こどものための50の練習曲 OP.37

全音の楽譜レベルでは初級用です。
千蔵八郎氏の解説では50曲のうち前半がツェルニー100番程度、
後半はツェルニー30番程度 と書かれています。

ツェルニーのように同型の反復練習ではないこと、
今後習っていくリズムや伴奏型のパターンがいくつも載せられている
ことなどから私がお勧めする練習曲です。

表題は付いていませんが、欧米のレッスンのように、
音楽の場面やイメージを想像してレッスンすると、小さな年齢の生徒さんにも表現がしやすいでしょう。

私の教室では、譜読みが安定してきた中期の生徒さんに
どんどん新しい曲を読んできてもらうためにも、使っています。
メカニックの訓練というよりも、譜読みを早くすること、
譜面づらから、ある程度の内容を予測するのには適しています。
この練習曲集で何を学んでもらうかは、指導の先生の腕の見せ所でしょう。

今までに弾いたことのあるような感じの曲も多いので、以前のテクニックの
復習としても使えます。
とは言え、50曲もありますから、どんどんこなしていける生徒さんは、
この1冊が終わる頃には、しっかりとテクニック面でも定着していきます。

私自身が決して器用な生徒ではなかったので、新しい技術を次々に求められる課題では、少しつらい時もありました。
一見、スキルアップの効果が飛躍的にあがらないような教材ですが
生徒さんの側から見れば、少々息抜きが出来るものとして
ツェルニーその他の教材との併用も意味があると思います。

オクターブをそんなに使っていないので指への負担も、ほとんどないでしょう。
脱力が出来ていない段階でのオクターブの曲は、案外筋肉を硬くしやすいので、
小さな手の人にもこの曲集は適しているでしょう。
<こどものための>とありますが、前半の10曲ぐらいからあとは、
表現としても大人のピアノ愛好家の人にも十分使えるものです。
1曲にあまり練習時間を費やさなくてもいいのが、使いやすさのポイントでしょう。