手動ガイドによる天体写真(失敗編)
1.動機
小学5年生のタカシが、「星雲の写真を撮りたい」と言ってきた。私は星野写真はあまり経験が無いし、居住している場所も肉眼で2等星までしか見えない悪条件である。まあでも、M42くらいなら何とか写せるかも知れないと思い、手持ちの機材でトライすることにした。
2.機材
カメラ:オリンパスOM-1
望遠レンズ:スリービーチ・スリコール200mmF4.5
赤道儀:スリービーチM型赤道儀
ガイド鏡:コルキット・スピカ4cm屈折 K12mm(35倍)
フィルム:フジカラースペリアヴィーナス400
十字線入りアイピースも無く不安だが・・・とにかくやってみよう。
3.いざ撮影
2008年1月2日夜8時。年末からの寒波は緩んだとはいえ、外は凍てつく寒さである。機材を持って近所の空き地へ。見晴らしは良いけれど、時々車が通ってヘッドライトで照らす。撮影条件は良くないが、他に場所が無いので仕方がない。
北極星に極軸を合わせ、カメラをオリオン座に向ける。ガイド鏡のコルキット・スピカをのぞくと、いくつかの星が見える。
「この星が動かないように、赤経ハンドルを回し続けよ」
とタカシに指示した。
撮影開始。とりあえず露出を5分とし、シャッターを開放する。タカシは望遠鏡を覗きながら、「動いてる動いてる」と言いつつ無心に赤経ハンドルを回している。1枚目は無事終了。
2枚目は同行したタカシのお母さんが挑戦。やはり5分間、ガイド星を見ながら追尾する。途中、飛行機がオリオン座を通過するアクシデント。お母さんは寒さに耐え切れず、ここで帰宅。
3枚目。「次は30分露出に挑戦する!」とタカシが言う。とにかく星雲の写真をゲットしようと、真剣である。しかしこの寒さの中、30分の手動ガイドは大変だ。それでもやるという。まるで寒稽古だが、これもいい経験と思い、やってみることに。
ヨーイドンでシャッターを開放し、ストップウォッチを見つめる。タカシはガイド星を見つめながら必死に星を追いかけている。寒さの中、1分間が非常に長い・・・。足の先から寒さが体に染み渡る。5分、10分、・・・、「もうやめてもいいよ」と声をかけるのだが、「いやまだ頑張る」と言い張るタカシ。結局、30分間やり抜いた。お見事!よく頑張った!
4.結果は・・・
三ツ星と小三ツ星
撮影者:タカシ(5年生)
2008年1月2日20:20頃
露出5分(手動ガイド)
オリンパスOM-1ボデー
スリコール200mmF4.5
フジカラースペリアヴィーナス400
うーん、残念ながら星雲は写らなかった。星も流れてしまい、おむすび型になってしまった。十字線無しのガイドは無理だったこと、極軸合わせが甘かったことなど、反省は多々
ある。30分露出の方は、カブリが酷くてもっと良くない。タカシもがっかりしていた。でも、肉眼で見えない星が写っているし、撮って良かったとしよう。
5.教訓
初心者はまず標準レンズで始めよう。この教訓を生かして再チャレンジします。