災害通信マニュアル2008

                   JARL丹後非常通信協力会と京丹後市アマチュア無線災害ボランティア(西地区) 2008-4-10 JR3PYM

まえがき 

このマニュアルは、船橋市アマチュア無線非常通信連絡会の「災害通信マニュアル2006」を参考に、

丹後OSO協力会、京丹後市HAM災害ボランティア(西地区)用に作成しました。

  会員の意識の共通化を図ること、災害時を想定し更に一歩進んだ形で行うことを、重点に置き

ました。

 

  奉仕の目的と心がけ  

   京丹後市HAM災害ボランティアは京丹後市と災害非常無線通信協力の協定を締結しております。

    大規模災害が発生し、又は発生の恐れのある場合において、的確な情報の収集及び伝達の支援に

あります。 

    特に、大災害発生初期段階での情報混乱を防ぐためにも迅速な行動が必要です。 

    しかし、あくまでもボランティアであり、生活の糧となる仕事や家族を疎かにしてはなりません。 

    各局長の判断でお互いに助け合い、奉仕頂くのが本旨である事を改めて認識願います。 

    更に、二次災害に巻き込まれないための努力も大切な心がけになります。 

 

 日頃の意識   

たとえアマチュア無線が趣味であっても、こと災害では日頃の通信技術や機器を活かして公共のた

めに働くのですから、それなりの意識が必要です。 

  大規模災害では道路の通行障害や制限なども想定されます。迅速な対応にはハンディ機で対応す

 るのが望ましく、日頃から機器の操作習熟やアンテナ、電池のメンテも心がけましょう。  

 また交信の相手となる会員同士の人間関係にも、気を配りたいものです。その為にもミーティングや

 行事に参加するなどして、良い関係を作る様心がけましょう。 

 

4 大規模災害と京丹後市HAM災害ボランティア  

 会としての活動は通常時は、役員会・訓練と地区ミーティングを行っております。 

 不幸にして大規模災害が発生し、京丹後市に災害対策本部が置かれた時、市長の要請で災害ボ

 ランティアが招集され ます。

 しかし会員は災害の規模に応じ状況判断して、要請を待たず自主的に配置について下さい。例とし

 てグラリネット(地震を感知した直後に会員同士が常用周波数で交信)などの会員間の連絡で、大

 規模停電と判断された時などがあります。  

 会は日頃防災訓練を始めとする防災関連行事に参加し、災害時の活動が市の要望に沿えるよう

 訓練しています。 

 

 5 災害情報の流れ

     会の協力体制は、大規模災害が発生し、又は発生の恐れのある場合において、的確な災害情報

    避難情報・復旧情報等の収集及び伝達の支援。 

    地域防災無線(他)とのバックアップにありますので、非常通信もその流れに従い、状況(9項参照)に

 応じて我々京丹後市HAM災害ボランティアがその一部を補完します。 

 

6 本部センター局・地区リーダー局

    市長の要請で災害対策本部が開設されると、市内の災害情報収集のため対策本部の側近に非常

    通信センター局(本部統 制局)が開設され、市役所アマチュア無線メンバーが運用にあたります。 

事情で市役所アマチュア無線メンバーが開局不能時には峰山地区リーダー局(地区統制局)がセン

ター局を兼ねて開局し、峰山地区メンバーが運用にあたります。   

地区リーダ局は避難場所(サブ局)・被災地(一般局)とセンター局の中継を目的とし各地区本部(市民

局)に開局し地区メンバーが運用にあたります。 

センター局.及びリーダー局はできるだけ2名以上でうけもつ。

 

7 避難場所配置計画と行動 

全員が奉仕出来るとしたとき、貴局の担当配置先は配置計画2006に記載の通りです。 

配置計画2006はご家族の避難場所を参考に、作成しました。   

大規模災害発生時には配置計画に従い自主的に配置につき、開局の準備をします。 

地区リーダー局を含め各避難場所(サブ局)が開局されてない場合、地区毎に連絡を取り合い担当

場所を定め改めて配置につきます。 

配置場所で行政職員の参集状況と、地域防災無線の支障の有無を地区リーダー局に報告し、地区

リーダー局の指示に従い行動する。

 

8  開局と閉局

開局可能な局から開局し、145.00Mhzと地区周波数で開局宣言をする。

センター局からの開局宣言により正規の非常通信が開始される。

非常通信開始後運用可能となった局は、地区リーダー局の指示に従い配置につき開局する。 

避難場所の閉局は担当地区リーダー局の了解による。地区リーダー局の閉局は担当避難場所局

の全局の閉局を確認後センター局の了解による。

センター局の閉局は全地区リーダー局の閉局を確認後、災害対策本部の許可を得て閉局する。 

開局後奉仕継続が困難となった場合は、地区毎に連絡を取り合い改めて担当場所を定め、支障の

無い様に非常通信を継続する。

 

9 職務と命令系統  

災害時、市内の避難場所には住民が避難のため集まり、病人や怪我人の発生など訓練では想定

出来ない状況にあると考えねばなりません。

その対応に市の職員が配置されますが、災害は全ての人や物に襲い掛かりますので情報の伝達

に支障を生ずる可能性があり、我々のバックアップが期待されているのです。 

原則として市の地域防災無線(他)に支障が有った場合に、情報の伝達に協力します。 

支障の内容には通信担当者の不在から機器の障害まで、あらゆる事象があるでしょう。 

避難場所を始めとする現場で、非常通信業務以外の情報を得た場合、市職員の班長に報告しその

処理は班長の指示に従います。 

緊急の場合や、行政担当者からの依頼も、状況に応じ判断し処理の後、センター局に報告する。  

我々の経験、能力を活かしその任に当たり、住民を救える様な奉仕が出来れば幸せです。 

10 情報経路と依頼信 

   情報元は基本的に各避難場所・災害対策本部にあり、原則として地区リーダー局(中継局)を経由し

伝達される非常通信になります。

経路は地域防災無線と同じですがメディアを異とします。  

  センター局や地区リーダー局からの指示が無い限り、単独で情報の収集や発信はありません。 

   想定される情報は平時アマ無線業務では扱えない非常通信の依頼信となります。 

   非常通信は行政と共通の通信票を使って情報伝達を行い、交信内容の正確な記録とします。 

   従って会員が自ら発する情報は人命救助等非常通信と思われる内容のみとなります。 

   非常通信を扱った場合は関係機関に報告の義務があり、その資料として通信票が必要です。

 

11 通信票  

   別表(書式「災害通信」A4)を通信票(2票分で1単位)といたします。非常通信の情報を正確に伝える

 ためにも記録が必要で、情報の送受毎にそれぞれ1票使います。 

 通信票は各市民局の非常通信(HAM)無線機器の傍に配備されています。また、地区役員も持って

 おりまずが、入手困難な時は手書き(A5)でも結構です。 

 前述の通り非常通信として扱われますので通信文の記録とログが必須になります。 

 通信票枠内は電報で言うなら電文で、原文に対し加筆、訂正、削除は厳禁です。

 通信文に使用する文字種は原則として、カタカナ、洋数字、アルファベットとします。

 伝達の際、読み上げは通信票の枠内 "宛先"から"以上" まで省略は許されません。 

 災害時、非常通信として扱われた通信票は各オペレータが責任を持って保管します。 

 非常通信解除の後、一時保管した通信票は地区リーダーに渡し、事務局への提出を依頼して

 下さい。 

 非常通信の実行に関する関係機関への手続きは事務局が代行します。 

  (1)   通信票の構成

  縦A4版で上票(A)、下票(B) 2つとも全く同じ内容です。 

      上票と下票で情報の流れが処理し易い様な構成になっています。   

      票の上部枠内は通信文記載部、下部はオペレータの通信処理記録部(ログ)になります。  

   (2)通信票の使い方(一般局・サブ局・リーダー局・センター局)  

        枠内の通信文は可能な限り短く誤報を防ぐ様に留意して、発信人に記載してもらいます。 

     宛先、発信人の記載の無い場合は記載を促して下さい。   

     発信時の状況から返信の可能性を考慮し、通信文は上票(A)に記載願い、発信する。

    その返信と判断出来る情報は、その通信票の下票(B)に書き込むと完結する。 

イ) 発信対応   

        行政担当者の依頼の場合宛先、発信地、発信人、本文を記載した通信票を受け取る。 

       確認のため依頼者の前で読み上げ、承諾を受ける。

       通信処理としては"□発信"に■を入れ、即、宛先に向かう地区リーダー局に発信する。

      交信データはログに記載し、通信票はオペレータが保管する。 

  ロ) 受信対応 

              オペレータは送られて来た通信文を通信票枠内にそのまま記載する。
        カナ文字で記載し意訳や省略はしない。
       通信処理としては"□受信"に■、遅滞なく宛先人に届け、内容を読み上げ通信票を手渡す。
       備考に受領のサインを受けた後、通信票はオペレータが保管する。
       当然、受信時の交信データはログに記載を忘れない。

 (3)通信票の使い方(地区リーダー局=中継局) 

地区リーダー局は建て前として受信した情報の中継(転送)を担当し、A4版の通信票を使用す

る。

  イ)受信対応

        オペレータは通信票の上票を使用し受信した情報を記載する。
       受信時の通信処理として"□受信"に■、交信時のデータをログに記入する。 

   ハ) 転送対応  

 転送の際は受信した通信票を使い、受信者または転送担当者が上票枠内に記載された宛先

      局に向けマイクを通し枠内の通信文を読み上げ転送する。
     下票の通信文欄には同文の記入を省く意味で斜線を引きます。
     通信処理としては"□転送"に■。
     転送時の交信データは下票(B)のログに記載し、通信票は送信したオペレータが保管する。

 

 12 交信周波帯と電波形式

例年の総合防災訓練での設定を基本としF3E(FM電話)で交信する。

 地区一般局

(被災地)

地区サブ局

地区リーダー局

センター局

145.40Mhz Down  QSY

1.峰山各避難所

145.40Mhz

1.峰山市民局

145.50Mhz
     (144.70Mhz)

 

439.66Mhz

(災害対策本部)

145.30Mhz Down  QSY

2.大宮

145.30Mhz

2.大宮

145.20Mhz Down QSY

3.網野

145.20Mhz

3.網野

145.10Mhz Down QSY

4.丹後

145.10Mhz

4.丹後

144.90Mhz Down  QSY

5.弥栄

144.90Mhz

5.弥栄

144.80Mhz Down QSY

6.久美浜

144.80Mhz or 439.66Mhz

6.久美浜

145.48〜145.42Mhz

(144.98〜144.92Mhz)

8.共通

 

145.48〜145.42Mhz

(144.98〜144.92Mhz)

8.共通

 

 

 

433.50Mhz or レピーター

9.予備

433.50Mhz or レピーター

9.予備

433.50Mhz or LP

 

被災地局は混信を避けるためサブ局と密接な連携のもと、周波数の変更等を設定し運用に

当たります。

   地区リーダー局及び地区サブ局・地区一般局のメインチャンネルは、地区周波数とします。

   センター局のメインチャンネルは145.50Mhzとします。

       指定周波数からQSYし交信終了後、もとの(指定)周波数にQSYした時は、再度開局宣言を

       して下さい。

   地区リーダー局は430Mhz帯と144Mhz帯の2波が運用可能な機能を必要とします。

 

13 一斉通信

   情報の伝達を多くの避難場所に速やかに行うため、一斉に伝達される場合がある。

     センター局は先ず6地区リーダー局に情報を一斉に送る、受けた地区リーダー局はその情報を

     担当の各避難場所に向け 一斉に転送する。     

 

14 行政職員と共に

    市職員を始め協力団体は、所属を表す何らかの表示があります。我々も貸与されているヘルメッ

        トを始めとする、無線従事者免許証(写可)、京丹後市災害ボランティア登録証、非常通信協力局ボ

        ードなど身分の証をたてて奉仕します。

       特に密接な関係のある、地域防災無線担当者は、通信機から離れることが出来ない関係上、依頼

       があればその補佐的な協力も惜しまない様に、和をもって奉仕に当たりたいものです。

       任務に支障の無い範囲での災害救助活動には関係諸団体職員にも協力してください。

    

 15 変更事項など 

防災訓練での経験を元に作成したマニュアルですが、状況の変化などで改定する場合もあります。

配置計画、交信周波数など不明な点については、地区ミーティングやE-メール等で情報の交換を

行い、このマニュアルに加筆、訂正し有事に対処しましょう。

  

 16 日常通話を訓練に 

日頃の通信では、ログの記載は省略可能となっていますが、災害時の非常通信には通信内容と

共に、ログの報告が義務となります。

       従って日頃の通信でもログ的なメモを取る習慣を付けることも訓練となります。

       簡単な会話でも要旨をメモに取るなど、通信票に記載するための訓練を心がけたいものです。   

 

参考事項

     このマニュアルはJARL丹後非常通信協力会と京丹後市アマチュア無線災害ボランティア(西地区)登録会員を対象

       に作成されたものですが、災害時は一般アマチュア無線局もこの冊子内容に従い行動して頂く

       事を期待しています。

 (常時準備と心がけておくこと)

     1.防水用ジャンパー、軍手、長靴の整備。

     2.無線機とバッテリー(乾電池)、防水(ビニール)袋等の整備。

     3.自動車のバッテリーから電源が取れるように端子を出しておく。

     4.自動車のANTをできるだけ強力なものに交換できるようにする。

     5.ボランティアの登録証(身分証明)、車用ステッカー等を常に準備しておくこと。

    6.常に筆記用具、各戸に配布済みの避難場所の地図を用意しておくこと。

    7.水害等が発生することが想定される時(とくに警報発令時は)自発的に心づもりをし、ラジオ、

    TVの気象情報をワッチすること。

(災害が発生した時)

   8.災害現場に着いたら極力安全な場所を選び(水害時は高台等)駐車すること。

   9.現場に到着したら必ず、現場責任者(災害本部)及び通信本部(他の局)に連絡を取る。

           (京丹後市センター局使用周波数はFM145.50Mhz)

 10.通信内容はできるだけ詳しく、発信者、時刻等をメモしておくこと。

 

 

 機 材

センター局   □144Mhz 10w モービル機  □430Mhz 10Wモービル機 □電源 □アンテナ 

リーダー局   □144Mhz 10w モービル機  □430Mhz 10Wモービル機 □電源 □アンテナ

サ ブ 局       □144Mhz 10w モービル機  □電源 □アンテナ   または □144/430Mhz 1Wハンデー

一般局      □144Mhz 1w ハンデー機  (□144/430Mhz 1Wハンデー機)

 

インターネット

     京丹後市HAM災害ボランティアや京都府北部の防災/災害に関する情報は、インターネッ

       ト検索サイトで 「京丹後市アマチュア無線 災害ボランティア 」や「京都府北部 防災  災害」等

で検索できます。  URL ../tangosystem/me000.htm

                          URL ../kyotango_ham/index.html

                                     URL http://www.e-college.fdma.go.jp/top.html