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I dreamed this morning...It was a "his hand".(No.061122)
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※前書き
ある宵、饗宴の最中、王子の手に安らげて・・・。
途中まで管理人の見た変な夢です。一気に書いてみました。
「メンフィス短命説」に触れています。
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メンフィスの傍で安息を感じていた。
優しく、甘く微笑んでいられる。
誰に憚る事無く───
だけど───
さんざめく広間の中、様々な香りに浸りながら、
その気配に全身が研ぎ澄まされた。
「久方振りであるな」
有り得ない───
非友好国として訪国している身でその台詞。
なぜ?なぜ挑むの?
嘗(かつ)て数々の経緯(いきさつ)があったけれど、
貴方は今度こそ過ぎ行く───同盟を結んで去って行くものと思っていたのに。
凭(もた)れ掛かった厚い敷物に滲む屈託のままに投げかけていた白い腕(かいな)を持ち上げる彼の腕。
キャロルの脳裏に過去が瞬き閃いた。
『危険───逃げなくては・・・!』
だが。差し向かいには大きな存在───メンフィスが居るのだ。
やっとの思いで吐いた溜め息でもって強張った白い肩の上に自然な呼吸を取り戻す。
しかしまだ一言も発せない。
まだ思考は金色の形良い頭の中まとまり無く駆け巡っていた。
「そなたが憂えているとは珍しいこともある」
彼は変わらない調子だったが全く耳に入らず受け答えなどできなかった。
視線も上げること敵わず硬直したまま。
まるで不自然だった。
ただ・・・ただこうなっては王子を怒らせずに、メンフィスも怒らせない道は・・・?!
そんなことが自分にできるのか、途方も無く自信がないのだった。
大きな呼吸を繰り返した後どうにか王妃としての矜持(きょうじ)を持ち出してやっと王子を見上げる。
彼はいつもと変わらない威厳のある風情であったが、
『愛している』
少し気を許せば優しくその文句を投げかけてくるようで眩暈がした。
そんな自分もまた嫌にもなった。
精一杯知らない素振りで過ごそうとするも
背後でメンフィスがその怒りを隠そうともせず王子を見ているのが分かる。
お願い、メンフィス、相手にしないで・・・!
冷静を装って溜め息を吐き、白い右腕を半ば王子に預けたような格好で、
厚い背もたれの敷物に胸伏す姿勢で、ゆっくりと視線をメンフィスに戻す。
わずかに潤んだ蒼い瞳でメンフィスを見上げる。
熱い視線で何事もないのよと訴えるのが精一杯だった。
宴は変わり無くさんざめく。
三者が三者とも違う方向を見るに至って、
キャロルの右腕には、掌(てのひら)から二の腕を露わにした衣装の袖口まで、
王子の指が、時折には掌が確かめるように添えられ動くのだが、
キャロルは身を捩(よじ)るでもなく預けていた。
王子は無茶はしない・・
信頼のような確信があるのに気がついた。
王子は・・・?
それは大きな暖かみのようにじわじわと彼女の中に広がった。
優しく繋がれていた手、時折白い腕を労わるように触れる動きがキャロルを解(ほぐ)す。
キャロルの中で広がる思いは只管(ひたすら)強くなっていった。
状況はそのまま荒立たず過ぎようとしていた。
宴もはや酣(たけなわ)、誰もかれも酔い、まどろむ者もいる頃合。
キャロルはメンフィスを夢見るように見つめたままいつしか夢幻に入り込んでいった。
まどろみも過ぎくったりとなったのをみて、その嫋(たお)やかに白く発光する女人を
王子が躊躇無く抱き上げる。
まるで慣れた風情で運び去ろうとする。
当然次に雷鳴のような怒声が響いた。
「どこに連れて行く気だ?!」
メンフィスのその声に優雅に秀麗な面を向ける。
「王妃の持つ迎賓の間だが・・?」
事も無げに答える。
「他に連れて良いなら」
メンフィスが瞬時に反応を見せて黒髪を艶やかにさらと揺らし黒曜石の瞳を暗く光らせたが王子は平然と続けた。
「ヒッタイト陣営で」
一気に血が上ったファラオは切り込む。
「我が妃を誑(たぶら)かすか?!」
「人聞き悪き事を」
冷笑を見せる。
「もはや、そのようなものではない」
艶やかに意味ありげに琥珀色の瞳を細めて見せる。
メンフィスを煽るには充分だった。
「そこへ直れ!貴様は生かしておかぬ!」
だが王子は涼やかだった。
「王妃は睡眠を所望だ」
まるで当然のように場を後にした。
メンフィスは立ち上がったままだったが、
宴席の中にミヌーエが厳命を待っているのを捉え目で合図すると、
ここは一先ずとばかりに大きな動作で座りなおした。
広間からミヌーエが抜け出てヒッタイト王子の後を追うのを見届け酒盃を取り直した。
月がほの明るく輝く下ナイルの宮殿の回廊は豪奢にして、
先ほどとは一転、憂いを浮かべた異国の王子の姿を浮き立たせていた。
漸く宴のざわめきが遠くなったが、
忠実なエジプトの兵卒らが追い縋り、無言で後ろで同道し始めた。
「忠義であるな」
低い声が掛けられる。
その余裕に深いものを感じるミヌーエだったが切り出した。
「ヒッタイト王子、我らが王妃キャロル様をお返し願います」
だが冷然たる声。
「そなたらの手には余る」
それだけを返すと王妃を気遣って、
そして纏い付く存在を認めぬと言わんばかりの典雅な足取りで回廊を進んだ。
邪(よこしま)に恋慕する王妃を腕に抱き何を思うのか。
冷涼な面のイズミルであった。
目的の部屋に向かわずば───ミヌーエは腹を据えるのだった。
「う・・ん・・・」
甘やかにその声音をこぼしたかと思うと、人の腕にある事に驚いたのだろう、
さらとその黄金(きん)の髪を揺らして身じろぎし王子の肩越しに白い面(おもて)を覘かせた。
「お、王子・・!」
甘い微笑みで勝ち誇ったようにも見える隣国の王子と、
我らが王の最愛の王妃は間近に見合わせ、
その白い腕(かいな)が王子の肩から広い背にかけてしな垂れかかる風情は。
ミヌーエにとっては目を背けたくなるものだった。
一瞬だったかもしれないが長いものに感じられた。
「姫よ、目覚めたか?」
「は、離して・・!」
まるで弱りきって儚い抗(あらが)い。
見ていられずミヌーエは恐怖さえ感じた。
「王子・・!離して・・!」
状況に混乱したまま無防備に肌は紅潮する。
媚態。
忠義な彼の背に冷たいものが伝うのだった。
「ここは回廊だ。そなたの庭であろう?」
「メ、メンフィスは?王子、もう帰って!お引取りを・・!」
歩けるかを気遣われながらも王子にやっと降ろされ、儚げに王妃は立っていたが、
貴人達は対の絵のように寄り添っていた。
エジプト勢は声を上げる。
「イズミル王子!お引取りを!我らが王妃は我らが随行いたします!」
キャロルはやっと味方が居ることに気付いて安堵する。
自国内、自国王宮でこれ程弱々しい王妃がいるのだろうか?
それはつまり王子のこれまでの所業があると明白だった。
当の貴人は品位たっぷりに王妃の指先を掬い上げ唇を寄せる。
「現状に甘んじるとしよう。健やかなる夜を」
ふわりと王子が屈(かが)んで優雅な仕草を見せる。
長い睫に銀灰の髪が揺れる。
何もかもが洗練されていることに息を飲む。
キャロルの背に合わせての仕草に衣を揺らせば常に感じる香にも今一度気付いてしまう。
もう一度間近に王子と視線を合わせた時には、どうしようもなく息が止まるのだった。
「姫?顔色が赤い」
有無を言わさぬ、まるで医師のような見立て。更に続ける。
「そなたが病とは・・・。治さねばならぬな」
軽々と抱き上げるとあっという間に懐刀で手近な縄を切りそれで空を渡ると階下の回廊へ抜け降り、
また先の階(きざはし)からするりと飛び降り続く回廊を抜ければ、
椰子の多くなった一角で、とうとう追い縋るものはいなくなっていたのだった。
「何を・・・!」
もがいて逃れようとしたキャロルの腕を抑えて辺りを伺った。
「この様(さま)では王国も形無しであるな」
軽く笑いを見せて、次いで腕の下の美姫を愛しく見つめる。
「会いたかった」
「!」
抱きすくめられて低い声音。
「そなたとこうしたかった」
否応無く唇に熱い思いが告げられる。
重ねられたままで何もできず、ただ鼓動が早まる。
「や、やめて・・・!」
瞳を潤ませて儚い抗いしかできない。
「お、王子・・・!お願い、やめて・・!」
弱り切った様子は憐れなほどだった。
王子がキャロルの耳にその声を響かせる。
「止めてやることはできぬ」
今にも溢れそうに蒼い瞳が涙を湛える。
真っ直ぐに見つめる琥珀色の瞳はキャロルを全て受け止めていた。
そして諾(だく)を得ようとゆっくり言葉を紡ぐ。
「わたしを愛していると認めよ」
「い、いや・・!いやよ!そんなこと・・!!」
「ではまだだ」
再度熱く甘い口付けでキャロルの息を奪う。
「だ、誰か・・、助け───」
透明な雫を瞳から零しながら出た声は喘ぐだけで言葉を成していなかった。
呼吸、そして思考を奪われいつしか王子に応え始める唇。
思いの熱さにキャロルは震えて涙を零した。
「そなたを愛している」
愛しみを込めた声が降る。
嫋(たお)やかな身体の温かみを感じ尽くすかの如く続く抱擁。
その間繰り返される愛の言葉。
「そなたにはわたしだけだ」
だが、と王子は継いだ。
そろそろ潮時だった。
力を無くし簡単に担ぎ上げられる身体だったが、肩に上げられて反射的に慄いて抵抗を見せた。
仰け反るキャロルを下から覗き込む。
「エジプトごとそなたを奪う。我が妃にして二重冠をここに」
そう言ってその黄金の頭上を指す。
キャロルが息を飲むのをそのままに、担ぎ上げ直すと回廊をどこで知ったのか淀みなく渡って行く。
着くのには時間はかからなかった。
王妃の間に着いていた。
「我が王妃となるべく、今は健やかに眠れ」
これから先にナイルの流れから帰還する様子などキャロルには思い描けなかった。
長きに渡る不在の間にそこに住む国主が変わるなど思いも寄らなかった。
エジプトがヒッタイトと盟友となり現王亡き後不明のままの王妃を娶らせるなど───。
自分がナイルから助け上げられ、同時に二重冠をいただいた後に笑みを戻すのがそう遠くないなど───。
毎夜イズミルの声音を聞き、安らぎを感じ、
最初に聞いたのはこの日だったと思い返すのは、
これから先のことだった───。
Fin
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※あとがき
幸せなララの夢をお裾分けv 一気に文章にしてみました。
しかし半日がかり・・・。よよよ〜。
内容も、あぁ王子Loveーー、それに尽きるお話になりました。
これも何かの記念です。いや呪いですね・・。
更にあとがき。本当に見た夢だったので夢占いのサイトに飛んでみました。物好きですv
『夫と宴会を催していた。優しげな男性が私の手をとりマッサージした。
夫が怒っているので宥めた。マッサージがとても気持ちが良いのでそのまま眠ってしまった。 』
・・・簡単に書くとそゆう事です・・・身もふたもなく失礼。(笑)
夢のシンボルは『夫 宴会 男 マッサージ 怒っている』 ふんふん・・。
夢からのメッセージ『あなたの夢は、順調な人間関係が築かれる事ををさしています。
あなたはいかによい仲間に恵まれているのかを実感する時です。
これからも周囲の人々への感謝を忘れないようにしてください』はい、そうしまーす。ラッキーv
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