お前は一級の女だよ。ただ超ド級の遠視でこんな近くに居るイイ男が見えないのが欠点の。
「ふられたわ、完膚なきまでに」
綺麗な横顔を晒しが何の気なしに衝撃の真実を語った。
思わず、飲みかけの茶を噴出しそうになり口を押さえる。
「本当に久しぶりにトキめいたってゆうのに。はぁー、今じゃさえない銀時と茶をしばいてるし」
「不服か?こんなイイ男捕まえといて不服なのか、コノヤロー」
「超不服ね。おまけにイイ男なんて、この世には存在しないわ」
あの人以外だけど。
呟くように付け加えられた言葉が妙にひっかかる。
まるで、喉に小骨が刺さった痛いような痒いようなもどかしい感覚。
「男を見る目がなっちゃいないぜ、サンよー」
「万年金欠病のグータラ相手にしてちゃ、見る目も無くなるわよ」
「八つ当たりは止めてくださーい」
「はいはい。ごめんなさいね。どうせ私は自己中の我侭女よ、チクショー」
「へー・・・そう言われてふられたわけ。可哀想にね」
「やめて。世間からばっちりカミングアウトしてる銀時に慰められると本気で泣きそう」
あんまりだと思う。
こっちは精一杯慰めてやってるのに、相手は俺に言葉の暴力を投げつけまくる。
報われない何もかも不毛だ。本当に可哀想なのは俺だって。
「まァ、お前にも見る目がなかったかもしんねェけど、相手の男はもっと目が腐ってやがったんだな」
「・・・違うわ。あの人は一級の目利きよ。だから私をふったんだわ。私みたいな女には所詮、すぎた相手だったのよ」
顔も知らない男だが今度会ったらぶっとばしてやる。
俺はの黒い涙を見ながら誓った。
「泣くなよ。俺が泣かしたみたいじゃねーか」
「誰が銀時なんかに泣かされるか。それにこうゆう場合は見て気付かないフリするもんでしょーが。だからモテないのよッ」
「それは言わねぇ約束だろーがッ!・・・ったく」
化粧が剥げるのもお構いなしには泣き続けて、そして俺はもどかしくただ茶を黙々と飲み続ける。
俺の為にあんだけ泣いてくれたら、俺は何でもしてやるのにと泣き女の遠視を呪いながら。
2005年10月20日(再録:2005年2月10日)