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別冊道の果て旅情編

京都奈良旅行'09秋

平成22年1月9日更新

 遅くなりましたが、12月2日の道の果てで軽く触れた、京都奈良1泊旅行の紀行文です。
 テーマは「もう一度修学旅行」。超定番のスポットに絞り、紅葉の観光名所を満喫した(つもり)です。旅人になった気分で、このページをお楽しみください。


 (1日目:11月28日(土)前編)

 自宅から東京駅までは東武線,常磐線,山手線と順当に乗り継ぎ到着した。
 新幹線の指定券は、実は前日に新橋の金券ショップで購入したもの。この週末は紅葉のピークで混雑が危惧されたが、指定席予約状況では拍子抜けするほどに空いていたので、直前まで特に慌てて買うこともなく、座席の予約も当日朝、北千住の「みどりの券売機」で行なった。指定された列車は「N700」ではなかったが、妻にとっては東海道新幹線に乗ること自体十数年ぶりなので、何もかもが新鮮な体験になる。
 東京駅でおにぎりとサンドイッチを買って、指定された8:20発<のぞみ209号>の5号車に乗り込む。
 座席指定に余裕でありつけたのは良かったが、指定された座席が故障なのか、リクライニングが固定されず背もたれに寄りかかると勝手に最大リクライニングの位置に行き、起こすと勝手に戻ったりでとても落ち着かない。検札で回ってきた車掌に申し出たら、手慣れた感じで座席の回転ペダルを踏んで向きを微調整して直してしまった。どうやら座席を回転させる際にリクライニングを元に戻す機構が働いていたらしい。知らなかった、そんなからくりがあったことは。
 心配された天候も、この週末はまずまずといった調子で、しばし車窓の紅葉を楽しむ。11月も末になると、平地の山はどこでも赤や茶に色付いて、それを見るだけでも目の保養になる。

 京都に10:41着。最初の目的地は紅葉の名所、東福寺に決め、奈良線のホームに向かった。今度発車する10:49発の快速<みやこ路快速>は、デラックスな快速形221系の4両編成だったが、紅葉シーズンだけにラッシュ並の混雑。すぐ3分後に103系の普通電車が続行するのでこれに乗ることにした。こちらは一転してがら空き。そんなに急いで何を見るかな。

 東福寺駅で降りると、先発の快速や、京阪電車から降りた観光客達が大群となって駅前の通りをふさいでいた。その大群の波に乗り、路地を東福寺へと歩む。その道のりには塗り壁の塀、庭から突き出た大きなもみじの木などが数々あり、訪れる人を楽しませる。
 約10分で東福寺境内に到着。まずは臥雲橋という橋を渡り、左側から渓谷を望む(下写真左)。谷間はまさに紅葉の海。これだけでも京都に来た甲斐があるというもの。反対側に見える建物にびっしりと人が見えるのが名所である証拠。しかし場内誘導の「立ち止まらないでください」という声にせき立てられ、追われるように橋を後にする。
 境内は国宝の三門、本堂など複数の建物が建ち並ぶ。先ほどの谷間の建物から改めて紅葉をゆっくり見ようと思うが、何と、行列が三門の前で大蛇のようにうねうねと伸び、30〜40分は待たされるという(下写真右)。このコースは拝観料400円だそうだが、400円払って30分並んで混雑の中見に行くのは苦痛と時間の浪費なので、早々に退散した。

 寺を辞して参道を歩いていると、すぐ左脇に
  水墨画で 有名な 雪舟の庭
 と、筆書きでつづられた張り紙が。
 つられるように中に入ると、小ぢんまりとした空間に広がる枯山水の庭。なかなか趣深い。しばし喧噪を忘れ、石庭の美に心酔する。
 その寺社の名は芬陀院(ふんだいん)といい、鎌倉末期に創建されたと伝えられる。建物は明治期に改築されたが、古くからあるお寺に遊びに来たような感覚で居心地よく時間が過ごせる。

 次の目的地、三十三間堂は北に上ること約20分の距離。道は左に京阪本線とほぼ並行しており、緑や青の電車達とすれ違う。しかし京都の町中は寺社が多い。50メートル間隔で寺があるといっても過言ではない。京都八百八寺という表現は本当だと確信した。
 途中で東海道線と新幹線をまたぐ歩道橋があり、何人かの人達が行き交う電車を眺めていた。運が良ければ直角に交わる京阪電車との邂逅もみられる。

 三十三間堂は平清盛によって建てられ、本堂の中には千一体の仏像が納められている。昔NHKテレビの特集などで見かけた光景がそのままに、一層の荘厳さをもって見る者に何かを語りかけてくる。
 本堂裏手の、砂利が敷かれた広い空間は、成人式の日の通し矢を始め、各種弓道大会の会場となることで知られている。

 少し歩き疲れたところへちょうどバスがやって来たので、これに飛び乗って清水寺方面へ。観光客で満員、しかも清水寺最寄りのバス停はほんの3停留所先。そしてそこからまた歩き。200円も払ってバスに乗った意味があまりないような気が。
 清水寺へ向けて坂を登る。修学旅行でもここを歩いたはずなのに、全く記憶にない。25年前の記憶のはかなさを思い知らされる。
 長い長い坂を上り詰めて清水寺に到着した。徳川三代将軍家光によって建てられた本堂、「清水の舞台」は多くの紅葉見物客でごった返していた。そして下方を眺めると、まさに紅葉の海を見ているかのよう。
 本堂から山を下り、観光客の列はその紅葉の海に入ってゆく。見渡す限りの鮮やかな赤。京の本命ここにありか。

 土産物店が立ち並ぶ清水坂もまた観光客でひしめき合う。ここの店で昼食。うどんを頼んだら、 コシの少ないふわふわした麺が出てきた。これが京都流なのだろうか。
 次に金閣寺へ向かおうと、観光案内のおじさんに道をたずねたが、目的地が少し遠いからなのか、やや要領を得ない回答。いずれにしても直通するバスがなく、京阪の祇園四条駅か出町柳駅からバスが出ていることは分かったので、四条方面に向かって歩き始めた。
 ところが、これが意外に距離がある。途中八坂神社を経て、祇園四条駅まで歩くこと30分。ようやくたどり着いた祇園四条駅前のバス停で金閣寺方面行きのバスを待ったが、ここで「間もなく到着します」の表示が出て10分経っても、一向にバスの姿は見えない。市内の渋滞に巻き込まれているようだ。しびれを切らして、京阪電車で出町柳へ移動する。
 まず2600系の準急がやってきた(下写真左)。2000系としてデビューしてから50年、大小の改造を繰り返しながら今も走り続けている長寿車だ。
 この電車は次の京阪三条で後続の快速急行に抜かれる。最新鋭の2代目3000系がやってきた(下写真右)。長距離輸送用として3列式の転換シートを装備し、黒いタイル貼りに見せかけた床などデザインのセンスが光る。

〜乗車列車・車輌の記録〜  【発駅時刻,着駅時刻,列車番号,(種別列車名称),車輌番号】
 東京8:20→京都10:41 209A <のぞみ209号> 725-343
 京都10:52→東福寺10:55 1627M 普通 クハ103-230
 祇園四条15:28→京阪三条15:29 K1400Z 準急 2914
 京阪三条15:32→出町柳15:35 D1402Z 快速急行 3005A

 後編に続く

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