台湾語の声母と韻母
方言を含む中国語の音韻論では伝統的に声母+韻母+声調という考え方をします。台湾語でも同じです。
台湾語の発音は全般的に北京語ほど難しくないと思います。ぜひトライしてみてください。
台湾語の発音表記は教会ローマ字で表記するのが一般的です。ここでも教会ローマ字で表記しています。
声母
声母は北京語のほうがはるかに複雑です。発音しやすい台湾語をどうぞ。
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無声音 |
有声音 |
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無気音 |
有気音 |
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(鼻音) |
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p |
ph |
b |
m |
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t |
th |
l |
n |
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k |
kh |
g |
ng |
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ch |
chh |
j |
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s |
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h |
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chはツァ、ツゥ、ツェ、ツォの発音。ただしchi-の場合はチの発音。chhも同じような感じで。
韻母
韻母の総数はかなり多いです。これはいくつかの要素の組み合わせによるものです。難しくはありません。下記の中には使用頻度の少ないものや漢字表記を持たないものも含まれています。
a, e, i, o, o·, u, m, ng (8個)
o·は広く口を開けるオです。oはあいまいな母音[ə](シュワー)で発音しますが、口の狭いオで発音する人もいます。
「m,
ngは子音ではないか?」と思われるかもしれませんが、声母韻母という考え方では韻母になります。
ai, au, ia, io, iu, iau, oa, oe, oai, ui (10個)
am, im, iam
an, in, ian, oan, un
ang, eng, iang, iong, ong (13個)
ianは「イエン」。engはあいまいな「イン」([iəŋ])。
ap, ip, iap
at, it, iat, oat, ut
ak, ek, iak, iok, ok (13個)
-p, -t, -kは「内破音」と呼ばれる、破裂させない音です。韓国語と同じです。
iatは「イエッt」。ekはあいまいな「イッk」([iək])。
ah, eh, ih, oh, o·h, uh, mh, ngh
aih, auh, iah, ioh, iuh, iauh,
oah, oeh, oaih, uih (18個)
-hは韻母を短く発音します。「アッ」という感じ。
なお、-p, -t, -k, -hのことを入声といいます。
an, en, in, o·n
ain,
aun, ian, iun, iaun, oan,
oain, uin (12個)
nは鼻母音です。奥舌を喉の奥に付けずに「ン」と発音する感じ。
ahn, ehn, ihn, o·hn
aihn,
auhn, iahn, iauhn, oahn, oaihn
(±10個程度)
鼻母音も-h入声になることができますが、使用頻度は少ないです。
福建省南部で話されている閩南語は、発音の違いによって、廈門(アモイ)方言、泉州方言、漳州方言に大きく分けられます。
台湾語にも発音の地域差があり、台南で話されている台湾語は漳州方言に近く、台北で話されている台湾語は泉州方言に近いです。ただこれはあくまで大まかな記述で、実際には台湾全土で漳州方言と泉州方言とがかなりごちゃまぜになっています。そのため台湾語は「不泉不漳(泉州でも漳州でもない)」とよくいわれます。
台湾語の発音の地域差については、初学者でも一応知識として頭に入れておく必要があります。
同じ単語でも、大ざっぱに台南と台北とでは、代表的なものとして例えば下記のような発音の違いがあります。
台南 -oe:台北 -e
また、その逆も場合もあります。
台南 -e:台北 -oe
台南台北とはっきり分けることはできないものの、同じ単語で次のような発音の地域差もあります。
j-
: l- : g-
台湾語には標準的な発音というものがありません。言わばどの発音も正しい発音なのです。話者の数でいえば、台南で話されている台湾語のほうが優勢ですが。
台湾語学習者はどの発音を覚えればいいのでしょうか。どれでもいいんです。大らかな気持ちで勉強しましょう。相手の言っていることが聞き取れなくても、自分の台湾語が通じなくても、いいじゃないですか。発音の地域差のせいにしちゃいましょうよ(^_^;)