ポッサム possum

Possum:Photo by SS シドニー市街の公園に面した道路で。深夜走っていたタクシーが、公園から飛び出して来た動物に急ブレーキをかけた。ネコぐらいのサイズ、でもヒョコヒョコと跳ねるような走り方がネコとは違う。大きな黒い瞳がライトを反射して光る。ポッサムだった。

グレートバリアリーフのある島で。木から降りてきてゴミ箱をあさっていたポッサムに、カプチーノのクリームをスプーンに載せて差し出してやったら、スプーンごとくわえ取られた。あとで木の上からスプーンだけポンと落として返してくれた。

コアラやカンガルーほどメジャーではないけれど、同じ有袋類のポッサムは、けっこう人間の身近なところに住んでいて、つぶらな瞳と三角の耳、ふさふさのしっぽが愛らしい。あまりお目にかかることがないのは完全に夜行性だから。でも街中では公園の木などに巣を作り、ちょっと田舎に行けば、屋根に住みついたポッサムが夜中に騒いでうるさくて…なんていうのもよく聞く話。かつてヨーロッパ人の植民がもたらした環境の変化や病気の流行にも比較的影響されずに生き延びて、広範に繁殖している数少ない種でもある。


The Australia Web 掲載 1999