おジャ魔女はるか

本気で勝負?あずさの球技3本勝負



「おはよ〜はるかちゃん、…あれあずさちゃんとかなちゃんは?」
まほ〜DOを手伝うためにやってきたみんとは、店内を見回してはるかにたずねた。
「かなえちゃんなら、新刊の発売日なので、遅くなりますって電話があったよ」
「あずさちゃんは?」
「ほら先週オープンしたスポーツセンターに、友達と行くって言ってたじゃない」
「そういえば…それ今日だったんだ」
みんとは思い出し納得するように手を打った。

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「はるや〜マジ広いね〜」
真夏にもかかわらず、秋冬用の長袖の上着を羽織った黒髪の少年が楽しそうに、建物の中を見回す。
「本宮、今日こそは、絶対勝ってやるからな、覚悟しろ」
はるやと呼ばれた少年、こちらは迷彩柄の短パンに、茶系のTシャツに
これまた迷彩のバンダナを額に巻きつけた紺色の髪の少年は、暑苦しい格好の少年の言葉を聞いていなかったのか、
あずさを睨むようにそう言った。
「頑張ってね〜」
とあずさは他人事のように返した、それから隣にいるセーラー服姿で赤紫の髪の少女のほうを向くと、
「でもミーちゃん良かったの?、ボクの分だけじゃなくてまほ〜DOのみんなの分まで…」
「みずき、ふとっぱらじゃん」
後ろで聞いていた薄紫のTシャツに同色のキュロットスカートをはいた緑色の髪の少女は、あずさがミーちゃんと呼んだ少女を、みずきと呼び口を挟んだ。
「え〜?ふうりちゃんちがうよ〜、ふとっぱらなのは、私じゃなくてパパだし、パパはそれだけまほ〜DOさんに感謝してるんだよ」
みずきは声の主ふうりにそう返す。
「あずっち?みずきパパはまほ〜DOに何しに来たことがあるの?」
もう一人のこちらは、ピンクのワンピースに、たけの短い黄色のシャツを着た茶髪の少女が、あずさに問いかける。
「言ってもいいのかな…えーと、かほちゃんのお父さんと同じで簡単な悩み相談かな?」
あずさは、みずきの顔を見て言ってもいいのだと判断すると、後ろから話しかけてたもう一人の少女かほにそういった。
そんな事を言いながら歩いていると、後ろから四人の後ろから、
「早く行こうぜ、話はいいからよ」
と声をかけられた、声の主は行書体で「暴進王」と書かれた白地のTシャツに短パン姿、赤いハチマキをなびかせたツンツン頭の少年だった。
「わ、わわ、なつし君押さないでよ」
かほの言い分を無視するとさらに、
「はるや、ふゆりもだちんたらしてんな!!」
はるやと暑苦しい格好の少年ふゆりを巻き込んでぐいぐいと押していく

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10分後それぞれ更衣室で着替え、バスケットコートのあるフロアに集まった。
あずさとみずきはキュロットスカートただし、あずさは何時ものリボンを腰につけている。
かほとふうりは、スパッツの上にスコートをはいていて、
上は四人ともブイネックの白いTシャツで、左胸に何故かイルカのプリントがされているものを着ている、
短パン姿の男子も上はなつし以外は同様のものを着ている、これらはこのスポーツセンターで用意したもので、
会員に無料で提供されているものだ、もちろん自分で用意しているものもいる、
そのひとり、なつしはこれまた行書体で「球技王」とかかれたシャツを着ていた、モチロン赤いハチマキもそのままだ。
「よっしゃ〜そんじゃ、まずはバスケで勝負だ〜」
“ビシッ”っという音が聞こえてきそうな勢いで、バスケのリングを指差しはるやが言った。
「人数合わないけど如何すんの?」
ふゆりがたずねると、はるやは1・2歩後ずさりふゆりとなつしを見ると
「フリースローで勝負だ〜」
ルールは一級ずつ交代で打ち10球終わった時点でゴールした回数が多いものが勝ち、
同点だった場合サドンデスで一人が残るまで続けるというものでコレはあっさりと勝負がついた。
全員が8球目を終えた時点でノーミスのあずさが、この勝負をあっさりと勝ち取った。

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続いてサッカーコートのあるフロアに移動し
「そんじゃ、つぎはサッカー…というかPKで勝負だ〜」
“ビシッ”っという音が聞こえてきそうな勢いで、ゴールポストを指差し、はるやは宣言した。
ルールは一人6球をうち、得点の多いものが勝ち、ただしキーパーは6球とも別の人が行い、
必ず一人のシュートを全員が受ける形になった。サドンデスも同様のルールで一対一の場合はお互いが
お互いのキーパーを行うというもので、あずさとなつしの一騎打ちとなったが、結局あずさが勝ちをもぎ取る結果となった。

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昼食をはさんでテニスコートのあるフロアに移動すると
「くっそ〜、お次はテニスで勝負だ〜」
“ビシッ”っという音が聞こえてきそうな勢いで、ネットを指差しはるやが、宣言する。
ルールはシングルスで、全員と対戦し一番負けの少ないものが勝ち、というもので、
これまたあっさりとあずさが全勝を収める結果となった。

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テニスの後、敷地内のカフェで休憩を取ることになった。
「あ〜くそ、何で一回も勝てないんだ〜〜」
コーラをすすりながらはるやが愚痴った。
「あずさちゃんに勝つなんて無理だって!」
かほは、意気消沈した男子を見つめてそう言った。
みずき、ふうり、かほの三人は勝負には参加せず気軽にスポーツを楽しんでいただけで、
盛り上がっていたのは男子だけで、あずさ自身は楽しくやるつもりだったが、男子の要望で、男子とやる時は本気でやっていた。
そんな会話をしてると
「女子に全敗だってよダッセ〜やつら」
隣の席にいた3人組がこちらに聞こえるように話し始めた。
「あれだろ、手加減じゃねぇの?もしくは油断?」
「勝負事でか、どっちもありえね〜」
「ちげぇよ、本気でやっても女子に勝てない、ひ弱ちゃんなんだよ」
3人組はそういいながらニヤニヤとこっちを見ている。
「何だと〜」
はるやとなつしが立ち上がると、三人組にの前に立つ
「はるや君もなつし君のほっときなよ」
「そうだぞ〜はるや、なつし言いたい奴は言わしとけば良いんだよ〜」
ふうりとふゆりがけんか腰の二人を止めに入るが、
「ふゆりお前、悔しくないのかよ、あんなこと言わせといて!」
「べっつに〜本宮の事も、俺らのことも知らない奴に言われてもね〜」
そう言ってふゆりは三人を冷めた眼で見るて
「『井の中の蛙ちゃん』なんだよ、男子が女子より強いなんて、思ってるね」
ふゆりはそう言うと、あくびをして眼をこすった。
「『狼の雄叫び』っていうじゃん」
「そうそう、勝てない言い訳なんてなっさけね〜」
「女子に勝てない男子なんて、スポーツにおいているわけね〜し」
3人組のとはるや、なつし、の2人が口げんかを始めた、
それを冷めた眼で見つめる女子達。
「あれふゆにーは、参加しないのアレ」
ふうりはふゆりを兄と呼ぶと、あの口げんかを見てそう言った。
「いや〜『狼の雄叫び』なんて言う奴らの、口げんかには参加したくね〜よ」
ふゆりは、めんどくさいと首を振って言う。
「でもさ『狼の雄叫び』って何?」
みずきが疑問符を浮かべてると、
「あれでしょ『負け犬の遠吠え』って言いたかったんじゃないの」
あずさがそう言った。
「うわ〜なんか引くよね、スポーツできてもね〜どうせ口だけであずさちゃんに勝てないくせに」
かほがそう言い放った。
それを聞いた三人組は、顔を赤くし女子を睨むと
「わかったそこまで言うなら、あずさだかって奴に勝負を申し込む」
三人組の一人が代表してそう言った。
「いいぜその勝負乗った!!」
はるやが言うと男子五人が勝負の内容を話し始める。
「え…ボクに拒否権無いの?」
話し合う男子を呆然とあずさが見つめた。

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拒否権が無く、参加が決定されたため、仕方なくあずさは話し合いに加わり結果
相手の得意なスポーツを一対一で受けることになった、科目はバスケ、サッカー、テニスの、
3種目に決定し再びバスケコートに移動した。
「ふん、お前みたいな女に俺のドリブルをカットできるもんか」
そう言った三人組の一人バスケ少年は、すばやい動きでゴール前のあずさに向かっていく、
あずさは、ゆっくり息を吐いて、相手動きを監察しあっという間に、ボールを奪い相手ゴールに突き進むと
あっさりとあずさが得点を挙げた、その後も何度やってもバスケ少年はゴールどころか、一本のシュートも決められずに、
時間が過ぎていく。
「残り30秒」
審判を買って出たふゆりがそう二人に告げると、
バスケ少年はスリーポイントのラインからやけくそシュートしたが、リングボードにあたって跳ね返った。
それをあずさが拾うとすかさず相手コートのスリーポイントラインに行き、静かに構えると、
見事なフォームで放ったシュートはきれいな放物線を描きリングの中心を通りコートに落ちた。
それを見たバスケ少年はがっくりと膝をついく、一方のあずさは、仲間の女子とはしゃいでいた。

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続いての勝負は再びPKでの勝負となったため、
再びサッカーコートのあるフロアに移動した。
三人組の一人サッカー少年がまずはキーパーに立ちあずさを見つめ。
「ふんバスケに勝ったからってな、サッカーで俺に勝てるかよ」
そんな事を言ったサッカー少年だったが、これまたあずさのボールをとめる事が出来ず。
何球うっても、ゴールを決められずあっというまに試合は決まっていた。
「ねぇ、ボクとしてはもう十分だと思うんだけど…」
試合はあっさり決まったがサッカー少年が難癖をつけ5回近く仕切り直しをしていた。
「あ〜もうこいつほっといて次テニス行こうぜ」
そう言ってサッカー少年を放置して三人組の二人は行ってしまう、それに続いてあずさたちも、
サッカーコートを後にした。
「待ってくれよ〜」
サッカー少年はそういいながら小走りで後を追った。

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テニスコート内であずさと三人組の一人テニス少年とネットをはさんで握手を交わし、
定位置につくと試合が開始された。
テニス少年は一ポイントも取れずにいた。
「う〜ん漫画で見ただけ出しうまくいくかな〜」
あずさは手に持ったボール見つめてつぶやくと、手からボールを離した、そして
「その打球消えると思うよ」
あずさはそう言った、そしてそこから、あずさの異業が発揮された。
テニス少年は、来たボールを打ち返そうとしたが急にボールが消えてからぶりした。
「なに〜〜」
テニス少年が辺りを見回すとネットと水平にボールが跳ねているのが眼に入った。
「何かうまくいくもんだね〜ほかに何があったかな〜」
そう言ってあずさはラケットを見ていた。
「ドライブビィだっけ?」
「カマイタチ?」
と漫画に載っていた普通じゃありえないような、打球をあずさは次々にはなって、
テニス少年は動くことも出来ずに敗北を喫するのであった。

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3人組はことごとく打ち負かされ、すっかり落ち込んでいた。
「まぁ元気だしなよ、きょうは、たまたまボクが調子良かっただけだよ」
そう言ってあずさは三人を慰めるが、
はるやとなつしの二人が三人組を言葉で追い込んでいくそして、
「覚えてやがれ〜」
と捨て台詞をのこし、三人組はスポーツセンターを後にした。
「覚えるも何も結局一人も名乗らなかったじゃないのよ」
かほがそんな事をぼやく
「まぁまぁ漫画とかで出てる技って実際出来るってわかったし、楽しかったから良いんじゃない」
《普通出来ないって!!》
六人がきれいにはもって、あずさに突っ込みを入れる。
「そうかな〜?」
首をかしげるあずさに
はるや、なつし、ふゆり、の三人は絶対に球技で
勝負を挑まないことを心に決めたりしたのだった。

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後日まほ〜DOメンバーは4人でスポーツセンターに訪れた。
「あの〜見学が良いんですが…」
「かなちゃんのは見学じゃないでしょ」
みんとはかなえが引きずっている本を見ていった。
「こないだは結局、バスケとサッカーとテニスしか出来なかったから、今日はほかのもやりたいな〜」
あずさは、みんととかなえのやり取りを見ながらそうつぶやいた。
「そうなのあずさちゃん?何かあったとか?」
「なんていうか変わった三人組に勝負挑まれて結局それしか出来なかったんだよ」
「あの〜それ多分私クラスの子です」
読書をあきらめたかなえが、あずさの言った三人組をクラスメイトだといった
「たしか物凄い女子に負けたとか言って、しばらくおとなしかったらしいですよ」
「何で『らしい』とかつくのかなちゃん」
あずさはかなえに聞き返す。
「顔も名前も良く知りませんから」
《クラスメイトでしょうが〜》
はるか、あずさ、みんとは声をそろえそしてそろってため息をついた。
「別に興味ありませんから、ゆいさん…わたしのお友達がそう言ってたので〜」
悪びれた様子も無くそう言ってスポーツセンター内に入っていく。
「かなちゃんらしいって言えばらしいかな」
はるかが言ってスポーツセンターに向かって歩き出した、二人も後を追うように入っていった。




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