ニュース
◆「スイス:グローバル・コンパクトは企業への厳しさに欠けるとNGO」
http://www.news.janjan.jp/world/0707/0707159096/1.php
IPSJapan2007/07/16
NGOアクションエイドのラメシュ・シン代表は、「国連のグローバル・コンパクト(GC)は拘束力を持たないため、成り行き任せのクラブのようになっている」と嘆く。GCは企業に、国連機関、労働、市民社会とともにグローバル化がもたらした社会及び環境問題に取り組ませるため、1999年に国連のアナン前事務総長が提唱したものである。
スイス NPO・NGO IPS
【ジュネーブIPS=グスタボ・キャプデビラ、7月6日】
NGOアクションエイドのラメシュ・シン代表は、「国連のグローバル・コンパクト(GC)は拘束力を持たないため、成り行き任せのクラブのようになっている」と嘆く。GCは企業に、国連機関、労働、市民社会とともにグローバル化がもたらした社会及び環境問題に取り組ませるため、1999年に国連のアナン前事務総長が提唱したものである。
アクションエイドを始めとする国際的な市民活動団体は、GCの法的強制力のなさという弱点を非難する。環境団体のグリーンピースは、自発的な活動では政府の規制の代用にならないとしてGCに反対している。
国連の食糧の権利担当のジャン・ジーグラー特別報告官は、「GCを批判するだけでなく、大企業の広報に利用されているとして、戦わなければならない」という。そうした多国籍の大企業の上位500社が世界総生産の52%を支配している。GCは設立当初から米国の圧力が指摘されている。
7月5、6日にジュネーブでグローバル・コンパクト指導者サミットが開催され、企業からは1,000人の代表が参加した。さらに多くの著名な市民活動家も顔をそろえた。国連は「未来の市場の構築」を焦点に、企業と社会の間の、気候変動、人権、汚職など様々な重要問題に取り組むとしている。
GCは企業に企業責任として人権、労働、環境の分野における10原則を順守するよう求めている。10番目の原則は汚職防止である。学習の場としての役割は果たしていると見るものもいるが、多くの市民活動家が国連は話し合いの場を持つだけでなく、拘束力ある国際的基準を作るべきと考えている。
企業は人権侵害を犯しながらもGCのメンバーにとどまることが認められ、国連の協力者として恩恵を受けられる。GCは紳士協定であり、10原則に調印した企業は国連のロゴを使用できる。グローバル・コンパクトの問題点について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=加藤律子(Diplomatt)/IPS Japan浅霧勝浩
◆「メキシコ政府がグローバル・コンパクトに参加」
http://www.hurights.or.jp/news/0506/b07.html
ヒューライツ大阪『NEWS IN BRIEF』
6月9日、メキシコのフォックス大統領は、メキシコ政府がグローバル・コンパクトに参加することを表明しました。
グローバル・コンパクトはアナン国連事務総長の提唱に基づいて2000年に発足した、国連機関、企業、市民社会などが人権、労働、環境の分野における10原則の実現を図ろうとする国際的なイニシアティブです。参加しようとする団体は、人権擁護、強制労働や児童労働の廃止、環境技術の開発・普及促進、腐敗防止などの10 の原則を支持することを表明する書簡を国連事務総長に送付します。2005年6月現在、世界各国で2000以上の主に企業をはじめとする団体が既に参加しています。今までに自治体の参加はありましたが、国の政府として参加するのは今回が初めてとなります。
cf. GOVERNMENT OF MEXICO WORLD’S FIRST TO ADHERE TO UNITED NATIONS’GLOBAL COMPACT FOR SOCIAL RESPONSIBILITY
◆「グローバル・コンパクトに10番目の原則が追加――透明性および腐敗との闘い」
http://www.hurights.or.jp/news/0506/b07.html
ヒューライツ大阪『NEWS IN BRIEF』
国連広報センターによると、2004年6月24日に行われたグローバル・コンパクト・リーダーズ・サミットでは、世界中の企業幹部がグローバル・コンパクト(GC)への誓約を再確認し、さらに腐敗や汚職と闘うことに合意しました。サミットでは「強要と賄賂を含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む (Businesses should work against all forms of corruption, including extortion and bribery)」という原則を10番目に加えることが決定されました。
企業幹部、政府高官、および市民社会指導者400人以上が参加し、これまで国連で開催された中でも最大かつ最高水準の会合となった会議を総括して、コフィー・アナン国連事務総長は、GCに対する「新たな力強い誓約」と、この意欲的取組みの意義、および「今後どうしたいのか」に関するよりよい理解をもって会議が終了したと述べました。アナン事務総長は閉会の挨拶で、「私たちはパートナーとして、相違と緊張状態を行動志向の建設的戦略へと変え、GCが抱える課題に取り組みました。皆さまは、先行きに対する不安と恐怖が高まっている時代でも、企業、労働者、市民社会、政府が反目を乗り越え、共通の土台に立って物事を進められることを実証されたのです」と語りました。
24日の早朝、不正との闘いを目指す国際的非政府組織(NGO)であるトランスペアレンシー・インターナショナルのピーター・アイゲン理事長は、つい最近まで世界のビジネス社会が腐敗を必要悪と考えてきたことに言及しました。しかし、汚職の防止、犯罪化、汚職に対抗するための国際協力、ならびに不正に取得した資産の回復に関する徹底的措置を定めたものとして、はじめて全世界的に認められた国連腐敗防止条約が広く批准された後、「今では腐敗と闘う必要性について確かな合意ができている」と述べています。
◆「長沙など4都市と6社が国連グローバルコンパクト加入」
http://www.toanews.com/2009-02-07-09-18-36/727-2009-04-20-04-53-20.html
東亜通信社(2009年4月20日)
中国内陸部にある湖南省の長沙、株洲、湘潭、益陽4都市および老百姓大薬房股フェン有限公司など6社は4月18日、国連「グローバル・コンパクト(GC)」に加入した。
GCのジョージ・ケル(Mr.Georg Kell)事務局長は、中国環境保護部、湖南省人民政府、中華全国工商連合会の共同開催による「2009年資源節約・環境友好国際協力トップフォーラム」の閉幕式で、上記4都市と6企業へ認定証を授与した。
新しくGCに加入した企業は、老百姓大薬房、袁隆平農業高科技、遠大空調、華能自控集団、湖南宏◆(さんずいに景、その右に頁)生物基因科技、凱天科技の6社。
◆「
国連グローバル・コンパクト、除名企業は400社」
http://gpress.jp/csrnews/archives/2008/02/03-163323.php
『シータス&ゼネラルプレス CSR NEWS』(2008年02月03日)
国連グローバル・コンパクトは、企業トップによるコミットさえあれば、全ての企業が参加できる国際ネットワークです。しかし最低条件として、署名後 2年を経過した企業は毎年「コミュニケーション・オン・プログレスレポート(COP)」を発行することが求められています。これは、企業が持続可能性を推進するための諸活動の成果を報告するものです。
国連グローバル・コンパクトが2001年に始動した際、1000社以上の企業のトップが10原則(人権、労働、環境、汚職など)に則した活動の推進を約束し署名しました。そして、COPの発行を守らない企業は除名されることになります。今回の発表によると、現在グローバルで3,380社のメンバーが登録しており、除名企業は394社、更に510社が2年連続で期日内に提出できていないということです。全体で約900社が国連グローバル・コンパクトとの誓約を守れていないことになります。
.
●除名企業のリストはこちらです(PDF)。
インド、ブラジル、フィリピンなどの企業が多く見られます(中国は6社のみ)が、先進国ではスペインが非常に多く、米国が10社以上、英国、ドイツが2社ずつ入っています。2008年2月5日時点で日本企業は59社が署名していますが、除名企業はゼロです。
Delisted Global Compact Participants (January 2008)
Update: Over 900 Global Compact Participants Marked “Inactive” or Delisted
New York,
28 January 2008
GlobalCompact
[関 智恵]
◆「
国連グローバル・コンパクト、通算630社を除名
」
http://gpress.jp/csrnews/archives/2008/07/02-183007.php
『シータス&ゼネラルプレス CSR NEWS』(2008年07月02日)
2008年6月25日、国連グローバル・コンパクトは、参加企業に求めている情報開示などのコミュニケーション活動が不十分だとして除名した企業数が通算で630社にのぼったと発表しました。
国連グローバル・コンパクトへの参加企業は「コミュニケーション・オン・プログレス(Communication on Progress: COP)」を発行し、国連グローバル・コンパクトが掲げる10原則を促進するための活動推進とその報告が義務付けられています。2004年にインテグリティ・メソッドが導入され、より優れた説明責任と信頼性確保のための参加企業のスクリーニングが積極的に行われています。
2000年7月に発足した国連グローバル・コンパクトは、2008年は701社が新規参加し、現在では全体で5,982社が参加しています。国連グローバル・コンパクトが今年初めて除名したのは2008年1月で394社、その後続いて235社が除名され、通算630社が除名されました。さらに現在も 317社が「inactive(活動停止)」におかれており、うち184社は年内に除名される可能性が高いとされています。日本企業の除名はゼロでした。
630 Companies Delisted as Part of Integrity Measures
New York
25 June 2008
GlobalCompact
●除名企業のリスト
こちら
●関連ニュース
「国連グローバル・コンパクト、除名企業は400社」(CSRニュース2008年02月03日)
[関 智恵]
◆「
PRI(国連責任投資原則)、5社を除名
」
http://gpress.jp/csrnews/archives/2009/09/04-165444.php
『シータス&ゼネラルプレス CSR NEWS』(2009年09月04日)
英経済紙フィナンシャル・タイムズでも紹介されていましたが、この度、国連責任投資原則(PRI)が、署名(賛同)団体5社をリストから除外したと発表しました。
除名された企業は、南アが2社、米国、オーストラリア、ブラジルの各社です。環境、社会、コーポレート・ガバナンス(ESG)活動を推進する企業の支援を市場投資を通じて行うことをミッションに活動しているPRIですが、現在、資産保持者、資産運用者、投資サービス関連企業などを中心に、573の賛同団体を持つ国際的なイニシアティブに成長しています。
賛同団体は、PRIが提唱する6つの原則に沿った活動の実行が求められています。つまり、各団体が通常の活動において実施している投資プロセスに、環境、社会、ガバナンスの各課題を組み込むことです。さらに、賛同団体はその活動成果を毎年「プログレス・レポート」として発行する必要があります。
この「プログレス・レポート」は、現在自発的なものとして扱われていますが、2011年からこの発行を義務化する計画があるとPRIは発表しています。実際、今回除名された5社は、このレポートの発行が不十分であったことが除名の主な理由となっています。
<<今回PRIを除名された企業5社のリスト>>
・ Oasis Group Holdings(オアシス・グループ・ホールディングス)/南アフリカ
・ Trinity Holdings(トリニティ・ホールディングス)/南アフリカ
・ Christopher Reynolds Foundation(クリストファー・レイノルズ・ファウンデーション)/米国
・ Foresters Community Finance(フォレスターズ・コミュニティ・ファイナンス)/オーストラリア
・ DESBAN /ブラジル[※]
[※] DESBANは、ブラジル第2の人口を持つMinas Gerais州が運営する開発銀行の雇用者向け補助年金プラン
Five firms ejected from PRI
20 Aug 2009
WBCSD
UNPRI names five ejected signatories and starts transparency reporting talks
20 Aug 2009
Business Humanrights
[関 智恵]
◆「
ライブドアが国連の腐敗防止組織に加入
」
http://www.nikkansports.com/ns/general/f-so-tp0-060304-0015.html
『nikkansports.com』(2006年3月4日)
人権尊重や腐敗防止を目的に活動する国連関連組織の「国連グローバル・コンパクト」に、粉飾決算容疑が持たれているライブドアが加入していることが4日分かった。
この組織には不祥事を起こした企業に脱退を求める規定はないが、国内加入企業の中からライブドアが引き続き在籍することを疑問視する見方も出ている。このため国内での運営委員長を務める三井住友海上火災保険は、3月中にも開く運営委員会でライブドアから事情聴取する方針を決める。
国連グローバル・コンパクトの加入企業などは、人権や労働、環境、腐敗防止の各分野に及ぶ10原則を活動に組み入れる必要がある。原則には「強要とわいろを含むあらゆる形態の腐敗を防止するために取り組む」という項目も盛り込まれている。
◆「
国連グローバルコンパクト韓国協会、きょう創立総会
」
http://www.wowkorea.jp/news/Korea/2007/0917/10032734.html
『韓国新聞 ワウコリア』(2007年9月17日)
国連が提唱する「グローバル・コンパクト」の韓国協会が17日に発足、大韓商工会議所で創立総会が開催された。
外交通商部の宋旻淳(ソン・ミンスン)長官は祝辞を通じ、「韓国協会創立を機に、韓国企業が経済力と国力、国際社会の期待にふさわしい役割を果たすものと信じている」と述べた。この5か月間でグローバル・コンパクト参加企業は20社から80社余りに増加したことはよろこばしいことと評価した。
グローバル・コンパクトは、人権・労働・環境保護と腐敗防止の理念を民間企業を通じて実現するため、2000年に当時のアナン事務総長が提唱した。
宋長官はまた、外交通商部も韓国協会の成功に向け可能な限りの支援を惜しまないと約束し、韓国協会にはより透明で環境にやさしく、人権を尊重する大きな社会的変化をリードしていってもらいたいと呼びかけた。
◆「
『亀尾市』UNグローバルコンパクト(UNGC)――“全国自治団体最初”の加入で国際都市として背伸び…
」
http://japanese.gumi.go.kr/board/viewForm.do?board=EHEADLINE&num=183
『亀尾市 市政だより』(2008年6月13日)
亀尾市(市長南?鎭)は市昇格30周年を迎えて国際的な競争力の確保と
国際交流を拡大するために全国自治団体としては最初にUN Global Compact
(UNグローバルコンパクト)に加入して4月29日UNGC韓国協会事務総長から
承認書を伝達された。
UNグローバルコンパクト(UNGC)加入はUNGCが表明する人権、労動、環境及び反腐敗に関する10大原則を積極的に支援して発展させようと、機関活動のすべての部分に段階的に適用、持続的に改善してグローバル国際都市としての容貌を備え、名実共に国際都市として背伸ぴしていくという南?鎭市長の約束であり意志の表明である。
今まで亀尾市は国際化のために1998年7月の東・東南アジアネットワーク加入を始めとしUCLG(世界地方自治体連合)、世界都市連合(GCD)、自治団体国際環境協議会(ICLEI)に加入し、行政改革事例発表など持続的な国際交流活動と、国外にオランダ・アイントホーベン市など7つの自治団体と姉妹提携を通じた交流を活発に推進して来ており、今後、国際化の趨勢に合わせ追加加入などの国際交流活性化により、国内的には
国際化を善導する自治団体として、国外的には世界の中の名品都市ブランドを高めて
行く計画だ。
今回のUNGC加入をきっかけに世界の多様な参加企業とネットワーク構築、シンポジウムなどけの参加機会の拡大を通し、世界の流れと方向などの投資情報交換と外国企業投資誘致のための広報の場として活用し、国際都市としての位相の向上と投資誘致の成果に続く『亀尾経済第2跳躍』の足場を固めるきっかけになることと期待される。
現在、UNGC加入団体は世界120余りの国家で約5,000(国内112社)の企業及び団体が加入し、自治団体としてはアメリカのサンフランシスコ、ドイツのベルリンなど12ヶ国12都市が加入して活発な交流活動を行っている。国内では亀尾市が自体団体としては最初に加入して毎年履行に対する推進経過報告書(COP : Communication on Progress)を提出するようになる。
>top
議論
◆三浦聡 (2003) 「国連グローバル・コンパクト――グローバル・ガバナンスの新たなモデル (特集1 国際経済法の現代的課題)」, 『ジュリスト』,(1254):106-113
企業は、内部組織や取引関係を統治・管理し、プロジェクトを遂行する能力を提供する一方で、国連やNGOとの連携を通じて「グローバル企業市民」として認知され、企業イメージが高まることを期待している。NGOは知識や機動力を提供する一方で、企業を「教育」してその透明性を高め、GCの議題に影響を及ぼすことを望んでいる(p.108)
>top
◆村上透 (2009) 「国連グローバル・コンパクトへの加盟」, 『大学時報』 58(328):80-87
コンパクト(Compact)とは、契約を意味する。国連グローバル・コンパクトに加盟するということは、国連グローバル・コンパクトが掲げる十原則を遵守することを誓約し、自主的に努力を継続していくことが要請される。
その十原則とは、人権、労働、環境問題及び腐敗防止の四つの分野における次の諸原則であって、これらはCSR(Corporare Social Responsibility:企業の社会的責任)の基本原則でもある。(p.82)
本年三月にICUの卒業生であるグローバル・コンパクト・ボード・ジャパンの有馬利男議長(富士ゼロックス株式会社相>87>談役特別顧問)から、グローバルコンパクトへの参加について打診があった。これに対し、ICUの設立理念、学生が入学式で世界人権宣言にもとづく宣誓をし続けているICUの歴史、現在行っているICUの教育、ICU卒業生の国際機関での活躍等から考えて、国連グローバル・コンパクトに加盟することは至極当然のことと思われ、また、ICUの見学の理念と国連グローバル・コンパクトの掲げる理念に共通性があることから、世界基準(Global Standard)を標榜するICUは、躊躇することなく参加することを決定した。今後、国連グローバル・コンパクトの枠組みを活用して、ICUの教育研究をさらに深め、多くの責任ある地球市民を社会に輩出していきたいと考えている。(pp.86-87)
>top
◆板倉美奈子 (2006) 「多国籍企業に対する国際的制御の歴史的展開――グローバル化と「新しい公共圏」」, 『法の科学』 (37):20-31
ま>23>た、CGは参加する企業の自発的なイニシアチブによる基準の自選を求めるものであり、規制のための手段でも、法的に拘束力を持つものでもない。国連と企業のほか、国際機関、各国の政府や自治体、業界団体、労働者団体など多様なステーク法rだーがネットワークを構築することにより、一体となって問題に対処しようとするということを主要な特徴とするものである。
(…)他方、批判的・会議的な見解も観られる。まず、これが企業の自発性に依拠するもので、モニター機能や違反行為に対処するメカニズムを備えていないため、履行確保の実効性が担保されておらず、悪くすれば、企業の売名行為に加担することになるのではないかとの懸念である。また、こうした実効性の問題とは関係なく、国連が企業とパートナーシップを組むこと自体が、国連の正当性を低下させ、国連の「商業化」につながるという根本的な批判も強く見られる。(pp.22-23)
第三の特色として挙げられるのは、「規範」では、第15項から第19項において、実施手続きについての規定がおかれ、履行確保のためのメカニズムが用意されていることである。まず、15項では、企業による自発的な実践について規定されており、16項では国連など国際的な枠組みでのモニタリング、そして17項では、国内的実施、すなわち国家による履行確保の責任、さらに18項では損害が発生した場合の迅速かつ有効で適切な補償、掲示制裁の可能性についても触れられており、これらについては国内裁判所のみならず国際裁判所による関与も認めている。このように詳細な実施規定が入れられているというのは、これまでに例のない試みであるといえる。(p.24)
(…)その上で、「規範」では、国家には企業による人権保障についての「第一義的な責任」があると規定している。これに対して、GCは、あくまでも企業の自発的イニシアチブを基本とするという立場から、国家の役割についてはとくに触れられていない。(p.25)
具体的には、企業に対して、積極的な人権保障義務の履行確保、パートナー選定の際の人権侵害に関する審査、この条件を満たさない企業の排除、実施過程における企業報告・情報公開等、人権保障に関わるさまざまな製作過程に関与させることによって、「人権保障者」としての役割を担わせようとするのが、パートナーシップ・アプローチである。そして、このアプローチは、企業の自発的な参加、企業その他のアクターに対する「対話、学習の場」の提供を主たる特徴とする。
(…)
このアプローチについては、自発的改善へのインセンティブとなりうること、基準が日常レベルでの規範として根付き、これを遵守することが習慣化するということが期待できること、「よき実践」として最高水準の設定ができるため、race to the topにつながる可能性があること等のメリットがあるとされる(ただし、CGがこのようなメリットを十分に生かしているかどうかは別問題である)。反面、GCについても指摘されているように、最低限の基準について、その履行を確保し、違反に対処するメカニズム・手段がないということがデメリットである。
これに対して、モニタリング・アプローチというのは、人権保障促進を目的とした情報の収集・確認・活用と国連・国際的な人権保障機関・非国家主体・国家等による評価を中核とするアプローチで、その根底にあるのは「人権侵害者としての企業」観であるとされる。このようなアプローチは、人権条約の実施機関が多く採用しているもので、これらの機関の中には、すでに企業による>27>人権侵害についても対処を試みている機関もある。
そして、このアプローチにおいては、遵守されるべき最低限の基準(CORE)が明確であり、履行確保メカニズムとしての実行性という点でも、パートナーシップ・アプローチよりも優れているということが言える。他方で、企業の協力の下で行われる第三者評価の客観性中立性をいかに担保するのかという課題、より厳しく履行が求められるだけに、基準そのものを引き下げようとするいわゆるrace to the bottomが起こるのではないかといいう懸念、また「人権侵害者としての企業」観を前提とする以上、「協働」の契機とはなりえず、したがって、その成否は関係する国家の意思と能力に依存せざるをえないものの、そもそも国家の果たしうる役割の縮減、一部の途上国に見られる履行意思の欠如がこの文d内の出発点にあったことに鑑みれば、これに期待することはできないというジレンマに陥ってしまうという問題も指摘されている。(pp.26-27)
>top
◆野村彰男 (2004) 「グローバル・コンパクト ――国連の課題と企業活動」, 『青山法学論集』 46(3): 22-1, 2004-12
私が今、日本の企業とヨーロッパなどで見られる企業のあり方で1つ大きな違いを感じてるのはこういうことです。参加企業の人たちと話しても、あるいはまだこれから参加しようかどうしようかと迷っている人たちと話しても、企業の視野がじつは自分たちの会社の外、自分たちの取引先などから外へなかなか向かないということです。自分の企業活動を身ぎれいにするということについては、もう本当に積極的に考えてくれていいるし、日本の企業というのは環境問題なんかでは本当に優等生だと思います。
しかし最初に私が行ったミレニアム開発目標に掲げているような咳あの現状。本当に大勢の人たちが人権を蹂躙され、差別を受け、食べる者もなく、病気に悩まされ、病気になっても薬もない、近くにもいないという人たちがたくさんいる。教育も受けられない人たちがいる中で、そういうhとたちに自分たちの活動がじつはじかにかかわることができるんだというところまで、なかなか視野が広がらない。そんなところまでいきなり言われてもちょっと、という感じがあるわけです。(p.10)
>top
◆根岸 可奈子 (2008) 「多国籍企業と国連グローバル・コンパクトの関係――グローバル・コンパクトが企業の自発性に委ねた理由を中心に」, 『中央大学大学院研究年報』, (38):189-203
GC発足にかかわったジョン・ラギー(John Gerard Ruggie)は、なぜアナンがモニター、コンプライアンス制度なしのこのアプローチをとったのかについて3点挙げているが、そのうちの1つには、国連総会において、規制が採択される可能性がほぼゼロであることを挙げている。そおれは、70年代に高まった規制の議論が80年代、90年代を通じて潰えた経験から言えることである。
また同時に。80年代からのNGOの動きを見ると、彼らの存在を無視し国連と国家、多国籍企業間だけで問題の解決に当たるというのは、現代の潮流に沿うものではない。
こうした歴史的な経験から、国連はGCを規制することができず、現在国連に可能な現実的な問題の解決方法として、拘束力を持たずに自発性による協働ぷらっとフォーム、GCができたと考えることができる。(p.196)
国連に十分な財源があり、かつ各国が協力的であったならば、GCを多国籍企業規制とすることも可能であっただろう。しかし、現実はそうではない。前章でみたように、国連に参加する国家がその政策の動向として企業に規制を課したがらない姿勢を示し、国家の分担金不払いによる財政難に陥る現状から、国連が多国籍企業の行動に関して可能なことは、規制ではなく参加主体の自発性に拠るGCの発足だったのではないだろうか。(p.198)
しかしながら、国連の中心的な機関である総会が1国1票制をとるなど、国連は国家の代表が集まる戦後最大の公的な国際機関であり、高い正当性を有することは間違いない。すなわち、国連が、多国籍企業の行動に関し大綱を示すということが、国際社会の合意として1つ重要な意義を持つのではないだろうか。
また、多国籍企業に関わる行動要領やガイドラインは、近年あらゆる組織が作成、公開している。そして、企業自身もまた、自社の倫理綱領を作成し、ステイクホルダーに向けてこれをアピールしている。国連が作成したGCは、そうしたあまたある企業行動の中心的な指針としてその意義を発揮するのではないだろうか。実際10原則の内容は、他の行動要領に比べあるとはるかにあいまいなものが多い。国連と言う正当性のある大規模な組織が示す行動原則は、そうしたほか多数の行動要領の基盤となるよう、細部に特化することなく作成されたのではないか。GCは、個々の企業に対し直接変革をもたらすものではないものの、その正当性から多国籍企業に社会性を伴った活動を促す潮流の源泉となりうる。(p.200)
>top
◆大芝亮 (2004) 「グローバル・ガバナンスと国連――グローバル・コンパクトの場合 (焦点/国連改革の新動向)」, 『国際問題』 (534):14-27
(…)こうした理論状況ではあるが、しかし、現実世界では、「政府なき統治」という言葉でグローバルガバナンスの一例であり、かつコーポレートガバナンスとグローバルガバナンスをリンクさせる試みが進展している。国際連合の進めるグローバル・コンパクトがそれである。(p.15)
たしかに、グローバル・コンパクト設立当初は、原則の実施努力について、企業にひゃ国連に報告書を提出するいことが求められていたが、その後、報告書提出の制度は廃止され、企業は単に年報等でグローバル・コンパクト順守への取り組みを説明することが要件とされるにとどまったと批判する。そして、グローバル・コンパクト参加企業が10原則に関して重大な違反行為を行った場合に、これに対処する制度の形成を提唱する。まず重大な違反行為の判断基準を明確にし、次に、グローバルコンパクト参加企業が10原則に違反しているとの申し立てを受け付け、これに対応するメカニズムの設立を要請する。(p.25)
次に、グローバル・コンパクトには、サミット体制のような政府主体のグローバル・ガバナンス・システムとは異なり、主に非国家的主体によるグローバル・ガバナンス・システムであるという特徴がある。すなわち、グローバル化時代の企業の社会的責任という公共性のある問題を、各国政府がそれぞれの国内法で持って規制して対処するという方式ではなく、政府による法的環境整備を歓迎しつつ、国連諸機関、企業、各種団体・NGOなどが自発的なネットワークのなかで対処していく方法である。公共性のある問題を、政府という「官」に任せるのではなく、「国際組織」というもう一つの「官」と、企業・NGOなどの「民」が協議して解決を図るシステムである。
しかし、グローバル・コンパクトには、グローバル・ガバナンスの視点から見た場合に問題点も残されている。コーポレートであれ、ナショナルであれ、そしてグローバルであれ、いずれのレベルのガバナンス論にも共通する最大公約数的な要因は、運営原理としての透明性と説明責任性の確保である。たしかに、グローバルコンパクト参加企業の10原則順守のための活動は、当初はグローバル・コンパクトホームページに掲載する方針で会ったのだが、しだいに後退し、個別的に企業の年報において報告すれば足りることになっている。10原則を順守しているか、それとも重大な違反が存在するかについての判断基準も示されておらず、個別企業に対して、重大な違反があるのではないかとして調査を求める制度もない。10原則の順守に関する透明性や説明責任性の確保はただ企業の自主性にまか査rている状況であり、その結果、グローバルコンパクトはそもそもグローバル・コーポらティズムのようなものであり、企業であれ、NGOであれ、また国際組織であれ、いずれも一般市民に対して説明責任を負うものではないとの見方も提示されている。このような問題を克服することがグローバル・コンパクトの課題と言えよう。(p.27)
>top
◆三浦聡 (2009) 『国連グローバル・コンパクトの意義――ガバナンス論からの考察 (グローバル経済下における公益実現と企業活動)』, 『日本国際経済法学会年報』, (18):1-35
端的にいえば、グローバル・ガバナンスにおけるGCの意義は、その先駆性と実験性にある。GCは、以下に企業をグローバル・ガバナンスの客体(問題の源泉として規制される側)から主体(問題解決に取り組む側)に変えるかという課題に取り組む「ネットワーク構築に関する制度的実験」である。(p.2)
企業の自発性を尊重するGCにあって、参加企業に対して実質的に義務化されているのが「誠実性措置(Integrity Meaures)」の履行である。これは法的義務ではなく、GCメンバーシップに関わるルールであり、継続的違反者はGCから除名される(実際に、2008年末までに800社以上が除名されている)。GC事務所は、GCが「自発的だが責任を伴う」のであり、「企業活動の規制ではなく…公衆への説明責任(パブリック・アカウンタビリティ)、透明性、情報開示に依拠する」と表現する。その手段が誠実性措置である。
誠実性措置は、参加企業によるGCへのただ乗りを防いでGCの質を保証するために、2004年に導入された。それは、GCの名称及びロゴマークの使用の事前許可制、コミュニケーション・オン・プログレス(以下、COP)の提出、GC原則の「組織的かつ重大な侵害(systematic and egregious abuse)」の申し立てに関する手続きから成る。誠実性措置の中核を成すのが、ステイクホルダーに情報を開示するCOPの提出である。参加企業にはGCへの支持、GC下足の履行とその成果を記載した報告書の作成・公共して説明責任を果たすことが求められる。COPには、説明責任の浸透、履行の継続的改善の促進、GC全体の誠実性の保護、情報の蓄積を通じた企業間の相互学自習の促進などの機能が期待されている。(p.7)
GCは政府間(ILOの倍、政労使の三者間)の宣言に基づく9原則を掲げて設立されたが、国連事務総長は事前に政府から権限を委任慣れることも、国連絵の手続きを経ることもなかった。だが、GCは政府から完全に自律的であるわけではない。GCは一方で政府からの指示によって正統性を得ており、他方でGCの活動は政府による一定の監視の下にある。ただし、政府はGCの活動を統御するというよりも方向づけ、国連総会決議や会合(G8やアフリカ連合での声明を通じてGCを支援し、GCが発展する環境を整えていると言える(p.15)。
アクションサイクルのモデルに照らすと、GCに求められるのは、より明確な基準の設定、具体的・体系的・かつ企業間で比較可能な情報の開示、ステークホルダーによる情報の体系的な評価とそれに基づく具体的な是正・改善の勧告、勧告に実効性を持たせるための機材的・社会的圧力の強化である。これまでに、情報開示についてはCOPに関するルール等を段階的・部分的に改善し、LNによってはCOPのピアレビューを実施している。また、経済的圧力についてはPRIの有志による取り組みが始まっており、社会的圧力についてはLNにおけるピアプレッシャーとピアサポートが見られる。今後は、これらの更なる強化・拡大・推進が必要であるだけでなく、開示された情報を収集・分析・評価して、その結果を公開する「情報仲介者(informediaries)」の役割を担うステークホルダーを巻き込み育成することも重要である。たとえば、GC内外のNGO、PRIに参加する機関投資家、PRMEに参加する研究教育機関がそのような役割を担えるかもしれない。(p.22)
>top
◆大泉敬子 (2004) 「グローバル化の進む世界と国連――「グローバル・コンパクト」の意味を問う」, 『世界法年報』 (23), 13-45
しかしながら、アナン事務総長のイニシアチブに基づくこの立ち上げは、物議をかもしだした。発足後に、国連史上初めて、国連総会と経済社会理事会において、まず国連と民間セクターとのパートナーシップという大枠に関する議論が始まったのである。アナンの前任者ガリ(Boutros Boutros-Ghali)も、『民主化への課題』などにおいて、政府間組織である国連がNGOだけでなくビジネスを含む市民社会に対してオープンになる必要性をすでに説いていた。しかし、加盟国がその問題に初めて公式に議論したのは、2000年10月ノソウカイホンかの場であり、協議後12月21日に採択された総会決議A/55・215は、国連が政府間国際組織である点を確認した上でパートナーシップを容認した。経済社会理事会では、2001年7月の協議の結果、「国家の法や規制に従って利潤動機を前提とする政策に化された社会的価値を認め社会責任を果たすこと」との企業市民(corporate citizenship)の定義が成立し、パートナーシップの必要性が認められた。このことは、グローバル・コンパクトの立ち上げが加盟国による協議なしに事務総長のイニシアチブによってトップダウンで行われ、その後の加盟国協議で、結果としては事後承認されたことを示してい>18>る。
その中で、特に「企業」に焦点が当てられたのはなぜか。そこには、企業を、グローバリゼーションを社会的障害から解放し、>20>問題を克服する希望を提供するアクターと見なす積極的なアプローチが見られる。すなわち、国境を越えて経済活動を行いグローバリゼーションをけん引するアクターであるからこそ、ビジネス・リーダーがビジョンをもち企業が企業市民という経営哲学を持つことによって、普遍的価値と人間の顔を持ったグローバル市場を実現することができると期待されたのである。阿南が2002年2月のダボス世界経済フォーラムで語った言葉、「ビジネスは、問題を起こすと見なされる側から、政府や他のアクターと協働して問題を解決する側に回らねばならない」がそのことを裏打ちしている。一方、企業も、ナイキに代表されるように、途上国ビジネスにおける過去の苦い経験を経て社会的責任を自覚し、行動規範の制定など試行錯誤を始めていた。(pp.19-20)
こうして、企業のvoluntary initiativeとself-regulationを特徴とするグローバル・コンパクトが誕生した。その背景にあったのは、ひとつには、グローバリゼーションが加速する時代にあってはなおさらのこと、企業への国際的規制が現実的ではないとの経験的認識である。そしてもうひとつは、労働者やNGOや投資家からの圧力もあって、企業自身が行動綱領を作成し公開することによって自己規制の流れを作り出し始めていたという時代の趨勢であり、同時に自己規制が企業にとってのリスクゆえにいまだ大きな潮流には至っていないという事実であった。さらに、時代の流れを絶妙にとらえたアナンの判断と戦略、ならびに国連自身の国際組織としての資源的限界もあったのである。(p.37)
グローバリゼーションが進む21世紀という時代にあって、人権・労働・環境の3分野における共通価値のなかに人間の顔をしたグローバル市場を実現し、人間の不安全やみじめさをその市場から取り除くという目的を達成するために最適の方法として選ばれたのが、グローバルコンパクトであった。
総括すれば、それは、第一に、企業を中心に据えたネットワーク型パートナーシップという協力枠組みを持ち、企業に対して法的規制ではなく企業の自発的イニシアチブと自己規制を求める自律的規範性を持つ協力形態である。グローバル・コンパクトは、企業活動にかかる多様なアクター同士がパート>38>ナーシップとネットワークを形成して学習と対話を行うという点で、諸アクター間の共治(Co-Governance)と呼ぶにふさわしいものであり、その中でアクター同士が相互に監視し合い規制し合うという点では相互規制(Co-Regulation)の協力形態とえるものではないだろうか。(pp.37-38)
Global Co-Governanceの側面に関しては、第一に、グローバル・コンパクトが既存のパートナーシップがもつ問題を乗り越えられるかどうかが議論されている。(…略)パートナーシップとはsんかにおける共同行動であり、そこからは利益の平等な分配がもたらされなければならない。それらをともなわないパートナーシップは、植民地化や搾取以外の何物でもない。他の代表の発言ならびにNGOの批判からも、この点に関する懸念が最も多く、また大きいことが分かる。第二に、したがってグローバル・コンパクトのパートナーシップは、企業に国連のロゴやエンブレムを通して国連をまとうことを許し、その結果国連のイメージが企業犯罪者というパートナーによって傷つくのではないかの懸念がある。国連が企業によって私物化されることへの懐疑である。第三には、グローバル・コンパクトのパートナーシップが、すべての地域の途上国と経済移行国、先進国を含むものとして想定されているかどうかの問題である。理論的には崇高な目標を掲げるものであっても、実際は、先進国に新たな保護主義を促すことに結びつくのではないかが懸念されている。第四に、ほとんどの途上国が懸念することであ>40>るが、グローバルコンパクトが、民間セクターとのパートナーシップによって、国家間国際組織としての国連の正統性と普遍性を突き崩したり、国家主権を侵害したりしないかという点である。そして、第五には、パートナーシップという協力形態に光を当てることで、労働基準や環境問題、人権などといった問題の本質を無視したり迂回したりすることにならないかという危惧があげられる。(pp.39-40)
>top
◆日弁連(訳)(2005) 「資料1 国連「グローバル・コンパクト」の一〇原則」, 『法律時報』, 77(1):27-38
GCは次の負圧の目的をもった自発的な企業市民のイニシアチブである。
世界中のビジネス活動に獣の原則を組み入れる。国連の目標を指示する行動に対して触媒の役目をする。
これらの目標を達成するために、GCは次のいくつかの手段を提供している。すなわち政策対話、ラーニング(学習)、ローカルの機構やプロジェクトを通じてである。
GCは規制の手段ではない。つまり企業jの振る舞いや行動を取り島足りっ強制したり、判定するものではない。むしろ、GCは企業、労働、市民社会がGC我礎とする原則を推し進めることで、実質的な行動をおこし、分かち合うための説明責任、透明性尾および件名な自己利益に期待しているのである。(p.27)
◆根岸可奈子 (2007) 「多国籍企業とNGOの新たな関係――監視・統制関係と協働関係の相互補完性について」, 『中央大学大学院研究年報』 (37):93-108
従来企業が興したこうした諸問題は、その国の国家が法的拘束力をもって統制をおこなってきた。しかしながら、多国籍企業の経済活動に起因する諸問題について、その責任追及や解決は容易ではない。それは、多国籍企業は文字通りいくつもの国境にまたがって活動を行うのに対し、国家が統制・監視可能な場所は、国境内にとどまっているからである。(p.93)
では、国家さえ有効な規制が行えず、監視・統制力を弱め政策を転換したものを、NGOが一部とはいえその機能を代替できるのかという疑問がい生じるかもしれない。しかしながら、それが可能であると考えられる根拠は、国家とNGOの持つ力、立場、力を行使できる「範囲」の違いである。まず、NGOは法的拘束力を持たない代わりに、後述するように消費者や株主の力を結集し活用することができる。そして、国家の法的拘束力が一国内に限られているのに対し、NGOはインターネットやメディアを用いて世界中からこれを集めて行使することができる。また、NGOはそのミッションから国益はもちろん、収益にも左右されない立場にある。NGOだからこそ、多国籍企業に対し国家が監視・統制できない部分を一部補完することができると考える。
このように、多国籍異業は国家からの監視・統制が弱められた一方で、新たにNGOから監視・統制をうけるようになった。しかしながら、多国籍企業はNGOにただ監視・統制されるだけではなく、NGOとの間に協調関係も構築している。この2つの関係がそれぞれどのようなものであるのか(…以下略)。(p.94)
多国籍企業に対する監視・統制の役割を一部分、NGOが担う一方で、近年同じ問題解決を目的としていながら、これを監視・統制ではなく協働によって解決しようとする動きがみられるようになり、その数も増加している。協働によって問題を解決していこうとするアプローチが多国籍企業自身、NGO,そして、国連にも多く見られるようになってきた。(…)
では、なぜ、このような傾向がみられるのか。諸問題は他国接企業による問題会稀有を許容しないほど大きく複雑である。その場合、NGOや子送れんといった異なる資源を持つ組織間の共同は非常に有呼応であると考えられる一方で、監視・統制の関係ではお互いの資源を活用できる関係にはない。各々が独立しているからこそ、監視・統制の関係は成り立っているからである。協働関係に置いては、直接1つの事業を業堂で行う場合もネットワークに参加する場合も、互いの持てる資源を交換し合いながら解決を行うことが目的である。ここに、>105>多国籍企業だけ、NGOだけでは生み出せなかった解決策を見つけ出すことができる。多国籍企業とNGO,あるいはそこに国連が加わり協働する。このことは、多国籍企業の宣伝活動や免罪符とと垂れることも多い。しかしながら、多国籍企業は問題を超す一方で、それを解決する上で強力な資源を有すると指摘する声も多い。(pp.104-105)
>top
◆水野賢二 (2006)「国連グローバル・コンパクト発足までの道程と現代的位相――グローバル世界における「企業の社会的責任」」, 『立命館国際関係論集』 (6):67-85
これまでの試みでは、国連TNC行動基準のように上からの決定を遵守させるようにする規制のアプローチ、もしくは、コー円卓会議やOECD多国籍企業ガイドラインのように原則を掲げ、それを守ることを促す宣言や勧告を出す形式がとられてきた。GCは校舎の形式に近いが、GCは掲げられた原則やメカニズム、そして実践例などについて実際に討議する場が設けられている。討議の場には、企業や国際機関の他にもNGOや労働団体、学術機関等の参加も推進されており、企業側の見解のみで方針が決定されることを抑制する働きを持ちうると考えられる。(p.80)
課題として第一に挙げられるのは、その規範の規模の更なる拡大と、そのために企業参加のインセンティブをいかに高めていくかという問題であろう。(…)第二に、本稿でも既に取り上げたように、強制ならびに制裁措置と討議アプローチの兼ね合いの問題である。(…)第3には、政府関与をいかに盛り込んでいくかについても検討が必要であると考えられる。(p.81)
>top
◆UP:100522,0523,0524,1028,1111,1127,111205