おジャ魔女はるか

発覚!!魔女見習い



そこはかなり広い部屋の中、そこに居るのは一人の少女と7つの小さな存在それだけが
その部屋を占拠している。
「何をやっているんじゃ、良い子じゃからでて来い!!」
年老いた声が部屋の中の少女を叱る。
「ハナちゃん、せめて説明してくれませんか?」
部屋の中の少女ハナに向けられた、静かだが説得力のある若い女性の声
外、入り口の辺りが騒がしいが、子ども扱いされているような(実際そうなのだろうが)
口調に反発し、無言のまま翆晶を眺めて居る。
説明する必要もやめる理由もない、すでに必要な了承は得ている。
本来はドアの外の二人の了承もいるのだろうが…
後は時を待つだけ。
「はるかたちなら、きっと大丈夫」
ハナ呼ばれた少女は7つの小さな存在たちにただ同意だけを求めた。
7つの小さな存在たちはそれぞれ‘コクン’とうなずいた。
そしてハナは黙って時を待つ、外は相変わらずうるさいがそれはどうでも良かった。
幾らか時間が過ぎた頃、翆晶が光を放つ
「せーの」
待ってましたとばかりにハナはそう言うと、手に持っていた楽器を演奏する、
その音色にあわせて水晶玉が強い光を一瞬だけ放つ
目的を果たしたハナは部屋を出て二人の女性に
「ないしょ〜」
とだけ言って、あとは一切そのことに触れようとしなかった。

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今夜は魔女見習い7級試験、深夜はるかはベッドで静かに眼を開けた、と
不意に何かを感じ体を慌てて起こした。
「な、何今の感じ?」
辺りを見回しても特に何も変化している訳ではなかった、何時もの自分の部屋。
「う〜ん?、ってそんな事してないで着替えなきゃ」
五分ほどボーっと辺りを見回したはるかは、ベッドから出ると
リングタップを取り出し、着替えるためにタップを叩こうとしたが…
小さな黒い影が、タップにぶつかって、はるかは床にタップを落としてしまう
「ノノ、何するの、お母さんに気づかれちゃうでしょ」
「ノ〜ノノッノ」
とノノと呼ばれた黒い影は机の上を示しす。
「あっ、そうだっけタップ変わったんだ、ありがとノノ」
そう言うと床に落ちたタップを拾い、机の引き出しの奥にしまい、
改めて机の上のパレットタップを手に取る、リングタップとまったく同じデザイン、
外見上違うのは配色だけだが、それを識別できるほどの月明かりは無い。
改めてタップを叩くと軽やかなメロディーが流れ、見習い服が出現し、
出現したそれを軽くジャンプし手早く腕を通す、腕を通すと自然に手袋が装着される、
床に付いた足からブーツが装着され、両足が床に着くと最後に頭を通す、
両耳にイヤリングが装着され頭上に尖がり帽が現れ、それを手でキャッチし頭にのせる
「プリティ…ウィッチ…、は…はるかっち」
両手を前で合わせ、そこからゆっくり片手を口元に持っていきうつ向き気味に
そう名乗ると、そこでメロディーがやんだ。
「ノノ〜」
ノノと呼ばれた小さい黒い影はそう言って、はるかと同じ姿になる、
ただしノノは、はるかが変身前に着ていたパジャマ姿、という違いは在ったが。
「それじゃ、ノノお留守番よろしくね」
見習い服のはるかが胸のパレットタップのボタンの一つをタッチすと
ほうきが飛び出しそれを取ると窓を静かに開け、飛び出しすばやく箒に横乗りするとまほ〜DOへ飛んでいく。

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はるかの部屋の前の廊下で、その一部始終を見ていたはるかの母=おとわはペタンとその場に座り込んでしまった。
部屋の中でははるかの姿をしたノノがはるかのベットにもぐりこみ寝息を立て始めていた。
「あの子は…魔女……?どっちも…あの子の偽者……?…何時から……」
うまく思考できない頭で、冷静に考えをめぐらす。
「(数分前自分は寝室にいて、あの子の部屋で物音がして……あれ)何であの子の部屋だと思ったのかしら?」
そこでふと思考を止め、疑問を口にするがやはり答えが出ない
「(ともかくあの子の部屋の前で、うっすら開いたドアの隙間から…)コレは夢?」
その場で堂々巡りの疑問に自問自答を繰り返していると、はるかの部屋からノックの音が聞こえてきた。
おとわは再びドアの隙間から様子を伺うことにする。

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「ただいま〜ノノ」
はるかは箒から降りると部屋に入りパジャマ姿のもう一人の自分=ノノに声をかけた
「ノノ〜ノ〜」
そう言ってノノは再びもとの小さい黒い影に戻る。
はるかもタップのボタンを押して見習い服から元のパジャマ姿に戻ると
ベッドにもぐりこみ
「お休みノノ」
そう言って眠りについた。

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「おやすみなさい、はるか」
そう呟くとおとわは、ドアをそっと閉めて、寝室へ戻ることにした
「(朝になったらあの子に聞いてみよう、答えてくれないかもしれないが、それでも…)」
そんな事を考えながら布団に入るが、今夜は眠れそうに無かった。

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翌朝何も知らないはるかは、何時も通りの朝を迎えていた。
「おはよノノ」
目覚めたはるかに気が付いたノノが、自分の部屋を果たす球体からでてきた。
ノノは朝が弱いらしく、ふらふら飛んでは何かにぶつかる。
着替えを済ませたはるかがダイニングに向かう。
「お母さんおはよ〜」
「おはよう・・・」
はるかの声におとわは考えるように挨拶を返した。
「ちょっと話があるんだけど」
朝食をとり終え席を立ったはるかを、おとわは呼び止めた。
「うん、どうかしたのお母さん?」
再び席に着いたはるかが不思議そうにたずねた。
「はる・・・あなたは誰なの?」
おとわの言葉にはるかは耳を疑った。
「何言ってるのお母さん?わたしは、はるかだよ」
「なら昨日のこと説明して?夜空を飛んでどこに行っていたの?」
「それは、見習いしけ・・・・ってお母さん知ってたの?」
はるかは、驚いて聞き返した。
「たまたま見てしまったの・・・」
おとわはそう言って昨夜自分が見たことの一部始終を話した
「喋っちゃいけない決まりにはなってないから、話すね・・・」
少し考えてはるかが口を開いた。
「私は、西崎遥(にしざきはるか)本人だよ、今目指している職業?があって、昨日の夜はその試験に行ってたの」
はるかはそういうと少し間をおいて話を続ける
「信じられないかもしれないけど、私が目指してるのは魔女なの、ノノ出ておいで」
はるかの言葉に惹かれるように、手のひらサイズの空飛ぶ生き物が飛んできた。
「この子はノノっていって私のパートナーの妖精なの」

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まほ〜DO

はるかは自分で話すよりも、魔女であるマジョセラに事情説明を求めるため、
まほ〜DOにやってきた。
「マジョセラ〜〜クク〜〜居る〜?」
はるかが二人を呼ぶと緑色のダルマ型スライムと妖精が下りて来て、
おとわの顔を見てあわてて引き返すとイチハタセラとオレンジ色の猫が下りてきた。
一瞬の出来事でおとわには何があったのかわからなかった。
「はるかちゃんのお母様、今日は何かあったかのぉ?」
おとわにではなく、隣をトコトコ歩くオレンジ色の猫に声をかけた。
「ナァ〜」
『聞かれても困る』とでも言いたそうな鳴き声をあげる。
「少々お待ちくださいねぇ、今お茶をお出ししますので」
「マジョセラ、私がやるからお母さんに説明していて」
給湯室にむかうイチハタセラにはるかが声をかける。
「!!!!は、はるかお前い、いまなななんて…」
「ちょっとあって、お母さんに魔女見習いやってるの見つかっちゃったの」
「それで、わしのところに来たのか?」
「そう、魔女のことも魔女見習いのことも私は知らないこと多いから」
「わかったわい、なら早く用意して来い」
そう言ってマジョセラはおとわと作業場でおとわに席を勧め自分も席につく。
「お待たせ」
はるかは、飲み物をテーブルに並べるとマジョセラの隣に座った。
「まぁ理由はともかく、わしら魔女と魔女見習いについて一から説明しようかね・・・」
マジョセラは、今の魔女会の現状、魔女界と人間界との交流のため、魔女が人間界にいること
人間に魔女と魔女界を知ってもらうために魔女見習いを育てていること
「それに魔女に、というより魔法を必要に感じている子に、その機会を与えているっていうのもありますがね」
マジョセラは最後にそう言ってから冷めたお茶を飲む。
「魔法まで見せられたら信じないわけにはいかないわね」
そう言ってため息をついた。
「あんまり危ないことはしてほしくないんだけど、はるかがやりたいならしょうがないわね」
「良いの?おかあさん」
「魔女見習いって言うのはね…ただし魔女になるとかそう言うのは、そのとき改めて話し合いましょう」
「うんわかった」
おとわが席を立ってマジョセラに
「これで失礼します、イチハ・・・マジョセラさんでしたね、娘のことお願いしますね」
軽く会釈すると、おとわが帰っていく。
「ふぅ…まったく、事なきを得たからよかったが、下手をしたら大騒ぎじゃったぞ」
おとわが立ち去ったのを確認してマジョセラははるかに怒鳴った。
「ごめんなさい…」

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数時間後

「それにしてもほかの3人来ないな〜」
はるかは魔法グッズを作りながらあずさ、みんと、かなえ、の三人を待っていた。
「はるか、まだほかの3人は来ないのか?」
マジョセラが下りてきてそんなことをたずねてきた。
「まだ来ないみたい」
‘カラン’
「噂をすればってところかな?」
はるかがマジョセラにそんなことを言った。
「イチハタさん、ちょっといいかしら!!」
みんとと一緒にやってきた女性が入ってくるなりきつい調子で言い寄ってくる。
「な、なんでしょうみんとちゃんのお母様」
そういいながらマジョセラは二歩ほど後ろに下がった。
「これ以上みんとを変な宗教に巻き込まないでください」
「ママ、そんな言い方無いじゃない、それに私が好きでやってるの」
みんとがそう口を挟むが
「あなたは黙ってなさい!!」
「とにかくあちらで落ち着いて話しましょう、はるか飲み物を用意してくれんか」
そう言って、着席するように薦める。
席に着いた3人にお茶を出してはるかは席をはずした。
少しはなれたところから成り行きを見守っていると、みんとがテーブルに何かを出して
それを確認したみんとの母親が引っ張るように立ち去っていく。
立ち去るみんとはすれ違いざまに軽く頭を下げて謝るようなしぐさをした。
「マジョセラ、みんとちゃんは何をおいてい…」
そう言いながらテーブルの上にあるものを見て言葉に詰まった、置いてあったのはパレットタップだった
「何があったの?」
「詳しくはわからんが、はるかと同じじゃよ」
「同じって見つかっちゃったの?」
「そのようじゃ」
10分ほどして無気力に立ち上がると、再び‘カラン’と音がして
今度はかなえとその母親が大量の本を持ってやってきた。
「悪いがまた頼めるか」
そういうと、マジョセラがかなえ親子を案内して話を始める、かなえは話の間中テーブルに詰まれた本を、
終始物欲しそうに見つめていたが、やがてかなえは何かをテーブルに置くと、引きずられてまほ〜DOを後にした。
テーブルにはやっぱりパレットタップが置かれていた、後は大量の魔女界の文字で書かれた本が置いてあった。
「わしゃ〜何かいやな予感がしてきたわい」
マジョセラがそんなことをつぶやく。
しばらくして‘カラン’と音がするとあずさ親子が入ってきた。
マジョセラがあずさの母親と話すのを眺めながら
「どうして全員が、同じ時に見つかったのかな〜」
あずさもほかの二人同様パレットタップを置いて帰っていった。
「まったく今日は厄日じゃ、今日はさっさと寝るかのぉ〜はるか適当に切り上げて帰れ」
そういうとさっさと部屋に戻っていった。
「それにしても本当変よね、どうして昨日の試験のときにそろって見つかったのかしら?」
オレンジ色の猫が妖精の姿になって、はるかに話しかけてきた。
「ククもそう思った?、私もそれが不思議なんだよね、どう考えてもありえないもの」
妖精ククにそう話しかけた。
「何か作為的なのよね、誰かがそうなるように仕向けたようなそんな感じ」
「それも気になるけど、あの三人も何か考えてるみたいだよね、パレットタップしか置いてかなかったし」
はるかは三人が置いていったパレットタップを眺めながら言った。
「そうね、リングタップは別に使えない訳じゃないし、あの子達の妖精も連れて来なかったわね」
「それにパパットコールも持ったままだし、魔法玉もまだ余裕があるはずだよ」

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夜はるかは静かに自室の窓から外へ出ると、箒にまたがってまほ〜DOへ向かう。
まほ〜DOにつくとはるかは、ほかの三人が来るのを待つことにした、
30分ほどで全員がそろうとお茶会を始めた。
「どういうことなのかなまほ〜DOの全員が一度にばれちゃうなんて」
はるかがそう切り出した。
《はいぃ?》
ほかの三人が同時に素っとん狂な声を上げた。
「全員てみんなもなの?」
みんとがそういって見回した。
「はるかちゃんまほ〜DOよくいられたね?」
あずさが疑問を口にした。
「そうですよね、全員ってことははるかちゃんも見付かってしまったんでしょう?」
かなえが同意するようにそう言ってきた。
「うん見付かっちゃったけど私の場合は、お母さんが魔女見習いでいること許してくれたから」
「理解力のある人なんだね、はるかちゃんのお母さんって」
あずさがそう言ってはるかを見つめる。
「あはは・・・まぁね・・・」
‘ガチャ’っと音がして裏口が開いた。
「ふぃ〜〜抜け出すのに苦労しちゃった」
そんなことを言いながら、金髪をツーテールにした少女が顔を出してそういった。
《は、ハナ女王様》
4人が声をそろえてそう言った。
「ハナちゃん、ハナちゃんって呼んでっていったよ〜」
「そうでしたハナさん、今日はどうかしたんですか?」
はるかは、ハナが訪れた理由を尋ねた。
「みんなお母さんに、魔女見習いってばれちゃったでしょ〜〜」
何か含みのあるような言い方をした。
「あれね〜ハナちゃんがやったんだよ〜〜、何とかできるって信じてるから、がんばってね〜」
そう言って再び裏口から出て行った。
「嵐のように去っていきましたね、それに今回の原因がハナさんなら、マジョセラも怒るに怒れませんね」
かなえはそう言って、少しほっとしたようにため息をついた。
「でも何とかしないといけないね、私もこんな中途半端な終わり方は嫌だし」
「はるかちゃんには、ご迷惑おかけしますが何とか説得して続けられるようにがんばります」
とかなえは、はるかにではなく本をいとおしそうに見つめていった。
「って、かなえちゃんその本が読めなくなるのが嫌なんだね」
しばらく話した後はるか達は、適当な感覚に広がると
「ペ〜レッテレ〜ネ・にこやかに〜」
「ト〜トルナ〜ナル・なごやかに〜」
「パ〜ラッケラ〜テ・かろやかに〜」
「パ〜ランニ〜ニル・あきらかに〜」
《マジカルステージ、私達の未来に光がありますように》
魔女見習いとして4人でいられるよう深く願うように、マジカルステージを発動させる。
暖かい光が四人を包み込むと何事もなかったように光が消える。




ちょっと色々ありましてサイドストーリーが出来上がってません、
本当は15話を公開なんですけど、「もうみっつの14話」を順次公開していきたいと思います。
15話を楽しみにしていた人には、申し訳ありませんがお付き合いください
というわけで次回は14話のサイドストーリです

次回おジャ魔女はるかサイドストーリー
『発覚!!魔女見習い・あずさ編』
次回おジャ魔女はるか
『朝日はフルートの音色と共に』