ニーバーの祈り The Serenity Prayer

English

 O God, Give us

 serenity to accept what cannot be changed,

 courage to change what should be changed,

 and wisdom to distinguish the one from the other.

                          Reinhold Niebuhr


日本語訳

 神よ

 変えられないものを受け入れる心の平静さを

 変えるべきものを変える勇気を

 そして両者を区別する為の叡智を与えたまえ。

                          ラインホルド・ニーバー


ニーバーの祈りでは、心の平静さ、勇気、叡智について言及されている。
受け入れる事、変える事、区別する事の重要性は等分である。
しかし受け入れる事、それを可能にする心の平静さを保つ事は難しく、倦厭されがちであるが故に最も気を付けるべき事であると思われる。

残念ながら、現実は認めたくない、受け入れたくない事が多い。
世の不条理を恨む経験は誰もがするものだが、どんなに受け入れたくなくても、現実は変わらない。
不条理であっても、変えられないものは受け入れるしかない。

受け入れる事は、決して現状を変える事を放棄する事ではないし、損失を一部の人に押し付けて無視する事でもない。
失ったものを軽んじる事でもない。
大切なものを失い、それを受け入れても、大切だった事までなくなるわけではない。

受け入れる事は、認めたくない現実に囚われた苦しい状態から抜け出す事であり、囚われて嫌な面しか見えなくなってしまった視野を広げ、自身の周囲にある良い面に目を向ける事である。
現状を受け入れる為に心の平静さを保つ事が必要だが、逆に現状を受け入れる事で心の平静さを取り戻す事もできる。

不条理な現実を認め、受け入れる事、その為に心の平穏さを保つ事で、受け入れたものの中からも、変えられるものと変えられないものを叡智を以て区別する事ができる事もあるだろう。

変えられないものを受け入れる心の平静さは、不条理な現実を生きていく為に必要な素養であると思われる。