おジャ魔女はるかサイドストーリー

発覚!!魔女見習いみんと編



そこはかなり広い部屋の中、そこに居るのは一人の少女と7つの小さな存在それだけが
その部屋を占拠している。
「何をやっているんじゃ、良い子じゃからでて来い!!」
年老いた声が部屋の中の少女を叱る。
「ハナちゃん、せめて説明してくれませんか?」
部屋の中の少女ハナに向けられた、静かだが説得力のある若い女性の声
外、入り口の辺りが騒がしいが、子ども扱いされているような(実際そうなのだろうが)
口調に反発し、無言のまま翆晶を眺めて居る。
説明する必要もやめる理由もない、すでに必要な了承は得ている。
本来はドアの外の二人の了承もいるのだろうが…
後は時を待つだけ。
「はるかたちなら、きっと大丈夫」
ハナ呼ばれた少女は7つの小さな存在たちにただ同意だけを求めた。
7つの小さな存在たちはそれぞれ‘コクン’とうなずいた。
そしてハナは黙って時を待つ、外は相変わらずうるさいがそれはどうでも良かった。
幾らか時間が過ぎた頃、翆晶が光を放つ
「せーの」
待ってましたとばかりにハナはそう言うと、手に持っていた楽器を演奏する、
その音色にあわせて水晶玉が強い光を一瞬だけ放つ
目的を果たしたハナは部屋を出て二人の女性に
「ないしょ〜」
とだけ言って、あとは一切そのことに触れようとしなかった。

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みんとは新曲のプロモーション撮影中なのだが集中できずにいた。
「(試験に遅れちゃうよ〜、リュリュに頼むしかないかな)」
休憩に入るとみんとは人目につかないところに移動した。
そして何かに、誰かに、見えないが其処にあるモノに
「リュリュ出てきてくれる?」
虚空からリュリュと呼ばれる妖精が‘ポン’と気の抜ける音と共に、姿を現した。
「りゅ〜りゅ?」
「うん、そろそろ試験なの迷惑かけるけど、いつもどおりお願いね」
「りゅりゅ〜」
リュリュはそう頷いて再び‘ポン’と気の抜ける音そして
鈴白みんとが向かい合っていた、そして一人は持っていたバックから、パレットタップを取り出しボタンをたたく。
軽やかなメロディーが流れ、見習い服が出現する。
出現したそれを軽くジャンプし手早く腕を通す、腕を通すと自然に手袋が装着される、
床に付いた足からブーツが装着され、両足が床に着くと最後に頭を通す、
両耳にイヤリングが装着され頭上に尖がり帽が現れる、それを手でキャッチし頭にのせて
「プリティウイッチ、みんとっち(ハート)」
メロディーに合わせて軽くステップを踏み、優雅にたつと、スカートのすそをつかむと
軽く持ち上げ、それに合わせて軽く会釈すし顔を上げると笑顔で名乗りを上げる。

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一部始終を見ていたみんとの母=けいこは、二人のみんとを見つめている、
一人は箒にまたがると空へ飛び去っていく、もう一人は何事も無かったように
スタッフの下に戻ると、やわらかくお辞儀をしていた。
それに近づくとそのみんとに声をかけた。
「みんと、さっきのは?」
みんとは振り向き首をかしげ口を開くが、声を発することが無い。
「・・・・」
「みんと?」
けいこは、みんとに声をかける、みんとは申し訳なさそうに頭を下げると、のどを押さえ
もう一度頭を下げた、がそれだけだった。
けいこの疑問を他所にあのみんとは、先ほどと変わらず仕事をこなしている、喋らないことを除けば、だが、
それも身振り手振りで、今声が出ないのだと、ゼスチャーするだけでそれは受け入れられている。
あの光景を見た自分以外には、何の異変も感じていない。
「やっぱり私の目の錯覚なのかしら、私も疲れてるのね」
そうつぶやく、やがて撮影が終わり自宅へ向かう。
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試験が終わり、みんとは一足先に自宅に戻り家に入らず、屋根の上で家族と、リュリュの帰りを待つ。
しばらくして家の前にシルバーのワンボックスがゆっくりと停車する。眠そうな様子でふらふらと歩く、
自分に変身したリュリュを支えるように、家の中に入っていく、車はそのまま駐車場に入れると
歳の離れた姉が車から降りて家に入っていく、それを見届けて、みんとは自分の部屋の窓の前に、
ほうきで行きその場にとどまる、しばらくして、部屋に明かりがつくと窓を開けリュリュが招き入れた。
…その現場を母が偶然下から見上げていたことに気づかずに。
「リュリュお疲れ様、ごめんねいつも身代わり頼んじゃって」
みんとはそう言って頭を下げる。
「りゅ〜りゅ〜りゅりゅ〜」
何でも無い、と言う様なゼスチャーをする。
「うん、ありがと、それとお休み」
そう言ってからみんとは、パジャマに着替えると明かりを消し床に就く。
「りゅりゅ〜りゅ」
リュリュの、そんな声が聞こえた。

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朝が来るとみんとは、嬉しそうに食卓に着く
「おあはよ〜」
先に来ていた姉に明るく挨拶し、同じように台所に立つ母にも挨拶した。
「相変わらずまほ〜DOに行く日は楽しそうだね〜」
そんな姉の言葉に。
「そ、そうかな?」
可能な限りいつも通り言っているつもりだが、隠せてないのは自分でも自覚していた。
そんな様子のみんとに、申し訳なさそうな顔で母親が告げる。
「まほ〜DOに行く前にちょっとお話があるの」
「もしかして、お仕事?」
明らかに表情の曇るみんとに、姉が慰めるように。
「まほ〜DOに行くの止めてないから、少なくとも今日仕事が入った、って言うものじゃないね」
その言葉に安堵したが、何故か別の不安が頭をよぎる、いつも最善の注意を払っているのに。
朝食をとり終え食卓が片付けられると母親と向かい合って座る、自分の隣には姉が話し加わるつもりらしく、座っている
「ママ?お話って何?」
「…昨日お仕事抜け出して、どこに行っていたの?」
「なになに!みんと、あんた仕事サボったの?珍しいね」
母親の言葉に姉が心底驚いた様子で聞き返してきた。
「そんなことしてないよ、大体私がお仕事してたの二人とも見てたじゃない」
「そういえばそうだよね、母さん、いつ抜け出してたの?」
二人が母親を凝視すると、みんとを見つめ返して。
「夜、変な服に着替えて何かに乗って空に飛んで行ったでしょ」
「気のせいじゃないかな私そんなことしてな…」
「だめよ、ごまかそうったってそうは行かないわよ」
そう言って携帯の画面を、みんとに見えるようにして差し出す、受け取ったみんとがあっけにとられてしまう
「正直に話してね」
「(何か嫌な予感したんだよね…隠しても無駄かな)」
そう言って、みんとは事のしだいを話し、詳しくはまほ〜DOでセラに聞いて欲しいと告げる。

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けいこはまほ〜DOにつくと物凄い勢いで扉を開け
「イチハタさん、ちょっといいかしら!!」
「な、なんでしょうみんとちゃんのお母様」
そういいながらイチハタセラみんとが言うには、マジョセラと言うらしいが、は二歩ほど後ろに下がった。
「これ以上みんとを変な宗教に巻き込まないでください」
相手を威嚇するようにけいこが言った。
「ママ、そんな言い方無いじゃない、それに私が好きでやってるの」
みんとがそう口を挟むが
「あなたは黙ってなさい!!」
「とにかくあちらで落ち着いて話しましょう、はるか飲み物を用意してくれんか」
そう言って、着席するように薦める。
席に着いた3人にお茶を出してはるかは席をはずした。
それを見てマジョセラは、今の魔女会の現状、魔女界と人間界との交流のため、魔女が人間界にいること
人間に魔女と魔女界を知ってもらうために魔女見習いを育てていること
「それに魔女に、というより魔法を必要に感じている子に、その機会を与えているっていうのもありますがね」
マジョセラは最後にそう言ってから冷めたお茶を飲む。
「確かに、こちらとしては、みんとである必要性はないんじゃが…」
そこでみんとを見て。
「わしのほうに無くても、鈴白 みんとと言う少女には魔法の力が必要だったようじゃ」
けいこもみんとを見つめる。
「少なくとも、今のほうが生き生きしているとは思わんかのぉ」
「そんなこと話関係ないんじゃないの」
「ふむ、こちらは無理強いするわけにもいかんから、止めさせることは簡単じゃ」
そう言ったマジョセラを恨みがましくみんとは睨んだが、それを無視して
「タップというアイテムを手放せば、それで終わりじゃよ」
「タップ?なんだか分からないけど、みんとそれを返しなさい!!」
有無を言わさない強さでみんとに言った、みんとはしぶしぶ、パレットタップを出すとテーブルの上に置いた。
それを確認してけいこは、みんとを引きずるように、まほ〜DOを後にした。

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家に帰ると姉が部屋で待っていた。
「お姉ちゃん?何、今は一人になりたいんだけど…」
「まったくあなたもドジね〜魔女見習いやってるのばれるなんて」
「え?」
「結局、今何級まで言ってたの?」
「え?何でそんなこと知ってるの」
魔女見習いと言う名前も、階級制であることも、二人には話していないはず、
確かに魔女見習いと言う単語は、なんとなく思いつくかもしれないが、階級にたどり着くとは思えなかった
「あははは、じつは私も昔魔女見習いだったの」
トーンを落としみんとの耳元でそうささやいた。
「お姉ちゃんも?」
「そうよもっとも、自由意志じゃなくて、半強制だったけどね」
「それって、魔女ガエルの呪いがあったころの事ね」
「正解、どこかの魔女見習いが、その呪いを解いたおかげで、私は魔女見習いを辞めたんだけどね、もともと乗り気じゃなかったし」
姉は当時自分が魔女見習いだったころの話をして最後に
「もしも続けたいなら頑張りなよ、応援してあげるからさ」
そう言って励ましてくれた。

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みんとは夜誰にも気づかれないように、慎重にリュリュと入れ替わると、
自分はアリに変身して家から抜け出し、まほ〜DOへと急いだ。
まほ〜DOではすでにはるかが待っていて、招き入れてくれた。
そして30分ほどで全員がそろうと。
「どういうことなのかな?まほ〜DOの全員が一度にばれちゃうなんて」
はるかがそう切り出した。
《はいぃ?》
ほかの三人が同時に素っとん狂な声を上げた。
「全員てみんなもなの?」
みんとがそういって見回した。
「はるかちゃん、まほ〜DOによくいられたね?」
あずさが疑問を口にした。
「そうですよね全員ってことは、はるかちゃんも見付かってしまったんでしょう?」
かなえが同意するようにそう言ってきた。
「うん見付かっちゃったけど私の場合は、お母さんが魔女見習いでいること許してくれたから」
「理解力のある人なんだね、はるかちゃんのお母さんって」
あずさがそう言ってはるかを見つめる。
「あはは・・・まぁね・・・」
‘ガチャ’っと音がして裏口が開いた。
「ふぃ〜〜抜け出すのに苦労しちゃった」
そんなことを言いながら、金髪をツーテールにした少女が顔を出してそういった。
《は、ハナ女王様》
4人が声をそろえてそう言った。
「ハナちゃん、ハナちゃんって呼んでっていったよ〜」
「そうでしたハナさん、今日はどうかしたんですか?」
はるかは、ハナが訪れた理由を尋ねた。
「みんなお母さんに、魔女見習いってばれちゃったでしょ〜〜」
何か含みのあるような言い方をした。
「あれね〜ハナちゃんがやったんだよ〜〜、何とかできるって信じてるから、がんばってね〜」
そう言って再び裏口から出て行った。
「嵐のように去っていきましたね、それに今回の原因がハナさんなら、マジョセラも怒るに怒れませんね」
かなえはそう言って、少しほっとしたようにため息をついた。
「でも何とかしないといけないね、私もこんな中途半端な終わり方は嫌だし」
「はるかちゃんには、ご迷惑おかけしますが何とか説得して続けられるようにがんばります」
とかなえは、はるかにではなく本をいとおしそうに見つめていった。
「って、かなえちゃんその本が読めなくなるのが嫌なんだね」
しばらく話した後はるか達は、適当な感覚に広がると
「ペ〜レッテレ〜ネ・にこやかに〜」
「ト〜トルナ〜ナル・なごやかに〜」
「パ〜ラッケラ〜テ・かろやかに〜」
「パ〜ランニ〜ニル・あきらかに〜」
《マジカルステージ、私達の未来に光がありますように》
魔女見習いとして4人でいられるよう深く願うように、マジカルステージを発動させる。
暖かい光が四人を包み込むと何事もなかったように光が消える。




というわけで14話のサイドストーリーみんと編でした。
何とかなっています…ついでに現在「人魚の〜〜」もかろうじて執筆中
というわけで次回が14話のサイドストーリー最後になります

次回おジャ魔女はるかサイドストーリー
『発覚!!魔女見習いかなえ編』