1軒家やアパートで、赤の他人と共同生活…日本じゃあんまり聞かないけれ ど、オーストラリアでは学生やシングルの人にとって、この「シェア」とい う暮らし方はとても一般的。新聞の個人広告欄で「フラットメイト」を募集 して条件が合った相手と、2人で2ベッドルーム(日本で言う2DK)をシ ェアしたり、1軒家を4、5人でシェアするケースもある。シェアで住む物件探しはまず住みたいエリアと家賃などの条件に目星をつけ、 新聞の「クラシファイド」コーナーの「シェア・アコモデーション」でめぼ しい物件をチェック。何軒が当たりをつけたら電話で詳細を確認し、良さそ うだと思ったら住所を聞いて下見に行く。私の場合、こうして見に出かけた 部屋の1つが最高のオーシャンビュー。フラットメイトは頭の薄くなりかけ たオジサンだけど、その景観を補ってあまりある眺めの良さ、それにもう1 人女性もいるから安全だろうと入居を決めた。
シェア生活では基本的に、キッチンやバスルームは共同でも、それぞれの個 室を無断で開けたり中に入ったりすることはなく、プライバシーはしっかり 守られる(でも、時には無断で服や金銭類を持ち出されたという人の話も聞 くので100%保証はできないけれど)。それでいて、重い家具を運ぶ時には 快く手を貸してくれ、ゴキブリが出れば素足で踏み潰してくれ、洗濯機が壊 れた時には都合良く「道ばたに落ちてたんだ」と拾ってくるフラットメイト の存在は頼もしかった。ゴミの捨て方とか安いスーパーの場所とか、最初か ら1人暮らしをしていたのでは分かりにくい生活の知恵も教えてもらえた。
ただ、日本もオーストラリアもいいヤツもいれば嫌なヤツもいるもので、ガ ス代や電話代を余分に払わされたとか、自分が買って冷蔵庫に入れておいた 食料を全部食べられたなんて話も時には聞くし、フラットメイトが女性だか ら安心と思ったら、そのボーイフレンドに部屋に押し入られそうになったと いう女性もいる。こんな時、黙って耐えていては何も解決しない。言うべき ことははっきり言わないと、オーストラリアで生活していくのはキツイ。話 し合ってみれば、案外あっさり「なーんだ、そうだったの」と納得してもら えることも多い。でも、こいつとはやっていけないと思ったらさっさと出て 行くこともできる、その気軽さ、他人同士だからしこりも残らないことが、 シェアのいい所とも言えるのだ。
豪日交流基金ニュースレター「Australia Web通信」掲載 1999
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