「超極貧乏人の最悪旅(礼文島)」 

フィクション 2004/6/17

---------最悪という言葉がつくものは基本的にコメディーである

登場人物 

Y----脱藩浪人かなり貧乏、超貧乏かも。 本名は青江又八郎

K----自分は誰よりも賢いと思っている金暮腹黒郎カネクレ
本名は嫌味雄三「この世の人間は精神錯乱の末期症状にある」
しかし自分だけは別だと思っている。

かのラフカディオ・ハーン小泉八雲がニューヨークから横浜に
着いて、桜咲く山々を見て「ああ、私はここで死にたい!」と
言ったという。確かに外国に出てみると逆に日本の風景の良さ
を確認することになる。日本の美しい山や川、海や湖、雪月花
などあらゆる風光が日本人の繊細な心を育んできた。この明媚
な風光を体と魂の中に吸い込むことは日本人として重要なこと
である。阿蘇・紀州・上高地・安曇野・黒部・軽井沢・尾瀬・
八幡平・白神・三陸・十和田奥入瀬・下北と巡ってきて、今回
は、ひとりで自由に北海道を旅しようと出かけることにした。

飛行機は大好きだ。なぜって。落ちると飛行機会社で葬式して
くれるから。新千歳空港の荷物待ちターンテーブルで、叫んで
いるオバハンの団体に遭遇。「ここだよ!ここへ出てくんだ!」
「荷札付いてねくて、どして判んだよ」「グズグズしてるとか
っぱらわれるぞ」「気つけろや」「回り方早いから、とり損ね
たらどなれや」「よお、これ**さんのでねえか」「そだ、そだ
、アッちがう、ちがう」「誰か、モトのとこ、走れ、早く」オ
バハンは一歩下がった。その拍子に私の靴のつま先にハイヒー
ルのツノをイヤというほど踏みつけた。ひじで突き飛ばされた。
荷物の出てくる場所へ走るオバハン。人間離れした厚かましさ
だ。

なぜ音楽が入っているのか。
人間一生のうちには、読むべき本や聴くべき音楽があります。
すぐれた音楽には人を変えてしまう力があります。文学にもあ
ります。読んだり聴いたり、何かを経験したとき、僕らの中で
何かが起こります。化学作用のようなものです。自分自身の目
盛りが一段階上がったことを知ります。自分の世界が一回り広
がっていることを。ハイドン チェロ協奏曲一番  永遠の航海

金と時間と健康と周囲の状況と周囲の理解なくして、自由きま
まな旅などできはしない。旅に出るときは旅の本がいいだろう
と思い河口慧海「チベット旅行記」や椎名誠の本を数冊図書館
で借りてきた。これが重い。


札幌市は家賃崩壊現象が最も顕著に現れている都市なのだが、
決して例外的な存在ではない。いまや主要な大都市の多くで、
ワンルームの最安家賃が家賃一万円に突入する異常事態が起き
ている。1万円台物件の件数をみてみると、札幌市194件、
福岡市75件、広島市44件、名古屋市23件、東京都下3件、大阪
市ではなんと24区計599件。札幌ではマンスリーの家賃月額
がたったの18000円なのだ。
------チャイコフスキー 交響曲5・6番

その時、前方から足を引きずるだらしない歩き方でのそのそや
ってきたのはナントあの狡猾で腹黒いYだ。son of a bitchサ
ノバビッチ!!。この男はなぜもこうむさ苦しい身なりをして
いるのか。着古してテカテカになったスーツは、ボタンが取れ
ているし、型も崩れている。生地が皺くちゃなのは、雨にぬれ
た後横着にもヒーターの上で乾かした名残だろう。ネクタイは
結び目が垢光りしている。シャツにいたっては、過去一週間は
連続で着ているとしか思えなかった。靴は磨かれた形跡はなか
った。汚れがこびりつき皮革はひび割れ、かかとは磨り減って
いた。とっさに壁のポスターを
見るフリをした。死亡率一位のがん撲滅運動のポスターだった。
Yは片手を私の肩に手を「おっす」。私「しゃれてるね、その
寝巻き。」さりげなく彼はうつむいてズボンのファスナーが開
いていないことを確認した。

Yは飼っているいる名前がサタンの凶悪な顔をした大猫のこ
とを話す。無類の猫好きで5匹も捨て猫を拾ってきて飼ってい
。猫は一生で一匹70万円かかる。こいつらは皆、大きくな
ったから飼い主に捨てられた。それもアメリカンショートヘア
や緑色の目をした薄茶のペルシャ猫、母子の黒猫、片目で不気
味な鳴き声を出すねずみ色をして巨大な金的をフリフリしなが
ら歩く巨大な猫サタン、時々ネズミやイタチを捕まえてYに見
せる。でもこいつが一番おとなしいし性格がよいし可愛い
が歩くとゾロゾロとついて歩く犬も1匹いてJBという名前。
ジェームスボンドかと訊いたらNO、ジェイソンボーンでもな
い。「ジャックバウアー」だ。Yは「これはインドのものでと
にかくうまい。」といって手土産に、ビスケットの写真とヒン
ズー文字が印刷された袋を出した。おべんちゃらのごますり野
郎だ。疑わしそうな眼でその袋を眺めた。難破船で無人島に漂
着した乗客でも手が出ない代物だ った。
------ヘンデルジョージ2世の戴冠式
UEFA Champions League Anthems 

ところでYの略歴だが。とある寒村で生まれた。その村は助平
な変態野郎の宝庫といっても過言ではない。それでもって奴は
その村原産の由緒正しき筋金入りの助平で一年365日一日2
4時間発情しぱなしってわけだ。なにしろ彼らに見つめられた
だけで不動金縛りになり、息を吹きかけられるだけで相手は妊
娠するといわれている。村人全員根こそぎに去勢すべきなのだ
が、長じて東京六大学という六の名のつく大学
に入学。学生寮の大部屋に君臨して帝王風を吹かせていた。卒
業後、都内の役所に勤めていたとき、がひそかに心を寄せる
可愛い女性をパワハラ上司がいじめてとうとう泣かせた。
そこではその上司をぶん殴って辞表を出した。最初に新入社
員をお手つきする権利を手に入れたわけさ。それが今の奥さん。
新婚旅行で私に送ってきた絵はがきについて彼は「滑稽味にあ
ふれる軽妙洒脱な文章だろ」といっていたが、すこぶる下品で
お下劣で卑猥な文面だった。Yの半分ほどの助平力があれば堂
々たる立派な変態野郎だ。

彼の立派さを証明する。東日本大震災の時、マザコン
は、母を背中に負ぶって、妻の手を引き必死に家の裏山に駆
け上った。妻が大切にしている母親の形見の時計が置いたまま
なのに気づき、猛ダッシュで引き返し家の中に入った。その時、
津波が家を襲ってきた。はアルバムと時計を手に二階へ上が
った。瞬時に二階にも水がきては水中に没した。空気を吸う
ため首を出すと天井まであと15センチほどの水がきていた。
必死に立ち泳ぎしていると次第に水位が下がって奇跡的に一命
を取り留め、妻に時計を渡した。------ティアベリ変奏曲

しかしおバカさんであることは間違いない。たとえば高校生の
頃、同級生の女たちが柿の実を取るのに苦労している。たまた
ま通りかかったが「私がもいで上げよう」といって、女の持
っている竹竿を受け取った。しかし竹竿が細いので柿をもぐの
には役に立たないことがわかると、荷物を彼女たちに預け、ス
ルスルと身軽に木に登っていった。目指す梢から熟れた柿をも
ぎ取ると、また枝から枝へと移りながら降りてきた。おしまい
に女たちにいいところを見せようとサルのように最後の下枝に
飛びついてそのまま地面に飛び降りようとした。ところがその
下枝がが飛びつくのを待ち受けていたかのようにポッキリ折
れては枝を握ったまま地面に落ちて肩を打ち、笑い転げた女
たちの介抱を受けなければ立ち上がれないほどの目にあった。
また梅雨のころ学校の門と校舎の入り
口の間に大きな水たまりができた。その日は水たまりを見る
とやすやすと飛び越えた。途端に泥に足を取られてさしていた
傘を片手に尻をついたまま一メートルも地面を滑るのを女たち
は目撃した。立ち上がったはべっとりと泥に濡れた尻に手を
触れて笑い転げる女どもの前で途方に暮れていた。----------
シューベルト:歌曲集「白鳥の歌」“セレナーデ”Snowbird
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新千歳空港の中にある露天風呂に入る。
それから「えびそばらーめん」を食べる。この時期しか
販売されないロイズの生チョコレートを食べる。それから「六
花亭」のサクサクカプチーノ、「柳月」の十勝大納言キンツバ
とジャガポックルを買う。ついでにATMで旅行資金50万円
を引き出した。何歩か歩いたところで、「何か落としましたよ」
と声をかけられた。・・・なんとまあ、50万円の入った財布
だった。慌てて回収し尻ポケットにしまった。

千歳で「サケのふるさと館」を見学。恵庭の「えこりん村」へ。
ところで、なぜかきれいな女の人が多くなってきたような気が
するが気のせいだろうか。世界中のおバカさんに君臨する大魔
王の持論だが、田舎に行くほど女の子はかわいくなるという。
なぜなら、空気が良いからだ」とKはわけのわからない意見を
吐いた。
札幌駅へ行って「日航ホテルバイキング」を食べる。駅地下「
よしのや」でみそラーメンを食べた。

北大に行くことにした。札幌羊が丘展望台は入場
料500円要るが、同じくクラークさんのいる北大は第二農場
では北海道らしい風景が静かに広がってるし、しかも無料。お
みやげ屋もカフェも北大博物館もある。その向かいに、二階で
ジンギスカンを焼けるコンビニまである。
北大の環境はすばらしく、伝統のある建物きれいな芝生が印
象的。北大生はおおらかだといわれるのも納得できる。
クラーク博士と会見後、地図を持って迷ってウロ
ウロしていると、3人の家族ずれが「ポプラ並木はどこにある
んですかねー。」と尋ねたので、Kが地図を見せてキッパリと
「あっちです。絶対間違いない」と答えた。我々は彼らと反対
の方向に進んでいくと、なんと、そこにポプラ並木があった。
口をあんぐりあけたこのヌケ作おせっかい爺さんの「絶対間違
いない」の言葉はブタのけつだ。さっきの家族はいったいどう
なったのだろう。こいつに道を尋ねるのは豚に空を飛べという
ようなものだ。「やれやれ」。それに応じて、のんきなカラ
スがカアと鳴いた。

北海道神宮で教皇Kはお祈りをした。「ボーイスカウト勲功バ
ッジがもらえますように」と「これ以上おバカさんになりませ
んように」それから「後は野となれやまとなれっ」と。
円山公園駅からバスが出ている旭が丘記念公園で眼下の市内を
一望。それからサッポロファクトリーへ。ガラス屋根の
アトリュウムをぶらついた後、タイムスリップしたようなレン
ガトンネル型のビヤホールのビヤケラーで、120分飲み放題
で大ジョッキを昼間からがぶ飲み。

隣接の永山武四郎邸を見学。庭園が広い。官僚は明治の
ころからやっぱり豪勢な家に住んでいたんだ。時計台を見学し
てから「大通り公園」まで歩いた。空は抜けるほど青い。北海
道には梅雨がない。五月の爽やかなライラック祭りや6月の華
麗なヨサコイソーランまつりコンテストは終わっていた。

滝沢スズラン公園」のチューリップはすばらしい景観だった
がスズランはまだ咲いていなかった。ところが旧道庁の南側を
歩いていたら可愛く咲いていた。札幌場外卸売市場の「うめえ
堂」でカニ丼をたべてから「佐藤水産」をのぞいた。ここは旅
行者にとっては買いやすく値打ちな店だ。北大植物園ではヒグ
マとトドの剥製の歓迎を受けた。500円で乗り放題の地下鉄
ドニチカ切符で宮の沢の「白い恋人パーク」を見学。テレビ塔
の下の大通り公園で真狩のとうもろこしを食べる。これが大き
くてめっちゃ甘い。
「サッポロビール博物館」へ。500円プレミアコースを選択。
園内の「ガーデングリル」で食事するのがおすすめ。

立ち寄った公園は「前田森林公園」開拓村や博物館のある「野
幌森林公園」「モエレ沼公園」「サトランド」ここはよかった
「百合ケ原公園」「中島公園」「円山公園と動物園」
-------ベルリオーズ 幻想交響曲 YOU SET MY HEART ON FIRE

札幌へ来たからには定番のジンギスカン、味噌ラーメン、スー
プカレーを食べなければ。夜のススキノを歩く。「かに将軍」
や「函館開陽亭」で活イカの踊りも食べた。
北海道へ来ると食べ物がおいしいので体重が増える。タクシー
の運転手も札幌に住むとうまいものがいっぱいで糖尿になった
といっていた。その後、寒くなってきたのでモール温泉のきよ
らの湯へ。支笏湖の丸駒温泉のほうが展望がよい。

札幌の印象はストックホルムに似ている。スト
ックホルムは美しい街で公園が多く、一握りの金持ちは大きな
邸宅に住み、そうでない99パーセントの人は林立するアパー
トに住んでいる。言い換えれば格差がない国だが。札幌の人は
皆やさしかった。

さて、稚内に向けて出発。途中の町はどこも寂しくて、こんな
所によくぞ住んでいるなあと思う。若い人が札幌や東京に出た
がる気持ちが分かった。「何か話をしてくれ」「もし、ある男
が赤ん坊を置いて光速で旅をしてきたとする。一時間後に戻っ
てきた。男には一時間ほどでも、赤ん坊は老人になっていた。」
チンパンジー連隊長Kは頭のネジがはずれたのかペルーほどの
大きさのベッドで完璧に致死的に死んでいた。持参のテンピュ
ール枕で仮眠してから運転しよう。---------------
シューベルト交響曲第8番 ロ単調 D759 「未完成」
 'What The World Needs Now'

Kは無謀にも寝袋を持っていなかった。それでは寒いだろうと
言うと、彼は「根性!」と軽く言ってのける。根性のある人間
はあえて根性とは言わないだろうが。・ぐっすり寝ていると「
ヘェークション、オイオイオイ」の声。Kはあまりにも寒くて
3時間ほどしか眠れず辺りをうろうろしたあげく、ヒマだった
のでYを起こした。Yは銃弾の雨を浴びたあとの顔をしていた。
バッハ『平均律クラヴィーア曲集第2/前奏曲とフーガ第1番』
Have you ever seen the rain?

稚内に向けて再び出発。まっすぐな道が延々と続く。稚内港出
発時刻に間に合うように、闇を切り裂いて疾駆する。Kはダッ
シュボードに足を載せたままジャガポックルを食べている。普
通に座席に座っていることができないらしい。午前3時頃よう
やく稚内に到着。コンクリートでできた屋根の下に、ライダー、
チャリダーがテントを張っていた。翌朝、車で稚内駅に行き、
Yは米を炊き、鍋にお湯を入れてレトルトカレーを温める。駅
前に変なオヤジがいて、Yや駅前にいたチャリダーに甲高い声
で「駅前自炊は日本の恥だ」とよく分からない注意をしていた。
しかし、若い女性のグループには写真を撮ってあげている。若
い女にだけ優しい変態オヤジで「ブタ野郎だ!」った。
-----------シューベルトニ長調ソナタ 

稚内港を6:20に出港。どこから湧いてきたのかウヨウヨとこれ
ほどのヒマ人が日本に居たのか、これ以上乗せたら沈むという
ほどにすし詰め満載の客をデッキに積み込み出発。団体のおば
さんたちが船室を占領していて、男の殆どが下船するまで吹き
さらしの寒いデッキにいた。彼らは下船時に凍結していた。船
内の2等で横になっている人は船員に起こされ座らされている
ほど超満員。それを横目に我々は予約しておいた一等和室でゆ
っくりと手足を伸ばして寝る。特等は無い、Y「フーム。カネ
の威力は偉大だなあ。持つものと持たざるもの、この貧富の差、
つまり階級の分断だなあ。」カイキューのブンダンと力強く言
ったとき、ブンとダンで唾がしぶきのようにKの顔に飛んだ。
まあ、国家権力や既得権益の恩恵や庇護を受けたときの心地よ
さは人間性を腐敗スポイルするのも確実だ。------
ボロディン弦楽四重奏曲 第2番 ニ長調 第1楽章Final Fantasy

フェリーは大好きだ。いつもは新日本海フェリーの二万トン級
七階建てを利用する。長距離フェリーに乗った事のない方には
分かりにくいでしょうが、船内は思いのほかに快適です。海を
一望できる展望風呂もあって至れり尽くせり。ビール飲んで、
ビデオや衛星テレビを見たり、本読んで、眠かったら寝て、ダ
ラダラと時間を過ごす。料金ごとに船室のランクがあるのです
が、2等の雑然とした雰囲気も好きですが、やはり特等バスト
イレ室温調節付をオススメします。新幹線では普通車とグリー
ン車の差なんてたかが知れているが、船の部屋は等級による差
が極端で、お金を払った分だけ快適な船室を利用できる。沈没
する時も上級客から小船に乗せてくれる。結論として船旅は快
適な上級船室にするのが賢明だ。特等船室で眠るのは日本の三
大快楽睡眠である。後の二つは寝台特急と女のヒザマクラだが、
そんなことはどうでもよい。案内所や展望浴室には緊急用連絡
のインターホンがあるが、「事務員A」「B」「C」の3つの
ボタンがあり、どれかを押してくれとの事。何かあったら誰が
起こされるか客が決めるという客にとっては恐ろしいシステム
だ?ドヴォルザーク交響曲第9番 ホ短調  「新世界より」
ーーー青い影

2時間後礼文島にようやく着く「波が高いから2階から降りて
ください。降りたらロープの外側を歩いて早く離れてください。
ロープが切れる恐れがあります。危ないですよ。」と丁寧に言
っていた船員が、すでに降りた客が岸壁の縁でうろうろしてい
るのを見つけると、途端に口調が変わってしまった。「こらっ
危ない!アホンダラ スカタン ボケっ クソガキが くそっ
たれ クズヤロー アホ面 バカメ 早く離れろ! さっさと
岸の方に行けよお!」船から下りたら、もう客扱いはしなくて
もよい。ドドドドッ。我勝ちに一台のバスに殺到。
乗り遅れた客は呆然と取り残
された。自宅の犬の信頼も勝ち取れないKも悄然と「オーイお
ちゃ」飲んで小便だけして礼文島を去ろうとした。ゆっくり下
船してきたYはこんなこともあろうかと既にレンタカーを予約
していた。10分で桃岩展望台に着いた。---------- 
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集《四季》 Op.8-2「夏」
 O Mio Babbino Caro

高山植物咲き乱れる花の浮島礼文島 憧れ続け
行ってみたかった。念願がやっと叶った!

日本の最果てにある島。イメージとしては、寒くて暗〜い所を
想像されるでしょうが、なんのなんの、かんらかんら。ここは、
海抜0mから、高山植物咲く、奇跡の花の浮島。島中が花畑で
す。本州なら、山の2500m位まで登山しないと出逢えない、
エーデルワイスや高山植物が、里でもにっこり笑い、島の西の
斜面には、見事な一面見渡す限りの花畑を形成している。その
向こうには蒼く広がる礼文ブルーの海。海上には利尻富士が浮
かんでいる。こんな場所が日本にあったなんて・・・。

早速桃岩展望台から元地灯台までトレイルする。奇岩怪石の海
岸線と清楚な花園との対照は時間を忘れて見入ってしまうほど
の美しさ。はるばるとやってきた甲斐があった。------
その後、有名な佐藤売店でウニ丼を食べる。たった1000円
という安さ。高級蝦夷バフンウニは本当においしい。焼きウニ
とウニ汁も注文。ここでヒッチハイカーを二人拾う。ウニ剥き
身体験センターへ向かう。函館なら活イカだが礼文ではここで
活ウニを食べまくるのだ。それにしても函館の活イカは旨かっ
た。サクサクと噛むほどに舌の上でトロリと溶け嚥下と同時に
喉元をするりとすり抜け食道の蠕動運動で噴門から飛び出して
胃袋の中に収まる。その胃壁に着地した瞬間までの時間の経過
で再び脳の感覚細胞の中を「感動」という感情が、ありきたり
の言葉「旨い、旨いい・・」に転化して駆け巡った。 ------

Kは二人が食べ始めると「この活ウニは死体に取り付いていた
ウニなんだ。ぐふふふふ」と上機嫌でムシャムシャ食べた。
バカで思い出したがここには北海道 3 バカユース として名高
い桃岩荘があります。夜のミーティングでお客さんを集めて8
 時ごろから10 時まで歌って踊って飛び跳ねドンちゃん騒ぎ
するという、その名に恥じないりっぱなバカっぷり。そこへ泊
まった人は、あまり多くを語りたがらないが、やたらと人に勧
める。「すごいところだから行ってみろ!」と。出港時間が近
づく。港では桃岩荘の人たちが歌いながら踊って島抜けする人
に別れのエールをおくっていた。-------
ラフマニノフ幻想小品集Op.3 から 第2曲 前奏曲「鐘」
---- stand by me

日本有数の広大な湿原であるサロベツ原野へと急ぐ。道道106
号線はクルマやバイクで旅したことある人なら、みなこの道の
思い出を持っているだろう。最も北海道らしい道と人は言う。
確かにこんな道は北海道でここしか無い。旅人が求めている北
海道のイメージにもっとも近い道がここと言うことだろう。風
力発電の風車が並ぶほかは人家や電柱やガードレールなどの人
工物がほとんどなく、海の向こうに利尻富士を望む。ライダー、
チャリダー憧れの道だ。一面にハマナスやエゾカンゾウが咲く
サロベツ原野が広がっている景色のよい道々444号を通って
豊富温泉のホテル豊富に立寄る。このトヨトミ温泉はなんと油
が浮いている。不思議な温泉だが、とてもいい風呂で長湯をし
てしまった。アトピーに効くといわれている。トナカイ牧場で
トナカイハンバーガーを食べ、隣接しているユメ創生館という
国の施設を見学すると、美しい絵葉書を美しい案内嬢からいた
だいた。Kは宿に着いて食事を終え、
頭が枕につくかつかない内に深い底なしの眠りに落ちた。
-------ラフマニノフ交響曲第2番第3楽章Oneway Ticket

翌日、サロベツ湿原センターと幌延ビジターセンター
の木道を歩く。7月の今ちょうどエゾカンゾーというニッコウ
キスゲより濃い黄色の花が見渡す限りいっぱい咲いている様は
圧巻。一日限りの命を精一杯生きている。今も原始の姿をとど
めているサロベツ原野は感動的だ。パンケ沼へ行ったが誰もい
なかったし、見るべきところもなかった。オロロンラインも走
っておこう。天塩から遠別までは国道232号線ではなく、海
側にある開拓農道の方を走る。海のそば近くを、人家はもちろ
ん、果ての見えない原野を走っていてとても気持ちがいい。2
0分ほど走ってすれ違った車は一台だけ。苫前と留萌まで走り、
途中のおびら鬼鹿の「すみれ」で海鮮丼の昼食。引き返し初山
別みさきの湯をのぞいたがパス。快晴で気分も爽快でドライブ
する。オロロンラインはよい。結局、天塩まで戻り、てしお温
泉夕映に入湯。アンモニアの匂いがする。体質に合わない湯だ。
シジミのみそ汁を注文。隣接している鏡沼のキャンプ場には多
くのキャンパーがいた。とほ宿に帰ると奥さんが利尻富士のサ
ンセットツアーへ無料で案内してくれた。利尻富士が海に浮か
ぶ光景は素晴らしく日本海に沈む夕日の輝きも神秘的だ。ミル
ク鍋の夕食だった。その後ロリータコンプレックスのKを捨て
て、Yは自分の個室に戻ろうとした時、携帯電話が鳴った。
シューベルト:歌曲集《冬の旅》から 「菩提樹」
 Just the way you are

娘のサラが勤務する研究所から悪者によって娘が誘拐されかけ
ているという知らせだった。なぜサラなのかって、沙羅。娘が
開発したすべてのガンが治る抗腫瘍新薬・すべての糖尿が治る
抗糖尿病新薬を手に入れるためらしい。この薬があれば平均寿
命は100歳になる。国家財政は年金支払いで破綻するが、そ
んなことは国家衛生局の縄張りだから、どうなろうと知ったこ
とではない。国家安全保障局長のヘリをまわすから帰ってこい
との命令と同時に庭にジェットヘリが着陸した。10分で国家
安全保障局に戻ったYは、以前殺害した悪名高い犯罪者の元妻
に近づく。始めは夫を殺した張本人ということもあり不信を抱
かれるも、Yは元妻の命の安全を保障することと引き換えにあ
る組織の秘密会議が行われることを聞き、その場所に向かう。
潜入したYは、そこで組織の首領がバウザ(婆座)という男だと
知るものの、会場で自らの存在がばれててしまい、組織の殺し
屋ヒンクス(品屑)に追跡される。ヒンクスとのカーチェイスの
末、逃げ切ったYは組織を裏切った組織幹部がカギを握ってい
ることを掴む。Yは、幹部の潜伏先で死に瀕した彼の姿を見つ
ける。幹部は、組織が世界規模で暗躍する巨大犯罪シンジケー
トのダースベクターであることと、組織から命を狙われている
娘を助けるためには、手掛かりとなるホテル「アメリカ」の居
場所を教えると告げ、Yが渡したワルサーで自決した。一方、
国家安全保障局では新責任者のC死がYの行動を問題視していた。
-------- ワーグナー《ワルキューレ》「告別と魔の炎の音楽」

娘が勤める医療研究施設を訪れたYは彼女に会うが、わずかの
隙に彼女は殺し屋ヒンクスらの襲撃を受ける。娘を襲撃から救
出したYは、行動を共にする。その後、ホテルで落ち合った国
家安全保障局の技術者Q急の協力により、これまで自身を襲っ
た災難がダースベクターの仕組んだものであることを突き止め
る。ホテル・アメリカは幹部が毎年家族旅行で訪れていた思い
出の場所だった。早速この部屋で手掛かりを探すYだったが、
見つかったのは1本の酒だけだった。半ば諦めかけたYだが、1
匹のネズミが逃げ込んだ壁に貼り付けられていた絵がずれてい
る事に気づき壁を破壊、隠し部屋を発見する。そこでYと娘は、
死んだ幹部がバウザを追跡し続け、拠点となっている場所の座
標を発見する。座標の数字を地図と照らし合わせると、そこは
砂漠のど真ん中だった。娘と共にダースベクターの秘密基地に
向かうYは、途中、列車の中で殺し屋ヒンクスと再度対峙する
こととなるもなんとか倒し基地に到着する。そこで再度バウザ
ーと対峙したYは、Cもダースベクターの側についていること
を悟るが、直後バウザーの部下に昏倒させられてしまう。意識
を取り戻したYは拷問台にかけられながら、バウザーから告げ
られたのは、Yとバウザーは兄弟だということだった。事実を
聞かされたYは、直後に頭部に極細のドリルを突き刺される拷
問にかけられるが、娘の機転と咄嗟の隙を突いてQ急の開発し
た時計爆弾により窮地を脱し、彼女と共に逃げ切って、基地を
爆破させた。その後、国家安全保障局に戻り、Cを逮捕しよう
とするが、いち早くCは逃走。Yは追跡し高層階からC死は転
落死する。爆破予定の建物でバウザーに捕まっていた娘をYは
見つけ出し救出しジェットボートで脱出した。そしてYは、ヘ
リコプターで逃走するバウザーを追跡し殺す。-------- 
ハイドン:弦楽四重奏曲第17番 へ長調 第2楽章Hand's Up

稚内へ戻り、ノシャップ岬を回って宗谷岬に近づくと突然、Y
が「サハリンだっ」と叫ぶ。その島は40キロ先の海上にあっ
た。マミヤリンゾーの宗谷岬では阪神大震災の募金活動をして
いるオッサンが居た。なぜ今頃本当の募金?と。コイツラたま
には頭を使え。慈善事業には甘い汁を吸うために、口先のうま
い悪党が寄ってくるもんだ。岬には大勢の車やバス・バイクが
駐車場にずらりと並んでいる。日本最北端なので多くの旅人が
ここを目的地にやってくる。記念碑を前にみんな記念撮影して
いたので、我々も順番を待って写真を撮る。元公務員特権持病
である痔のためフラフラフラフラとよろめきながら歩く。ゾン
ビだ。絶対にころびそうのない一段の階段で見事にスッテンコ
ロリンとひっくり返った。北海道の道はまっすぐで、信号がな
いため運転が単調ですぐに眠くなる。大あくびをしている。特
に稚内から網走までのオホーツクラインは単調だ。左側はオホ
ーツク海の薄銀色の波がシンミリと打ち寄せていた。こんな道
は走りたくない。速度標識はないが、メーターは時速70キロ。
これを抜かしていく車が多い。地元では一般道を90キロで走
る。「人妻とこんなところまで逃げてきたら心中したくなるな
あ」「今度は若い女と来よう」。最近、耳も遠くなってきたし、
そのうちポシャると思います。実は私は1965歳なんです。

お互いの呼び名を変えることにする。ねずみ大王Kは「爆風」
と変えるので今後は「爆風」と呼んでくれいと。姓はと聞くの
で「鎌倉」だ。ヘンな名前だと言うので、「今日雨」キョゥウ
でもいい。姓は「長崎」だ。Yはフクロウ「袋郎」という。姓
は「池」。これもダメ。「日比谷」と「東宝」。「愛媛」と「
みかん」。「吉」と「祥寺」。全部だめ。じゃあ、姓をワニだ
「鰐田」。名前は「ラコステ」と。以後「バクフウ」「ラコス
テ」と呼び合う。途中の海岸で「ラコステよウニを捕ろう」と
いうので試みたが「バクフウ」がウニの殻を1つ見つけただけ
で終わってしまった。ところで、門番を雇ったので門を作らな
けりゃならんという。助平親父の与太話を聞くともなく聞いて
いた。

今後やりたいことを話し合った。@日本の奇祭めぐりA港町の
酒場で酔って女にもたれかかるB不良婦人を発見するC公務員
になって、一年に四回もボーナスをもらい、カラ出張の裏金づ
くりやナイトクラブでの夜の勉強会?のツケを食料費でおとし
たりして税金をぶんどる。フッフッフッD雪がしんしんと降る
街で情の深い女と酒を飲むE北のオッチャンのように酒池肉林、
若いギャルに囲まれて露天風呂に入る。Fコーモリに変装して
夜の街を歩く。つまらーん、これ以上ほざくと許さん。また走
る。相変わらずの草原と海の風景。贅沢過ぎるよ。アインシュ
タイン並みの脳が空洞化してゆく。夢の中のような道を延々と
何時間も走る。オホーツク街道はあの世まで続く道だ。眠い。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番- Olga Kern-------Disco
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18 第1楽章

ここで事件発生。Kは前夜宿泊した宿でお金の入った封筒を酔
っ払って丸めてゴミ箱に捨てたという。酔っぱらいのボケ
ナスめ。早速、電話をしたが既に焼却炉で燃やしたという。50
万円入っていたという。顔つきから判断すると、上機嫌から程
遠い精神状態にあるようだ。怒っている。旅行に出ると気が緩
みフワーとして忘れ物や落し物をする人が多い。こういう人と
一緒に旅行するとトラブル続きとなる。結局、私が帰りの航空
券代や宿泊費や食事代その他もろもろの費用12万円を払った。
ヨハン・シュトラウス2世「美しく青きドナウ」Hey Hey guy
神は私たちに、成功してほしいなんて思っていない。ただ、
幸福であることだけを望んでいる

Kは白昼夢のなか、露天風呂の中で若いギャルに囲まれていた。
「ネーネー、先立つフコウって、どういうこと」「先立つもの
って、金じやん、金がなくて、チョー惨めってことじゃね」。
こいつらも入社した頃は手で口を隠しながら笑っていたのに、
少し経つと手を叩いて笑うようになり、最後は床に足をバタバ
タ踏んで笑うようになる。「ギャーギャーギャー、わーお湯だ
あー、ビショビショビショ、ドッボーン、ドボンドボン、ガハ
ハハハ、ゲゲゲゲー、キャンキャンキャン、チャリラリラー、
ププ-プ-プー・・・」この世の音声とは思えないギヤルの絶叫。
豚小屋の火事だな。遊園地の絶叫マシーンも負ける。地獄絵図
だー。----とにかく、こいつらの会話は男の名前と悲鳴で成り
立っている。誰かが「大城がサー」と言えば「ギャー」、「昨
日のガチンコ見た?」「見た見た」「松岡がサー」「ギャー」
てなわけ。女は筋道を立てて話さない。「やだあ」。「うっ
そ、ちょーむかつくじゃん、そんなの」と。女は感情だけで話
をする。俺ら男は筋道や論理を大切にするから、女を相手にし
てはもともと会話は成立しようがない。

女は@意味なく大声で叫ぶA便所には必ず群れて行くB昼飯は
一人で食えない。女はメスだ。男はよほどのバカでない限り男
であってオスではない。女はどんなにしつけ良く育てられても
サルから始まる原始時代から何万年と「強い男」を好む。頭の
良い男なんて目じゃない。「真理は女である、と仮定すれば、
どういうことになるか?」ベートーベン:ピアノトリオ大公

脳科学で不快な画面を見せたら、男は扁桃体で短期記憶する。
一方、女は前頭前野で長期記憶する。女の感情記憶には時効は
ない。だから、女ってものは夫の弱みを握ったならば、それを
いつまでも忘れないし、いつでも持ち出してきて容赦しない。
死ぬまでおぬしを決して許しはしない。おぞましいばかりにダ
イナミックな異星人なのだ。
女性たちは始めこそ可憐だが、出産し、年月が経つにつれて彼
女たちは怪物化していく。なぜなら、男は妻が家事や育児に苦
労しているのに対してほとんど何も手伝わないからだ。自分の
世話まで要求するから妻はキレる。哲学者Kはついにババアを
てなづけることはできなかった。

男は利害を見極めて野心を抱く動物である。その本性によって
浮世の闘争の中に身をおく生き物だ。名声と富を求め、世間の
注目を集めようとし、他人を支配しようとする。男にとって恋
愛は青春期の装飾であり、幕間に歌われる歌ぐらいにしか思っ
ていない。
一方、女性の生涯は愛情の歴史であり、愛情の野心が支配権を
握ろうとする強欲で渦巻いている。

Kにはある種の専制政治の脅威が身近に存在しており、その下
で長くあえいでいる。世に言う「かかあ天下」である。
それはともかく、ここでKの鼓膜は破裂。「ワーッ、ティッシ
ュが浮いてるう」バカたれ、それは湯の花ってんだ。--------
これが女の正体-

しかし、と反語を言えば、今までの女への否定は全部ひっくり
返る。世界は女を中心に回ってるかって?ウン、ソーダ、女は
子供を生む。何年もの間、いっときも目を離さずに付きっ切り
で世話をやかなければならん。つまり危険に満ちた状況で子を
守り生き延びなければならない。男のようにいさぎよく己の非
を認めていちいち責任を取っていたら、子は間違いなく野垂れ
死にだ。だから女は己の非を非と認めぬようにできている。専
制君主であり独裁者なのだ。女に理屈を言っても無駄だ。文句
があるなら女を造った神様に言わねばならん。もし文句を神が
創った女に言ったら手ひどい神罰反撃が待っている。女を敵に
回して得はひとつもないぞ。女のおかげで人は代をつなげてい
く。ひたすらありがたく思わねばならん。子供は本能的にそれ
を知っている。だから母を選ぶ。俺たちは母が懸命になって守
ってくれた目の前の一日を積み重ねて、今日を生きているのだ。
男は自分の持ち場を見渡して、すぐに自分の身の丈にあった役
回りを見出そうとするが、女は身の丈を計らないし、脇役にも
回らない。全ての女は常に主役たらんとするのだ。

あんたは間違ってる。一から十までことごとく間違っている」
「病原菌のせいだ」と女は言った。

ビゼーの《アルルの女》「
 第2番から 「メヌエット」。Please Mr Postman-

クッチャロ湖近くの喫茶店でコーヒーとサンドイッチとサラダ
を注文。吸い寄せられそうなタラコ唇をした若いウェートレス
は大根足を揃えて、注文を復唱して深々と頭を下げた。サロマ
湖の前にある北勝水産のホタテバーガーを食べてからマルセイ
斎藤商店閉店でお土産の海産物を買う。ここは市価の半値と安
いので料理店や地元の人で混んでいる。毛がに・花咲かに・ホ
タテ・ウニ・トバなど一万円分を自宅に発送してもらう。鼠小
僧Kは「いつも食べているから」と言う。今、彼のフトコロは
ホームレスの貯金箱なみらしい。

主観的な時間の経過は、子供には長く、大人には短く感じられ
る。子供の頃は江戸時代はすごく昔だと思いましたが、そうで
もないかなと。子供の頃は2000年前のキリストなんて何の
関係もないと思っていたが、90歳の今、現在と密接に繋がっ
ているんじゃないかなと思うようになってきた。ジャネーの法


昼食は網走刑務所前の「オホーツクバザール」で食べる。三大
カニてんこもり一人7350円が5250円に割引中だという
ので注文。一人につき、デカイ毛蟹一匹(5250円はする)と
デカイ花咲蟹半匹と大きなタラバ蟹半匹。Kはいきなりばきぼ
き脚を捻り折り、べちっじゅるぅじゅぱじゅぱずずずふにゃふ
にゃ、んごんごくちゃくちゃべちっぽきっじゅるじゅるむにゃ
むにゃ、と・・・ひたすらカニの脚にかぶりつき吸い付いてい
た。周りには遠巻きにして奇妙な生き物を見るような目つきの
老若男女がいた。-------- 網走監獄博物館へ。

知性が雲散霧消したKは「網走番外地」を歌いながら、出所す
る受刑者が二度と罪を犯さぬように誓ったところからネーミン
グされた鏡橋を渡る。半生を反省し、ジジイ顔を水面に映し、
二度と食い逃げはしないと誓った。橋を渡るとレンガ造りの重
厚な、国立監獄大学があった。中は思ったよりスゴイ。逃亡囚
が大天井にいた。うーん、脱獄を目指す人はここは一度は行っ
てみるべきだ。余計なことを知って命を落としても知りません
が。北海道の道路は殆ど囚人によってできたと書いてある。
極寒の流氷館へ、次いで入館者ゼロの巨大な北方民族博物館を
見てから裏摩周へと向かう。切腹した三島由紀夫もキチガイだ
と思われていたけど、でも時代がキチガイだったんです。

途中で山道に入り、そこで野生のキツネを3回ほど見た。キツ
ネは、しばらく我々の車の横を伴走していた。車の前を野生の
鹿が走って横切って行った。Kが「ウオッ。鹿や。」と叫んだ。
声にびっくりしたあやうく崖から落ちそうになった。裏摩周展
望台は観光バスがやってこないので空いている。10人ほどの
グループに撮影を頼まれる。Kは「それでは撮ります、1、2の
3,4,5,ろおーく、しーち、ぱち」クスクス。バシャ。「顔がく
ずれてしまったわ」と、妖怪顔のおばさんは言った。-------- 
ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ

知床ラウス羅臼のセセキ温泉がある。オホーツクの海岸に湧く
原始の温泉。国道脇なので周囲から丸見え。そんな事は気にせ
ず皆入ってる。目の前に国後の島影を沖に見ながら入浴。時々
頭に波を被ってしまう。こんなにワイルドでダイナミックな湯
は温泉王国ニッポンといえどもここセセキ温泉以外にはない。
この温泉は漁師の浜澤さんの「風呂」なのである。「こまっち
ゃってんだよお。オレンチのフロに毎日、知らない人が入りに
来るんだ」という事態に発展した。困惑しながらも、人の良い
浜澤さんはハルバル訪ねてくる人のために、フロを整えている。
というのは一日二回満潮で湯壷は水没。その海水湯を完全に抜
き、源泉は熱いので澤水で温度調節。訪問者の増加で一つ湯壷
を増やした。それでいて今もお金をとっていない。パッと見は
かなりおっかないがすごく熱い男なのだ。湯船のまわりまで潮
が満ちてホント海中温泉状態だ。浴槽の湯面より海面のほーが
高くてちょいと怖い。岩の裂け目から温泉が噴きでてる。潮の
香りぷんぷんの食塩泉はポカポカにあったまるから半身浴での
んびり入ってられる。海に囲まれて気分は最高っ!。大きな空
と海の間で素っ裸になるという、この上ない開放感は至福の境
地である。--------
シューベルト:《アヴェ・マリア》エレンの歌 第3番
感情をあふれださせてしまえば、理性は窒息してしまう

ここでKは夕陽で有名な黄金崎の不老不死温泉のことを思い出
した。K「あのう、温泉だけ入ってもいいですか?」「はい、
どうぞ。あの波打ち際の露天風呂です。」若い女将さんがニッ
コリ笑って応対してくれた。K「不老不死の温泉に入ってるん
だから、ひょっとしてアナタは100歳越えてるの?」「はい、
みなさんにそう聞かれます。」サラリと受け流されてしまった。
そうとう強かな千年比丘尼に違いない。タオルを一本ぶら下げ
て露天風呂に向かった。囲いの向こうに浴槽があるのだが、右
手は婦人用、左手は混浴と表示してある。ちょっぴり混浴を覗
き込んだが誰も入ってはいなかった。茶色く濁った鉄錆び温泉
のようだ。40度弱の温めの湯だが、長く浸かっていられる適
温だ。湯口からガボガボぼこっぼこっと茶色い湯が迸っている。
湯の中に手を沈めて見ると5センチ程で見えなくなってしまっ
た。海からは盛んに波が打ち寄せて、ほんの2mほどの所まで
来ている。波の荒い時は海面下に没してしまうのだろう。

温泉でまったりしているとやがてぐったりしてしまった。気怠
い身体を千年比丘尼のところまで運んでいった。K「あのう、
温泉入ったらぐったりしちゃった。今晩泊まれますかぁ?もう
どこにも行きたくないもん。」「はい、いいですよ。上の新館
にしますか? それとも、この旧館にしますか?」K「アナタ
のいる旧館がいいな。」「ふふふ、じゃあ、八千円と1万円と
がありますが・・・」またまた軽く受け流されてしまった。こ
れは、そうとうシタタカナ千年比丘尼のようだった。この夜は
学校の先生方が慰安旅行に来ていた。常日頃接待されていない
先生がたは、サイテーなのだ。先生と医者と警察の宴会は日本
三大無礼講とよばれて有名だ。夜明けに窓から海の方を見ると、
浴衣を着たご婦人方が露天風呂に向かって歩いている。婦人用
に行くかと思ったら、迷わず混浴の方に入ってしまった。早朝
の岩場の温泉に浸かってはしゃぐトドとセイウチの群が、部屋
の窓からよく見えた。そこで、ゾウアザラシKも乱入すべくタ
オルを持って出ようとしたのだが、玄関の自動ドアは施錠して
あって開かない。仕方なく内風呂の扉を開けて入ると、学校の
先生ゾウアザラシが先に入っていた。「ははは、玄関の戸、開
かんでしょ。ワシもさっき出られんかった。」どうもゾウアザ
ラシどもの考えることは同じらしい。-------
モーツァルトのきらきら星変奏曲 K.265-AMAPOLA

熊の湯に行く。羅臼の住民が管理している無料の露天風呂は谷
川沿いにある。人気があるので朝から数人が入ってる。お湯は
熱め。脱衣場もあるし、男女別で女湯はきちんと周囲に囲いが
ある。無料のキャンプ場で無料の温泉に入る。そんな環境なの
で、この温泉のすぐ前にある国設キャンプ場にはキャンプをし
ながら住み着いている人もいる。中には郵便ポストまでつけて
、新聞を取ってる人までいる。

以前、小樽の公園で、二十歳前後の人で常時10人程度はいただ
ろうか、中心には30台半ばの男が二人いる。一人は旅ライダ
ーの人で、もう一人は地元の人。その男達が若いライダーたち
を仕切ってる。毎晩のように食事を皆でする。そのつど、買い
物をして来いとか、野菜を切れとか、指図してる。皆、ほとん
ど高校を出てから仕事もしないでバイクで旅ばかりしている連
中だ。どこそこで割りのいいバイトがあるという情報が入ると、
資金稼ぎに移動して行く。お金がたまると、また戻ってくる。
その間、公園に住んでる人達と連絡が取れなくなると思いきや、
なんとそこのボスのテントの前には郵便ポストが設置されてい
て「小樽かつない臨海公園内、誰それ」の宛て名で郵便物が配
達される。呆れた話だけど、その方法で彼らは遠く何百キロも
離れたバイト先からでも連絡を取り合っている。彼らは毎晩夜
更けまで何だかんだと一緒に酒を飲みながら連日の<宴会生活>
をしている気楽な連中だ。談笑して、眠くなったらテントに戻
って寝ている。

彼らを「三放世代」と呼ぶ。不労と低所得で「恋愛・結婚・出
産」を放棄、さらに「人間関係・マイホームの購入」ができな
い、その上「夢も希望もない」七放世代と進む人生ゲーム脱落。

他にも徒歩ダーが一人いた。なんとその人、無銭でヒッチハイ
クで旅を10年以上も続けている。旅先で人に取りつき、食事を
食べさせてもらったり物をもらったりして生きつづけている。
旅人って、エスカレートしてゆくと、浮浪者になってしまうと
思う。ここで住み着いている人は、浮浪者同然で、毎日毎日、
移動しないで近くでブラブラしているものだから、なおさらそ
う見える。この人達との出会いは「旅人」という言葉について
考えさせられた。小汚い恰好をしていても、毎日のように移動
しているから旅人なわけで、それをしなければ、ただの浮浪者
に成り果てるのだ。

さて知床峠を越えて知床五湖を散策してから近くにあるカムイ
ワッカの湯へ行く。このお湯、じつは硫酸なのだ。湯の流れる
沢を上っていくのだが、岩盤でめちゃツルツル滑りやすいから
危険を感じた。特に下りは危険。入口で借りたわらじを履いて
るとホント滑らない。500円払ってワラジで行くか、君子危
うきに近寄らずか。断念が正解。(実際1人落ちてきた)。---
ベートーベン「ピアノソナタ23番」Con te Partiro

中標津のホテル大一に泊まる。ここは常連と一見客とで接客を
差別するので知られているが、なんと言っても風呂が良いし料
理も良い。着いてスグに風呂場へ直行。脱衣場でユニコーンK
は火を吐くドラゴンが描かれたTシャツと申年だからと真っ赤
なブリーフをはいていた。ハケと言ってYに与えたのはキティ
ちゃんのパンツ。Yは後で捨てた。浴室に入ると広いつくりで
湯船も床も壁も天井もすべてヒノキ作りだ。20人ほど入れる大
浴槽がある。..ン?浴槽に年配の方が入っててピクリとも動
かない。高齢者だから「もしや」と思い、近づいて声をかけた
ら、Kだった。ちゃんと返事してくれて一安心。心臓が止まっ
たかとびっくりして心臓が止まりそうになった。チョイ熱めに
感じるお湯はとっても濃いかけ流しで、すべすべ感がものすご
い。窓からは木々の緑が見えて、とてものんびりとお湯に入れ
た。身体を洗ったら露天へ。露天風呂は手を伸ばせば川に届く
近さにあった。丸木舟のフロがある。「チョ〜気持ちいい」。
汗がガンガンでてくる。ホント最高にすばらしいお湯だ。あま
りの気持ち良さにKも全身脱力でお湯につかっていた。
夕食。出された大きな毛蟹をみてKは「うわー、又毛蟹かあ、
もう見るのもイヤだあ」とカッコつけて言った。ハネムーン用
トランクを30年も使用しているKは家に電話した。「元気い
っぱい毎日楽しんでいるよ」と。夜、庭の木にシマフクロウが
やってきた。池のヤマメを食べにきたのだ。羽を広げると10
0cm以上もあった。その後Kは手紙を書き、身体全体がカニ
と化し、布団へカニ状にもぐり込み、口からカニのようにアワ
を出して寝た。---------ウェーバー舞踏への勧誘 変ニ長調
こだわらない、怒らない、多言せずに、じっと考えることは苦
しみを断ち切るはじめである

翌朝、白魔術師パロマヨンベKは自分の姿を隠せるトラバヒー
トちゅう呪文を唱えながら歩いていると、すでにYは起きてい
て、玄関前で拾ってきたボールを蹴って遊んでいた。朝食の種
類の多さには驚かされた。食後にモチツキが始まった。おみや
げに搗き立てのモチをもらって出発。K「カメラを忘れた。」
Kは部屋へ引返して探していたが旅館の人がロビーに忘れてあ
ったのを保管してくれていた。Kの足元を見ると、右左全然違
う靴を履いていた。過去にもスニーカーとジーパンで泊まり、
翌朝、他人の豹柄のコートを着て、高級ブランドの立派な靴を
履いて出発した事があった。

開陽台に向かう。北海道の直線道路と言って真っ先に思い浮か
べるのがここではないでしょうか?中標津開陽台「北十九号線
です。開陽台下の中標津ミルクロードには圧倒的な大地とちら
ばる牛たち。アップダウンの一本の道が広い牧草地帯をどこま
でも貫いている。ただただ感服するばかりで言葉はいらない。
この道を走っていたら、目の前に延びる地平線にまるで吸い込
まれそうだ。ラ・レトリでアイスクリームヨーグルトを食べる。
これが旨い。この旨さをとても言葉では表現できない。詳しく
は行って食べてみてください。Yはペロリと食べてから私の分
まで半分食べた。その際、雪のカマクラのように掘って食べ進
んだ。今だかつてこんな食べ方をしたのは子供以外にいない。
900草原は広大な風景で、周辺は果てしなく続く牧草地にな
っていて、遠くには雄阿寒、雌阿寒岳や摩周湖の外輪山も一望
できる。ここで草原に寝転がって昼寝をする。最高。--------
ドビュッシーのアラベスク 
敵を倒した者より自分の欲望を克服した者の方がより勇者だ

摩周湖に寄ったが、辺り一面が霧で包まれていて湖どころか周
りの景色さえ全く見えない。「霧の摩周湖」として有名なんだ。
きりーのお、摩周湖おー、とアルゼンチン歌手Kは歌った。有
料の第一展望台があったのだが、ケチケチ軍団員Kは数百円の
駐車場代を「まあ霧も濃いことだし、今回はあきらめよう。」
とケチった。その時突如、霧が消えはじめアッという間に陽が
さし始めた。なんという奇跡だ。崇高な信仰心に感じて神が降
臨された。すばらしい眺め。霧がまっさらに晴れたときに最も
美しい摩周湖を望むことが出来た。

ここでちょっとした事件が発生。オヤジが叫んでいる。それは
なんだかトルコ語に響いたが、問題は私がトルコ語を一度も聞
いたことがないという点だった。

「ワーワーワー今日は北極熊がお星様を食べたから明日は雨だ」
「ワーワーワー秩序なき混乱を黙認した共和国が滅ぶ時がきた。
この恐るべき究極兵器が、元老院と奴らの艦隊の息の根を止め
る。帝国とダースベイダーの前に、残った星系はひれ伏すのだ。

「ワーワーワーおれは2億年前にさかのぼる知識をもっている。
一度死んだが、偉大な力を持つ精霊として復活した。
御怒りの大いなる日は来た。これから40日間絶え間なく雨が
降り続き大地は水没する。人類は水没した地に朽ち果てる。神
は憎悪の支配する人類を見捨てられ、わし一人を選んだ。猿の
攻撃から人間を守らねばならん。地球の支配者は昆虫だから。 
急がなければっ。神を待たせてはならん。電話帳で神の住所を
調べなければならん。
ところで200円恵んでくれないか。ドル札はだめだ。俺は全
能の神だから侮辱することは許さん。殺してくれと願っている
のと同じだ。全能なる炎の力によって聖なる儀式をして邪悪な
教授をナイフで殺した。俺は自分が何を話しているかよくわか
っている。俺はマトモだ。」そしてシャツを脱ぎ下着も全部脱
ぎ棄てた。奇声を発しているというので、親切な(?)観光客
が警察に通報した。警察がやってきた。

「おまわりさん、ダークサイドという悪のエネルギーが銀河系
を脅かしている。私もレーザー処刑班に狙われている」。おま
わり「ははぁ、ダークサイドですね。レーザー処刑班ですか。
危険な連中ですなー。そのレーザー処刑班に対する最も効果的
な方法をお教えします。まず住まいの四隅に大量のコーヒーの
粉をまくことをお薦めします。粉の発ガン物質アクリルアミド
が連中の感覚を狂わせるのです。それから帽子の内側にアルミ
ホイルの箔を張ります。これで殺人光線を防ぐことができます
。パンツの中にも入れておいたらいいでしよう。それでダーク
サイド帝国の野望を打ち砕くのです。アメをどうぞ」。
オっサンはアメをしゃぶりながら「おれは全能の神だ。UFO
が迎えに来るのでこれから北極点まで歩いていかなければなら
ない」と言って消え去った。全能の神がなぜ歩いていくのか不
思議だ。おまわり「ありゃ、本当に神様からお呼びがかかった
のではないか?」。

歩いていくと、そこの駐車場で車の中で寝起きして旅を続ける
別のオジサンと出会った。大きなワゴン車の中にはベッドあり、
小さなタンスあり、鍋あり…。生活するありとあらゆるものが
詰まっている。このおじさん、なんと、1年間の半分を車の中
で生活して旅をしているという。半年間は大阪で建設関係の仕
事をフリーでやって、その間は道頓堀の川船の中で寝泊まりし
ている。あとの半年は全国を放浪しているという。税金を払っ
たことはない。妻子とは別れた。毎日毎日そんな生活、不便な
はずなのに、それが全く苦にならないどころか、むしろ気持ち
良いという。ストレスが、人の精神衛生をいかに圧迫していた
のか知ることができた。自由を満喫できるからホームレスは3
日やったらやめられないと。とにかく変な人間に次々と出てく
る日だ。-------
チャイコフスキー幻想序曲「ロミオ&ジュリエット」

近くの第三展望台(無料)へ行く。ウーン、ここのほうが第一展
望台(有料)より迫力がある。おまけにバスが立ち寄らないから
空いている。山を越えてもう少し進むと偶然にも硫黄山という
観光地があったのでそこに寄る。岩山で地面からはもうもうと
水蒸気が吹き出している。山を下りてから阿寒湖に向かう。阿
寒湖ではボッケに向かってトレイル。ボッケは地球のへそのよ
うな泥火山だ。別府温泉の坊主地獄みたい。湖畔の桟橋に立つ
と爽やかな風が心地よい。おみやげ屋に立ち寄った。おみやげ
屋には300万円するクマの木彫りが置かれていた。Kはここ
で欲しがっていたマリモを500円で購入。この1センチのマ
リモをフラスコに入れて大きく育てるのだと彼は言う。直径10
センチになるには190年かかる・・・。百味庵でソバを食べ
る。クロレラの入った緑色のイクラ蕎麦と種込蕎麦、これが旨
い。まだ食べてない人は今すぐ行きなさい。アイヌコタンのお
みやげ屋さんで、Kはマタンプシを購入。これはアイヌのお守
りで、ハチマキのように頭にまくものである。これを巻いてい
ないと事故るんだそうだ。----ブルックナー交響曲8・9番
 ニ短調 第1楽章Wonderful Italy

オンネトーで霊能者Kは写生していたカワイイお姉さんに触発
されて、横に並んで即席で絵を描いた。Y「なに、これー」K
「これはだなー。これが火星人の大将で、下士官に訓示してい
るんだなー。空に浮かんでいるのが地球でー、日本がここで、
右がアメリカ、左が中国で、左下がオーストラリアなんだな」
「山下清かー」。・・・釧路に着く。石川啄木がボロクソにけ
なした哀愁の霧の街だ。国道沿いに釧路湿原の市営展望台があ
りその駐車場に車を止めたが、やはりそこも有料だったので、
すこし北側にあった無料の駐車場からも湿原が見えるのではな
いかとドケチなKの提案。そこに車を止める。予想どおり、そ
こからは広々とした湿原が見渡せた。釧路湿原はつまらないの
で早々に退散。道がわからなくなり道の駅の本屋に立ち寄った
。そこで地図を座り読みをしていて店長らしき人に注意された。
ドラエモンの漫画本が置いてあるのを発見、それを買うかどう
かで非常に迷ったが、結局650円は高いという判定が下され、
しばらく立ち読みしている内に1冊丸ごと読み終えてしまった。
道の駅の中に酒屋があり、アルコール度数97%のウオッカも
置いてあり、会長のおみやげに買った。宿に帰ったら、これを
飲んだら会長は急性アルコール中毒で確実に死ぬとおどされた。
そして自分が飲んだ。善良な市民の権利が共産主義ソ連の酔っ
ぱらいによって踏みにじられた。-------
サラサーテ「カルメン幻想曲」アラゴネーズLast Christmas

然別峡の一軒宿菅野温泉。七福の湯の名前のとおり7種類の源
泉があって増築を重ねて迷路のよーな館内に5カ所の浴場があ
り、その全てがかけ流し混浴。日本で唯一の全館混浴旅館。こ
この魅力はもちろんその泉質もあるけど昭和20年築の木造の旧
館や古い湯治場の雰囲気の浴室でホントすばらしい。かんの温
泉の奥にある鹿の湯はユウヤンベツ川に湧き出る温泉である。
滝やエゾシカも見られる露天風呂は野趣満点。露天から川まで
ホントすぐそばで川の音を聞きながらの入浴は気分爽快。静か
で自然の中で温泉してるって感じがすんごくする。でもここっ
て増水すると水没してしまいそー。アーいい気持ちと思う程な
く第三次世界大戦勃発。敵機来襲。ドでかい虻がウヨウヨ。攻
撃的な虻でYはスリッパ片手に激闘10分。あらかた撃墜したの
で入りましょ、と思ったら、またもや、虻がワンワン寄って来
て集団攻撃。特攻隊員Yは裸でタオルを振り回し走り回り、K
は走って逃げ回った卑怯者。敵方の体当たり。おまけに、敵は
無尽蔵だぁ。撤退命令はつれい、撤退撤退!Kは無傷で逃亡し
たが、反攻したヒーローYは被弾3。
ここでYはどこからか調達したエアゾール式猛毒殺虫スプレで
あたり一面に噴霧した。さすがのKも悪臭紛々たる必殺ガスを
浴びて肺がんになりかなり寿命を縮めた。しかし偏執病、誇大
妄想、作り話症の発作は依然として繰り返された。ー--------
チャイコフスキー序曲「1812」Say You'll Never  

大雪登山基地のトムラウシ温泉に向かう。砂利道を走ってよう
やく夕刻着く。大広間で百人ほどが雑魚寝。夜8時頃、すごい
音とともにカミナリが落ちて停電になった。登山者にとって夜
の闇は当たり前なので誰も文句一つ言わずヘッドランプをつけ
て館内をウロウロ。文句を言っているのはKだけ。----------
我々以外全員が夜明け前に出発して、7:00に起きたときには誰
もいなかった。次に池田の「ワイン城」へ行く。十勝ワインだ。
町営レストランもある。「ワイン城」(入場無料)には工場が
あって、十勝ワインの製造工程が見学できる。へえ、こうやっ
て・・・瓶詰め以降のラインしか見られないのだけれど、結構
面白い。瓶詰め後は、おばちゃんが光に透かして目視で検査す
る。 そして、いよいよ試飲コーナーへ。突撃!小さいカップ
が置いてある。五種類のワインを試飲。Kはリュツクから取り
出したカップになみなみと。「うおーうまいうまい。」正真正
銘完璧な酔っぱらいが現れいでた。
------プロコイフェフ「ピアノ協奏曲2番」 
It Never Rains In Southern California

帯広で丸美ケ丘温泉に入る。古い建物ながら脱衣所はきれいに
掃除され、手入れが行き届いていて快適。浴室に入るとまず広
さにびっくり。二本の源泉のうち最初は大きい浴槽から入浴。
ちょい熱めに感じるお湯はとっても濃いモール泉かけ流しで、
すべすべ感がものすごい。モールの芳臭も気持ちよくて、十勝
モール泉の実力を充分に感じることができた。亜炭層を浸透し
て来た湯は黒っぽくて、世界ではドイツとここだけしかない。
とてもいいお湯だ。窓からは木々の緑が見えて暗い浴室とあい
まって、落ち着いてお湯に入れた。カランは温泉を利用してる
。桶に湯を出すと気泡で白く濁る。次にぬるい小浴槽につかっ
た瞬間にシュワシュワの泡が私の身体を包み込む。太陽の光が
当たるところが薄いモールの飴色に輝いてる。大量の小さな気
泡が全身をかけめぐっていく。今まではモール泉はそんなに興
味がなかったけれど、温泉通の方達が最後にはモール泉の炭酸
泉にはまってしまうワケがわかった。ホント最高にすばらしい
お湯だ。最後にまとめるとここの温泉を味わうためだけに渡道
してもいいって思わせる最高のモール泉だ。
帯広は食べ物がうまい街。六花亭本店がある。帯広名物の豚丼
をぱんちょうは満員だったので新橋で食べる。運ばれてきた豚
丼はドンブリから肉がはみ出ていた。このはみ出しがたまらん
ね。目の前に炭でほどよく焼かれた肉汁たっぷりのつやかな豚
肉が現れる。白髪ネギと一緒に食べると美味しいよ、と言わん
ばかりに白髪ネギがのってる。口に入れた。炭の香ばしい匂い
と、ほどよく染み込んだタレの味、そして何より柔らかい豚肉
にはギュッと美味さのエキスが詰まっている。そしてそこに白
髪ネギのささやかな辛味がスパイスとなり、堪らない美味さへ
と変貌する。ちょっと苦味があり、初めて食べる人はびっくり
の味ですが、二口三口食べていくうちにこのタレの奥深さに感
動する。「うちのはソースがちがうジャン。こないだ××さん
が来てこんなうまい豚丼ははじめてと感心しとった。コツがあ
るんヅラ」と、おばちゃんは説明してくれたが誰も聞いていな
かった。------プッチーニ:歌劇 《蝶々夫人》

富良野に向かう。富良野駅では「北の国から」のテーマソング
?が流れていた。ここでトイレ休憩。アラビヤで駱駝使いだっ
たKはトイレ個室で歌った。「雨は降る降る、じんばはぬれる、
こすにこされぬ大井川」と歌っている。箱根八里か田原坂か一
体どちらなんだ。続いて「国境の長いトンネルを抜けると、そ
こはもう雪国だった」「老いては子に従えとのお言葉」「いよ
いよ入場です」「生きるべきか死ぬべきか」「抱いておくれよ
、しっぽりと」「縞の財布がカラになる、丹後の宮津でピンと
立った」「ああすればこうなつて旦那になったらエッサッサ、
アウト、セーフ、ヨヨイガヨイ、ジャンケンポン、アイコデシ
ョッ」「明日ありと思う心のカッパの屁」「カンナンシンクい
かばかりか」「笑止千万、抱腹絶倒」「月夜に釜をぬく」「そ
このぬけたとっくり」支離滅裂だ。トイレのあと駅の自販機で
ジュースを買おうとして横をフト見ると「青少年有害図書」と
書かれた白いボックスがあった。ふたを開けると買おうと思っ
ていた週間誌が4冊も捨ててあったので、手をつっこみ速攻で
ゲット。温泉に向かう途中にある「フアーム富田」へラベンダ
ーを見に行く。他の花も植えてあり辺り一面が花畑で虹のよう
に美しい。北海道のすばらしい景色を堪能する。

化粧品を総動員し巨大な魔女に扮したオバサ
ンたちの一個連隊が写真を撮っている。でんぷん質と穀類と甘
いものと脂肪をあまりにも野放図に思う存分食べ続けたらば、
かくもあらん、というふうなライトヘビー級のシロモノだ。「
花は写るかしら。」「花は写るけど足は写らないわ。」傍で聞
いていたKはここでヒトコトからかった。「花は写るが顔は写
らないほうがいいだべ」これがオバサンの耳に入ったからたま
らない。怒りの形相だ「なんですってっ。」K「ヒェーごめん
なさーい」と謝罪の言葉を自動操縦モードで口にしながら赤外
線追尾ミサイルのように駆け出した。-------
グリーグ《ペール・ギュント》第1組曲 作品23-Yellow River

 「北の国から」ロケに登場した吹上温泉は大雪連峰十勝岳の
中腹にある露天風呂の温泉。車で登っていく。十勝岳は緩やか
な山。温泉はきれいに整備してあり周りは林で雰囲気も良い。
少し行くと無料露天風呂の温泉があった。Kは温度を確かめた
後、すぐ近くの駐車場で素早く服を脱ぎ、温泉に飛び込む。か
なり熱い。酔っぱらったKにはちょうどよい湯加減のようだっ
た。先客の男性がいて、Kのあとに3人の女性と男性1人の妙
なグループが入ってきた。女性3人は若く、男性はおじさんと
いった感じ。女性3人は体にタオルを巻いている。貼り紙によ
ると以前、脱衣した女性の服が無くなる事件があった。そこで
Kは貴重品をウエストバックに入れて、それを頭にひっかけて
ヘッドライトもつけ、さいごにタオルを頭からかけ、あごでし
ばり入浴した。バカに戻るにはもってこいの温泉だ。それを見
て女性3人はクスクス笑っている。その時、沛然と雨が降って
きた。本来のバカにもどったKは全裸のまま皮靴を履いて、服
を持ってタオルで前を隠しながら数十メートルさきの車にスッ
トコスットコ跳びながら走った。こんなことは朝飯前だ。昔も
今も天下無敵だ。大阪の鬼切虎子?ちゅう金貸しの女と温泉旅
館へ行って二人とも酔っぱらって些細なことで痴話げんかの果
てに女がKの服を前の川に捨てて出て行ってしまったので、し
かたなく旅館の名入り浴衣を着たまま電車で家まで帰ってきた。
致命的欠陥行動人間だ。そこで出会った管理人のおばさんにY
は気に入られた。冬はスキーに来なさいと言う。Yは「ここの
温泉と暖かい人情宿はいいな。おばさんたち、夫婦水入らずの
温泉宿でいいですね」。「腐れ縁の泣き寝入りです」。-------
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品97 「ライン」
 ドリゴ愛のセレナーデ-Vienna, City of My Dreams

望岳台から白金温泉へと回る。温泉から美瑛に下るときに見え
た下界の眺めは言葉にならないくらいの美しさ。「写真だ、停
めて。」記念撮影したいためにスグに車を停めろと命令。急坂
だから危険と判断したYは無視。Kは激怒「おまえ、ひょっと
して、わしが嫌いなんか。」Y「いや、好きですよ。たまには」
。八つ墓村の白金温泉に泊まる。大砲の弾で直撃されたKは通
された部屋でゴロンと横になる。しばらくすると叫んだ。「部
屋が傾いているぞ。頭のほうが下がっている。窓から覗いてみ
よう。アッ」ブルドックKの下顎は急降下した。顎のちょうつ
がいが外れなかったのは不思議だったが、裏は本当にガケだ。
「ワオー、ヤバイ、崖のほうに傾いている。今晩、台風が来る
らしい。風で吹き飛ばないか」Kはお祈りしだした。「お天道
様、とにかく今夜だけは建物がガケから落ちないようにお願い
します。明日の客が来てから落ちてください。それと幽霊が出
ないようにお願いします」。常備薬をビールを飲みながら「あ
なたは前世は何だったか」というワケノワカラン番組を見てい
た。頭のネジが一本足りないKは「木星の位置がおかしい」と。
何か宇宙天体学で天変地異が起きるか、それとも単なる痴呆か。
前世でマリリンモンローと結婚していたというKは寝床で絵入
り黄表紙「吉原丸裸」という本を見ていた。Kの堕落度ははる
か宇宙から地上へ激突した。------------
モーツアルト「ピアノ協奏曲20番」-Samba pa ti

翌朝、台風の影響で停電。ローソクで朝食。出発する。白金イ
ンフォメーションセンターの上にある模範牧場入り口から牧場
へ向かう。いい眺めだ。自然村から野鳥の森を経由して白金温
泉へ戻る。このコースは誰も走らないので気持ちがいい。あと
は四季彩の丘を見学。Kの腹がグーと鳴った。そこで、フラノ
ワイン工場見学。無料試飲コーナーで「特別限定品」の十二種
類のワインが試飲できた。GOOD。富良野・美瑛をドライブして
いる時、断末魔の声でKが横から叫ぶ「アブナイっ」。その大
声に驚かされ、あわててブレーキを踏む。別に危なくも何もな
い。単なる酔っ払い特有の妄想である。Kは病的な方向音痴。
方向音痴以前の問題で、家に向かって帰ってるときに、自分の
家の前を猛スピードで通りすぎたこともある。「そこを左だっ
」。私は右にステアリングを切る。Kの出す指示はことごとく
間違っていた。「ブレーキを何回も踏むな」「下手な運転をす
るな」「余所見をするな」とイチイチうるさい。そこで90歳
の母が「今まで健康食品を飲まずとも健康」と言っていたのを
思い出し「今まで何十年と運転しているが無事故無違反。優良
運転者ゴールドカードのAタイプ保持者です。」K「クソッタ
レメ、ワシわBタイプだ」。

美瑛のアップダウンの軽快な道へと入る。ここでKは「ワシが
運転する。ワシはプロのドライバーから直接学んだんだ。」と
言い出して交代。そしてそれは、人が二度と繰り返したいと願
うような経験ではなかった。Kがステアリングを切るたびに車
内から見える太陽が右に左にとせわしなく動き、硬直した全身
は遠心分離器のように飛んだ。急ブレーキと急角度のUターン
だ。F1モナコグランプリに出場する気か。Kは革張りシート
に片ヒザを立て、右手一本で運転し時には両手をハンドルから
離す。見通しの悪いカーブで次々と追い越しをし続け、他の車
はみんな賢く避けていく。ジグザグコースへ来た。直進し突き
進んだ。そのとき、またもKの酒臭いゲップがでた。今走って
いるシルバーのBMW530は酒気帯び運転ですよ----検問に
引っかかることを切に願った。
しばらく走っていると突然、道の真ん中で止まる。ああ、やれ
やれ、ありがたい。生きた体でここに来れた。「写真を撮る」
と。
しばらく行くと急ブレーキで又止まる。後続車もあわててブレ
ーキ。今度は何事か。「免許証をなくした」という。あきれ果
ててポケットをよく探すようにと言ったら見つかった。酔っぱ
らいには付き合いきれん。Kはこのきれいな車内が気に入らず、
一発特大の屁をぶっこいた。「ちょっとタイム、キジ撃ちに」
と、クルマを放置してどこかへ消えてしまった。イヤハヤまっ
たく、このポンツクにはいい加減げんなりした。・・頭にウの
つくばっちいものを、そこらあたりで置き土産した。
ヴェルディ:歌劇《椿姫》 「乾杯の歌」-bigin 


ここでヘンな話を思い出した。Kがむかし期限切れのナンバー
をつけて、三菱のコルト1200という箱型の中古車に乗って
いた。オイル交換が面倒くさくて、彼はオイル交換はしない。
減っていれば継ぎ足しだと自慢して乗りつづけていた。あると
き彼は私を呼びだして二人でオイル交換をした。走行は5万キ
ロ程度だったが、オイルを抜くと今まで見たことのないような
真っ黒な粘度のオイルが抜けてきた、ドロッとしていて、みる
からにすごいエーリアン状態のオイル。これでもエンジンは壊
れずまわるんだからすごい。フィルターを取替え新しいオイル
を入れてエンジンを回すとすごい音がヘッドカバー内からして
くる。それからはバグパイプ吹きKがやって来ると、かなり遠
くからでもわかった。カタカタカタカタとまるで戦車のように
けたたましく、マフラーからは白煙を出して忍者の煙幕のよう
に走っている。足元のマットをめくると地面が見えた。十ヶ月
で十二回も故障を繰り返し、オイル漏れ、白煙ボウボウ吹き出
し、サスペンションボルト切断、メーター不良、ミッション不
良、数え上げればきりがないほど故障だらけの欠陥車だった。
彼は来年売ると言っていたが右側のライトが球切れし、タイヤ
丸坊主で車検が切れたまま、素人考えで「大丈夫だ」と判断し
て、結構、車を下駄代わりに使っていました。いずれ火だるま
走行になるだろうと思っていたら、その草臥れた車に、これま
た草臥れた男Kが乗って、交差点で信号待ちしていたら、いき
なり後ろからワンボックス車が突っ込んできて、オシャカにな
った。 めでたし めでたし…。-------
ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲 第18変奏
-Sutter's Mill

拓真館では中国人一行がいた。自転車に乗った中国人がカタコ
トの日本語で道を尋ねてきた。「シキサイノオカ、ドコ」「ア
ソコだ、コノウラノ絶壁を2キロばかりオリテまた絶壁を2キ
ロばかり上ればイケル」とギロチン執行人Kは言った。富良野
の丘をまっすぐに走る北21号線道路を走ってから美瑛へ。美
瑛のふれあい牧場で子牛に固めた草をあげてから「ビーフイン
千代田」で昼食。屋外テラスの大きなパラソルの下でビーフシ
チユーとステーキを食べる。旨い。さらにソフトクリームも。
戸外で食べると何でも旨い。花も空気も風も匂いも純粋で強力
である。Kはガツガツむさぼって、眉毛の上までたらふく食べ
た。北海道の人は旅人に対する親切なイメージが全国一良いの
ではないだろうか。昔、新日本海フェリーの大部屋で地図を見
ていたら、遠くで飲んでいた旭川のトラックドライバー二人か
ら何故かこちらへ来いと手招きされ一緒に酒を飲めという。北
海道の人は旅人を見ると酒の肴にしたくなるようだ。もともと
開拓民として入植した人達で、親や祖父の代に自分たちも外来
者としてここに来たのだ。Yはこういうふうに地元の人に食事
に誘われるのは好きなほうだけど、おじさん達から開放されて
、我々の飲酒風景を眺めていた他の人から「なまら、ご苦労さ
まだべ」と言われてしまった。反対に全国で一番、本土の旅行
者に対して不親切なのは沖縄本島。
----------ヘンデル:調子の良い鍛冶屋-世界平和のために
できること?家に帰り家族を愛してあげてください

あくる日、Yは旭川で動物園に行った。ペンギンのパレードは
3月までだった。ペンギン館と白熊とトラとオランウータンと
アザラシを見て、美瑛のミシュラン一つ星の「ちやい」で坦々
麺を食べる。
余市に向かう。このときKが「ワシがプロ直伝の「絶対確実で
100%安全間違いなし」(確か東京電力や原発関係者も同じ
言葉を使っていたなー)と言うので「運転の失敗は許されない
ぞ」といって交代した。「首は常にタテに振る」を、彼は信条
としているからその場はハイハイと答えた。もし後から何かあ
っても「あの時は何を言われているのかよくわからなかったも
んで」としらばくれる。ところが、これがノロイのである。ト
ロトロトロトロと臨終前の老人より遅い。後には金魚のフンよ
ろしく十数台が付いている。たまりかねたドライバーがプァー
アンとクラクションを鳴らして追い越していく。Kは「プロは
市街地が苦手なんじゃ」。突然、痴呆逆走老人Kは赤信号を無
視して交差点に進入し、石油を満載したタンクローリーの横っ
腹に危うく突っ込むところだった。Kは運転手が浴びせかけて
きた卑語を連ねた単語は、聞こえなかったフリをすることにし
た。

ニッカ余市蒸留所とおーちゃーく〜。その前に隣にある「柿崎
商店」でウニ丼をいただく。それから西洋のお城のよーな外見
の蒸留所へ。ここで工場
見学の受付(無料)をする。たくさんの人がゾロゾロと入ってい
く。今回は自由見学にしたけどお願いするとガイドさんも頼め
る。順路に従って工場見学をする。青空と赤い屋根のコントラ
ストが見事だ。ひととおり見終わったら緑の屋根が目立つリタ
ハウスへ行く。な〜んかスコットランドの民家って感じがする
。入口から一段高い奥にある入口を開けるとそこが喫茶ルーム
「ロッホ・ローモンド」。店内の赤い絨毯やアンティークな木
の机と椅子が英国の民家の居間って雰囲気を醸しだしてる。窓
際の席に座ったら紅茶を注文だ。ン?メニューを見ると焼きた
てのスコーンと紅茶のセット(\700)がある。迷わずアールグレ
イとのセットを頼んだ。Yはダージリン
Sバッハ:リュート組曲第3番イ短調 
偽物のonenightBangkok

Kの悲鳴、あぢぢぢぢイ。銀のティーポットを持ったらこれが
熱いっ!スコーンもでてきた。ホント焼きたてでホコホコして
る。レストラン「たる」では余市港で水揚げされた新鮮な魚介
類を楽しめる。お茶したら次はKの超お楽しみのウィスキーの
無料試飲だ。わくわく。「ウィスキー博物館」へ。貯蔵庫2棟
を改造した建物は「ウィスキー館」と「ニッカ館」にわかれて
る。白樺並木が美しい。まずは「ウィスキー館」を見学する。
そこには「ウィスキー倶楽部」って名前のバーカウンターがあ
って世界中のウィスキーが味わえる(有料)。そしてその片隅に
はニッカ余市蒸留所10年モノ原酒の無料試飲コーナーがある
のだ。クピクピ。ウーン。いかにもニッカって感じのクセのあ
るスモーク味がとっても力強くて重厚で美味しい。のどをバチ
ーンとキックしてくるのである。アルコール分は60度。喉がヒ
リついたがニッカウィスキーの実力を実感できる一杯で、これ
を飲むためだけに渡道してもよいって思った。これら原酒は市
販されていないので工場でしか買えない。チマっとだけの試飲
でけっこ〜効いた。へべれけの千鳥足でフーラフーラ。制御不
能トランス状態の癇癪狸Kはとうとう芝生にゴロンと寝た。--
チャイコフスキー《眠れる森の美女》Livin' On A Prayer

「ウィスキー博物館」から「ゲストハウス」へ。ここでもウィ
スキーの無料試飲ができるのだ。「えへへ。こんなことばかり
やってていいんでしょうか?。もちろん、いいにきまってる。
」と自問自答しながら中に入って二階にあがると試飲ホールと
売店がある。Kはニヤリと笑い早速試飲ホールへ向かう。無料
試飲コーナーではウィスキーとワインとリンゴジュースが置い
てある。ここのオリジナルってゆーウィスキーから早速Kは試
飲。無料で飲ませてもらってこーゆーのも何だけどな〜んかあ
んまり美味しくないなー。前に飲んだ余市10年モノがあまり
に素晴らしかったから。砂糖かなんかで甘く味付けしたアップ
ルワインは意外と口にあってプチヒット。ここの試飲コーナー
は何杯でも飲めるからおかわりを何回もした。真っ赤な顔にな
った釜茹で受刑者Kの世界が二つにブレ始めたので酒は終わり。
最後は、おそらく他にはないであろうウイスキーソフトクリー
ムというへんてこりんなものを食べた。いやー、思ったより景
色は美しく見ごたえも有り、結構楽しめた。毛利さんの「スペ
ース童夢」では擬似宇宙体感を楽しめるし「海鮮工房かきざき」
はあるし、余市はお勧めの観光地である。酒を飲んだあとはチ
ーズ。そこで土日曜しか営業していない小さな手作りチーズ屋
さん「余市チーズ工房」へ向う。
--------シューマン「ピアノソナタ2番」Modern Tarking

さあ、大好きなニセコへ行こう。以前に泊まったノーザンリゾ
ート・アンヌプリは素晴らしいが、騒々しい中国人が多いのが
玉にきずだ。ニセコアンヌプリユースホステルを使う。ここは
カントリーロマンにこだわるオーナー自らが建てたウッディハ
ウス。旅の醍醐味はその土地の色々な感動に出会う事、特に人
との出会いは一生の宝物になる。ここのオーナーは旅の大切な
思い出の場面を提供できる人だ。部屋もロフト付きで広々とし
ていてしかも清潔で落ち着く。夢ピリカは日本一のおいしい米
だ。ワイン付きのコース料理も素晴らしいが、19時半になる
と温泉まで送迎してくれます。これはいい。日本秘湯の会の鯉
川旅館へ連れて行ってもらえた。ここは信州松本城の城主専用
の温泉「御殿湯」と似ている。二日目は温心亭へと送ってもら
う。有名人の色紙が沢山貼ってある。長いスロープになって湯
船に続いている露天風呂に入る。このユースホステルはオーナ
ーの性格の良さが宿の雰囲気に出ていて癒される!オーナーの
話は人をとても愉快にさせる。夜のお茶会でのオーナーの気配
りはたいしたもので、そのエネルギー消耗のせいかお疲れ気味
にみえた。人とのふれあいができる抜群の宿だと思う。神仙沼
はつまらなかった。木道歩きはやはり尾瀬に尽きる。帰る途中、
グランドホテルで立ち寄り入浴していたら、中国人の団体がド
ヤドヤと露天風呂に入ってきて、うるさくてたまらないので大
慌てで逃げ出した。ヒルトンホテルも立寄り入浴したが、ゴル
フ客でいっぱいで閉口した。
--------モーツァルト:ポストホルンセレナーデ--Requiem

ミルク工房でヨーグルトを飲んだ後、無料で自転車をレンタル
しているニセコ駅や有島記念館に立ち寄り、二人でコンビニで
買ったトロロそばとカレーヌードルとトマトとイチゴを空の下
で昼食した。その後、積丹の神威岬・島牧の高さ70m幅35m道
内一の飛瀑が見事な「賀老の滝」を見て羊蹄山・支笏湖・洞爺
湖をめぐり銀婚湯旅館に泊まる。静かな一軒宿で、木の上にあ
る露天風呂が風変り。お湯良し、ロケーション良し、趣き良し、
三拍子揃った「トチニの湯」がある。動物大好きYの希望で登
別温泉のクマ牧場へ行く。クマの中でもホッキョクグマとパン
ダが好きだが北海道にはいない。Yは究極の動物園といわれる
世界最先端で東京ドーム20個分もあるスイスのチューリヒ動
物園にも行ったことがある大の動物好き。大蛇も首に巻くほど
好きという。Kはその逆で動物が大嫌い。その後Yは馬が見た
いというので日高牧場へ向かう。仔馬がとてもかわいかったの
で発作的に買ってしまった。代金は送金するということでYは
とてもうれしそうだった。この仔馬が大きくなって日本ダービ
ーで優勝するとは、この時点ではまだ誰も知る由もなかった。
ベートーヴェン交響曲第七番第一楽章ラプソディーインブルー

八雲町はジャガイモ畑で一面花をつけている。乳牛がモーモー
鳴いている。美しい川がある。夏だけ住みたくなるところだ。
さらに、きじひき高原へ。ここは穴場。大沼が眼下に見下ろせ
る。函館朝市の茶夢で活イカを食べる。980円。テレビで紹
介された函館で圧倒的な強さを発揮しているラッキーピエロで
函館山バーガーに挑戦したいけれど、次回のお楽しみにとって
おこう。旅も長くなると旅をしている自分を忘れそうになる。
「俺、なぜ今ここにいるのだろう?」と,わけのわからないよ
うな心境になる。放浪、流浪している。今の自分の旅を続けさ
せる意識というのは、旅を完成させようという、そんな気力だ
けのような気がする。それが無くなると、際限なく旅先で自堕
落な生活に陥ってしまいそう……、北海道と沖縄にはそんな危
険なムードがある。夏の北海道って、人を腑抜けにしまうよう
な魔性が潜んでいる。後に沖縄の八重山諸島に行った時にも感
じた・・。最終日。とうとう、重たかった椎名誠の本は結局一
冊も読まなかった。椎名誠氏はアウトドアマンとして有名だが、
テントの中では寒くて眠れない人なんです。カメラマンがレン
ズ向けたときだけポーズをしているのです。彼は作家だからと
苦笑いしている。河口慧海の「チベット旅行記」は一妻多夫の
箇所がおもしろかった。空港内でみやげ物を買う「何が良いか
なあ」
「夕張メロン3000円か、白い恋人1000円か。ロイズのチョコ8
00円」。Yは愛妻にメロン、けちけち大王は妻に白い恋人と
なった。「今度は妻とくるぞ」とYは言った。新千歳空港へ試
飲常連男Kを見送った。北海道の大自然も堪能できたし、食べ
物は美味しかった。Kのような頭のいい人間がひどい目に遭い、
おバカさんのYが完全勝利で道中は終わった。最悪だ。
モーツアルト?でもない。-----------
モーツァルトの交響曲 第25番 ト短調 K.183 第1楽章--
you are the first My lastevrything


最悪の旅(西表島)   はっとして跳ね起きたとたん、あまりの眩しさに眼を細くすが めた。朝の陽光が寝室の窓を撃ち破らんばかりの勢いで射し込 んでいた。静かなのでどうやらすっかり寝過ごしてしまったよ うだ。ウイスキーを浴びるほどあおったのがよくなかった。ま ぶたが下がりまだウトウトとまどろんでいた。 恐ろしい夢を見ていた。死に物狂いで走っていた。刃の長い超 大型の包丁を持った狂人に追いかけられている。半開きの部屋 に飛び込んだ。今にも心臓が破裂しそうで、汗が滝のように流 れていた。ふと見ると鮮血が真っ赤に染まっている部屋だった。 誰だか知らないがそいつの喉から血は切り裂かれた大量にあふ れ出ている。追っ手はドアのところまで迫っていた。勢いよく ドアは開けられ・・・ そこで本当に眼が覚めた。くそっ、なんだってあんなろくでも ない夢を見せられなきゃならんのだ。どうせならスッポンポン の裸女がワンサカ出てきて「ご無沙汰ね」とか拗ねられたり甘 えられたりツネツネされたりする夢あたりにしてもらいたかっ た。 「ビビビビリリリリーン、チビビビビリーン」 「ピンポンパンポンぴんぽんぱんポン」「ドンドンドン」 tsunami-------- ホテルの目覚まし時計と携帯電話のウエークアップと戸をたた くような音でKは本当に眼が覚めた。「ちかっぱ、せからしか」 九州方言。ガーン「しまった。寝すごしたっ。まずい。宮古島 行きの飛行機に乗り遅れる」ゆかたねまきのまま、羽田東横イ ンのスリッパを履いて、ももひき姿でホテルを飛び出した。駐 めておいたはずのトヨタが見当たらない。盗まれたのか。そう だ、モノレールできたのだった。しかたなく走った。ムムム。 一生懸命走っているのになぜか油の上のようにつるつる滑って 前へ進まない。あっ。前方上空を「宮古島行き」と機体に大き く書かれた搭乗予定の飛行機が急上昇していくではないか。こ の世に正義なんてもんはないっていうからな。どうもいつもと 勝手が違う。思考回路が正常に働いていない。 ドンドンドン。「カネクレさんっ、出発ですよ。いつものよう に悪夢を見ているのですかぁ」。ドアを叩くYの声でようやく 本当に本当の眼覚めをした・。 -------ビゼー:歌劇《カルメン》から 第2幕「闘牛士の歌」 日本中が冷蔵庫と化しているこの時期には、地平線のかなたの、 人が人たりうる暖かい場所へと出発するのが賢明だ。「Aはど うしたのだ。なぜ来てない。悪性の性病にでもかかっちまった のか。」「流感だよ」。いつにもましてだらしなく薄汚れたコ ートを羽織って現れたK。世界人類の幸福のため熱心に努力、 言い換えれば何もせず祈念しているだけのYと会長Tと金暮腹 愚郎Kの三人は羽田から3時間で宮古島空港に着いた。腹愚郎 のYは黒のサングラスをかけている。石垣空港へ乗り換える。 暑い。トテモ暑い。汗がダラダラ出てくる。25℃と表示。三 人は持っているオーバーやジャケットやコートをそれぞれ宮古 島空港のコインロッカーに預ける。30分で石垣空港到着、 繁華街の真ん中にある石垣公設市場で食料を調達。まず泡盛だ。 ビール、カップめん、もずく、熱帯果物、肉類、飲み物、スナ ックも買う。ルートビアが売っていたので買ってみた。ルート ビアというのは米国人が好きらしく、彼の地ではよく売ってい る。沖縄には米国統治時代に入ってきて、スーパーや一部のフ ァーストフードショップでは売っている。ビアといってもノン アルコールのジュース。飲んでみると表現のしようのない奇怪 な味。これを飲むとここはアメリカという気がしてくる。---- ----ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲 Op.228---- -----モーリス・ラベル「ボレロ」 ここで突如「不思議な理屈事件」発生。「オレは立替をしない 主義だから、おまえが立て替えろ」。「この理屈がわかる人は いない」この世界は理不尽だ。立て替えるのはイヤだ。しかも 全員の宿泊費・交通費・飲食費を立て替え続ければ、3日もた たずに財布がカラになる。暴力団員に対しては絶対言わないが Kは言った。利害関係のない人間同士で組織に属さない自 由な人間はどこまでも対等だ。世界人権宣言を読んでね。 ランチは桟橋前の石垣グランドホテルでバイキング。980円。 肉巻きポテト、豚キムチ、コーン入り肉団子、チキンとナスの トマト煮込み、カレーにケーキに杏仁豆腐、パッションフルー ツなどの飲み物、デザートいろいろ。安いね。「ん?」Kは口 の中から肉の筋を引っ張り出し部屋の隅にある屑篭が置いてあ るとおぼしき方向へロクに狙いも定めずに放り投げた。 満腹のあとは出航時間まで桟橋のベンチで缶ビールを飲みなが ら入出航の様子をボンヤリ見ていた。天国だ。目の前は海だが、 山奥に住む仙人の気持ち。 歩いていると売店にラムネが置いてあった。 ガラスケースをのぞき込んで声をかけた。「おばちゃん、ラム ネちょうだい。」「ああ、そっちからは開かないよ。」と、奥 の方からラムネを一本取り出すと、後ろを向いて手でポンと叩 いた。「(しゅぽっぷしゅー!)はい、どうぞ。」「・・・( あのね、ラムネはね、ボクタンが、ボクの手で、ぷしゅーって 開けたかったのに・・・アーア)」---------- ドビュッシーのベルガマスク組曲より「月の光 やがてNHKドラマ「ちゅらさん」で知られる小浜島へ高速船 で渡る。途中、船上で「あっ、台湾だっ」と大声で叫ぶ。 やがて台湾なる島は後方へと過ぎ去っていく。恥をかくの に慣れているのかどこ吹く風だ。小浜島にはテレビと変わらな い美しい風景が広がっている。めったに車も通らないのでノン ビリ歩く。外は雲すらほとんどないカンカン照り!麦わら帽子 にも汗がしみる。ただ、景色はよく、心地よい風が吹いている 。まわりは、さとうきび畑で牛やヤギがいて、ほのぼのした田 園風景。大岳の稜線で牛がジッと物思いにふけっている。木陰 に寝そべっていた牛が私と眼が合うとノソッノソッと近寄って きて、穴があくほどこちらを見つめる。つぶらな瞳は子供のよ うに愛らしく、牛ってかわいいなあと思う。もう牛肉を食べる のはやめよう・・・・とは思わないが。ちゅらさんの島だけに 観光地っぽいのかと思いきや、本当に色気のない元の島のまん まの状態が残っている素敵な島です。ちゅらさん遊歩道の先に は展望台がある。展望台の上からは「和也の木」が望める。島 の集落やサトウキビ畑などのどかな風景が見下ろせ、目前の西 表島から波照間島まで8つの八重山諸島が見渡せる。-Claudine -ハチャトゥリアン:バレエ音楽《ガイーヌ》から剣の舞 そこにリゾートに場違いなめがねをかけたネクタイ背広姿のド ラちゃんがいた。陽光のあたるところには出てこられないはず なのに。きっと心臓に杭を打ちこまれていないのだ。「写真 をとってもらえませんか」。これから死者の世界に帰っていく のだろうから快く撮ってあげた。われわれ三人も死者に撮って もらう。八重山を訪れているひとり旅人にはリストラで会社を やめて来た人達が多い。会社勤めしてる時には味わえなかった 贅沢な時間を使っているのだろう。サラリーマン人生の中には たまにこんな時期があってもいいだろうが、今後は死者の世界 からよみがえってこないでもらいたい。 何だか知らないけどヤギが二頭ついてくる。首輪があるし、飼 われているのが逃げだしているみたいだ。餌をやるわけでもな いのについてくる。  さて、自販機でモーニングコーヒーでも飲むと、大 岳(うふだき)99mに登ってみた。集落が丘の上にあり、すぐ に登れてしまう。なんと山頂まで山羊がついてきた。歩きなが ら道端の草を食んでいる。山羊は特別な餌を与えなくても草を 食べて成長して、子供を産んで乳を出す。そして肉にする。食 料変換動物だそうだ。それはともかく、山頂からは珊瑚礁の島 々が見渡せていい気分。---------- メンデルスゾーン:序曲 《フィンガルの洞窟》 How can you mend a Broken heart 貸し別荘「珊呉倶楽部」に到着。二人用ベッドの部屋が二室あ る。まず風呂に入って汗を流す。寝風呂のなかで足をのばして ノンビリする。応接間でゆっくりし、キッチンでコーヒーを沸 かす。別荘だから広々している。テラスからは薄いエメラルド グリーンの海と紺碧ブルーの空に白い雲が遠くにたなびいてい るのが見える。風が南国の甘い香りを包んでさわさわと入って くる。2月だというのに初夏の雰囲気だ。テレビを入れると東 北地方は気温0℃で雪だといっている。部屋でボーっとしてい るとウトウト眠ってしまった。---------- ドビュッシーの前奏曲集第1巻から亜麻色の髪の乙女 I will always love you 白のスーツに赤と白のボーダーのVネックシャツという趣味の 悪い服装であらわれた奴は「大人は少年の鑑にならんとな。」 この男が鑑なら日本の少年に未来はない。少年のころKはギャ ンブラーか外人部隊の傭兵になりたいと作文に書き、担任にお 宅の息子さんはどんな遊びをしてるんです、と母親が訊かれた。 レンタカーで「はいむるぶし」 へ向かう。185万坪の敷地だ。園内には赤瓦の沖縄らしいコテ ージが並んでいる。放し飼いのクジャクが歩き回っている。飛 んでるクジャクもいる。馬やヤギや水牛のいる広大な牧場があ る。空はカンカン照り。プライベートビーチに立ち寄る。それ にしてもやっぱりここの海は綺麗だ〜。フロントロビーで会長 は生ビール、泡盛とマンゴージュースを注文。。 帰る道の途中シュガーロードを通る。単なるさとうきび 畑ですが、そこで、ヤギと出会う。ヤギはやたらよってくる可 愛いやつだ。近くにはニワトリや馬なんかもいる。しばらく進 むと今度はなんと子ヤギが4匹いる。可愛い!聞くとおととい 産まれたばかりだそうだ。別荘へ戻って夕食。 テラスへ行く、 青空の下で飲む生ビール。うまいっ。美味しい食事を食べ終え てゆっくりして外に出ると三味線の音色がどこからか聞こえて くる。本当に静かな所です。大きな夕日が水平線に落ちる。大 海原に落ちる夕日。こればかりは感動的。まんまるい太陽が海 面に接すると,まるで海ぼうずみたいに形が変わってゆく。-- ------リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調without you だが、ここで「不思議な理数系事件」発生。夜、立替の清算を した。一人1万1千円要したので二人からもらう。ところが、こ の33000円の中にYが立て替えた3500円が含まれていた。 ちょろまかし名人Kは紙にさらさらと書いた。「500円はマ ケておくから、33000円から3000円を差し引くと一人1万円にな る。3000円の内1000円はオレの分だから2000円返してくれ」と。 Kは「オレは理数系の大学を出ているから計算には強いのだ。 ガハハハハ」と言って寝る。2000円返す。さて翌朝のこと、K は睡眠不足の顔で「一晩中、寝ないで考えたらやっぱりあの計 算はオカシイ。あと1500円返してくれ」と言う。気が付いたか 理数系。われら凡人にはたちどころにわかることが、理数系大 卒には一晩かかることが判明。Kはこのまじりっけなしのマッ シュポテトを脳に持つ男だった。----------- ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品98 第2楽章 ねたみとは魂の腐敗 旅3日目、一人寝の会長は今日も早起きです。7:00には起きて 外の模様をチェック。Kは心地よく目覚めた。自分がナメクジ になっていないことを確認してニヤリと笑った。起きて冷蔵庫 を開けると、会長が飲んだ酒があった。酔いどれ会長は秘伝の 手製の酒だといいながら飲めと言う。「どんな味かなー」コッ プ一杯ほどを一気に飲んだ。いきなり手りゅう弾のピンが抜か れ、腹の中で大爆発が起こり、爆風が胃壁を叩き、息がつまり、 目の前で曳航弾が何発も炸裂した。仁王のような真っ赤な顔を したKは叫んだ「神様たすけてー。眼が見えない。会長手製、 目潰し水のクレヲソートを飲んじゃった」。 石垣島桟橋に着いた。ここへ来ると独特 のムードを感じる。セカセカする気がしないのだ。晴れていて 美しい。楽園気分。時間待ちにベンチでまたも会長に渡された 缶ビールを飲みながら入出航の様子をボンヤリ見ていた。お目 当ては竹富島コンドイビーチ。桟橋からフェリーで出発。竹富 島は近い。船の中は観光客のおっちゃん・おばちゃんパワーが 炸裂(特におばあちゃんはすごい)。体が浮きそうなほどの時 速60Kの高速船。揺れがあるたびに、あははははーー!!と 爆笑し、駄々っ子顔負けで足をバタバタさせて喜んでいる。K も、しっかり船酔いとビール酔い。あぁぁ・・・早く着いてく れぇ・・・。船室にいる方が酔いにくいですよとガイドのお姉 さんが言ってたけど外で風に当たってる方が酔いにくかった。 ・・・突然水をかぶる覚悟で。竹富島まで約10分。 あっという間に島についた。港にはレンタサイクルや水牛観光、 民宿のお迎えの車がずらり。竹富島の桟橋からしばらく行くと 美しい集落に辿り着く。石垣島と違って独特の村の雰囲気です。 牛車内では兄さんがSONG安里屋ユンタを歌ってくれる。客は「 マタハリヌ チンダラ カヌシャマヨ〜♪」と一緒にうたわなき ゃいけない・・。---------- リスト:超絶技巧練習曲 第4番 ニ短調 「マゼッパ」 -Strangers in The Night 兄さんは語る。昔々竹富島の安里屋家にはクヤマさんという、 それはそれは 美しいお嬢さん がいたそうな。そのクヤマさん を琉球王国のエライお役人が見染めて口説いた。それを「冗談 は顔だけにして」ドカンと肘鉄を食らわした。安里屋ユンタは 「サァ安里屋の〜クヤマによぉ〜、あん美らさ生りばしヨォ、 マタハーリヌ、ツィンダラカヌシャマヨォ」という口上で始ま る。要約すると「 おおっ! 安里屋クヤマ さんってメッチャ メチャ奇麗 やん!この世のものとは思えへんで。」となりま す。 君は野中に咲くイバラの花一輪、帰るのを引き止めたく なる気持ち... 嗚呼よく解る。 続いて「花」「涙そうそう 」と歌う。赤瓦の上のシーサーが笑っている。赤いハイビスカ スとピンクのブーゲンビリアが目を楽しませてくれる。集落を 一通り水牛と練り歩く。会長は兄さんにチップを渡す。謝謝。 ここで昼食。庭にパラソルがしてある食堂へ入る。青空の下で 潮風に包まれて飲む生ビールと泡盛。うまいっ。しかしまあ、 こんな南の島で酒を飲んでばかりいて酔っぱらっていると、ホ ントに脳天気な気分になれます。ホンワカして何とも言えない 。脊髄の髄まで「もう,何だっていいんじゃない〜」みたいな 気分になってくる。でも、これが過ぎるとナマケモノの腑抜け に一直線。会長とKはここで裸で昼寝。南の島で昼寝をしたら、 それはもう気持ちがいい。客観的に見てナマケモノの浮浪者だ。 -------ショパンの幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66。 ------- ショパンのノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2------- ショパンのピアノ協奏曲第一番------I`m gonna give myheart -ショパン:子守歌 変二長調- 結局、我々は人の言葉ではなく、人の沈黙を覚えているのだ 横のテーブルに見たことのある人がいる。ネクタイ背広のフラ ンケンだ。「また会いましたね。奇遇ですねー。」と寄ってく る。われわれの後をつけているのだろうか。四方山話をして別 れる。いつまでもダラダラと食べて飲んで寝てグータラし 続けた。昼寝の後は散歩。坂の途中の階段を上るとそこには展 望台があった。すぐには展望台とは判らない。どう見ても民家 のように見える。木でできた壁には間違いなくひらがなで 「 てんぼうだい」と書いてある。大人100円子供50円。脇に ある階段のところに支払窓口がある。民家の窓そのものなので ある。窓の中を覗くと畳にチャブ台が有り奥からはテレビの音 が聞こえる。やはり民家だ。声を掛けてみる。すみません。」 すると奥の部屋からおばちゃんが面倒くさそうに出てくる。1 00円を支払って階段を上る。民家の屋上だ、と思ったら屋上 には展望台には欠かせない大望遠鏡がある。ひらがなで「ただ 」と書いてある。非常にわかりやすい。眺めは流石に島内一。 ぶらぶらと歩くとタバコ屋があった。おばあさんがいた。「こ んにちわあ」と声をかけた。おばあさんはピクリともしなかっ た。死んでいる、と思った。Kは、よくできた置物だと思った。 眠っているわけではない。背中を丸めて正座し、両手を膝の上 に重ねている。眼鏡の奥の目は閉じている。心配になっておば あさんが瞬きをするまで待つことにした。おばあさんの薄い髪 が風にそよいでいる。やっぱり置物のミイラだ。と結論を出そ うとした時、おばあさんが瞬きした。 また歩いていると、墓石ほどの大きさの「 憩いの塔 」という のが出てきた。憩いの塔の前には石版にこの塔がなぜできたか という事がダラダラと書いてあったが内容は全く覚えてない。 ただその文中にある「巨額を投じて」というフレーズが気にな った。どのくらい金が巨額というのかはわからないが、それに しちゃあショボイ。これもさっきの展望台と同様、この島の人 のジョークだろう。 マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調 第4楽章 -アダージェット -Casablanca 今度は集落を抜けて林道を歩いているとたくさんの鳥が鳴いて います。スキップでズンズンズンズンと進む。まばゆいほ どに白いサンゴの道。自然自然自然の緑の草木。風が吹くと薄 緑の葉がシャワーとなって降りそそぐのであった。あったかい 風には、オレンジの甘酸っぱい香りと花の甘い匂いとがふんわ りミックスされて、まさに“春”。春って本当に気持ちがいい な。ふーむ。ハイビスカスがブーゲンビリアが犬がシーサーが ・・・と、よそ見をしてるうちにコンドイビーチに到着。おお おっ!エメラルドグリーンとターコイズ色(トルコ石)に輝く海 辺だ・・・。ターコイズ色の海はウベア島以来。しばし呆然。 美しい!エーにもかけない美しさ。さすが日本のビーチ百選一 位だけのことはある。ビーチには誰も居ない、海を見ると、本 当にすばらしい色をしてる。透明で、キラキラしてて、波もほ とんどないし、これはまるで・・まるで・・・ゼリーみたい! いつのまにやら幸せな島時間にどっぷりこ。ここは南国の楽 園。見れば、沖には、海から浮かび上がったかのような白く輝 く砂州が。あぁ、私もそこに行きたい・・・。 団体観光客がワツと来てサッと帰った後に本当の竹富島があっ た。夕方、散歩していると塀の向こうで縁側に座ったオバアチ ャンが「こんにちは、どこから来たのー?」と言ってくれる。 農園で黙々と仕事をしているオジサンと眼が合った「こんにち は」とお辞儀したら「たいへんでしょー、暑くないのー?」と にこやかな笑顔に出会う。よそ者に当たり前のように声をかけ てくれる。今はもう失くしてしまった昔の日本人の誰もが持っ ていた心の綾だ。沖縄には「イチャリバチョーデー(一度会え ば兄弟)」といった言葉があるが、その感覚だ。とにかく会う 人が優しい。---------- ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104November Rain そしてサンゴの砂の撒かれた道、石垣の塀、赤瓦。人も景色も すべてが目に優しい。忘れていた感覚だった。貸し別荘「さぷ なや」に泊まる。星空のもと庭のテーブルで夕食。星空の下で 泡盛を飲みながら友とともに語り合う。うまいっ。流れてくる サンシンの音色に時を忘れ、癒される。やがてやってきた信じ られないほどの夜の静けさは無音の世界と表現しよう。・・・ よなくにぬ情 云言葉どぅ情 命ぬある間や とぅやぃしゃび ら ンドナイムヌヨ ハリカヌシャマヨー ナンタ浜までや無 蔵に送られて 大海押し出りば 美風ど頼む<与那国スンカニー> その夜、Kは脳味噌がとろけたように口をあけて眠っていた。 ヤナーチェク《シンフォニエッタ》 第1楽章 ファンファーレ- 感謝するときはお金を支払われるべきである。 が、それを期待する権利はない 翌朝。出発のため外に出てみるとサンゴの道路を竹箒で掃いて いる人達があちこちに見える。島人たちの「歓び迎え、もてな す心意気」。・・・美しい言葉やなあ、書き留めておこう。こ れは桜の名所、高遠の町中を抜けたときにも見た。長野県では よく見られるが、住民総出で町の清掃する文化度の高さは見習 うべきだ。旅もいつのまにか後半へ、4日目。今日も引き続き 晴れ。今日これから渡る西表島はジャングルの島と言っていい。 アマゾン的で日本離れしていて楽しい。西表島は広い。石垣島 より広く八重山では一番広い島。島の道路はすいています。な んといっても西表島は天然記念物のイリオモテヤマネコが住ん でいるので有名。その為、道のいたるところに「ヤマネコ注意 !スピード落とせ!」の看板がある。西表島は島の半分位が未 開拓のジャングルで、行くことのできないエリアも多くある。 途中には西表野性生物保護センターというのがある。イリオモ テヤマネコが車に轢かれたりしたものを治療している。今も一 匹いて、カメラで様子が公開されている。我が家のイエネコと 同じで昼間からゴロゴロ寝ている。その他にも西表島の動植物 が紹介されていたり、ヤマネコの話が知れたり、楽しめる施設 でした。入場無料。---------- マーラー交響曲第九番&六番マーラー 交響曲 第5番から  「アダージェット」 。 船浦の漁港で晴天をちょっと楽しんでスタート。今日のメイン は日本の滝100選に選ばれているマリユドゥの滝とその近く にあるカンピレーの滝までのトレッキングです!その為、まず は浦内川に向かう。浦内川に付くとチケットを買って遊覧船に 乗る。外人も数人いる。Yは山猫気分で目玉をランランと光ら せ、耳がピーンと立ててンーニャー、ゴロゴロ、ウーと唸って いる。そこから30分くらいかけて滝への登山道入り口まで行き ます。その間、マングローブに関しての説明などをしてくれる 。やっぱり本物は違う!---------- ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 「新世界より」 Second Waltz 山道の入り口についたのはちょうど10時くらい。日ざしも強く ペットボトルを持って行ったのは正解。会長は連日の飲み疲れ のせいか、入り口すぐのトイレ休憩所でダウン。KとYは滝を 目指して登る。片道30分の登り。ジャングルの中を歩いたの は初めてだ。汗がダラダラと流れてくるがなんか気持ちがよい。 しばらくして滝に近付いてきたらしくとゴォーっという音が聞 こえる!滝の近くの展望台からマリユドゥの滝を遠望する。こ こでKの視界は霞み、足はふらつき、ついに道にへたり込んだ。 「ガルルルル」。もう動けないからここで待っていると言う。 救助を要請したいが、ここから外界への連絡方法はのろししか ない。Kは出発を前に毎日、二階の商品倉庫へ15cm幅の階段 を20回ほど猿のように上がったり下りたりして体力を鍛えて いたのだが、「歳には勝てない」という切り札を切る。ひとり で先を行く。急いで滝の近くまで行った。・・数日前までの大 雨のおかげで滝の迫力は増している!ゆっくりしてる時間はな い。次は少し上流のカンピレーの滝へ!こちらもマリユドゥの 滝と似ていて高さはないのだが長く凄い勢いです!夢中でファ インダーを覗いてると流されそう!ここでしばらく休憩したい 所だが帰りの遊覧船の時間が気になる。来た道をまた戻って展 望台に行く。案の定Kはいない。道を急ぐ。遊覧船乗り場でみ んなに出会う。ここで昼食。見たことのある人がいる。ネクタ イ背広のモンスターだ。「また会いましたね。奇遇ですねー。 」と寄ってくる。全員ビールで乾杯。二人はカレーライス、Y はぜんざい(沖縄ぜんざいはカキ氷がのっている)。それを見た Kが「ダーメダメダメ。男がそんなもの食べていちゃ」という。 Yが食べ終わった後、Kは「今日は暑い。暑すぎる」と言いな がらビールに続いて、沖縄ぜんざいを食べていた。 ----------スメタナ、モルダウ-El Condor Pasa ・・・・・・あなたに頼もう、南から吹く風よ。もしも、風に 想いが託せるものならば。空を走る浮雲よ、主島へ吹き通して いっておくれ。私の想いを伝えておくれ……・・・どんなに金 があろうと、権力があろうと、学問ができても、この世は清ら かな心で仲良く暮らすのが一番。--------------- プッチーニの歌劇「トゥーランドット」「誰も寝てはならぬ」 ---No volvere 5日目。石垣空港から宮古島へ行く。飛行機は宮古島経由羽田 行きだ。待合室に入っていくと見たことのある人がいる。ネク タイ背広のドラちゃんだ。「また会いましたね。奇遇ですねー 。」死者と話をする。行列の最後のほうに並ぶ。ここで「機内 スットコドッコイ事件」発生。機内に入って私の後の席まで行 ったとき叫んだ。「荷物の入っているドアが開かないっ」。乗 客全員注目。スッチーが飛んできた。「PUSHと書いてある ボタンを押してください」。「アッ開いた」。あたりまえだっ。 われわれ二人は彼とは連れでないふりをして耳のスウッチをオ フにした。旅をしているのでボケたのか、ご都合主義性健忘症 か。だがこれは、これから始まる悪夢の序曲に過ぎなかった。 シューマン:子供の情景 Op.15 第1曲-now we are free : 騒ぎはおさまり静かになった。その時またまた絶叫が機内に響 き渡った。「しまったぁー。乗り間違えたぁー。おれは羽田へ 行くのだぁー。」機内は凍りついたようにシーンとなった。立 ち上がって荷物を出して降りようとする。スッチーが矢のよう に飛んできた。「この飛行機は宮古島で着陸しますが、ご安心 ください羽田に行きます」「そーだ。宮古島で二泊するのだっ た。このまま帰るのではなかった」乗客全員あっけにとられて いる。・・・ いよいよ離陸かというとき、またまたKの悲鳴が炸裂。「空港 のロッカーにコートを忘れたあー」乗客全員の心臓は止まった。 スッチーが光速で飛んできた。「そのキーは宮古島空港のロッ カーキーです。これから行きます」われらはさらに深く頭をさ げた。その後、奴は何事もなかったかのようにイビキをかいて 寝ていた。もちろんその薄汚れたコートの入っているロッカー は忘れっぽいKが帰宅しても開けられることはなかった。 宮古空港内で歓迎のエイサーをやっている。ヒラリヒラリと舞 う様は華麗だ。初めて見た。素晴らしい。沖縄はエイサーを世 界遺産にしてエイサー共和国として独立すべきだ。宮古島は夫 婦で月10万円以下での暮らし易さ全国ベストテン一位のとこ ろです。おまけに人情の濃さとノンビリ度も日本一。さらにビ ーチの美しさも日本有数。空港前でフナイマークを探す。Kは 探しに行ってくると言って消えた。Kと会長は持参の写真を見 て、すぐに発見。それぞれポーズを取り写真をとる。見まわす とKは歩いている人にフナイマークを尋ねているのだが、わか らない。次にタクシーの運転手に尋ねている。運転手は逆の方 向を指差している。でもまあ、この島って大人になっても子供 のような純真さを残してる。今度は空港の案内嬢に探させてい る。やがてKは空港の案内嬢に連れられて私たちのいるところ にやってきた。「ここです」。 ---------ドビュッシーのペルガマスク組曲-Hands Up 翌朝ホテルをレンタカーで出発。今日は今回の旅行目的である 「不思議な宇宙の庭」を見に行くことにする。しゅっぱーつ。 動かない。Kは必死にガチャガチャと操作している。見送りで 立っている案内嬢を呼ぶ。黄色い声で「これがクラッチボタン。 これがギア」。孫のような娘さんに教わっている。「フムフム ふむ」。次の瞬間、あやうくひたいをフロントガラスにぶつけ そうになった。何の予告もなくいきなりギアを入れたからだ。 ガクンと動き出した。老人マークと初心者マークと障害者マー クを貼ってくれー。おまけに右かと思えば左、左かと思えば右 の蛇行運転。自分の生き方だろ。隣からハンドルを支える。よ うやく必死の努力で到着。 そのボロッちい家はなぜか玄関がない。庭に面して家のガラス 戸が開いているので部屋の中が丸見えである。80歳くらいの老 人がコタツに入っている。「ゴメンクサイ、Sさんのお宅です か」S「オウオウよくきなさったのう。玄関がないからここか らはいってくれい」ドヤドヤと入る。会長「先生の高説を伺い に来ました」「オウオウかわいいことを言う人じゃのう。ここ 数日だぁれもこんので退屈しとったのじゃ」会「ははー」と平 伏。S「実はのう・ムー大陸がのう・バミューダの魔の三角が のう・大男のビッグフットがのう・ハレー彗星がのう・幸せと はのう、素粒子から発するエネルギーじゃのう・神界に接近す る人間進化の道がのう・資本主義はのう・・・」会「先生、私 の研究したところではビッグフット伝説は世界のアチコチにあ ります。たとえばネパールの雪男伝説・・・。 サン=サーンス《サムソンとデリラ》Op.47から「バッカナール」 --サンサース/交響曲第三番《オルガン付き》-Doctor Zhivago 竹之内文書によれば、イエスキリストは21歳の時に日本に来 て、12年間にわたって言葉や文字を習い、さまざまな修行を 重ねた。33歳の時にユダヤの地に帰ったイエスは、教えを人 々に説き始める。しかし、彼の言動は、ユダヤ教パリサイ派の 反感を買い、ローマに反逆を企てる者として磔の刑に処せられ る。ところが、磔に処せられたのは実はイエスではなく、彼の 弟イスキリだった!イエス自身は、再び「神の国ヤマト」をめ ざし中央アジアからシベリアを経由し、4年後、船で青森県八 戸に上陸、戸来村にやってくる。イエスは「十来(とうらい) 太郎大天空」と名を改め、同村沢口の丘の上に居を定めた。そ して、ミユ子という女性を娶り、三女をもうける。布教に努め ることはなかったが、自ら畑を耕し、作物を作っては貧しい人 々に分けてやった。鼻の高い赤ら顔でマントを着て歩く彼の姿 を見て、村人は「天狗様」として畏敬した。彼は106歳の天 寿を全うし、骨は住家の跡に埋められた。」 S「ほーほー、よく研究なされたのう。私の弟子にならんかの う。」会「うっ」S「おっ、そんなに感激せんでも・・・今晩 一晩語り明かそう」と彼ら変態どもは意気投合して正座して延 々と一時間もベチャクチャとダボラとデタラメをしゃべってい る。ほとほとアキレタYとKは足がシビレテきたので、こんな 発狂者は勝手にほざいていろと放っておき、我々は室内の探索 を始めた。K「この石はなんだろ」Y 「サンゴだ」K「この本はなんだろ」Y「自費出版の売れ残り 」K「不思議の庭はどこじゃ」「チユンチユンこちらでござる、 窓から庭をのぞくK「あっ、なにか書いてある」Y「拝んでも 拝んでも拝み足りない私です。なんじゃこれは。まあ、写真に とっておこう。パチ」K「私もバチ」Y「ついでにオマケでS 先生の顔もパチ」S先生「やめてくれ」・・その後、Kは案内 された「不思議な宇宙の庭」で三分間瞑想。いつの間にか会長 がいない。キョロキョロさがす、会長、訪問先の家の庭で小便 中。 昼になると昨日も入ったファミレスで伊勢海老の料理をいただ いた。伊勢海老一匹丸ごと料理なのに1800円とリーズナブル。 このへんはさすがに沖縄だ。海では素潜り手づかみで伊勢海老 が取れるのだろう。 ---ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章 第1楽章 -----------How Deep Is Your Love 宮古島にはプロ野球オリックスとイチローがキャンプインして いる。青森山田高校もキャンプイン。東急リゾートに来た。ロ ビーに見たことのある人がいる。ネクタイ背広のモンスターだ。 「また会いましたね。奇遇ですねー。」と寄ってくる。・いく らなんでもそんなに何回も会うか!!こんな怪しい奴は放って おこう。エメット・ブラウン博士が製作したデロリアンに乗車。 来間大橋が左手に見える。ホテル内にある有名なヨナハ前浜ビ ーチに行く。K「行かない」と言う。天気はまぁまぁだ。この 曇り空でこの海の美しさには驚きだ。太陽が出て来た時にこの 海はいったいどんな事になるのか考えただけでドキドキする。 東急ホテルを出るときKが「どうだった」と尋ねた。「まあま あだ」と答える。疑惑に満ちたKは「ちょっと見に行ってくる」 と我々を長い間待たせたまま行ってしまった。このため大幅に 遅れ、以後の予定はキャンセル。 ここで「不思議なダダッコ事件」発生。トリュフよりキャビア が良いとダダをこねる男Kはカードで宿泊費や飲食費を払って いたので、われら二人からの徴収分で財布は膨らんでいる。反 対にわれらは手元不如意の状態。会長も帰りの交通費がピンチ。 にもかかわらずKは「この豪華な東急リゾートに泊まりたいー」 とダダをこね出したのである。「自分ひとりで泊まったらぁ。 一泊朝食つき一人20000円。ただし予約したホテルの当日 不泊100%のキャンセル料15000円を払ってからね」と 宣告をした。さすがのワガママ男も「損得」が「我」を上回っ たらしく沈黙。ホテルの部屋をノックするとトランク姿のYが 現れた。今から洗濯をするのだという。パンツをはいたまま風 呂に入って洗うという。気がふれた相手をじっとみつめた。 Kはその夜、バーへ行った。へべれけに酔ったKは、バーのホ ステスの「やめて」は「どうぞ」と同意語だと勝手に解釈して オッパイに飛びついたところバーから放り出された。 レンタカーのイグニッションに部屋のカギを突っ込んで格闘し ているとパトカーの警官に身柄を拘束され交通安全のため豚箱 で一晩過ごした。 ---------シベリウス、交響曲フインランディア。 翌日、島の最東端,東平安名崎に行った。絶景だった。野草の お花畑の草原に珊瑚礁のエメラルドブルーの海を見下ろす断崖 が続く。こんな風景を連日見ているというのに、その中でも格 別だ。何というか、臨死体験をしたらお花畑が見えるそうだけ ど、そんな世界だ。この季節はテッポウユリが咲き誇って一番 いい季節らしい。グラジオラスも見える。草原の中の岬。灯台 に登れるそうなので150円払ってあがってみた。頭がポカン としてくる。しばし時が過ぎるのも忘れて景色に見入った。灯 台から下りてくると、料金所の人が私たちにお茶を振る舞って くれた。ありがたくいただく。見たことのある人がいる。ネク タイ背広のモンスターだ。「また会いましたね。奇遇ですねー。 」と寄ってくる。モンスターに追いかけられている。Yが実は 彼は自分のシークレットサービスだと種明かしをした。そして 今度は島の北端。西平安名崎へ。風力発電所がある。アダンの オレンジの実の見える芝生の広場にいる。いい雰囲気。頭がぼ んやりしてくる。薬物乱用したらこんな気分になるのだろうか。 沖縄ムードにラリってしまった。その後は池間島へ。ここも島 に橋がかかって渡れる。これがまたエメラルドブルーの海。も う美しさを表現する語彙を使い果たした。島内はまだ観光地さ れてない浜が点在する。茂みから海に出てみる。サンゴの枝が 波打ち際に打ち寄せられてる。 しかし、沖縄の地元の人って これだけ美しい海に平気でゴミを捨てたりしてる。地元の人は 何かとアバウトだから、少々ゴミ捨てても……と思ってるのだ ろう。通常は心ない観光客がゴミを捨てて地元の人が掃除する という図式なのだろうけど、沖縄では逆に地元の人がゴミを捨 ててる。---------- チャイコフスキー:組曲《くるみ割り人形》から 第4曲 トレパーク(ロシアの踊り) 花のワルツ IMAGINE 愚か者ほど相手を喜ばせることができない。賢い人はできる。 一週間くらいいても退屈しそうにない島だ。人口5万8千人だ し平良の街は一応何でもそろっている。特に飲み屋が多い。沖 縄の人は助け合い精神が旺盛。大荷物を積んでバイクで旅をし ている人に、大変だねェということで、道行く人が万札をくれ たという話には驚いた。その人は乞食扱いするなと憤慨してし まったのだけど。とまあ、良くも悪くも沖縄は個性が際立って いる。国内の旅先としては楽しめる。最後の宿で会長は「ワシ の部屋はベッドが四つもあって気持ちが悪い」とKの部屋にや ってきた。見に行くと本当だ。そこでKは「最後の晩餐は会長 の部屋でやりましょう」といって慰めた。コンビニで宮古の特 産という海ぶどうという海草のサラダを買ってみた。見た目は 確かに小さな緑のマスカットみたい。ドレッシングをかけて食 べる。パパイヤちゃんぷるー、バクダンという名のイカや納豆 、タラコやマグロ等をかき混ぜて食べるお惣菜、生鮮魚介類ま でコンビニにあるとはさすがは島なのか。各自好きなものを買 ってきて晩餐会を開いた。われら三人共「宮古島は気に入った。 この島に移住したいなあ」で意見一致した。宮古島は沖縄のツ ウが好むらしいけど、気持ちは分かる。旅人も少なくて観光地 として荒らされてないのだ。------- ショパンのエチュード 作品10-3 別れの曲 JAPAN-SONG 翌朝、何だか周辺に妙な鳴き声の動物がいると思ったら、ダチ ョウを飼っているようだった。7日目。宮古島空港へ向かう。 忘れ物がロッカーに。---lambada チャイコフスキー:バレエ音楽《白鳥の湖》--光の泉  フィナーレです。-輝く水