健康相談室 Consultation Booth 2

How much is too much?
ビタミン剤の話。食事から摂るのが基本だが、足りない分はビタミン剤、いわゆるサプリメントで補うことも場合によっては必要。
その基準は National Academy of Sciences の Food and Nutrition Board(FNB)によってビタミンとミネラルについて recommended dietary allowances (RDAs)が出されている。
欠乏症については別にまとめたので、ここでは意外と忘れられがちな過剰症に ついて取り上げてみる。

Vitamin E
末梢血液の循環をよくするビタミンだが、一日1000 I.U. 以上の摂取で出血傾向。
また、抗凝固作用(血を固まりにくくする)を有するため、元々出血、凝血など血液学的に問題のある人は、服用を始める前にかかりつけの医師に相談のこと。
Calcium
Got Milk?のキャンペーンでもお馴染みの、歯や骨を強化し、骨粗鬆症の予防に必要なミネラル。
RDAにある基準は、50歳以下で一日1000mg、以上で1200mgとなっているが、一日の摂取量が2500mgを超えると、便秘傾向になり、また腎臓に負担をかけることになる。
Vitamin D
そのカルシウムも単独ではその効果を十分には発揮できず、ビタミンDによって吸収率が高まる。食べ物では、乳製品や卵黄にたくさん含まれており、また、「太陽のビタミン」と言われるように、太陽に当たることで皮下で合成はされるが、そのどちらにも当てはまらない場合、サプリメントとしての摂取が必要になる。
推奨量は一日200 I.U. であるが、1000 I.U. 〜2000 I.U.を超える量を長期に摂り続けると、吐き気、頭痛、倦怠感、不整脈が起こり、また血中のカルシウム濃度が上がることで、前述と同じく、腎臓に負担をかけることになる。
Vitamin C
ビタミンAやDに比べて水溶性であるCなどは、多少余分に摂っても過剰な分はどんどん排泄されるのでさほど心配は要らないが、それでも極端な取り過ぎは考え物。
慢性的に一日2000mgを超えるような状態が続くと、腹部のcramps(痙攣、筋がつる感じ)、吐き気、下痢を起こす。
Vitamin B群
単独で、というより、お互いに助け合って効果を発揮するB群。
そのひとつ、葉酸の推奨量は一日400mcg(400μg、0.4mg)であるが、FDAが98年に定めた基準により、朝食用のシリアル、米、パンなどに 推奨量に相当する量が添加されるようになった。
だが、一日の摂取量が1mgを超えると、ビタミンB12の欠乏症を「マスク」する結果となり、神経系統に影響を与えかねない。
B6については、一日推奨量は1.5mg前後であるが、100mgを超えるような状態が続くと、平衡感覚の低下、筋力低下、神経系統のダメージを惹き起こす。
 
Blood Diamonds
それは、Blood Diamonds - 赤いダイヤモンド - と呼ばれる。 高貴に耀く石に隠された語られることのない生と死のドラマがある。何も知らない人々の指や手首、耳を飾るために。
アフリカのダイヤモンド鉱山を支配する政府と戦う反抗グループがいる。彼らは戦うために、そのための武器を買うためにダイヤモンドを売り、何の罪もない人々をターゲットに暴挙の限りを尽くす。
オハイオ州選出のトニー・ホール議員は自分の目で見てきた惨状を語る。
「よちよち歩きの子達の腕が切り落とされ、大人たちは鼻や耳や手足を。13歳の少女が肘から先を失い、更に反逆グループによって妊娠している例もありました。」
「あまりにも病的なセンスのブラックユーモアであるとも言えるんですが。。。反逆グループたちは "give me a hand"をスローガンに掲げ、敗れました。そして彼らは村を襲い、投票者でもあった村人たちの腕を切り落として回っているんです。」
「あまりにも痛ましいことです。何が原因か。
ダイヤモンドです。一方では愛とロマンスの象徴でもあるダイヤモンドが」
この赤いダイヤモンドは流通するうちの実に30%を占めると言われる。ホール議員によると、年間300ミリオンドル(約3億円)にも上るそうである。業界内でもこの赤いダイヤモンドを締め出そうという動きはあるが、反逆グループは国境を越え、その出所を隠そうとしている。
今彼が提起している法案がある。業者はダイヤモンドの出所を明らかにし、赤いダイヤモンドは買わないようにしようというもの。
「草の根運動ではありますが、今この記事を読んでくださっている皆さんの一人でも多くが署名を集めてを議会へ持っていき、道標になればと願っています」

署名の送り先
住所と名前を書いて、
Stop Blood Dimaonds
c/o NATIONAL ENQUIRER,
5401 NW Broken Sound Blvd.
Boca Raton, Fla. 33487, U.S.A.
Enquirer 3.13.01

参考までに、ホール議員が Physicians for Human Rights(PHR)という機関を通じて出したキャンペーン声明です。
Physicians for Human Rights (PHR)ついてはこちらをどうぞ。
PMS
PMS(premenstrual syndrome) -月経前症候群-とはその名の通り、女性の月経サイクルに伴う様々な症状を総合的に指すもので、その症状はむくみや頭痛、精神不安など150種類にも上ると言われる。統計によれば、女性の80%が何らかに形でPMSを経験しているというから、「あ、そう言えば私も」と思い当たる人も多いだろう。
主な原因はおそらく周期に伴う女性ホルモンのアンバランスだろうと考えられるが、その中でも精神症状に注目したものを特に PMDD(premenstrual dysphoric disorder)と呼ばれ、生体内物質のひとつであるセロトニンが不足するためであろうと推測される。
最近、昨年発売された Sarafemという薬がこの PMDDの適用を取った。くだけて言えば日本と違い、薬を処方するのに診断名は特別に必要ではなく、カバーされるかされないかは個々の保険会社の Formularyと呼ばれるドラッグリストによるところが大きいのだが、適応症に明記されることにより処方数の伸びは格段に違ってくるであろう。
ところで先ほどセロトニン、という言葉が出てきたところで気付いた方もいるかと思われるが、この Sarafemは最近巷を賑わせている SSRI(selective serotonin reuptake inhibitor、選択的セロトニン再取り込み阻害剤)というカテゴリーに入るもので、既存の商品名で言えば Prozac、Paxil、Zoloftがこれに属する。
神経物質のひとつであるセロトニン。これが何らかの形で不足すると様々な精神症状が現われる。もう少し詳しく説明すると、神経末端から放出されたセロトニンは「伝達物質」の名の通りその使命を果たすべく、次の神経末端にあるセロトニン受容体へと向かう。無事受容体と結合したセロトニンはその役目を終え、元いた場所へ帰ろうとする。
このあたり、気の利いた図でも用意できればとてもわかり易いのだが何せアートの才能はどこかへ置き忘れてきてしまったような私である。あぁ、薬のメモの磯部先生に弟子入りしたい。ここの不整脈の項の図なんて、絶品と言いたいくらいの出来である。
ここまで書いて、MediCaさんの Medicine Cabinet SSRIについてとても良くまとめられたページに気づいた。私の至らない説明にいまいち、という向きには是非ご覧いただきたい。
話を戻して、このセロトニンが不足した状態を補おうという薬剤の一種が先に延べたSSRIであり、これは放出されたセロトニンの帰る先(再取り込み)をブロックすることにより神経間の遊離セロトニンを増やし再び受容体へ結合するチャンスを増やす。
しかし、ここでひとつ問題がある。大体どの系統の抗うつ剤でもそうなのだが、服用を始めてから効果が現われるのには時間を要する。個人差はあるが、SSRIの場合この新しい経路を確立するのに2〜3週間と言われている。だから継続してではなく限られた期間だけパルス的に服用して効果がどのくらい上がるかは更なるリサーチが必要な部分である。

それから、もう少し突っ込んだ(しかし、実はここからがこのトピックのメインだったりする!?)話をしよう。

この Sarafemの中味は一般名 Fluoxetine hydrochloride、あのプロザックと同じなのである。もちろん製薬会社も同じだ。
では既存の製品があるのに何故そんなややこしいことをするのか。
アメリカのほとんどの州では Generic Substition Lawというのがあり、処方箋に商品名が記載されていてもFDA認可の同等薬(一般にはジェネリックと呼ばれる)に substitute、代えて調剤していいというルールがある。値段は格段に違うので患者負担はもちろん保険会社を通す場合はそちらの負担分も、そして薬価差益の関係で薬局側にとってもジェネリックを出す方がメリットは大きいので、特別に医師や患者からの要請がない限り可能であればジェネリックを出すのが一般的である。
可能であれば、と書いたが、可能でない場合、それが特許が切れる前の数年間。先に挙げたプロザックは、実は今年の頭に特許が切れた(Orange Book参照)。申請中のジェネリックが雨後のタケノコのように市場に出てくるのも間近だ。とすると製薬会社は今までのように独占的に市場を牛耳るというわけにはいかなくなる。ので、Sarafemはその対策のひとつ、という背景がいやが応にも浮かんでくる。
製薬会社を非難しようということではない。テレビでは早速この新しい適応拡大のコマーシャルが流れ(アメリカは、メディアを使っての処方箋薬の宣伝が認められている珍しい先進国のひとつである)、Self Medicatedと言われるアメリカ社会では患者から医師に「これを処方してください」と要望するのも珍しいことではない。患者側もしっかり状況を見極めて賢くなる必要がある。簡単ではある薬による対策に頼るのではなく、別の方面からのアプローチも大切だ。周りの理解や協力も不可欠だ。

しかし、男性諸君が気を利かせたつもりでパートナーに 「今日は機嫌が悪いね。PMSかな」 なんて言った日には、「この人は女性のことをよく理解してくれているのね(はぁと)」という展開にはならず、むしろ逆鱗に触れ逆効果になる場合が多いので御用心を。
酸化
買い物途中のカーラジオで聞いたもので裏付けは取れてないけど、興味深いトピックがあった。
人間の血液を組成するのに欠かせない成分、鉄。赤血球中のヘモグロビンとなって酸素や二酸化炭素の運搬に携わるわけだが、元々は金属であるために当然、錆びる。 この「錆びる」という現象、科学的に言えば酸化するわけだが、この酸化物、老化を始めとする体にとって様々なトラブルの原因となる。
その対策としては、それを長く体内に留めて置かないこと。普通、赤血球の寿命は3ヶ月、放って置いても3ヶ月後には全ての赤血球が入れ替わっているわけだが、こんな説がある。
若年層において、女性の方が男性に比べ心臓病が少ないのは、女性は定期的に月経によりある程度の血液を失い、入れ替わる率が高いためだというのだ。それを証明するかのように、閉経後の発病率は徐々に上がり、男性並みとなる、と。
しかし、それは男性にとっても対策がないわけではない。
定期的に献血に酸化、じゃない、参加している男性はその確率が低いというのだ。人工的に新陳代謝をよくしているからであろう。
「体がリフレッシュする感じがして気持ちいい」
なんて言って数ヶ月毎に献血しているダンナを半分笑っていたが、まんざら自己暗示だけでもないらしい。
人体の血液量は体重のおよそ8%と言われる。個人差はあるが、大体5〜6リットル。その一割にも相当する量を抜くわけであるから(こちらでは献血に行けば無条件で1パイント、約半リットル抜かれる)、オレンジジュース一つで手を打とう、ってのはちと足りない気が。。。
日本でも昔はそれプラス、バナナや菓子パンがついてきた時もあったような。
そして、
「しっかり水分を補充するように言われたから」
と言い訳をしながらいつもより余分にビールを飲む誰かさんも、ちょっと違うぞ。
Sleeping Beauty
ドイツのハンブルグに、一風変わったデポジットボックスが登場した。
12インチX28インチのその箱は、ある慈善団体が設置したもので先日最初の「お預け物」 - 生後4ヶ月の赤ちゃんだ。
この産婦人科のクリニックの隣に設置された ”Baby Drop” は、事情があって子供を育てられない人のために設けられた。無条件で子供を置いて立ち去ってよいことになっている。
この発足には賛否両論が巻き起こったのは当然だ。だが、もしこのオプションがなければ我が子をごみ箱に捨ててしまうか、自分の手でその命を絶ってしまうかも知れない、そんな選択を迫られた母親たちの、ぎりぎりの最後の希望の光でもあるのだ。
その赤ちゃんは、柔らかい毛布で丁寧に包まれており、アラームで駆けつけた看護婦に保護され、現在は一時的なフォスターファミリーの元にいる。
アンナと名づけられたその赤ちゃんをあやしながら、フォスターマザーの女性は言う。
「最初の晩、アンナはそれは幸せそうに私の腕で眠っていたの。そんなアンナを見て、涙があふれてきたわ。こんなに可愛い赤ちゃんが、明日の朝には最愛の母親なして目を覚まさなければならないってこと。それから、そうせざるを得なかったアンナの母親の気持ち。彼女はただ、我が子にベストの選択をしてあげたかっただけなのよね」

尚、母親たちには8週間の猶予が与えられており、子供を引き取りに来ることができる。その後、十分に審査され、選ばれた家庭に養子に出ることになる。

「もしたった一つの命しか救うことができなくても、これは成功だと思っています。でも、アンナはこれからもたくさん現れるであろうたくさんの一人になると予想しています。」

ENQUIRER,2000

セカンドオピニオン
よほど注意していなければ見逃してしまう、その子の小さな変化に最初に気づいたのは、やはりお母さんだった。
発症するのは、大体生後6ヶ月前後。それまでの動きが突然止まり、何度もうなずく仕種をしたり、目が「ひっくり返る」ような動きをみせることもある。放っておけばやがて腕を振り上げる独特の発作。
「うちの子、何だか様子がおかしいんです。」
と電話で相談しても、担当の小児科医は「大丈夫です。普通です」を繰り返すばかり。
それでも納得のいかなかった彼女は、次の発作を起こした時、それをビデオに収め、受診した。もちろん、「熱があって、咳もひどいようなので診てもらいたい」という"理由"をつけて。
「それは何?」
いぶかる小児科医に早速それを見せたが、答えはやはり「普通です。」
普段からおとなしく、あまり自分の意見を押し通すタイプではなかったが、それでも納得のいかなかった彼女は食い下がった。
「でも、絶対に何かがおかしいと思うんです。神経科医に診てもらうまでは、今日は帰りませんから」

「なんて言うか、もちろんその小児科医のことは、子供が生まれた時からお世話になっているし、信頼もしていた。でもあの時は、それを超える親としての本能のようなものが働いたのだと思います」
後から振り返って彼女は言う。
そして当日の午後、神経科医とのアポイントメントを取り、再度ビデオを回そうとした時、
「神様がいるとはっきり信じたのは、あの時が最初かも知れない」
医師の目の前で、診察台に乗せられたその子が発作を起こしたのだ。
医師の顔から笑いが一瞬にして消え、一言、
「脳波を取ります」
そして、その日のうちに診断名が出た。
Infantile spasms(点頭てんかん)。100万人の赤ちゃんが生まれれば、発症はその中のわずか200人、という希な疾患ではある。
最初の注射で、発作がぴたりと止まった。その後は経口薬による治療に切り替え、以後発作は一度も起こっておらず、最初の誕生日を迎えて、そろそろ薬の量を加減していこうか、という段階まで来た。
放っておけば95%が自立困難になってしまうこの疾患。治療の開始が早ければ早いほど効果はあり、それでも多少の後遺症は免れないケースがほとんどで、
「この子の場合は、本当に希なケースです」
と神経科医も言う。
原因は、もしかしたら農薬その他の環境ホルモンかも知れないし、遺伝的なものかも知れない。でも、今の時点では答えは、
Nobody knows。
「結局、その小児科医とはその後すっかり疎遠になってしまったのだけれど」 と彼女は今は笑いながら言うが、
「もしもあの時、その言葉を信じてそれ以上何も行動を起こさないでいたら」 と考えると今でも背筋を冷たいものが走る。
セカンドオピニオン、という言葉がある。文字どおり、納得がいかなかったら第三者の意見を求めるというものだが、それにも納得がいかなければ、サードオピニオン、更に意見を求めればよい。
私たちは、責任を以ってそれに応えていくのが医療にたずさわる者としての努めであるが、一個人のレベルで、ご存知のように目覚しい進歩のこの分野で全てを網羅するのは不可能に近い。
それに、
「なぁんだ、結局取り越し苦労だった」
で済めば、それに越したことはないのだ。

Reader's Digest Jan, 2001

クローンの未来
Breaking Newsと言っていいのか。
韓国で、クローン実験が成功したそうだ。
エッグドナーにより集められた卵細胞のDNAを抜き、全く他人のDNAと入れ替えるという方法。
理論的には、これを子宮内に戻して着床すれば妊娠が成立するわけで、不可能ではない – 実際にそう言った創作物語を読んだことはあるけれど。要人のクローンを作っておき、万が一の時のために備えておくというものだった。
もちろん、韓国の科学者たちはこれを幹細胞治療へのステップとすることが目的であり、クローン人間を作ることは考えていないと言う。

実は、幹細胞治療は既に実地の段階に入っている。
例えば、工事現場を通りかかった少年の胸にネイルガンの釘が命中、少年は心臓発作を起こしたケースがあった。心組織の3分の1以上が死滅する深刻な状況で、医師たちが試みたのは、少年自身の骨髄から採った幹細胞を直接心臓に注入するというものだった。
Stem Cell - 幹細胞、高校の生物の教科書にもそのチャートが載っているが、「生まれたて」の未熟なその細胞たちは、その後の環境によって赤血球にも白血球にもリンパ球にもなれる柔軟な未来を持っている。
果たして、心臓内に注入された幹細胞たちは心組織へと変わっていき、4ヶ月後にはクラスメートに混じって草野球が出来るほどに回復していた。
16歳という年齢も回復に加速をかけたとは思うのだが(まだ成長の過程にあるわけで、細胞分裂も盛ん)、現代医療が成した一つの奇跡であろう。

だが、素人考えでも引っかかる点はある。
細胞核内のDNAはもちろんいろんな遺伝情報を持っているわけだが、それ以外の細胞質も、例えばミトコンドリアにもDNAにがあり、数千年に渡って受け継がれた遺伝情報が詰まっている。クローンによって全く他人のミトコンドリアDNAをもつ移植された細胞から作られた組織、それを生体が異物と認識して拒絶反応へと繋がっていく可能性は否定できないのではないのだろうか等。
もちろん、全く他人の情報を持った臓器を移植した場合に起きる拒絶反応、骨髄移植によって新しい「システム」側となった血液が移植された体全体を異物とみなすGVHD(Graft Versus Host Disease:移植片対宿主病)よりは確率としては低いとは思うのだが、どちらにしても当分の間は選択肢の一つとしてではなく、他に方法がない場合の「神頼み」的なオプションとして行われていくことになるのだろう。

on Valentine's Day, 2004

経口用シリンジ
小児用に液剤を出す時は、年齢や投与量に応じてスポイドか薬匙をつけるのだが、よく病気をする子だと、「あ、うちに山ほどあるからいいわ」と言われることもある。
動物の場合でも大体これで事足りるが、今回獣医で専用のシリンジをもらった。これは、見た目は注射器で、当然のことながら針はついていないのだが、スポイドや薬匙に比べるとごく少量でも正確に計ることが出来るし、猫への投薬はいかに手短に済ませられるかがポイントなので、勢いよく「噴射」出来るので重宝だ。
間違っても、注射用のシリンジや一体型でないものは使ってはいけない。針がついている分だけ長いので薬品を吸うのには便利なのだが、「患者」が暴れたり動いた際に刺してしまう可能性があるし、また、噴射した勢いで外れてしまったパーツが喉に詰まり、窒息して事故に繋がることもある。
LIVESTRONG
先月行われた Tour de Franceで史上最高の6連覇を果たした Lance Armstrongは、世界でもトップレベルのアスリートであり、Cancer Survivorでもある。
サイクリストとしてこれからという1996年に睾丸腫瘍の宣告を受けた。様々な治療を乗り越えて癌を克服した後、1999年から自転車レースの最高峰 Tour de Franceでは負け知らず、治療開始前に予め凍結保存しておいた精子を使って結婚後3人の子宝にも恵まれた。
治療中に彼が設立した Lance Armstrong Foundationと、今回ナイキがスポンサーになって黄色のリストバンドを売り出した。
黄色は彼にとって勝利の色。ツアーを追っていた人なら知っていると思うが、イエロージャージーと言って勝者は翌日には真新しい黄色のジャージを着てレースに臨む。特に自転車レースのファンではない私でさえこの色はサブリミナル効果として勝利、希望の色としてインプットされている気がする。
ひとつ1ドル。この売り上げ全て(儲けではなく、売り上げ)は Foundationを通して Cancer Survivorとその家族をサポートするのに使われる。
当初は500万ドルを目標としていたらしいのだが、その予定を遥かに上回る売れ行きで、どこもバックオーダーで入荷待ちの状態。
タブロイドなんかでも、ハリウッドのセレブたちが何気にリストバンドを付けている写真が載っていて、密かに欲しいなぁと思っていたら、ダンナが「職場の人から買った」と持って帰ってきた。
で、今日早速つけて仕事に行った。
「あ、それ、例の?」
すぐに反響があった。
周りへの影響も然り、これ、けっこう自分に対してもプラスになっているように思う。いろんな細かいことでプチプチきたりすることも多いのだけど、ふと視線を落としてこのリストバンドが目に入ると、何だかそんなことでカリカリしている自分を反省する余裕さえ出てくるのだ。

August 15. 2004

オスカー
今、全米で最も注目されている猫、オスカー。 先週のローカルニュースで見たのだけれど、ダンナによるとCNNでも紹介されていたそうだし、検索してみるとカナダやオーストラリア、ついには日本のサイトでも紹介されていたから、もしかしたら世界中で今一番話題の猫かも知れない!?
なにが特別って、この猫、東海岸のとある介護ホーム「在住」なのだが、普段はあまりフレンドリーでないのだけど、患者の「その時」が近づくと、ベッドの脇に丸まってまるで患者の最期を看取るかのように最後の数時間を過ごすのだという。
この2年間弱で25件、偶然と言うにはあまりにも説明しがたい。
もしかしたら、人間には感知できない死に行く人独特の「臭い」を感じ取っているのかも知れないし(臨床的には心臓が止まった時間を人の死として記録していくわけだけど、実際には呼吸が浅くなって全身に酸素や栄養が行き渡らなくなって、実はその数時間前から人の死に行くプロセスは始まっているのかも知れない)、私たちの想像の範囲を超えた能力でそれを第六感的に感じ取っているのかも知れない。 写真は、EMS responderから拝借。

July 29. 2007