メシエ・クレーターと「ゴーストリング」
イギリス天文学協会発行の機関紙「ザ・ニュームーン」2007年7月号に、フィル・モーガン氏による『メシエ・クレーターとグッドエーカーの幽霊リング』という記事が載っていました。この「ゴーストリング」とは何でしょうか?

メシエ・クレーターの位置。写真はフリー素材・月画像集−プレ天文より
http://www.f3.dion.ne.jp/~p2k/moon.html
メシエ・クレーターは月面の「豊かの海」にあり、直径13×11 kmのメシエAと、直径9×11 kmのメシエから構成されています。直径が小さいので小口径の望遠鏡にはしんどい対象ですが、コルキット・スピカでもその外観はよくわかります。(なおメシエAは以前「ピッカリング」と呼ばれていたようで、今でも古い本にはその名前で書いてあります)。
メシエ・クレーター特徴は、何と言っても「彗星のような外観」にあります。メシエAから2本の光条が真っ直ぐに伸び、これは「コメット・テイル」と呼ばれています。外観が彗星に似ていることから、フランスの有名な彗星ハンターであるチャールズ・メシエの名が付けられたのだそうです。メシエといえば、星雲・星団のメシエ・カタログで有名ですが、本職は彗星ハンターだったのですね。

さて、問題の「ゴーストリング」ですが、これはかつてイギリス天文学協会の月面課長を勤めていたグッドエーカー氏(在任期間:1896-1938)が発見したもので、メシエの2本の光条の間に、5個のクレーター・リングがあるというのです。このクレーター・リングは月面図には載っておらず、また確認が難しいことから「グッドエーカーのゴーストリング」と呼ばれているようです。グッドエーカー氏によると「ある特定の条件の下でのみ見える」のだそうです。ちなみに記事を書いたフィル・モーガン氏は5個のうち4個を確認したといいます。
このゴーストリング、本当に存在するのかどうか、ぜひ見てみたいと思っています。