ここでは,大学院留学準備(理系)の方法について紹介します.
私は大学卒業後すぐの大学院留学(2005年9月〜)を目指し,大学2年生位の頃から少しずつ準備をはじめました.分野は神経科学で,アメリカとカナダの大学院の両方を考えました.アメリカの理系の大学院は,修士コースがなく,直接PhDコースに入学する場合が多いですが,大学院1年目はラボローテーションという制度を設けている大学が多く,自分に合う研究室を選ぶ機会が与えられるのが魅力です.一方カナダの大学院は日本と同様,修士2年,博士3年というような明確な区別があります.学校選びですが,私の場合,ネットと日米教育委員会を利用しました.赤坂見附に日米教育委員会の資料室があり,何度が足を運びました.奨学金のパンフレットや過去の大学院の出願状況データなどがあり,非常に参考になります.また,そこで渡米前説明会というのが開催されるのですが,渡米が決まっていなくてもオブザーバーとして参加することができるので,是非申込むことをおすすめします.すでに留学が決まった方達の話を聞くことができます.あといくつか利用したページを下のリンク貼っておきます.
TOEFL
まずはETS主催のTOEFLを受けます.TOEFLは月に一回ずつ受けることができ,何度でも再挑戦することができます.大学院留学の場合250点以上が求められる場合が多いので,これを目安に受けます.私の場合2年ほどかけてようやくスコアを上げることができました.テストはアールプロメトリックというところから申し込めます.テスト会場はいくつか選べるのですが,私はTOEFLも,後に述べるGREも毎回新横浜会場で受けました.落ち着いた静かな雰囲気で受けやすかったです.
TOEFL
http://www.ets.org/toefl/index.html
アールプロメトリック
http://www.prometric-jp.com/
さてテスト対策ですが,TOEFL受験者の広場というページを参考にしながら,まずはETS発行の過去問をやりました.そして,その後いくつかの参考書を利用しました.リスニング,文法,リーディング,ライティング,それぞれに使った参考書を下に挙げておきますので参考にしてみてください.あとは,直前にTOEFL
Test Preparation Kitに付属しているCD-ROMを使って模擬テストをやってみましょう.
TOEFL受験者の広場
http://www.ymd.com/toefl/compass/material/

TOEFL Test Preparation Kit
一番最初に使うのはこれ.一通り全部やりました. |
TOEFL Practice Test 2
次はこれをやりました. |
TOEFL TEST リスニング完全攻略
リスニング対策にはこれを使いました.CDをMDにコピーしていつも持ち歩いて電車で来てました. |
TOEFL Test 620点突破
文法対策にはこれです.これを使ったおかげで文法セクションができるようになりました. |

TOEFL Test Perfect Reading
リーディング対策にはこれを一通りやりました.
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How to prepare for the Computer-Based TOEFL Essay
模範例を参考にし,テスト直前には一日一テーマずつ自分でエッセイを書いてみました. |
TOEFLテストライティング
この本のテンプレートはかなり参考になり,本番でも活用しました.いくつかのパターンを覚えておくと便利です. |
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あとは,本番の直前に,プリンストンレビューやカプランで催されている模擬試験に参加するのもおすすめです.エッセイの採点もおこなってくれます.わたしは,予備校などは利用せず,自分で独学で対策をしましたが,上記の教材で対策をおこない,最終的には,267点というスコアをとることができました.もっとも苦労したのが,リスニングとライティングセクションですが,模擬試験を録音したMDを毎日聞くことと,一日一エッセイを書くことを続けた結果スコアアップができました.
プリンストンレビュー
http://www.princetonreview.co.jp/
カプラン
http://www.kaplan.ac.jp/
私のスコア履歴は
こちら
GRE
GRE対策は留学前年の2月頃からはじめました.GREもTOEFL同様ETS主催で,アールプロメトリックを通して申込をすることができます.おそらく日本人がもっとも苦労するのがVerbalセクションです.私はVerbal対策を中心に,後は過去問で対策をしました.
GRE
http://www.gre.org/
GRE受験者の広場
http://www.ymd.com/gre/compass/material/index.html
テスト対策は下に記した教材で分からなかった単語を書き出し,覚えていくという作業を繰り返しました.数学は,理系受験者にとってはおそらく簡単だと思いますので,過去問で何回か慣れておけば大丈夫です.ライティングの対策は,やはりTOEFLLのときと同様,一日一エッセイ書くことを日課にして対策をおこないました.

GRE General Test
まずはこの過去問を全部やりましょう.Verbalで分からなかったところは英英辞書などで調べて単語帳に書き込んで覚えていくとよいです. |

1100 Words You need to know
これはかなりおすすめ.GREの本番でもいくつかこの中の単語が出題されていました.私は問題を解くというよりは,この中で知らない単語だけを書きとめていました. |
600 Words You need to know
これはカセットです.いくつかのストーリーの中に左記の教材でも出てきた単語が随所にちりばめられています.面白いストーリーで楽しく単語が覚えられるのでおすすめです.私はMDに録音していつも電車で聞いていました. |
あとは,ETSのPower-prep(CD-ROM)を手に入れて全ての模擬試験をパソコン上でやってみましょう.これは試験慣れするためにも重要でした.結局私はGREを3回受けましたが,3回目にしてどうにかVerbal510点を達成することができました.
私のスコア履歴は
こちら
Essay
これはかなり重要です.私は6月頃から約2ヶ月かけて仕上げました.参考にした本を以下に挙げておきます.私の場合,どこもA4で2枚程度の文章を書きました.構成としては,出願理由,なにを学びたいのか,バックグラウンド,ラボ経験,なぜその大学,学科なのか,コンタクトをとった教授の名前などを盛り込んだエッセイにしました.あとは,やはり最後にネイティブなどにチェックをしてもらえるとよいと思います.私の場合,英語の先生や帰国子女の友達などにチェックをしていただきました.
How to write a Winning Personal Statement
この本の中からいくつかの表現をピックアップして参考にしました.ただし,オリジナリティーが大切ですので,まったく同じ文章というのはやめた方がよいと思います. |
推薦状
私の場合,研究室の指導教官と同学科内の教授2人にお願いしました.具体的な手順としては,5月位に推薦状を書いてもらえるかどうか伺い,7月に推薦状とメモをもって再びお願いにあがりました.このメモには自分の略歴と学外実習などの経験,興味,受験校,期日などを書きました.推薦状のフォーマットは各学校のウェブサイト上からダウンロードできるので,それを上質紙に印刷して用いました.推薦状の本人サイン欄はあらかじめ記入してから推薦者の方にお渡ししましょう.私は奨学金のための推薦状も同時にお願いしたため,9月下旬には受け取りにあがりました.
Transcriptとテストスコア
Transcriptは大学の学事課で英文成績証明書を発行してもらえればOKです.数日かかることが多いので,早めに,しかも余分に依頼しておきましょう.
TOEFLやGREのスコア依頼はETSに電話または郵便でお願いします.これも時間がかかるので早めに依頼しましょう.私は10月には依頼をしました.
On-Line出願とペーパー出願
最近はどこの大学もOn-Line出願できるところが多いです.大体留学前年の9月頃から出願が始まります.私の場合,カナダの一校を除いて,あとはOn-Line出願でした.出願料はクレジットカードで払いました.
残るカナダの一校はペーパー出願でした.出願書類はウェブサイト上からダウンロードして印刷し,記入しました.出願料の方は郵便局でマネーオーダーをお願いして,その領収書を出願書類に同封して送りました.
On-Lineでもペーパー出願でもその他の全ての出願書類(推薦状やTranscript,エッセイなど)はまとめて郵便局からEMSで送りました.学校によっては推薦状などを直接送ってもらうように頼めと要求される場合もあるようですが,紛失を防ぐためにも他の出願書類と一緒に送ってしまって構わないと思います.
Tips
1 出願は早めに(締め切りは12月位でも出願は9月頃から始まります).
2 全ての出願書類はコピーをとっておきましょう(証拠として)
3 全ての書類はなるべくまとめて送りましょう(紛失を防ぐため)
4 書類を入れた封筒には"Application Materials Enclosed"などのように赤字太字で明記しておきましょう
なお出願書類と一緒に送付したレターはこんな感じのものを用意しました.
理系の大学院ではTAやRAという形で授業料を全額または一部免除してもらえたり,給料がもらえる場合が多いです.しかし留学生は,国内生よりも授業料が高いため,その差額を払わなければいけない場合があります.そのため,国内の奨学金に応募するのもひとつの手です.大学院レベルで出願できる奨学金はいくつかありますが,締め切りは前年の9月位と早いため早めの準備が必要です.奨学金の詳細は日米教育委員会のページを参考にしてください
私は,CWAJ,平和中島財団,中島記念国際交流財団の3つの奨学金に応募しました.出願準備は各大学院への出願と平行しておこない,エッセイや推薦状の依頼などをおこないました.
日米教育委員会奨学金一覧
http://www.fulbright.jp/j4/shokin_b.html
CWAJ (女性のみ)
http://www.cwaj.org/
中島記念国際交流財団
http://www.nakajimafound.miinet.or.jp/
結果はまちまちで,CWAJは11月には一次合格,面接の通知がありました.一方,中島記念国際交流財団は12月に不合格通知,平和中島財団は1月に一次合格,面接の通知がありました.奨学金は倍率が高く狭き門ではありますが,CWAJなどは面接後,東京アメリカンクラブという機関を通してホストファミリーとめぐり合う機会を与えられるなど,貴重な経験ができ,トライする価値は十分にあると思います.
Financial Statement
いわゆる財政証明書です.留学生に要求する大学がいくつかあります.大手銀行で頼めば,その日のうちに発行してもらうことができます.
教授とのコンタクトは非常に重要だと思います.私の場合,8月位からE-mailで教授とコンタクトをとり始めました.具体的には,ウェブサイト上で研究内容を把握した後,論文を読み,そのコメントと,来年そちらで学びたいといった内容のメールを送りました.返事が返ってくる場合と返ってこない場合と半々ですが,中には大変親切な返事を返してくださる教授もいるので是非是非コンタクトをとってみてください.大学院の場合,ある教授が生徒を雇うというような形で生徒を受け入れる場合が多いので,教授に来年受け入れてもらえる余裕があるかどうか少々不躾でも聞いてしまってもよいと思います.あとは,時間があれば,キャンパス訪問をすることをおすすめします.私は卒論発表後の2月にアメリカ,カナダの大学院へキャンパス訪問の旅に行きました.実は卒論発表で忙しかったために十分な準備ができず,出発の1週間前に教授とコンタクトをとり,飛行機の予約というあわただしいスケジュールでした.それでも3校の教授とコンタクトがとれ,研究室訪問を実現できました.そのうちの1校にはOfficial Interviewに呼んでいただく機会に恵まれ,現地の応募者と一緒にキャンパス見学やFacultyとのInterview,懇親会などに参加することができました.これは全て一人の教授とのコンタクトがうまくいったため,その方からの計らいがあったからだと思います.またその他の2校は突然の訪問という感じでしたが,大変歓迎していただけました.くわしくはこちらの日記で.やはりキャンパス訪問ではウェブサイト上では分からない学生の様子や研究室の環境,さらにキャンパスタウンの雰囲気がわかるのが魅力なので時間が許すならば,出願後でも教授とコンタクトをとって訪問可能かどうか伺ってみるのをおすすめします.
結果
応募した3つのうち、最終的に平和中島財団から奨学金をいただくことが決まりました!
往復渡航費と生活費2年間分が支給されます。
6校応募した後、3月下旬から4月にかけて郵便で結果が届き、University of Illinois,
Urbana-Champaign,への入学を決めました。イリノイ大学Neuroscience学科のPhDコースです。イリノイ大学の大学院ではほぼすべての学生に授業料免除付きの合格をオーファーしているという特徴があり、留学生には非常にありがたいことです。2月に実際に大学訪問をしていて気に入っていたため、すぐに入学希望の返事を送りました。