ロマン派の名曲は、どれも美しく一度は弾いてみたいという憧れを持つものが多いのですが、
実際にどのようなところから、ロマン派的な表現を学ぶかということは、
教えている先生によって様々です。
ロマン派の小曲へのいざない
バイエル→ハノン・ツェルニー・バッハ→ソナチネ→ソナタ・ロマン派作品というのが、
よくある勉強のルートのようですが、別にこのルートでなければ
ロマン派の作品が弾けないということではないと思います。
ロマン派の曲で注意が必要なことは、ペダルの使用法と、表情のつけ方です。
どちらも これがやりたいためにロマン派の曲に憧れるというぐらい
弾いている本人もここちよい気持ちが強いために
ともすると、使いすぎや、ワンパターンの弾き方になりやすいのです。
それまでの形式重視の作曲法から自由になったために、
いわゆる『歌いどころ・聞かせどころ』が満載されているのがロマン派の音楽ですが、
表現方法も同時に勉強して行かないとべたべたした音楽になってしまうこともあります。
せっかく作曲者が和音による音楽の流れ(強弱・緩急)を配置していても
いつも同じような表情をつけて満足してはいませんか?
たとえば、フレーズの区切りは、いつもrit.とdimin.になっているとか....
それは本当に音楽の流れ上必要な変化でしょうか?
それともよくありがちなように、次への移行の為
(ちょうど、車がカーブで、速度を落として曲がるように)
気分的なゆとりが欲しくて一旦スピードを落としているのではありませんか?
ロマン派の曲と言えども、テンポの緩みをあえてせずに弾ききってしまわなければならない曲も
当然あります。音楽で表すエネルギーは様々にありますので、
決して同じ終わり方にはならないのです。
それどころか同じ曲でも幾通りもの表情があり、テンポや音量によって組み合わせがよければ
どれも生きてくるのが音楽ならではの醍醐味なのです。
私は恩師から、『同じ曲について、いろいろな演奏を聴くように』というアドバイスを学生時代にいただきました。
『楽譜のなかの記述は素材であって、どう料理して味付けの濃さを決めるかは
演奏する君たちの自己表現として、責任を持つように』ということも言われました。
調号も増えないうち(黒鍵の使用が少ない)に、伴奏の音型やリズムによって技術を使いわけることを
早くから勉強しておく方が楽でしょう。
譜読みに時間をかけず、音作り・音楽作りに時間をとる時期も必要ですので。
これも、鍵盤を押せばともかく音が鳴るというピアノという楽器ならではの練習だと思います。
タッチの使いわけが出来ていかないと、どうしても平面的で表情の乏しい音楽になってしまいます。
せっかく、オーケストラ並みの音域を駆使できる楽器ですので、
技術の習得は音の質なども含めて考えていってください。
ロマン派の曲を弾くときに・・・
NO.1
3.26 記
ロマン派の曲を弾くには、表現の豊かさを身に着けるために、それ以前の時代のものとは違う練習も大切なように思います。
明らかに使われる和音も異なりますし、もともと表現の自由さを求めて生まれていったので、
テクニックも多様化・複雑化していきます。
ですから、学習段階の比較的初期のうちにやさしいものからはじめていったほうが、実は手や指の柔軟性は
早くなじむようです。(教室の生徒さんの分析)
特に、サロン風の小品は派手な大曲にはまだ無理がある人でも、憧れの曲へのステップとしても
レパートリー・メニューとしても十分使えますので、ぜひお勧めしたいです。
不思議なことに、同時代の様式のみの学習よりも、少し時々違うものを混ぜていったほうが、
新鮮な捉え方が出来るようです。
これは、なじんでいたものに戻ったという安心感からなのか、
譜読み・テクニックともにパワーアップしてきた証なのかわかりませんが非常に興味深い現象ですね。
特に成人からのピアノの楽しみ方としては、厭きない・飽きないことも大事ですので、
時々寄り道することも決して無駄にはなりません。
このHPでは、出来るだけ親しみやすいこういったロマン派の小品曲集のご紹介とともに、
出来る限りテクニック的なポイントの情報もお知らせしていきたいと思います。