はじめての長波受信


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1 はじめに

 以下の駄文は、短波放送でも聴こうと思ってたまたま買ったラジオに「LW(長波)」というのもついていたので、試しにちょっと聴いてみようか、と考えた人向けです。ですから、長波が受信できるラジオが既に手もとにあることが前提です。
 もし、とりあえず長波を聴いてみたくてラジオを買うのであれば、ソニーのICF-SW7600GRがおすすめですが、長波「放送」以外を聴くつもりはなく、なおかつ出来るだけ安価に、となれば、ソニーのICF-SW11か松下のRF-B11という選択肢もあります。最近は、中国製の安価なラジオでも長波受信が可能なものもありますね。
 できれば、長波「放送」以外の業務局も受信できるものの方が良いと思います。長波には、放送以外にも航空や船舶の航行のための標識局がいくつも存在していて、それらを受信するのも興味深いからです(電波標識局については後ほど触れます)。
 ちなみに、放送のみをターゲットとした製品は、150〜280kHzあたりのみが受信できる仕様になっています。


2 とりあえず聴いてみる

 スイッチを入れダイヤルを回すと(SW7600シリーズのように回さないタイプもありますね)、ノイズの中に何か聞こえてくると思います。聞こえているものは、次のいずれかである可能性が高いです。
(1)ロシアのラジオ放送(第3章を参照)
(2)電波標識(第4章を参照)
(3)国内のラジオ放送
 地域にもよりますが、(3)が聞こえる可能性が一番高いかもしれません。聞こえているのは(多分)地元の中波放送です。地元ラジオ放送の"オバケ"が長波帯に現れることは珍しくありません。


3 長波ラジオ放送

 長波でラジオ放送を行っている地域は、欧州、アフリカ、旧ソ連諸国及びモンゴルですが、このうち日本で良好に聴くことができるのは、ロシア極東にある数局ということになります。具体的には、ハバロフスクの153kHzや、ユジノサハリンスクの279kHzなどです。
 これらの局は、基本的には「Радио России(Radio Rossii)」という放送局の中継をやっていて、皆同じ番組をやっていますが、時間によってはそれぞれのローカル番組を聴くこともできます。ユジノサハリンスクのローカル放送では、朝鮮語番組も放送されています。
 受信できる可能性のある放送局としては、以下のものがあります。
 153kHz Radio Rossii(Khabarovsk)
 189kHz Radio Rossii(Blagoveschensk)
 234kHz Radio Rossii(Magadan)
 279kHz Radio Rossii(Yuzhno-Sakhalinsk)
 このほかに、モンゴルが164kHz,209kHz,227kHzで聞こえる可能性があります。


4 業務局(電波標識:ビーコン)

 長波帯は日本では航空用の電波標識用として使われていますが、これらの電波標識は、モールスによる自局の呼出符号(2文字)と発振音を1回ずつ交互に送信しています。自宅から100km程度にあるビーコン局であれば昼間でも受信できる可能性がありますし、夜間には遠くの局を受信できるかもしれません。
 航空用とは別に、300kHz付近には、海上保安庁が設置している船舶用無線標識もあります。これらの局は、モールスによる呼出符号を2回と発振音を1回の組み合わせで、繰り返し送信していますが、局によっては音声による気象通報を行うところもあります。内容は、1669kHzで行われている船舶気象通報と同様ですが、1669kHzは、1時間の間に全国の局がリレー方式で送信しているため、1つの局は1時間に1回しか送信されないのに対し、長波帯による気象通報は繰り返し送信されています。
 ICF-SW11やRF-B11は放送バンド以外は聴けませんが、300kHz付近を聴くことができるラジオなら、まずはこれらの無線標識を狙ってみるのがいいかもしれません。


5 アンテナ

 より良い受信をするためには、アンテナが重要になります。とはいえ、一般のラジオに高性能のアンテナをつなげると過入力となり逆効果という可能性もあります。ICF-SW11やRF-B11などであれば、外部アンテナは使わない方が良いかもしれません。
 ICF-SW7600GR等につなぐのであれば、同じソニーのAN-12や、アペックスラジオの500SLなどがあります。WellbrookのALA1530という選択肢もあります。
 通信型受信機につなぐのであれば、ALA1530が効果的かもしれません。あるいはループアンテナを自作するという手もあります。私が使っているのは2×2mの非同調型シールデッドループです。長波受信はノイズとの闘いですから、ノイズに強いアンテナというのは重要な選択基準になります。

 なお、市販されている長波専用のアンテナとしては、LF EngineeringのL-400BやRFSystemsのLFA520があります。

 ※L-400Bについては実際に購入して使用したのですが、ノイズに弱く、自宅で使用するにはかなりノイズ源から離さないといけないようです。住宅事情を考えたとき、なかなか難しい注文かもしれません。


6 その他の機器

 中波帯の相互変調などで長波受信が困難な場合には、ローパスフィルタを使用するという手があります。ローパスフィルタ自体は簡単な回路なので自作するのも一つの手ですが、市販されているものもあります。
 現在市販されている製品については、こちらをご覧ください。


7 ヒント

 前述のとおり、長波受信はノイズとの闘いですから、一番良い受信方法は、「ノイズの少ない郊外にラジオを持って行って聴く」というものです。実際、ある夜RF-B11を持って郊外(私の場合、住んでるところがそもそも郊外ですが)の公園に持って行って聴いてみたところ、自宅ではノイズに埋もれて聞こえないロシアの放送局がいくつか聞こえました。場所によっては地元中波の"オバケ"も目立って強くなりますから一概には言えませんが、ノイズから遠ざかるというのが、長波受信の一番のコツといえます。
 とはいえ、いつもいつもラジオを持って出かける訳にもいかず、自宅でなんとか長波を聴きたい、という場合は、
(1)ノイズの原因と思われる家電製品を使用しない。
(2)家中をラジオを持って歩き回り、ノイズの少ない場所を探す。
(3)少しでもノイズの影響を少なくするため、ラジオ本体をシールドする。
というのが考えられます。でも(1)は困難な条件かもしれません。そもそも隣家の家電器具が原因かもしれないですね。(2)は、意外とノイズが弱くなる場所というのがあるものなのですが、そこがラジオを聴くのに良い場所かどうかというのはわかりません。

 (3)は、簡単な方法としては、ラジオをアルミホイルでくるんでしまうというのがあります。ラジオの内部にアンテナがあることから、完全にくるんでしまうと受信できなくなりますが、少し隙間を作るようにしてくるむと多少ノイズの軽減が期待できます。
 いずれにしても、いろいろ試してみる以外に良い方法はないと思います。


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