十方山
1318.9m
広島県戸河内町
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平成17年6月19日(まんさくの会)

屈辱の登山行 !!
先日(日曜日)登山グループ”まんさくの会”6月の定例登山”で十方山に登った、広島県の山奥、戸河内町にあった標高1318.9m、なにしろ田布施からの距離が長いため日頃より早めで町役場前をきっかり7時にスタート。 先日来の祈りもむなしく雨は降らない、乾いた空気ばかり、雨男を自認する私の力をもってしても駄目、これはよほどの天地異変の前ぶれではと心配になる。
メンバー11人、男性は7人、車三台、ドライバーを屈強な三人(一人は女性Sさん、屈強?)に命ごとまかせ残る人たちは後部座席で登山に備え体力温存、途中高速道路なども利用して、現場付近に到着した。
思わぬアクシデント発生、登山口への道路が二、三日前から全面通行止めの看板、早くも本日の登山計画が狂い始める、迂回のため30分ぐらいのロス。
登山開始AM:10:05、今回は高さはともかく、頂上までの所要時間が往路3時間、復路二時間半のコース、予定では6時間弱、山中の坂道をうろつくことになるのだ、不安はつのるが考えてもしょうがないのである、とにかく一歩を踏み出した。
たまげたことに、最初から梯子を掛けた様な急坂、ものの100mも登ったろうか、猛烈に息が荒くなり、心臓が爆発しそうに、これはたまらぬ、とにかく座り込んだ、仲間はすでに100mの彼方、まさか私がそんな状態とは気がつくはずもないのだ。
「お〜い、助けてくれ〜!!」と呼ぶような、みっともない事も出来ず、青息吐息の態、そのうち他のグループが登ってきた、リーダーらしき人が心配そうに「どうされましたか?」私「たんなる、落伍者です」と答える、もうこの時点で ”こりゃ駄目だ”の心境、頭の中はすでに色々な言い訳を考えはじめる、腹痛、頭痛、痙攣など思い浮かぶが、今ひとつ格好の良い言い訳が見当たらず。
以前読んだ山紀行文に”勇気ある撤退?”なるほどこれだと・・・しかし100m登って勇気ある撤退では世界最短記録にもなりかねない、これでは私の恥ならぬ、グループの恥となるのだ、それにもまして見栄と体裁を重んじる私の生きる道から外れることにもなる。
ここで何故このような状態になったかを考え始める、別に考えなくても答えは簡単、鍛錬不足、思えば昨年末、「来年早々から一時間は歩くぞ〜」の決意、年は明けたが一歩も歩かず、登山は三月からだ「二月から歩くぞ〜!!」の決意、またも決意だけに終わる、なんだかんだで三月 ”傘山”に登る、四月 ”由布岳”そして本日の ”十方山”今年も半年過ぎて一歩も歩くことがなかった、「お前山をナメているのか・・・?」の天の声が聞こえた。
安静状態で10分もすると、なんとか心臓は爆発する風もなく平常に、一人いないのに気がついたSさんが降りてきてくれた「大丈夫ですか〜!!」大丈夫でないのである、「無理だと思ったら駐車場で待っててください」どう考えてもここでリタイヤではしゃれにならない、心臓の鼓動もどうやら戻ったようなので「ボチボチ登ります!!」スローペースだとなんとかなりそうな感じなのである、息切れはひどいが足にきてないので、なんとかなるんじゃ〜。
とにかく行けるとこまで行って見ようの決心、まず皆さんが待っていてくれる場所まで到着、ここでアメなどプレゼントされ、即効ドリンクを一気飲み、しばし休憩、これが案外効いた、ここで思い始めたこれは鍛錬不足と云うより、エネルギー不足か?だいたいが蓄積の出来ない身体、朝食がパン一枚にコーヒー一杯、ブログ仲間のあの時々紹介される朝食との差を考えると、納得、我が朝食はダイエットの為のそれではないか、こりゃ〜駄目だ?。
皆さんには少し遅れつつも、Sさんの監視のもとヨロヨロと・・・登山口付近に比べると、平らな道、下る道などあり、ペースが戻ってきた、ここで、なんとかなりそうな気分になり心は晴れる、標高1000m付近で誰かの「笹百合!!」だの声が聞こえた、私は実物は初めて見るのだが、坂道の両側のあちこちにたくさん咲いている、なるほど、この花ぐらい名前と姿形がピッタリの花も珍しい、笹の先っぽに百合(当たり前だが)。
花には興味のない私でも覚えられそうなのが良い、不思議なことに、道の側には咲いているが奥の方は、なぜか咲いていないのだ、やはり花といえども人の目に付かないのでは咲く気にならないようだ、目立ちたがり屋と云うことは、さてはB型?私の鋭いポワロのような観察眼?では1000〜1200mのところに多く咲いているようだ、高山植物ですかと聞いたら「昔は家の裏にも咲いていた」との返事)。
なんとかたどり着いた平地に5合目と云う標識があった、いままでは樹林のなかを黙々と進む作業であったが、一気に視界が開けた、開けたと云ってもはるか彼方は山々、峰峰、ここで休まなくては何処で休むのか?と云う私の”すがりつくような眼を”リーダーは察知されたようで、一休み。
あの辺りが頂上でしょうとリーダーの発言、驚いた、その指差す方向は、次の山ではないか?思わず言った「あれまで登るとなると今日は一泊はしなきゃ〜とても無理?」冗談を言いながらも顔が引きつってきたのがわかった、今まで登ってきたこの山はなんだったのか、第一次試験だったのか、せっかく生き返った私に死ねと言うのか?。
山登りはこのようなアップ・ダウンがあるから恐い、標高1000mの標識があっても、そこから又降るのである、標高はいままでの苦労を無視してまた低くなるのだ、一歩踏み出せば一歩上にと思っているときに、こんな事態に直面すると本当にガックリくる。
なんだかんだで又出発、すぐに降りにかかる、この辺りでは私もかなりの復調気配、人間の心臓は良く出来ている、このままでは危ないと思ったか自己回復機能が働いたようで、危機脱出、上りにかかり、ここを登るともう頂上に着くばかりであるから段々と力が沸いて来る、不思議なものだ、しかもいよいよ弁当だと思うと鼻歌まで出そうなのだ、なんと人間とは浅ましいものだ、もう食欲だけ、皆さんも、もうビールを飲むぞ〜の顔になっている。
頂上までの100m、さすがに高所だ樹木類は生息できないのか見渡す限り笹また笹の大群、笹の上を歩いて頂上に着いた、ヤッタ〜凄い、あっぱれ、絶景!!。
計画どうりと云うべきか、”ナイスマグレ”なのかキッチリ三時間で登頂、もう少し早くはなったのだろうが一人ほど落伍者もどきが居たもんだから、本当に申し訳ない気持ちで一杯「すみません!!」。
抜きつ抜かれつ登った他のグループも一様にあちこちで歓声をあげて喜んでいた、とにかく絶景もいいがここはまず弁当である、皆さんは落ち着く場所など探して居られたが、私は崩れるように、そのまま座り込む、頂上もかなりの人出?なのだが人目など気にしている場合ではないのである、事は生死に?かかわっている、箸持つ手ももどかしく一気に食べにかかる、幼少より厳格に?躾けられた行儀作法は完全にどこかに飛んでいるのだ。
胃の中へ放り込んでホットしたその時、向こうの方から先輩Tさんの、「オーイ!!、そんなとこで一人で食べなくても・・・」の声、ハタ!!と我に返る、弁当片手にTさんの側へ、やらやっと談笑しながらの食事風景となる、またここでTさんの本質を見ることになるリュックの奥底から大事そうになにか取り出した、幾重にもタオルで巻いたうえに最後は保冷シートで・・・オオ!!中から缶ビール、ビールは冷えてなくては、基本に忠実な人だと思った。
食後、十方山の名前の由来の話へ、それは頂上から360度見渡せるからではとなったが、またまたTさんが今度は博識を披露、お経(曹洞宗)の最後のフレーズに「十方三世一切仏(ジーホーサンシイ、イーシーフ〜)なんたらかんたら・・・」とあるそうで、十方は東西南北、東南、東北、西南、西北、天、地〜などの十方、三世は過去、未来、現在のこと、一切仏は全ての仏様よ「これは宇宙を云っているのだ」なるほどTさんが云うと本当に聞こえる?。
ずいぶん世話をかけた十方山も未練を残しつつ下山となる、下山も2時間半はかかりそうだの声、そうは云うが今までの経験でいつも降りるときは転がるようにくだり、あっと云う間に俗界に戻る、そんなにはかからないと、心の中で思う。
降り始めてまもなく、かなり高齢の方が倒れこんでいる、下りでは良く小石などの上に足を乗せてスッテンコロリンの風景を良く見る、私も何度か経験があるが、どうも彼は滑った拍子に捻挫をしたようで、歩ける状態でない、相方が励ましているが・・・こんなとこではどうしょうもないのだ、あの人は夜までに降りることが出来たろうかと今でも心配している。
私の方は降りるのは得意?二、三回休憩しただけで登山口付近へ、滝への標識があった、登山前に皆さん目をつけていて「後で行こう・・・!!」の話が纏まっていたらしい。
一難も、二難も、三難も去って、ちょっと滝へよっていこう!!ここで団体行動を乱しては、今までお世話になった方々に申し訳ないのであって、最後の方をトコトコとついてゆく、10分も歩いたが滝なぞは現れないのだ、川の水音ははるか下方でしている、私はこれはまた山に登って行くような感じになり不安は増す、ここでまたもアクシデント、別のグループのご婦人が二人、我々の後に付いてきている、この方も滝へ行かれるんだなと思っていた。
どうも二人の会話がおかしい、A女「○○さんが探しているかも知れんよ」B女「降りたら一緒になるのでいいじゃ〜」差し出がましいようだが、私会話に割って入り「私たちは滝を見に行くところです」と・・・ご婦人方あわてて引き返す。
我がグループも、もう10分進んで滝が見えなかったら引き返そうではないか!!の話となりまた行軍、現れたのだ!!ホットした!!。
帰路の準備に着いたのはすでに5時過ぎだった。
■ 十方山登山の後
登山後にブログのコメント欄に「熊の出没する山に登り良くぞ無事で帰った」と書いてあった 、熊が出るなんて、そんな話は聞いてなかった、登る途中に”遭難の碑”と云うのがあったが、あれは熊に喰われたのでは・・・。
たとえ熊が出たとしても、いくら畜生でも、美味しそうな肉が良かろう、とすると私だけは助かりそうだが、TVなどで見るアフリカサバンナでは王者ライオンでも弱っている動物を狙う、味は関係なさそう?となれば一番先に私が・・・熊さんどうする?無事で良かった。
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