2007年1月30日、Windows VISTAが一般消費者向けに販売開始されました。(OEM、ボリュームライセンス向けには前年に出荷済み)
Windows2000のバージョンが5.0、XPが5.1、そしてVISTAが6.0と、 マイクロソフトにとっては、Windows2000以来待望久しいメジャーバージョンが上がったOSです。
変更点は色々あるようですが、日本の社会にとって恐らく一番影響が大きいのが日本語環境の変更でしょう。
以下、VISTAの日本語環境の変更点を見てみましょう。
Windowsの標準フォントは今まで、明朝系がMS 明朝/MSP明朝の2書体、ゴシック系がMSゴシック/MSPゴシック/MS UIゴシックの3書体ありました。Windows VISTAではこれに加えて新しくゴシック系のメイリオが1書体*加わりました。
XPまでのMS(P)明朝/MS(P)ゴシック/MS UIゴシックのバージョンは2.3、VISTAではこのバージョンが上がり、バージョン番号は5が割り当てられています。
*ただし、実際にはメイリオのボールド体は別フォントになっています。
Windows XPのMSゴシック(バージョン2.3)
Windows VISTAのMSゴシック(バージョン5)
VISTAに新たに搭載された新フォント「メイリオ」
(初お目見えで、もうバージョン5)
メイリオを含めたVISTAのフォントは、コンピューター用の文字コードの規格であるJIS X0213:2004で行われた「例示字形」の変更を反映して、一部の文字のグリフ(griph)が変わりました。
(例)葛飾の「葛」の字の下側の"ヒ"の部分が変更になっています。
辻堂の「辻」の字が一点しんにょうから、二点しんにょうになっています。
(左側 XPのMSゴシック、右側 VISTAのMSゴシック)
VISTAの新しい標準フォントには、いままで(コードとしては割り振られていましたが)存在しなかったグリフが、追加されています。
(左) XPの文字コード表、(右) VISTAの文字コード表。
両方とも、文字セット「Unicode」
フォント「MS 明朝」にして、
U+3220 「(一)」辺りを表示させています。
XPの文字コード表の上から3行目、「(至)」と「○一」の間には何も字が表示されていません。実はWindowsの文字コード表は、コードが割り振られていても、そのフォントにそのグリフが無いと詰めて表示して空き領域を表示しないのです。VISTAの文字コード表を見ていただくと、「(至)」と「○一」の間に「○21」~「○35」が有るのが分かります。その下の方にも「○夜」と「1月」の間に、「○36」~「○50」があります。
XPでも「○21」以上のグリフを持つフォントを使い、使用するプログラムが対応していれば表示できていたのですが、VISTAでは標準フォントが対応したので、「○21」以上の表示が格段に容易にできるようになりました。(ただし使用するプログラムが対応していなければ表示できません。)
VISTAでは表示できても、そのデータをXP以前の環境に持っていくと標準フォントにそのグリフがないので注意が必要です。
「吉」の上の"士"の部分が"土"になっている、いわゆる「土吉」「吉野家の吉」(Unicode U+20BB7)も新フォントメイリオには収録されています。
(左)「土吉」をVISTA上のメイリオで表示させたところ
(右)同じくMS ゴシックで表示させたところ。グリフがないので□で表示されています。
VISTAではMS-IMEにも新しくオプションが加わりました。
「プロパティ」の「変換」に「変換文字制限」という機能が出来ました。
「変換文字制限」の中の「JIS X0208文字で構成された単語/文字のみ変換候補に表示する」にチェックを付けると、JIS X0208に収録されている文字(JIS第一水準/第二水準の文字)しか変換候補に表示されなくなります。
今までのWindows上では、JIS第一水準/第二水準の文字と同じレベルの扱いを受けていたNEC特殊文字(丸数字など)と、IBM拡張文字/NEC選定IBM拡張文字(梯子高など)が表示されなくなります。
なお、「外字の入力を許す」というチェックがありますが、この「外字」とはユーザー外字であり、丸数字のようないわゆる「システム外字」ではありません。
実際に「JIS X0208文字で構成された単語/文字のみ変換候補に表示する」にチェックを付けた場合の、変換候補表示例。丸数字は候補に上がってきません。
次にチェックを外した場合。丸数字も候補に上がってきます。ただし「環境依存文字」という注釈が付くようになっています。
Windows VISTAのIMEパッド。フォント設定は「メイリオ」にしてあります。
VISTAのMS-IMEに付属するIMEパッドはかなり変わりました。左側でUnicodeのカテゴリを選択して、右側で文字を絞り込みます。
Unicodeのカテゴリも「Unicode追加漢字面」-「CJK統合漢字拡張B」と基本面に無い文字の指定も出来るようになりました。
「CJK統合漢字拡張B」の文字は、XPまでのIMEパッドからは入力できなかったのです。
(2007/2/2 記)
Vistaの標準フォント(Ver5.0)、XP用の標準フォント(Ver2.3)では漢字以外の文字の字形も変わっているとWEB上で問題になっているようです。
漢字外の文字を画面表示した物のハードコピーを取ってみました。Windows付属のワードパッド上に表示させました。
VistaのMS Pゴシック(Ver5.0)
XPのMS Pゴシック(Ver2.3)
XPのMS Pゴシック(Ver5.0) Vistaと標準フォントの字形を揃えるためにマイクロソフトが提供しているXP用のフォント
私のPC上では変わったように見えません。変わったという人が多いのはなぜでしょう?なお半角文字と全角文字を両方表示してあります。
(2007/4/16 記)