いいわけ
@出会い編
私自身、まさか社会人になってからお人形にはまるとは思わなかった・・・。
それは、ボークス秋葉原店のショールーム(以下秋葉SR)での出来事。
私は友人の付き合いで秋葉原を徘徊していた。
特に買う物もない私は、友人の後ろについて、秋葉SRへ足を踏み込んだ。
そこには電気街としてふさわしくない景色が広がっていた。
『ふ、フランス人形?!』
そう思った私は、惹かれるままに近づいて行った。
近くで見たそれは、フランス人形より、なまめかしい、それでいてアニメちっくなような、不思議な人形達であった。
球体で出来た関節が、リアルな動きを予想させる。
「そろそろ違う店行こうぜ。」
気がつくと傍らに友人が立っていた。
「もしかして買いたくなった?」
友人は冗談交じりで言った。
「まさか、こんなのがうちにあったら、やばいっしょ!」
私は苦笑いを浮かべた。
後日、私はインターネットでボークスのホームページを閲覧していた。
どうやら先日のお人形はスーパードルフィー(以下SD)と言う名らしい。
また、専門店「天使のすみか」がかの新宿アルタにあることも判明した。
『新宿アルタか・・・』
一ヶ月後・・・
たまたま新宿方面に用事があった私は用事を終わらせた後、ふと、「天使のすみか」に立ち寄ってみようと思った。
新宿アルタの最上階。
なんとなくエレベーターで行くのがためらわれた私は階段を上った。
「ありゃ?!6階より上に行けない!」
仕方なくエレベーターを使う。
なんとなく気恥ずかしさを感じながらエレベーターに乗った。
最上階に着くとそこには別世界が広がっていた。
『す、スゴイ!!』
私はそこにたたずむSD達に魅入られた。
秋葉SRでは気がつかなかったのだが、いろいろな種類のSD達がいる。
『個人的には猫顔系のSDがいいなぁ。』
いつの間にかそんなことを考えていた。
『いかんいかん、こんな値段、手を出しちゃ〜アカン!』
私は自分に言い聞かせ、「天使のすみか」を去った。
いつの間にか閉店時間が来ていた。
手には店員さんがくれたボークスの冊子が握られていた。
一週間後・・・
ワールドカップ予選日本第一戦の日、私は「天使のすみか」にいた。
結局頭の中にSDが住み着いてしまったらしい。
そういえばSDに会うまで忘れていたが、昔から何故か人形に惹かれていた。
小学生の頃、フエルトで動物のぬいぐるみ(つたないものであるが)を作った。
中学生の頃それは人形らしきものになった(一人作って情熱は冷めてしまったけど)。
大人になってからは、テディベアミュージアムは好きだし、人形作家与勇輝、四谷シモン、天野可淡の写真集を買っていた時もあった。
あらま、こうして考えてみると、下地は出来てたんだなぁ。
話を戻して「天使のすみか」。
いざ購入を決意したものの、今度はどれにするか決められない。
それぞれに魅力的ではあるのだが、目の色や、髪型がなんとなくしっくりしない。
(後から購入してカスタムすればいい話なのだが、当時はそんなことも知らなかった)
ワンオフ(一人の製作者がメイクから洋服までオリジナルに製作したSD)の中にちょっと引かれるものがあったのだが、残念なことに売却済であった。
店の中で躊躇していると、他のお客さんがファイルのようなものをめくっていた。
お客さんが立ち去った後、そのファイルを手に取った。
「フルチョイスシステム」
ファイルにはそう書いてあった。
「これだぁ!!」
あまりにも選択肢が多かったため、決められないかと思ったが、とにかく店員さんに声を掛けた。
「はい、フルチョイスシステムでのご注文ですね!」
「まずはヘッドのチョイスからお願いいたします」
「ん〜悩みますね。猫系が好きなんですけど・・・
あ、でも変な話あとからヘッドだけ購入することは出来ましたよね?」
「いやぁ、実はののやミミはヘッドだけでは販売していないんですよ〜。」
「・・・ののでお願いします。」
後は自分でも驚くくらいスムーズにパーツが決まった。
そうか、自分はこんなSDを望んでいたのか。
軽い高揚感の中、支払いを済ませる。
「いや〜、ずーっと悩んでいたんですけど、ついに購入を決意しちゃいましたよ。
こんなのがうちにいたらやばいかなぁと思っていたんですけど、1人だけならまあ許されるかなと。」
店員さんに話しかけると、店員さんがにこやかに言った。
「ありがとうございました。
お迎えは1月後くらいになります。
かわいがってあげてくださいね。
皆さん最初はお一人だけのお迎えとおっしゃりはるんですけど、その後2人3人お迎えされはるお客さんも多いですよ〜。」
「ははは、そうなんですか。
じゃ、よろしくお願いします。」
私はどぎまぎしながら店を出た。
Aお迎えまでの一ヶ月編
私は時間があると、インターネットでSD関連について検索していた。
今まで、こんなに長時間ネットにつないでいたことは無かっただろう。
サイトからリンク先、またサイトへ。芋蔓式に情報が広がっていった。
『勢いSDを購入してしまったが、保存法等が判らなかったから』
と言うのがその理由であったが、本当ははやる気持ちを抑えられなかったからである。
おかげで、全くの初心者だった自分だがある程度の情報を得る事ができた。
サイトを見ると、元のSDの種類など限られているはずなのに、誰一人として同じSDはいなかった。
少なくとも洋服は違うし、目の色、人によっては顔やボディも削って、まったく別物になっていた。
出会ったサイトの中で「SHINの散歩道」の娘、キラさんには、衝撃的を受けた。
その子は100時間あまりもかけて全身を自分好みにくまなく削らていた。
脚はよりリアルに細くすらっと、さらには自然に自立できるように手が加えられていた。
「SDは自立するんだ!!」
実のところ、球体人形と言うしろものは、間接こそ動くものの、逆にその柔軟さが災いして、スタンド台(ささえ)がないと立たないものだと思っていた。
私の知る限り、創作人形系の人形のほとんどは腰にスタンドがついていたし、SRでも普通にスタンド台が販売されていたからである。
うちもお迎えしたら、是非とも自立に挑戦しなくては・・・。
このころの私は自分の技術力を省みず、イメージばかりが広がって行ってしまっていた。
本体が届いていないのに、サイトの通信販売で洋服も購入してしまった。
また、身近に、SDを所有している人はもちろん、名称を知っている人間も、いなかったため、思い切って、個人さんが運営されいるサイトの掲示板に、
「初心者な私で良ければSD友達募集!」
のような意味合いの書き込みをした。
今思えば、サイトの運営管理をされている方々に直接質問なりをメールすれば良かったのに、なんでまた不確定な方法をとったのだろう。
不確定、偶然まかせな方法をとってしまうのは自分の悪い癖である。
でも、この川に手紙を入れたビンを流すような感覚が好きだったりする。
ビンといえば、小学生の頃、手紙を入れたプラスチック製の菓子箱を川に流したことがあった。
箱の中身は『不幸の手紙』。
しょうもない悪ガキである。
話を戻そう。
で、返信率が低いと思われた方法であった掲示板であるが、一通だけお返事を頂いた。
初めてのSD友達である。
メールのやりとりを何度か行いSD知識を深め、よりお迎えの期待度が高まった頃、ついにお迎えの日がやって来た。
7月3日
数日前に「天使のすみか」のから留守電が入っていた。
ブツは順調に届いたらしい。
支度を済ませ、私は家を出た。
余談であるが「天使のすみか」には「お迎えセレモニー」というものがある。
自分が購入したSDをより思い入れの深いものとする、心にくいSRの演出なのであるが、私は当然パス。
だってこっぱずかしいですもん。
(後日偶然「お迎えセレモ」に遭遇したのですが、なかなか良いものでした。でも自分は今後もパス)
新宿アルタに到着
相変わらず何となく気後れしながらエレベーターに乗る。
誰が押したか知らないが、一つ下の階が押されていた。
その階は「笑っていいとも」でお馴染みのスタジオのある階。
勝手に扉が開き、警備員が胡散臭そうな目で私を見ていた。
『押したのは私じゃないっですって』
ちょっと気まずい思いで目的地に到着。
一呼吸おいて、店員さんに話しかけた。
「すみません、注文していたものが届いたと連絡受けましたサミィですが・・・」
「はい、届いていおりますよ♪」
カウンターに積まれた箱の山の中に私の名前が書いてある箱があった。
「では、ご確認ください。」
心地よい京都弁で言いながら店員さんが箱を開けた。
『ヤバイよ、かなりかわいい・・・』私は口元がほころんだ。
「サミィさん、この子めっちゃカワイイですよ。
当たりですよ♪
職人さんに、サミィさんのイメージが上手く伝わったんと思いますぅ。」
店員さんが嬉しそうに言った。
『お世辞なのはわかっちゃいるけど、自分の娘がよく言われるのは嬉しいものだ。』
こうやって親バカが形成されていくのである。
「お名前は決めはりましたか?」
「はい、詩音(しおん)で行こうと思います。」
私はちょっとテレながら答えた。
『詩と音・・・生きていく上では必要無いかも知れないけど、生活に潤いをもたらす−−と言う意味だったりする。』
大事に大事に抱えて帰宅の路についた。
なぜか浴衣も一緒に購入して・・・
ずいぶん書くのが後間ましになってしまったこのコーナー、久々に書かなきゃい
けませんねぇ。
B2人目
最初はほんま、一人いれば良いと思ってた。
でも、いろいろなサイトさん回ると皆さんいろいろカスタムされていらっしゃるんですよね。
いつの日からか、
「自分色に染めたSDを所持してみたい」
と思うようになっていた。
(詩音はいじれません。だってそのまんま理想型なもんで。それに、一人をカスタムしちゃうと、だれもいなくなって寂しいじゃ無いですか)
2002年10月、たまたま秋葉SRに行くと、新りおが、飾ってあった。
丁度入荷時期に重なったらしい。
他の娘と同様メイクが変わっただけだろうと思っていたら、ずいぶんお顔が変わられたようで。
旧りおのほわわん顔ももちろん好きだが、このちょっとねこ顔な感じがまたいいじゃありませんか。
(この頃は、SDが割と供給不足気味だった。)
しばらく眺めているが、友人と来ていたため、後ろ髪を引かれつつ店を出た。
で、他の場所を回り、お茶しているとき、
「ごめん、もう一回秋葉SRに戻っていい?」
SRに戻るとやっぱりこちらを見ていた。
『あ、これが落ちる瞬間なのか。』
何となくそんなことを思いつつ、店員さんに、
「いつ頃入荷されたんですか?」
と聞くと、
「3日前ですよ!次回はいつになるか分かりませんよ〜」
と、魔的なトークをいただいた。
「あ、お迎えしますわ」
私は落ちた。
「今なら+1万円で、アクリルケースも付けますけど・・・?」
ええい、こうなりゃなんでも来い!
「んじゃそれもください。」
こうして2人目詩杏がやって来た。
彼女の我が家での扱いはかなり悪い(?!)のかも知れない。
初めてのメイクの実験台だし、首は削られているし。
他にもちょこちょこ。
ちなみにその時買ったアクリルケース、あんまり役に立っておりません・・・(苦
笑)
ずいぶん書くのが後間ましになってしまったこのコーナー、久々に書き続けなきゃいけませんねぇ。
C3人目
え〜っと、3人目の娘、本当は詩夢でした。
冬ドルパ初参加も終わって、年が明け新年の秋葉原、『限定ドルフィー+のの』を買いにやって来た。
実は、元旦に池袋SRに行ったものの売り切れ。
リベンジをかけて開店時間にやって来た。
ふとみるとまだユノスが鎮座している。
年末から置いてあるのだが、いつの間にかセイナユノスがいなくなって、アイカだけになっている。
おもえば、詩音をお迎えしたとき丁度銀座の天すみに鎮座していたのを思いだした。
あの時は正直怖かったんだよね・・・顔が。
でも、改めて見ると、非常に腰のくびれがエエ感じ。
足のラインも好きだ。
目張りはNGだが、これは削っちゃえばいいよね・・・
はっと我に返る。
やばいやばい。
昨日D+りおを迎え、今日は+ののをゲット。
既に3万使っているんだから、これ以上はサミィ家財政崩壊になってしまう・・・
と言うわけで、我慢。
その後SRに行くこと数回、とうとうユノスが売り切れてしまった。
あちゃ〜、再販するのだろうか・・・
なんか気になってしまって、何カ所かSRに在庫の確認などしてしまう。
この時点で終わってますね自分。
で、ついに1月後半、ユノス予約の暴挙に踏み切る。
いつ頃届くのかは不明だが、確実に再販するとのこと。
ま、支払も彼女が届いてからだから大丈夫だよね。(自己暗示)
D4人目
「運命的な出会いだった。」
三文恋愛小説が、使い古したような表現だが、そう思わないとやっていけないのさ。
3月20日船橋SRがオープンするという情報が舞い降りてきた。
平日開店だから、自分には関係ないやと思っていたら、なんとその日はたまたま休日扱いになっていた。
ほんと、たまたま(笑)
これは行けっていうことか!!
今となっては当たり前になってしまった感もある、30%オフもこのころは購買意欲を大いに刺激したし、また現地でSD仲間にも会えそうだったから、がんばって行って見ることにした。
もしかしたら何か出会いもあるかも知れないしね。
しかし、行く数日前、某からハガキが届いた。
『会員特別で前日に開店します』
なんだ、それじゃあ、当日行っても何も残ってないなきっと。
朝イチで向かうつもりだったのに、思いっきりやる気がなくなってしまった。
いいや、お昼に行こう。
その方が空いているだろうし・・・
お昼に船橋に着いて、Aさんに合流、店内に入る。
昨日はそれこそ長蛇の列だったらしいのだが、今日はそんな昨日の喧噪を感じさせないくらい空いている。
ワンオフの娘達はみんな完売。
そりゃそうだよね。
めっちゃかわいいもの、この子ら。
何気なく、レジを見ると、その後ろにSD達が大挙して並んでいる。
「あ、あさん、沢山並んでますね〜
昨日売り切れなかったんですかねぇ?」
店員さんに聞いたところ、どうやら今日の午後、他のSRからかき集められて来たら
しい。
「私、リョウを買ってきます。丁度、欲しかったんですよ〜
サミィさんもどうですか?30%オフですよ!」
『う〜ん、13ののもいいけど、めぐ、ななも捨てがたい・・・。』
思い切って、初男子リョウ、それともショウ・・・いやヤローはやっぱりいらん。
何にせよ13バディは一人迎えたい・・・。
(↑既にお迎えする気満々(苦笑))
そうしている間にも徐々に売れていく。
あ、あれ、めぐがいない?!
店員さんに慌てて聞くと、
「あ、これが最後の一体です。」
店員さんが取り出してきた。
「すみません、開けて見てもらって良いですか?」
―――落ちた。
こうして我が家に4人目がやって来た。
『ま、ユノスは早くても5月以降の入荷だから大丈夫だろう』
そう思っていた詩夢は4月の後半にやって来た。
サミィ家SD予算オーバー。
流用しまくってます・・・
E5人目
春のドルパに全員参加。
さすがに4人持ち運ぶのは大変だ。
(今はなれましたいい加減)
今回のドルパの限定もなかなか個性的で良いですね。
スイートドリームナナ、橘四郎に、りおの妹りあ、なんか怪しい設定アナイス、そしてちい。
アナイス設定はともかく、今までに無い感じのフェイス。
そして今回から採用になった『ピュアスキン』とやらに興味を惹かれる。
ナナも良いけど、ボディーは昔のままなのがおしい!
『いかんいかん、財政が厳しいんだから余計なこと考えたらあかん、アカン。しかも、並ぶ根性など持ち合わせておりませぬ』
案の定ドルパは限定を狙う方たちの長い列が出来ていた。
あのうち何人がオークションへ直行するのやら・・・
ま、何にせよこれならあきらめもつくと言うもんだ。
ドルパから一月ほどして、アフターのお知らせがやって来た。
『やっぱりやるんだねぇ。』
SD仲間がアフター狙いで、当日朝から並ぶという連絡が来た。
私は買わないものの、開店間際、陣中見舞いに行くことにした。
お祭り騒ぎが好きだから(笑)
おお、池袋SR、凄い人の列だ。
仲間の人達もなかなかの好ポジションをキープしていた。
「サミィさん、いらっしゃい。
ほら、ナナの整理券ゲットしました!!」
「やったじゃないっすか!」
「あ、こちら、一緒に並んでいたOさんです〜。」
「あれれ、てっきり元々お知り合いかと思っておりましたよ。
これはこれは、はじめまして。」
開店まで、残り30分。
スイートドリームナナ
アナイス
リア
みなさん、狙ったSDを無事にゲット出来そうだ。
よかったよかった。
自分は並んでいなかったけど、人混みに紛れて潜入。
ま、整理券も持っていないし、おまけしてくださいな。
で、ウィッグなどを物色。
私の横でOさんが、整理券を片手に何か、考えられている。
「どうしたんですか?」
と聞くと、
「う〜ん、友人に頼まれて、アナイスの整理券取ったんですけど、どうやら向こうも無事にゲットしたみたいなんですよ。」
と言って、整理券をこちらに差し出した。
「いります?」
・・・?
え?
ええ?!
えええ・・・!!
悩むこと数秒。
「い、いただきます。」
整理券受け取りました。
そして約一ヶ月後、お迎え完了しました。
こうして、初めて詩音をお迎えしてからちょうど一年後、我が家は5人家族になって
いました。
も、もう打ち止めですよねぇ(汗)
つづく(って事は終わらないわけだ(苦笑))