 
@本年3月以来、原告団10名(桜井、中川、五井、大橋、増田、山河、大石、塚本、山村、森)が、「新聞記事」「イラ
  ク戦争発動の根拠がなくなったこと」「大量破壊兵器問題」「フアルージャ虐殺」「サマーワ自衛隊の実態」「劣化ウ
  ラン弾使用」などについて、書籍、新聞、パンフレットの証拠を収集・点検作業を進めてきた。
  結果全10項目合計108点の「文書の証拠=書証」を弁護団へ提出(4月27日)
 
Aこの間、書いていただいた原告の「陳述書」を各三部コピー(裁判所用、被告・国用、弁護団用)し、217名分を久
  保田弁護士に提出。218名中、残念ながら1名が提出を拒否。(5月9日)
 B静岡地裁の「審理打ち切り策動」に対する、弁護団五人による裁判所への抗議・申し入れ行動(5月11日)…詳細
  は本文「中川報告」
 C「証人」として、次ぎの5氏に依頼中。(4月3日)
  ・イラク自衛隊派兵は憲法違反であることについて…山内敏弘(龍谷大学教授)
  ・イラクの実状と自衛隊の活動について…豊田直巳(写真ジャーナリスト)
  ・イラクで拘束された経験から…渡辺修孝(自衛官ネットワーク)
  ・イラク自衛隊派遣は自衛隊法にも違反する…小池清彦加茂市長
  ・イラク戦争は国際法に違反する…阿部直巳(神奈川大学教授)
   現在までに、山内敏弘・豊田直巳・渡辺修孝さんから快諾の返事。
 D「総会」は、6月18日(土)午後6時半から、労政会館。講師は「豊田直巳」さん。

■裁判長との進行協議の報告を聞いて
 5月11日に行われた裁判長との「進行協議」について、河村弁護士の報告では、裁判長は、「9人の陳述はいずれ
も訴状に書かれた被害には当らないので、法理論によって進める事でよいのではないかという考えで、3/4の発言
をした」ということでした。
 出席した弁護士は5人でした。裁判長は7/1で打ち切るとは言っていない」と言うことでした。しかし、今までのよう
な陳述を繰り返すようであれば……打ち切られる恐れがある。それで、主張立証計画をきっちりと出すようにしてほし
いとのことでした。
 具体的な被害・損害が立証されなければ裁判にならないということです。
 イラク・サマワで何かが起こるのではないかと、毎朝新聞をみるのが怖くてならない、そのために朝起きるのが辛く
なった。一日中憂鬱でならないなどではダメなようです。
 というのは、不法行為によって起きた苦痛ならとにかく、仮にもイラク派遣は特措法に基づいた派遣であるから不法
とはいえない。だからそうした「憂鬱」はイラク派遣による被害損害とはいえない。それを認めていたら、ある法律に反
対していた人たちは、その法が施行された時点で「不満」が表面化し、「損害・被害」を受けたことになる。しかし、一般
的にそれを認めることはありえない。 
 そうした精神的な苦痛が認められないとすれば、平和的生存権、人格権、内面の自由など一切認められなくなるの
ではないかと思いました。予防的生存権などもあってよいのではないかと思っています。この権利をこそ強く主張して
論陣を張ってもらいたい、応援弁護をしてもらいたいと思いました。また、私たちはこの「進行協議」を、「弁護団5人に
よる裁判所への抗議・申し入れ行動」と受け取っていたのですが、国の主張と同じ主張で、原告にもっと具体的な損
害を出せと求めているように思われました。私たち一般市民にとって、国賠訴訟を立証するのは本当に難しいことだ
と一層強く思いました。それをはねのける強靭さを持たなければと思った次第です。
                                                           中川 弘
■司法による「裁判を受ける権利」の侵害に抗議します!
                 
 「イラク自衛隊派兵違憲裁判の会」静岡
 「イラク自衛隊派兵違憲裁判」は現在、札幌、東京、大阪、静岡、仙台、山梨、名古屋
栃木、熊本、岡山、京
都の11箇所の地方裁判所に提訴され、公判が始まっています。
 全国の訴訟は、「自衛隊のイラク派兵は、明らかな憲法違反であり、国民の平和的生存権の侵害にあたる」という
趣旨で、共通しています。
 静岡ではご存じのように3月4日第三回口頭弁論の最、裁判長が突然「今回の法廷を持って終了する」と言いだした
のです。
 事実認否を行うどころか、証拠さえ調べずにいきなり法廷で結審を宣言するなどと、こんな裁判は聞いたこともあり
ません。これは、憲法第32条に明記されている「裁判を受ける権利」を侵害するものであり、私たちは司法による明
らかなる憲法違反に強く抗議し、多くの方に抗議葉書を裁判所に出していただきました。
同様の言われざることが名古屋でも起こっています。
 「違憲裁判の会・名古屋」でも、4月22日に開かれた第5回口頭弁論の際、裁判長は、裁判長及び右陪席が転勤に
よって交代したにも関わらず、当然行われるべき「弁論の更新」を全く行わず、原告たちの抗議を無視した強権的な
訴訟指揮を執りました。
 民事訴訟法249条1項には、「判決は、その基本となる口頭弁論に関与した裁判官がする」として、直接主義(当事
者の弁論の聴取や証拠調べを、判決する裁判官自身が行うこと。)が定められています。
 名古屋のように、担当していた裁判官が交代した場合には「更新弁論」を行い、新しく担当になった裁判官に今まで
の弁論の内容を丁寧に理解してもらう必要があります。その結果、裁判官が陳述の趣旨、審議を正確に理解し、裁
判に直結させることが可能になる、いわば「裁判を受ける権利」を具体化するため大変重要な手続きなのです。
 名古屋の原告たちも、名古屋地裁が「民事訴訟の直接主義に反し、」「裁判を受ける権利を正面から否定している」
と、裁判所に対し、抗議の葉書を送っています。
 静岡の原告団は名古屋の原告団と共闘し、抗議の葉書を送りたいと考えています。こちらの抗議葉書にも皆様の
ご協力をお願いいたします。
■静岡地裁「3・4審理打ち切り=結審」宣告に対する、反撃の「準備書面」を提出!
 前号『池田報告』にもあるように、さる3月4日第三回法廷で、宮岡章・静岡地裁裁判長は、「この問題は法律問題
だけであり、これ以上原告らの陳述を聞く必要はない。これで審理を打ら切る」と突然言い渡してきた。これに対して
弁護団は「まだ何も事実審理が行われていない。不当である」旨の反論をし、かろうじて、次回第四回法廷を7月1日
に持つことになった。以下は、6月1日に出されたこの不当な「訴訟指揮」に対する弁護団の反論の「準備書面」であ
る。要約して、紹介する。(要約文責・事務局森正孝)

ーはじめにー
 静岡地裁は、3月4日、証拠調べなどの実質審理を行うことなく、7月1日の法廷で、この訴訟の結審(終結)をする
予定である旨の意向を示した。しかし、これは以下の2点で承服することはできない。

1.第一は、静岡地裁は、この訴訟を単なる法律解釈の問題と割り切っている点である。
  しかし、原告たちはイラク自衛隊派兵によってさまざまな個別的具体的な被害・損害を受けており、単に憲法・法
律違反であると主張しているだけではない。その点があるからこそ国に対して『損害賠償=国賠法の責任』を求め
ているのであって、今後さらに個々人の被害及びそれを立証する計画を立てる予定である。

2.第二は、静岡地裁の、突如訴訟打ち切りの「抜き打ち的仕打ち」についてである。
 静岡地裁は、3月4日第三回法廷で、何らの予告なく突如審理打ち切りを宣言した。従前から、審理を進めるに
あたっては、原告の主張に不十分な点があれば、しかるべき釈明をしたり、進行協議(弁護団と裁判所の訴訟を
すすめるに当たっての事前の事務的打合せ)の場で論議があって当然であるが、それがまったくなされないまま、
突如として宣告した。これは、実質上、裁判の拒否に等しい。
 全国で行われている同種の訴訟においても、このような訴訟指揮は他に例を見ないものである。公平で十分な審
理が、まず、なされなければならない。

  以下、それぞれについて主張する.
1.この訴訟は、原告の具体的利益の侵害を理由とする「国家賠償法」上の請求である。
(1)国家に賠償を請求できる場合は、次ぎの3点である。
  @公務員の不法行為があった場合
  A国民の利益が侵害(被侵害利益)された場合
  B両者の間の因果関係が成立する場合
   公務員たる小泉首相によるイラク自衛隊派兵は、これらが成立する要件を満たしている。

(2)この訴訟で問題とされているのは、原告自身が心に痛みを覚える他者の命の侵害もしくは侵害の危険であり、
  これらによって原告たちが著しい精神的打撃を受け、原告たちの人格的利益を侵害されたという事態を、法の
  立場から救済すべきかどうかという点にある。

(3)自衛隊のイラク派兵が行われてから、すでに6名の日本人がイラクで殺害され、そして、ついには、ピンラデイン
  らは、2003年10月アルジャジーラTVで「イラク占領に関与しているすべての国に報復する権利がある。それは、
  英・スペイン・オーストラリア・ポーランド・日本・イタリア」とし、初めて対日テロ宣言をした。この事態は、60年にお
  よぶ日本国憲法下ではなかったことである。

 このような事態の中、内閣は「国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部」を設置、「テロの未然防止に関する行動
計画」を決定した。日本が直接テロの脅威にさらされていることに対する、在外公館、海外進出企業、海外邦人、旅
行者あるいは日本の公共機関・乗り物・人が多く集まる場所への警戒を発した。つまり、日本政府の公式文書でも日
本国内でもテロの発生が懸念されると明記しているのである。
 これらは、原告たち個々人に、拭いがたい恐怖感、不安感を抱かせるとともに、他国への侵略戦争に加担し、罪な
き人々の命を日々奪っているという自責の念から来る心の痛みに苛まれるという事実が存在する。これらの恐怖感、
不安感、心の痛みは、単なる不快感・嫌悪感を超え、不法行為による被侵害利益として損害賠償の対象になりうる
ものである。

(4)静岡地裁は、原告の本人尋問はおろか、その陳述書も見ない段階で、審理打ち切りを宣告した。
  しかし、前記のとおりこの訴訟は、損害賠償をも請求しているので、個々人の被侵害の事実を主張・立証し尽くさ
  なければ、判決を下すことは不可能と考えざるをえない.したがって、今回の「審理打ち切りを宣告」は法理論上あ
  り得ないことで、直ちに撤回すべきである。

2.静岡地裁の、訴訟打ち切りの「抜き打ち的訴訟指揮」について

(1)原告らは、ほとんど審理がなされない段階で、何故早々に審理を打ち切られるのかまったく理解できない。原告
  らには裁判をうける権利が保障されており、それには、審理を進めるにつき不十分な点があれば、しかるべき説
  明があり、双方に主張・立証の機会をさせる義務があるはずである。
  それをさせない今回の静岡地裁の判断は、抜き打ち的に門前払いをさせようとするもので、とうてい公平な審理
  がなされているとは言えない。

(2)静岡地裁が、このような抜き打ち的門前払いをしようとする根本理由は、原告たちがイラク自衛隊派遣に苦情
  や不満を持っているにすぎず、裁判の土台にすらなりえないと、最初から予断を持って望んでいのではないか
  と思われる。
   しかしこの訴訟は、イラク自衛隊派兵についての政治的意見を述べたり、単に違憲判決を求めたりしているもの
  ではない.前記のように原告個々人の権利が具体的に侵害されたことを理由に、国家賠償法1条に基づく慰謝料
  も請求しているのである。

(3)全国各地(札幌・仙台・栃木・東京・山梨・名古屋・大阪・岡山・熊本)で同様の訴訟が行われているが、それら
  の審理経過をみても、しかるべき期日を設け、原告側に主張・立証の機会と時間を確保するべく最低限の配慮
  は行っている。
   他の法廷に横並びであるべきとは思わないが、他裁判所では、実体審理に入り証人尋問まで行われているの
  に、なぜ静岡だけが頭から審理を拒否されるのか理解ができない。何もしないまま判決を受けなければならない
  のか?218名の原告は、静岡地裁に対してぬぐい難い疑問を抱いている。


(4)このまま審理打ち切りをし、判決がなされれば、当然にも「審理不尽の絶対的控訴理由」になるのは免れられな
  い。何よりも裁判そのものの信頼を地に落とすことになる。
   どうか、この訴訟の実体・本質、原告らの被侵害利益の実体に思いをいたしていただき、適切な訴訟指揮をご検
  討いただくよう求める次第である.(了)