随想・東海道 (4) 様々な東海道歩き

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 東海道を歩いている人にはそれぞれの思いや歩き方がある。

 広島に住むある方から2月頃にメールを頂いた。私が三条大橋に着く前のことだった。

 その方は、大病を患い、リハビリのためにウオーキングをやり始めたが、せっかくなので、携帯電話のサービスを利用して、東海道53次の距離を歩くこととされたそうだ。一定の距離を歩くと、どこどこの宿場まで歩いたという表示が出るらしい。

 そして、遂に携帯電話に大津宿の距離まで歩いたという表示が出て、その方は「最後は本当に歩こう」と決意され、深夜バスで広島から京都を経由して大津宿に向かい、そこから最後の東海道歩きをされた。三条大橋について感動されたとのことだった。

 このメールを読んで私は胸が熱くなった。また、こんな東海道歩きもあるのだなと思った。立派な東海道歩きだ。

 ところが最近、全く逆のケースを聞いた。

 日本橋から3年かけてずっと歩いてきて、大津宿の手前で急性の心臓病になり、大津辺りから三条大橋までの最後の部分の大半を歩けなかった方がいる。湘南に住む方である。

 その方が電車の中から撮った「京へ向かって歩く人の写真」は、本当だったらそこを歩いているはずの自分をハイカーに重ね合わせているようで、実にその方の気持ち、無念さを現していた。

 その方は、歩くことを医者から止められているにもかかわらず、三条大橋への最後の2キロ程を奥さんと一緒に歩いてゴールしている。立派な東海道歩きである。

 ちなみに私の場合は、ゴールの前日は三重県の亀山からのスタートで、二日間で80数キロを踏破するため、途中は走りながらの道中であった。三条大橋にゴールしたときの達成感は相当あったが、とにかく早く着こうと、陸上選手のようにゴールに駆け込んだような感じもする。

 

 ※湘南に住むその方は、今はすっかり元気で、一緒に会って、お互い記憶がなくなるほど酒を飲んでいる。

 

 (2006年6月)

 

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