トラム延伸計画


トラム延伸計画

近い将来、パリ郊外を走る2つのトラム(路面電車)をパリ市内まで延長する計画が持ち上がっています。実現すれば2006年には完成する予定です。
その際、現在全く使われていないサンチュールの線路を生かそうというのです。
現在パリ市の外周にはマレショーとペリフェリック(高速道路)という二つの幹線道路が走っていますが、マレショーを走るバス(同じくサンチュールという名前ですが、混乱を避けるため以後BUS-PCと表記します)をトラムに移行することにより、マレショーの交通渋滞緩和と排気ガス軽減の一石二鳥の環境効果が得られます。

それではいよいよ、サンチュールが復活するかもしれないトラムの延伸計画を見てみましょう。


全体図

案としてはまずトラム2番線(T2)を現在の終点Issy-val de seineからBoulevard Victorを経由してBalardまで引っ張り、そこからサンチュールを使ってBibliotheque F.Mitterrandまで延長する南部案。
それに続いて、トラム1番線(T1)の現在の終点St-Ouenから、サンチュールとRER−E線の交差するEvangilleを経由し(RERもそこに新駅を作る)、さらに現在RER−C線が通りサンチュールの分断点となっているPlace de Clichyをもう一つの拠点とし、サンチュールの北東部を通ってPorte de CharentonからGare de Bercyまで延長する北部案。この2つが提案されています。


南部案


北部案

北部案の延長先であるGare de Bercy(SNCF)は、長距離列車の駅としてはすぐ隣にある大きなターミナル駅Gare de Lyonに比べてとても小さな駅です。
現在カートレイン用の駅となっている他、早朝と夕方のみわずか10本足らずですがイタリア行きの国際夜行列車が発着しています。
1日に利用する列車の本数はごく少ない現状ですが、トラムの発着点としての機能は十分に受け入れられる余裕はあると思われます。


現在マレショーを含めboulevardやavenueなどの主要道路にはバス専用路線が設けられ、それらはコンクリートが盛られて仕切られ、バスやタクシーなどの専用道路となっています。
計画としては、マレショーに新たに線路を敷設するという案もあります。
Boulevard Victorからサンチュールへ新たな線路を引くのはとても難しいため、マレショーとの併用案も考えられています。
しかしマレショーに新たな路線を引くと文字通りの路面電車となり最高速度に物理的な制限が出来たり、サンチュールの線路より外周にあるため距離が若干長くなりその分移動時間も長くなる、また交通渋滞の原因など、さまざまな問題も生まれます。
その反面、トラムのような小さな電車ではすでにマレショーにあるバスの停留所をそのまま流用できるのに対し、サンチュールを利用するとなると新たに駅を作らなければならずその土地問題や、高架など地上部分が多いのでその付近住民に対しての騒音問題など、サンチュール側を選択することによって起こる負担もあり、一概にどちらがよいかは慎重な選択を迫られます。
しかしすでにあって今は使われていない線路を新たな交通手段として有効活用することは、大変魅力のある案です。
多くのパリジャンやサンチュール・鉄道ファンが、インターネット上のサイトを始めさまざまな場所で、この新設トラムのマレショー案からサンチュール案への移行を呼びかけています。

しかし、サンチュールファンにとっては残念ながら、最終決定はマレショー案に落ち着いたようです。(2003年1月)
T2がBalardまで伸びるそうですが、その一部にサンチュールを使うそうです。


グラン・トラム

一方サンチュールのトラム案とは別に、すでにある2つのトラムとTVMを含めたパリ近郊の周辺市街を結ぶグラン・トラム計画も持ち上がっています。こちらは2015年完成の予定。
発想としてはかつてのグランドサンチュールを思わせますが、遠方へと繋がる鉄道よりもより身近な市民の足として、このトラム計画も大いに期待できそうです。


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