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1. CPIは+2.9%に加速
中国では2月の生産者物価指数(PPI)の上昇率が4か月連続で鈍化したものの、消費者物価指数(CPI)は大幅に加速。春節(旧正月)の影響を受けました。
2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.9%の上昇。1月の+1.5%からほぼ2倍に加速し、13年以来の高水準。予想の+2.5%からも上振れ。春節(旧正月)により、故郷に帰って家族あるいは友人などと会食する人が増えました。



今回は、リスク要因と課題について考察します。
1. 景気失速のリスク
中国の足下の景気、また中長期的な成長率についてはどうでしょうか。中国の国家統計局2月28日発表した2月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.3と、前月の51.3から下落(図表1参照)。市場予想の51.1からも下振れ。過去1年半余りで最も低い水準となったものの、景気判断の分かれ目となる50は上回りました。春節(旧正月)連休中に工場が稼働していなかったことが響いたほか、輸出向け受注が減少。



今回は、IT企業の抬頭について考察します。
1. 「独身の日」アリババが躍進
中国の小売業では、IT企業の存在感が高まっています。中国のインターネット通販は、「独身の日」である11月11日に大々的なセールを行うのが定着しています。中国EC(電子商取引)の最大手企業アリババは昨年には中国で独身の日とされる11月11日に、過去最高となる1682億元(約2兆85594億円)の取扱高を記録(写真1参照)。
日本企業と比較すると、楽天の国内EC流通総額は3兆95億円。これは「楽天市場」の流通総額に加えて、トラベル、楽天マート、楽びんなどの流通総額を合計したもの。アリババは独身の日の売上赤は、楽天の年間(2016年)の国内EC流通総額を1日でほぼ達成したことになります。日本の百貨店売上高は年間で約6兆円であり、その半分に相当。





おはようございます。今回は、技術革新と教育について考察します。
1. 技術革新の重要性が高まる
中国の輸出といえば、嘗ては繊維などの軽工業、鉄鋼、化学などの素材産業が中心であり、それを支えたのは安価で多量の労働力でした。安価な労働力に支えられて、中国は「世界の工場」と呼ばれてきたわけですが、賃金の上昇、産業の高度化、ソフト化の進展により、技術革新の重要性が増しています。
中国では、以前にはルイヴィトン、グッチといったブランドの偽物が大量に販売され、知的財産権の保護が殆どなされていないというイメージがありました。高度な技術は海外から輸入するだけであり、技術革新(イノベーション、中国語では創新)が遅れているとみられていました。
技術革新には、主に3つのタイプがあると考えられます。1.独創的な技術革新(基礎的または中核的技術の発明とその応用)、2.技術統合によるもの(既存の技術の組汗で新製品や管理方式を生み出すこと)、3.導入・消火・吸収・改良がそれに当たります。
中国ではこれまで上記の2と3を主に行っており、1は今後の課題。技術革新だけでなく、新たなサービス、組織、ビジネスモデル、デザインの開発も重要性を増しています。
2. 技術革新の有利な条件
中国は先進国と比較して、発展段階が遅れており、後発の融資性があります。すなわち、高度成長期の日本と同様に、自らコストをかけて研究開発に取り組まなくても、海外から安く技術を導入することが可能になります。
中国は対外開放を積極的に進めてきており、海外からの技術を積極的に導入してきました。外資企業による直接投資が果たした役割が大きく、資本財の輸入、ライセンシング(特許権者が特許発明を実施する権利を第三者に供与することにより、その対価を得ること)、OEM(相手先ブレンドによる製品の供給)、企業間の技術者の移動などにより、中国の技術革新が進んできました。
3. 国のレベルでの技術革新の進展
国全体のレベルについては、興産の下部組織である世界知的所有期間(WTO)が、毎年100か国以上を対象として、グローバル・イノベーション・インデックスを公表しています・これによると、中国の評価は17年版で22位と、日本の14位に迫っています(図表1参照)。
他のBRICc諸国では、ロシア45位、南アフリカ57位、インド60位、ブラジル69となっています。中国より上位の国は、ほとんどが経済協力開発機構(OECD)に加盟している先進国となっています。





おはようございます。今回は、政治について考察します。
1. 米中貿易摩擦
米国の日本との間では、嘗て深刻な貿易摩擦がありました。1980年代の後半には、ビル・エモット氏が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」(日本が1位)と書を出版し、日本の抬頭が世界の注目を集めました。日米間の貿易では、米国が日本に大した大幅な赤字となり、米国内では、日本に対する警戒感が高まりました。
現在は、米国の貿易における主要な赤字国はどこでしょうか。2016年においては、中国が米国にとっての最大の貿易赤字国となっています(図表1参照)。トランプ大統領は、就任前から、中国がメキシコに対して、貿易面での強硬姿勢を強調。中国を「為替操作国」であるとして、報復を示唆してきました。



おはようございます。今回は、消費の発展、産業の高度化、住宅問題などについて考えます。
1. 消費が拡大
中国では従来、輸出と投資が経済成長の牽引役となっていました。国内総生産(GDP)が+10%伸びているときには、消費の伸びは+8%程度であり、GDPに占める消費の割合は徐々に低下。2010年には同比率が中国は35%しかなく、米国の約7割、日本の約6割などと比較すると、以上に低い水準にとどまっています。
11年以降は、成長率が+7%に低下したものの、消費の伸びは維持されました。その結果、時間がたつにつれて、GDPに占める商品の割合が上昇。まだ、海外の主要国に比べると低いものの、最近では、40%近くまで上がっています。所得格差の縮小と、賃金の上昇により、消費性向が向上しています。
2. 堅調な新車販売
中国自動車工業会は1月11日に、17年通年の中国の自動車の販売台数が年初の計画であった+5%よりも若干低かったものの、業界全体としては好調であり、安定した増加を見せたと発表。17年通年の販売台数は前年比+3%の2887.9万台。生産台数は+3.2%の2901.5万台でした。
続いて2月5日に、同工業会は1月の新車販売台数が、前年同月比+11.6%の208.9万台になったと発表(図表1参照)。うち、乗用車の販売は同+10.7%の245.6万台、商用車は同+18%の35.3万台。
中国は既に米国を追い抜いて世界最大の自動車の販売・生産台数を誇っており、日本との差も急速に拡大。最近は、モーターショーにおいても、東京には海外のメーカーの関心が薄れていますが、上海など中国におけるショーには海外のメーカーが殺到。
中国政府は、自動車を電気自動車に切り替える方針を表明。中国国内では、電気自動車の燃料電池の開発も進んでおり、中国の自動車が世界の標準となる可能性もあります。



おはようございます。今回は、労働市場、所得などについて考えます。
1. 人口の高齢化が急速に進展
中国は世界最大の人口を抱えており、これまでは安い労働力による大量の生産が経済の発展を牽引してきました。最近では、経済の製造業からサービス業へのシフトが鮮明になっているものの、人口の多さが消費を支える構造。中国共産党は、消費が景気を牽引するモデルへの転換を図っています。
前回報告の通り、昨年10-12期の実質国内総生産(GDP)成長率は、前年同期比で+6.8%の伸び。市場予想の+6.7%を上回りました。また、17年通年のGDP成長率は+6.9%と、政府目標の+6.5%前後を上回り、26年ぶりの低水準であった16年の+6.7%から加速。成長率が前年から加速したのは7年ぶり。ただ、1979-2010年には、平均で約+10%の経済成長と比較すると、成長率は徐々に低下しています。
成長率の低下の要因として、人口の高齢化があります。1970年代以降に出生率が低下し、一人っ子政策の影響もあり、出生率はさらに低下。2030年頃に人口はピークを迎え、その後は人口が減少すると予想されています(図表1参照)。




おはようございます。中国経済は、昨年後半にはやや持ち直しの兆しを見せました。「新常態」へと移行する中国経済及び政治の課題、展望などについて考えます。
1. BRICsの成長率
中国は従来、代表的な新興国であるBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で、特に高い成長率を維持してきました。ところが、国際通貨基金(IMF)のデータによると、17年には中国の+6.765%に対して、インドが+6.717%とほぼ並びました(図表1参照)。さらに、18年には中国+6.5%、インド+7.367%と逆転する見込み。
中国はほかの主要な新興国と比較すると、今後も高い成長率を維持する予想であるものの、経済の勢いに陰りが出ています。今後は、さらに成長率が低下する可能性があります。




おはようございます。前回のベトナムに続き、今回はマレーシアを見ます。
1. マレーシアの政治状況
マレーシアの野党連合は1月7日に、次の選挙でマハティール・モハマド元首相(92)を首相候補に指名したと発表。マハティール氏は22年に亘ってマレーシアの首相を務め、03年に引退しました。マハティール氏は16年2月に与党・統一マレー国民組織(UMNO)を離党。「UMNOはナジブ首相の汚職を支持する政党となってしまった」としました。
マハティール氏は、嘗ては対立したアンワル・イブラヒム元副首相と組んで、自分自身がかつて党首を務めた与党・マレー国民組織の打倒を目指すこととなりました。同国の総選挙は今年8月までに実施予定。3月にも実施されるとの観測が強まっています。
2. CPI上昇率は減速
マレーシア統計庁は2月21日に、1月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+3.5%になったと発表(図表1参照)。12月の同+3.4%からやや加速。市場予想の+3.5%に一致。





おはようございます。前回のフィリピンに続き、今回はベトナムを見ます。
1. ベトナムの政治状況
16年1月20-28日にハノイで第12回ベトナム共産党大会が開催され、2020年までの党中央指導部の人事を決定。序列第1位の党書記長のグエン・フー・チョン氏が留任し、グエン・タン・ズン首相は退任。
続いて、4月7日にはベトナム第13期第11回国会で、グエン・スアン・フック副首相が新たな首相として選出され、9日に新内閣が信任されました。フック新首相は、マクロ経済の安定や経済成長の促進など、政府が取り組む6つの優先課題を上げました。これまで改革派であるとみられていたズン氏が退任したことにより、改革が停滞する可能性があります。
ベトナムでは、中国と同様に共産党の1党独裁の体制が敷かれています。引き続き、党書記長のグエン・フー・チョン氏が、最高指導者としてとどまると予想され、中国との歴史的な友好関係を維持すると考えられます。
2. 1月CPIは+2.65%
ベトナム統計局は2月28日に、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比+2.65%になったと発表(図表1参照)。インフレ率は、引き続き低水準にとどまっています。





おはようございます。前回のタイに続き、今回はフィリピンを見ます。
1. フィリピンの政治状況
2016年6月30日に、ドゥテルテが大統領に就任。同大統領は就任演説で、汚職撲滅、麻薬取り締まり強化、各省庁の手続き簡素化、方針の一貫性を宣言。就任に先立つ6月20日及び21日には、ダバオ市で政権メンバーがビジネス界の代表と意見交換しており、それが就任演説にも反映されました。
ドゥテルテ氏は、大統領就任に先立ち、1988年にダバオ市長に当選。その後、強権的な手法で麻薬の撲滅、治安の改善に貢献。ダバオ市では、犯罪率がフィリピンでも最悪でしたが、同氏は劇的に減少させました。同市は、「東南アジアで最も平和な都市」を標榜。
ドゥテルテ氏は大統領就任後に、同様に麻薬の取り締まりを強化。人権を軽視した手法には、米オバマ大統領などから批判が寄せられました。ドゥテルテ氏はこれに反発し、対米関係が悪化。一方、中国に対してはアキノ前大統領よりも融和的な政策をとり、南シナ海における中国との対立の緩和も図りました。
ただ、米国でトランプ氏が大統領に当選したのちは、対米関係もやや好転。日本の安倍首相とも従来から 良好な関係を保っており、外交面では中国、日本、欧米諸国などとバランスをとる姿勢を見せています。
2. 12月CPIは+3.5%
フィリピンの国家統計調整委員会(NSCB)は1月5日に、10月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比+3.3%になったと発表(図表1参照)。伸び率は前月から変わらず。市場予想の+3.3%と一致しました。




おはようございます。前回のインドネシアに続き、今回はタイを見ます。
1. タイの政治状況
タイでは10月25-29日に、プミポン前国王の国葬が行われました。前国王の崩御後には、幅広く「服喪」の状況が続き、暫定政権による政治活動禁止措置もあり、長年続いてきたタクシン派、反タクシン派の対立が表面化せずに済んできました。
ただ、前国王の国葬を期として、政治活動禁止措置の解除も取りざたされるようになり、プラユット首相が18年11月の総選挙実施を明言したこともあり、今後は政治対立が再燃する懸念もあります。
プラユット首相はタクシン派の地盤である北部や東国部のインフラ整備を行うなど、タクシン派の切り崩しに努めてきました。ただ、反タクシン派も現在の暫定政権を必ずしも支持しているわけではなく、長期間にわたる暫定政府の言論統制への不満も高まっています。
暫定政権が、タクシン派と反タクシン派の対立を抑え込んでおり、言論統制や政治集会の取り締まりへの批判はあるものの、産業界には政治的安定を評価する声もあります。外資系企業からも、現政権の経済政策には一貫性があるとして、評価する向きもあります。ただ、前国王の国葬が終了したことにより、今後は政治対立が再燃する可能性もあります。
2. 7-9月期成長率+4.3%に改善
タイ国家経済社会開発庁(NESDB)は11月20日に、17年7-9月期の国民総生産(GDP)成長率が前年同期比+4.3%になったと発表。4-6月期の+3.7%から加速。輸出が好調で、13年1-3月期以来の高い伸び。
し、3振りの改善。プミポン前国王の死去などにより伸び悩んでいた個人消費が、改善しました。
国家経済社会開発庁(NESDB)は同日に、17年通年の成長率を前年比+3.9%、18年の成長率を+3.6〜4.6%とする新たな予想も発表。ポラメティ長官は記者会見で、「タイ経済の成長エンジンはここ数年で最も良好な状態だ。来年腹さらによくなるだろう」としました。





おはようございます。ASEAN主要国について、今回から個別の国を見ていきます。まず、インドネシアについて。米国の景気が順調であることと、米FRB(連邦準備理事会)による利上げが巡航速度であること、一時懸念された中国の景気もそれほど悪くないこと、などが株価上昇の要因であると考えられます。インドネシアの株価は、引き続き底堅く推移することも考えられます。
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1. ジョコ氏が14年に大統領選で勝利米国の景気が順調であることと、米FRB(連邦準備理事会)による利上げが巡航速度であること、一時懸念された中国の景気もそれほど悪くないこと、などが株価上昇の要因であると考えられます。インドネシアの株価は、引き続き底堅く推移することも考えられます。
ジョコ氏は14年7月9日大統領選挙で当選したものの、国会運営が足枷となっていました。14年4月の総選挙直後には、与党連合の議席割合は37.0%にとどまりました。その後、民主党の中立的位置への移行、ゴルカル党、開発統一党の分裂、国民信託党の与党連合派の鞍替えなどで、国会における反ジョコ派の割合は徐々に縮小したものの、過半数を獲得できていませんでした。米国の景気が順調であることと、米FRB(連邦準備理事会)による利上げが巡航速度であること、一時懸念された中国の景気もそれほど悪くないこと、などが株価上昇の要因であると考えられます。インドネシアの株価は、引き続き底堅く推移することも考えられます。
インドネシア国会で最大野党であったゴルカル党は、16年5月17日に臨時党大会を開き、セティヤ・ノバント氏を新党首に選出するとともに、ジョコ大統領を支持する与党連合に合流することを決定。これにより与党連合の議席割合は68.9%となり、安定した国会運営が期待できることとなりました。米国の景気が順調であることと、米FRB(連邦準備理事会)による利上げが巡航速度であること、一時懸念された中国の景気もそれほど悪くないこと、などが株価上昇の要因であると考えられます。インドネシアの株価は、引き続き底堅く推移することも考えられます。
2. 首都州知事選で与党敗北
昨年4月19日に実施されたジャカルタ州知事選では、新人のアニス・バスウェダン氏が58%の得票を獲得して決選投票で当選。第1回投票では、現職のバスキ・チャハヤ・プルナマ知事が首位であったものの、決選投票では、第1回投票で3位であったアグス氏の票を取り込んで勝利しました。
このジャカルタ州知事選では、19年の大統領選の前哨戦という意味合いと、バスキ知事への反対デモが発生する中、治安への影響という観点から注目されました。
キリスト教徒であるバスキ氏に対するイスラム保守派などからの反感が高まり、急進的なイスラム組織であるイスラム防衛戦線が主導したとされるデモの影響もあり、ジョコ大統領が支援した現職のバスキ氏が落選。
これにより、ジョコ大統領の求心力の低下、また同大統領の進める改革が停滞するという懸念があります。また、アニス新知事、あるいは彼を支援し、14年の大統領選では接戦を演じたプラボウォ氏が19年の大統領選に名乗りを上げる可能性があります。19年の大統領選での再選を狙っているとされるジョコ氏が、今後改革を推進していけるかどうかが注目されます。
3. 12月CPI上昇率は+3.6%に鈍化
インドネシア中央統計局は1月2日に、12月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+3.61%の上昇になったと発表(図表1参照)。市場予想の+3.4%から上振れ。前月の+3.30%から加速したものの、引き続き低水準にとどまっています。




明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。昨年においては、新興国の株式市場のリターンはまずますとなりました。今年も、皆様にとって良い年となるよう祈願しております。今回はまず、東南アジア諸国連合(ASEAN)主要5か国の現状と見通しについて。
1. 東南アジア諸国連合の概要
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、1967年の「バンコク宣言」によって設立されました。現加盟国はタイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシアの5か国で。1984年にブル名が加盟し、その後順次増加し、現在は10か国。欧州共同体(EU)などと比べると、緩やかな共同体を目指しているのが特徴で、高い経済成長と、政治的・軍事的な安定が見られます。今後は、人口と購買力の増加により世界の「開かれた成長センター」となることが期待されています。
2. 安定した成長が継続
まず、ASEAN主要国の実質GDP(国内総生産)成長率を見ると、相対的に安定した成長を遂げてきました。国際通貨基金(IMF)のデータによると、2009年にはリーマンショックなどで、ASEAN諸国の成長率も低迷し、マレーシアも▲1.51%、タイが▲0.74%に低迷。一方、ベトナムが+5.4%、インドネシアも+4.15%と安定。(図表1参照)。外需の影響などにより、明暗が分かれました。
10年には反動でASEAN各国の成長率は軒並み急反発し、フィリピン+7.63%、マレーシア+7.3%などと、各国ともに好調。ただ、その後はタイが洪水、政治的混乱などにより劣後する一方、フィリピン、ベトナムが好調を持続するなど、国ごとに違いがやや顕在化。
17年で見るとIMFの予想で、フィリピン+6.60%、ベトナム+6.30%、マレーシア+5.43%などとなっています。18年以降も、堅調な拡大が続く見込み。



おはようございます。今年も残すところわずかになりました。今年は皆様にとってどのような年であったでしょうか。今回は、新興国におけるフィンテックの発展の可能性について考えてみましょう。
1. 世界の株式時価総額順位
まず、世界の株式市場における銘柄の、時価総額による順位を見ておきましょう。上位10位を見ると、ほとんどが米国で、また業種としてはIT(情報産業)が大半を占めていることがわかります。アップル、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックという、世界をリードする米国の銘柄の強さが際立っています(図表1参照)。




おはようございます。中東では、イスラエルとパレスチナの対立が深まり、さらにイエメンにおける紛争も長期化に傾向にあります。混迷する中東情勢を見ましょう。
1. 米トランプ大統領がエルサレムを首都と認定
米国のトランプ大統領は、選挙公約としてエルサレムを首都と認定することを掲げてきました。米国の歴代大統領は、アラブ諸国の反発などを危惧して、米国の大使館をテルアビブからエルサレムに移転することを、先延ばしにしてきました。その意味では、そもそも議会が決定していたことを大統領が実行することにしただけのことであるともいえますが、当然ながらアラブ諸国からは大きな反発が起こっています。
トランプ大統領?月5日に、エルサレムをイスラエルの首都と認定して、商都テルアビブにある米大使館を移転する方針を発表。米国がエルサレムを首都と認定したことにより、イスラエルとパレスチナの交渉によりエルサレムの最終的な地位を決定するとしてきた従来の米国の方針は、放棄されたことになります。中東和平の実現が大きく遠のくこととなりました。



おはようございます。今年も残すところわずかになりました。2017年はまだ終わってはいませんが、ここで今年の経済、株式市場を振り返ってみましょう。
1. 米雇用が順調に拡大
17年には、世界的に株式市場が堅調に推移しました。それを支えた大きな要因が米国の堅調な雇用、またそれを背景とする米景気の順調な回復です。ここで、直近の米雇用統計、即ち11月の雇用統計を見ておきましょう。
米労働省は11月の雇用統計を8日に発表し、非農業部門の雇用者数増加は前月比+22.8万人(図表1参照)。雇用者数の増加は、市場予想の19.5万人を上回りました。失業率は4.1%と、前月から変わらず。米連邦準備理事会(FRB)は、労働市場がすでに完全雇用に近づいたとしており、12-13日開催の公開市場委員会(FOMC)で、追加利上げについて検討することとなります。
米雇用統計は、夏にはハリケーンの影響で大きく変動したものの、今回は影響が消滅しました。意振れ率の動向を占ううえで注目されている平均給与は前年同月比+2.5%と、前月の+2.4%から小幅加速。ただ、賃金上昇率が高まらない状況が続いています。




おはようございます。南アフリカ経済の現状を見ます。
1. 10月CPI上昇率は+4.8%に減速
南アフリカ統計局は11月22日に、10月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+4.8%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+5.1%から減速。
17年6月まで、インフレ率は南アフリカ準備銀行(中銀)の定める目標値である+3〜6%を上回って推移していました。4月には+5.3%に低下し、その後も準備銀行の目標値に収まっており、インフレ圧力が低下。





おはようございます。前回の物価、金利、四半期成長率、為替、株価に続いて、今回はインド経済のリスクと課題について探ってみます。
1. インフレ懸念が後退
インドにおいは、長期間にわたり、インフレ率抑制がインド準備銀行(中央銀行)大きな課題となってきました。現在は消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率が、中銀にとってのインフレ目標となっています。昨年9月にラジャン総裁が退任したことに伴い、ウルジット・パテル副総裁が昇格。同新総裁は、インフレ目標である+4%±2%を引き継ぎました。ただ、緩やかに解釈していると見られます。
インド統計局が11月13日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+3.58%(図表1参照)。インフレ率は引き続き低い水準にとどまっており、インド経済にとっては今のところ余りリスクにはなっていないと考えられます。




おはようございます。前回はインドの政治について見ました。今回は物価、四半期成長率、株価などを見ます。前回の政治に続き、今回は物価、金利、四半期成長率、為替、株価を見ます。
1. 消費者物価指数上昇率が加速
まず、インド統計局が11月13日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比+3.58%(図表1参照)。前月の+3.28%から加速。市場予想の+3.46%からも上振れ。




おはようございます。前回はインドの人口構成と成長率などを見ました。今回は政治を中心に見ます。
1. モディ氏が改革を推進
14年5月16日に行われた総選挙では、ナレンドラ・モディ氏が率いる最大野党・インド人民党(BJP)が圧勝。543議席の過半数にあたる272議席を上回る280議席を獲得。グジャラート州首相のモディ氏(63)が首相に就任。BJPを中心とする野党連合は、336議席を獲得しました(図表1参照)。
一方、これまで2期にわたり政権を担ってきた国民会議派は44議席で、同党を中心とする与党連合の統一進歩同盟は60議席にとどまり、過去最悪の結果。このほか、地域政党他が137議席となりました。シン前首相は、モディ氏とBJPの勝利を称賛。モディ氏は「インドの勝利だ」と述べました。




おはようございます。インドの世界経済における存在感が高まっています。インド経済の課題と展望を見ていきます。
1. インドの概況
インドはアジアにおける大国の1つ。人口は12億5,840万人(2012年、出典:国連「State of World Population 2012」)で、中国の13億5,36040万人(同)に次ぎ世界第2位。面積は329万km2(日本の約9倍)。




おはようございます。11月3日は文化の日、皆様いかがお過ごしでしょうか。このところ底堅い、トルコ経済について見ておきましょう。
1. 9月CPI上昇率は+11.2%に加速
トルコ統計機構(TUIK)は10月3日に、9月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+11.2%の上昇になったと発表(図表1参照)。前月の+10.68%から加速しました。




前回は政治について考察。今回は課題、リスク、為替、株価などを見ます。
1. 貿易が低迷
前回ご報告の通り、16年のブラジルの貿易収支は477億ドルの黒字。現行の統計開始以来最大の黒字となりました。ただ、輸入が大きく減少したのが主な要因。輸入が1376億ドルであったのに対して、輸出は1853億ドル。輸出が前年比+5.2%であるのに対して、輸入は▲8.6%(図表1参照)。




前回は格付け、財政収支、経常収支などを考察。今回は貿易、政治などを見ます。
1. 16年に輸入が大きく減少
16年のブラジルの貿易収支は477億ドルの黒字。現行の統計開始以来最大の黒字となりました。ただ、輸入が大きく減少したのが主な要因。輸入が1376億ドルであったのに対して、輸出は1853億ドル。輸出が前年比+5.2%であるのに対して、輸入は▲8.6%(図表1参照)。



前回は最近の景気動向、物価、金利などを考察。今回は財政収支、格付け、経常収支などを見ます。
1. 財政再建へ憲法を改正
ルセフ前大統領は昨年8月に罷免となり、暫定政府で大統領代行をしていたテメル副大統領が9月初めに正式に大統領に就任。同氏はブラジル民主労働者党(PMDB)の党首。PMDBは下院の第一党であるものの、下院定数513議席のうち、68議席しかありません。ブラジル議会は少数乱立で与党は11政党の連立。小政党は理念で結びつくというよりは、人脈・地位で合従連衡を繰り返しているに過ぎないと見られます。そのため、テメル政権が抜本的に財政再建を行うのは難しいとの予想もありました。
ところが、16年11月に、今後20年にわたり財政を前年のインフレ率以下に抑制するという憲法修正案(通称、上限法)が可決されました。憲法改正には60%以上の賛成が必要で、しかも上下両院で二度可決が必要。11月には下院で65%の賛成となり、12月には上院でも修正せずに可決。ペトロブラス(国営企業)を舞台とする汚職事件に関連して、検察官による議員への訴追を軽減する法案が同時に審議されており、そちらにばかり注目が集まっていたことが一因とみられます。
2. 財政収支改善に遅れ
テメル政権は構造改革を進めているものの、最優先課題である財政再建は遅れています。プライマリー・バランス(国債の利払い費を除く基礎的財政収支)の黒字は、国内総生産(GDP)比で、11年に2.9%でピークを付けた後に縮小傾向。13年は1.7%で、財政責任法(00年施行)に定める黒字目標の2.3%を下回りました(図表1参照)。15年には▲1.9%となり、税収の下振れを反映。財政収支も同様に悪化。国際通貨基金(IMF)では以前には、15年以降に基礎的財政収支(プライマリー・バラン)が改善すると予想していましたが、実際には16年に▲2.5%へと悪化。17年には▲2.4%、18年には▲2.3%へと徐々に改善する見込み(IMF17年10月時点予想)。




おはようございます。前回は成長率、1人当り国民所得などを見ました。今回は、最近の景気動向、物価、金利などを考察します。
1. 消費に持ち直しの動き
ブラジルでは、過去2年に亘ってマイナス成長が続くなど、長期的な低迷が継続。ただ、今年4-6月期には国内総生産(GDP)成長率の伸び率が鈍化したものの2四半期連続のプラス成長。長年にわたって成長を牽引してきた個人消費がプラスに転じました。
4-6月の個人消費が拡大に転じた背景には、物価の安定による中央銀行が利下げする環境が整っていることに加えて、3月から政府が金属危険保障基金(FGTS)の引き出し解禁に踏み切ったことにより、多くの家計で一時所得が拡大したことが影響しています。
前期には成長率を押し上げた在庫の積み増しは、4-6月期にはマイナスの寄与となるなど、在庫調整も進んでいるとみられます。したがって、4-6月期にはGDP(国内生産)伸びは鈍ったものの、景気は回復に向かいつつあると考えられます。
2. 鉱工業生産が回復
ブラジル地理統計院が10月3日に発表した9月の鉱工業生産は、前年同期比+4.0% (図表1参照)。市場予想の+4.8%からは下振れしたものの、前月の+2.5%からは加速。原油価格の安定などが影響しました。




おはようございます。ブラジルは、BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一角として、相対的に高い成長が期待されていました。ここ数年は景気が低迷していましたが、回復傾向にあります。ブラジル経済の動向を探っていきます。
1. 大国ブラジル
ブラジル経済の魅力の1つは、バランスの良さであると言われてきました。851万km2の国土(日本の22.5倍)を背景に、同国の人口は約2億957万人(ブラジル地理統計院推定、2016年)、GDPが2兆2530億ドル(IMF15年4月データ、同)を誇っています。
また、鉱産物、農産物など天然資源が豊富であり、さらに第1、2、3次産業のバランスも比較的良いとされます。地政学的なリスクも低く、中南米の大国として、実質GDP成長率についても、中国あるいはインドほどではないにせよ、リーマン・ショックをはさみ、2010年までは比較的高い成長率を維持していました。
2. 薄日射す成長率
ブラジルでは実質国内総生産(GDP)成長率が2007年に+6.0%、08年に+5.0%となりましたが、09年にはリーマン・ショックの影響により、▲0.1%と低迷(図表1参照)。ただ、その後は中国の景気対策などの影響で急回復し、10年には+7.5%と高成長を達成。続いて、資源価格の低迷などにより、景気も悪化。15年▲+3.7%、16年▲3.5%となり、ロシアとともに資源国に一角として低迷しました。しかし、IMFの予測では、資源価格の回復などにより17年+0.1%、18年+1.7%と、水面上に浮上する見込み。



おはようございます。前回はリスク要因、課題を見ましたが、今回はリスク物価、金利、為替、株価について。
1. 8月CPIは+1.8%に加速
中国の国家統計局が9日発表した8月の消費者物価指数(CPI)前年同月比+1.8%と、前月から+0.4%ポイントの加速(図表1参照)。1月以来7か月ぶりの伸び率となりました。同統計局は声明で、CPIの加速について、暑さと降雨で卵が+16.2%、野菜が+8.5%値上がりしたことが主な要因であるとしました。
一方、中国の国家統計局の同日の発表によると、8月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比+6.3%となり、前月の5.5%から加速。市場予想の+5.7%からも上振れ。



おはようございます。前回は、前回は為替・金融政策を見ましたが、今回はリスク要因、課題について。
1. 景気失速のリスク
中国の足下の景気、また中長期的な成長率についてはどうでしょうか。中国の国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.7と、前月から低下(図表1参照)。市場予想の51.3からも上振れ。景気の拡大・悪化の境目とされる50は上回りました。中国経済は底堅く、当局は、7-12月期も金融リス抑制に向けた取り組みを続ける余地が生まれることを示唆しています。
1-6月(上期)には、中国経済は輸出回復や力強い内需を背景に市場予想を上回る堅調を示していましたが、7月には全般に減速を示唆していました。今後は、当局が成長率を維持しながら信用の拡大速度をいかに抑えるかが焦点となります。



おはようございます。今回は、ネット取引などについて見ましたが、今回は為替・金融政策について。
1. 為替管理を強化
中国は、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)への採用を目指し、金融の自由化を目指し、特に為替取引の自由化を目指すとしてきました。人民元が採用される以前には、SDRに採用されていたのは米ドル、ユーロ、ポンド、円のみであり、SDRへの人民元の採用は駐得にとっては、国威発揚の一環という位置付けでした。16年10月1日に、人民元はSDRに採用されました。
ではその後、為替取引の自由が進んだかというと、むしろ管理が強化される方向にあります。17年に、周小川・人民銀行総裁が「人民元の為替レートを守ることと、外貨準備を守ること、2つの役割があるが、どちらか一方を守るとすれば、私は外貨準備を守る」と、度々国際会議の場で発言。
「外貨流動性が足りなければ、通貨危機になる」という県絵は、外貨流動性が足りなくなる可能性が出てきたことを示唆。人民銀行(中銀)は、16年末から外貨管理を強化。個人による外貨良貨両替は停止されていないものの、手続きが複雑化されており、事実上できなくなっています。16年2月には、海外の不動産と保険など金融商品への個人の送金が禁止されました。
2. 国際収支の誤差脱漏が拡大
中国の国際収支を見ると、貿易収支などを含む経常収支は黒字が続いているものの、15年上期には資本収支が減少に転落(図表1参照)。これを準備資産減少が補う形。さらに、「誤差脱漏」が急拡大。「誤差脱漏」は14年が▲1,400億ドル、15年が▲1,880億ドル、16年が▲2,000億ドル超となっており、急拡大。
外貨準備の減少は資本の逃避(キャピタル・フライト)とみられています。持ち出したのは、華僑系ファンドとユダヤ系ファンドとみられます。特に、最近では仮想通貨のビットコインが利用されています。ビットコインの相場は17年に入り乱高下していますが、一因が中国人による大量の買いとされています。


おはようございます。今回は、ネット取引、フィンテック、外貨準備などについて考えます。
1. 情報関連消費が拡大
中国では従来、輸出と企業の設備投資など固定資産投資が、成長を牽引してきました。ただ、賃金の上昇などにより、さらに輸出を伸ばすのは難しく、固定資産投資にしても、地方政府による過剰な不動産投資もあり、持続性に疑問があります。
そこで、消費が牽引役となるべく期待されているわけですが、これまでは自動車が消費を牽引してきました。ただ、中国の自動車生産及び消費はすでに世界一であり、環境問題、高速道路の整備などを考えると、おのずと限界があります。また、マンションなど個人による住宅取得も、住宅価格の高騰により、過熱感が目立っています。
自動車、住宅に代わって期待されているのが情報関連消費。ITやインターネットの普及により、情報分野の新製品、新サービスが急速に発達。中国における通信ネットワーク利用者の推移を見ると、スマホおよびインターネットの利用者数が急拡大しています(図表1参照)。



おはようございます。今回は、構造問題などについて考えます。
1. 輸出の後退と過剰な投資
中国の共産党政権は、これまで高い経済成長率の目標を掲げてきました。党大会などで示唆して年単位の国内総生産(GDP)の目標を概ね達成してきたわけですが、人口の伸びによる労働力を吸収し、それにより社会の安定化を図ることを目指してきました。
ただ、経済の規模の拡大、人口の高齢化、産業構造の高度化が進み、景気の牽引役としては、従来の輸出及び固定資本形成(投資)から、個人消費に牽引役が移り、過剰な不動産投資が抑制されることが期待されてきました。過剰な投資により、中国が鉄鉱石などの資源を「爆買い」し、商品市況が高騰する、あるいは国内の環境汚染につながるなどの批判もありました。
ここで、中国の需要項目別GDP構成比をみると、輸出は1970年には3.2%にすぎなかったものが、2006年には38.6%に拡大(図表1参照)。輸入も同様に3.1%から31.1%まで拡大。安い人件費などを武器に「世界の工場」として中国が君臨し、中国の景気拡大を牽引。ただ、その後は人件費の上昇などにより、繊維、化学など付加価値の低い産業の競争力の低下、経済のソフト化などにより、輸出が牽引役から後退していることがわかります。
さらに、家計消費は1970年以降に低下し、最近はやや持ち直す傾向にあるものの、依然として力強さに欠けます。中国では、企業が賃金に回る比率、すなわち労働分配率が低く、さらに年金など社会保障も遅れていることから、貯蓄率が高止まりしています。
貯蓄率の高さもあり、設備投資などの固定資本形成の比率が上昇。不動産への投資は、地方政府にとっては重要な収入源であることもあり、固定資本に依存した経済成長が続いていると言えます。




おはようございます。今回は、米中関係などについて見ます。
1. 19世紀の経済大国中国
かつてゴールドマン・サックスに所属したジム・オニール氏は、ブラジル、ロシア、インド、中国をBRICs諸国と名付け、特に中国が今後大きく発展すると述べました。その後、南アフリカも加えて「BRICS」という概念を提唱したわけですが、中国の国内総生産(GDP)は、日本を追い抜き、やがて米国をも追い抜くと予測しました。
中国経済はGDPの規模ですでに日本を追い抜いており、現在は習近平主席が「一帯一路」すなわちかつての絹の道(シルク・ロード)のように、中国と欧州を陸と海で結び、交易を活発化させようとしています。そのために、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立しました。AIIBには日米両国は参加しなかったものの、ロシア、インド、ブラジルなど主要な新興国のほか英独仏伊など欧州の主要国、あるいは豪州、カナダなど多くの先進国も参加しており、中国は経済的な覇権の確立に向けて、邁進していると言えます。
ただ、歴史的に見ると、中国は黄河文明以来、多くの期間において政治的、あるいは経済的に大国であったと考えることができます。18世紀において中国は隆盛を誇っていましたが、1840年のアヘン戦争を契機として、急速に国力が衰えることとなりました。
それ以前の状態では、マディソン(1926-2010)によると、1820年のGDPランキングでは、中国は1位で3割弱という大きな比率でした(図表1参照)。以下、インド、フランス、ロシア、英国、日本と続いています。かつては、中国、インドという2大文明国が大きな比率を占めていました。人口がこれら文明の発展の大きな要因であったと考えられます。今後の人口動態を考えると、中国、インドの優位性が考えられます。




おはようございます。中国経済の現状と米中関係などについて考えます。
1. BRICsの成長率
まず、中国経済を概観しておきましょう。中国は従来、代表的な新興国であるBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で、特に高い成長率を維持してきました。ところが、15年には中国の+6.9%に対して、インドが+7.9%と逆転(図表1参照)。さらに、国際通貨基金(IMF)の予測では、17年においても中国+6.5%、インド+7.1%とインドの優位が今後も継続する見込み。
中国はほかの主要な新興国と比較すると、今後も高い成長率を維持する見込みであるものの、経済の行き勢いに陰りが出ています。IMFは、中国の成長率が今後さらに成長率が低下すると予想しています。




おはようございます。世界経済の長期停滞について見ます。
1. 世界経済の概観
まず、世界経済のこれまでの推移を見ておきましょう。世界経済の成長率は、1930-90年には+3.84%であったものの、08-16年には+3.23%に、16年には3.08%に低下(図表1参照)。特に先進国では顕著に低下しており、米国では83-90年+3.36%から、01-07年+2.45%、16年には+1.58%に低下。ユーロ圏、日本も大幅に低下しているほか、新興・発展途上国でも低下傾向にあります。

おはようございます。ブラジルは、BRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一角として、相対的に高い成長が期待されていました。ここ数年は景気が低迷していましたが、回復傾向にあります。ブラジル経済の動向を探っていきます。
1. 大国ブラジル
ブラジル経済の魅力の1つは、バランスの良さであると言われてきました。851万km2の国土(日本の22.5倍)を背景に、同国の人口は約2億957万人(ブラジル地理統計院推定、2016年)、GDPが2兆2530億ドル(IMF15年4月データ、同)を誇っています。
また、鉱産物、農産物など天然資源が豊富であり、さらに第1、2、3次産業のバランスも比較的良いとされます。地政学的なリスクも低く、中南米の大国として、実質GDP成長率についても、中国あるいはインドほどではないにせよ、リーマン・ショックをはさみ、2010年までは比較的高い成長率を維持していました。
2. 薄日射す成長率
ブラジルでは実質国内総生産(GDP)成長率が2007年に+6.0%、08年に+5.0%となりましたが、09年にはリーマン・ショックの影響により、▲0.1%と低迷(図表1参照)。ただ、その後は中国の景気対策などの影響で急回復し、10年には+7.5%と高成長を達成。続いて、資源価格の低迷などにより、景気も悪化。15年▲+3.7%、16年▲3.5%となり、ロシアとともに資源国に一角として低迷しました。しかし、IMFの予測では、資源価格の回復などにより17年+0.1%、18年+1.7%と、水面上に浮上する見込み。



おはようございます。前回はリスク要因、課題を見ましたが、今回はリスク物価、金利、為替、株価について。
1. 8月CPIは+1.8%に加速
中国の国家統計局が9日発表した8月の消費者物価指数(CPI)前年同月比+1.8%と、前月から+0.4%ポイントの加速(図表1参照)。1月以来7か月ぶりの伸び率となりました。同統計局は声明で、CPIの加速について、暑さと降雨で卵が+16.2%、野菜が+8.5%値上がりしたことが主な要因であるとしました。
一方、中国の国家統計局の同日の発表によると、8月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比+6.3%となり、前月の5.5%から加速。市場予想の+5.7%からも上振れ。



おはようございます。前回は、前回は為替・金融政策を見ましたが、今回はリスク要因、課題について。
1. 景気失速のリスク
中国の足下の景気、また中長期的な成長率についてはどうでしょうか。中国の国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.7と、前月から低下(図表1参照)。市場予想の51.3からも上振れ。景気の拡大・悪化の境目とされる50は上回りました。中国経済は底堅く、当局は、7-12月期も金融リス抑制に向けた取り組みを続ける余地が生まれることを示唆しています。
1-6月(上期)には、中国経済は輸出回復や力強い内需を背景に市場予想を上回る堅調を示していましたが、7月には全般に減速を示唆していました。今後は、当局が成長率を維持しながら信用の拡大速度をいかに抑えるかが焦点となります。



おはようございます。今回は、ネット取引などについて見ましたが、今回は為替・金融政策について。
1. 為替管理を強化
中国は、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)への採用を目指し、金融の自由化を目指し、特に為替取引の自由化を目指すとしてきました。人民元が採用される以前には、SDRに採用されていたのは米ドル、ユーロ、ポンド、円のみであり、SDRへの人民元の採用は駐得にとっては、国威発揚の一環という位置付けでした。16年10月1日に、人民元はSDRに採用されました。
ではその後、為替取引の自由が進んだかというと、むしろ管理が強化される方向にあります。17年に、周小川・人民銀行総裁が「人民元の為替レートを守ることと、外貨準備を守ること、2つの役割があるが、どちらか一方を守るとすれば、私は外貨準備を守る」と、度々国際会議の場で発言。
「外貨流動性が足りなければ、通貨危機になる」という県絵は、外貨流動性が足りなくなる可能性が出てきたことを示唆。人民銀行(中銀)は、16年末から外貨管理を強化。個人による外貨良貨両替は停止されていないものの、手続きが複雑化されており、事実上できなくなっています。16年2月には、海外の不動産と保険など金融商品への個人の送金が禁止されました。
2. 国際収支の誤差脱漏が拡大
中国の国際収支を見ると、貿易収支などを含む経常収支は黒字が続いているものの、15年上期には資本収支が減少に転落(図表1参照)。これを準備資産減少が補う形。さらに、「誤差脱漏」が急拡大。「誤差脱漏」は14年が▲1,400億ドル、15年が▲1,880億ドル、16年が▲2,000億ドル超となっており、急拡大。
外貨準備の減少は資本の逃避(キャピタル・フライト)とみられています。持ち出したのは、華僑系ファンドとユダヤ系ファンドとみられます。特に、最近では仮想通貨のビットコインが利用されています。ビットコインの相場は17年に入り乱高下していますが、一因が中国人による大量の買いとされています。


おはようございます。今回は、ネット取引、フィンテック、外貨準備などについて考えます。
1. 情報関連消費が拡大
中国では従来、輸出と企業の設備投資など固定資産投資が、成長を牽引してきました。ただ、賃金の上昇などにより、さらに輸出を伸ばすのは難しく、固定資産投資にしても、地方政府による過剰な不動産投資もあり、持続性に疑問があります。
そこで、消費が牽引役となるべく期待されているわけですが、これまでは自動車が消費を牽引してきました。ただ、中国の自動車生産及び消費はすでに世界一であり、環境問題、高速道路の整備などを考えると、おのずと限界があります。また、マンションなど個人による住宅取得も、住宅価格の高騰により、過熱感が目立っています。
自動車、住宅に代わって期待されているのが情報関連消費。ITやインターネットの普及により、情報分野の新製品、新サービスが急速に発達。中国における通信ネットワーク利用者の推移を見ると、スマホおよびインターネットの利用者数が急拡大しています(図表1参照)。



おはようございます。今回は、構造問題などについて考えます。
1. 輸出の後退と過剰な投資
中国の共産党政権は、これまで高い経済成長率の目標を掲げてきました。党大会などで示唆して年単位の国内総生産(GDP)の目標を概ね達成してきたわけですが、人口の伸びによる労働力を吸収し、それにより社会の安定化を図ることを目指してきました。
ただ、経済の規模の拡大、人口の高齢化、産業構造の高度化が進み、景気の牽引役としては、従来の輸出及び固定資本形成(投資)から、個人消費に牽引役が移り、過剰な不動産投資が抑制されることが期待されてきました。過剰な投資により、中国が鉄鉱石などの資源を「爆買い」し、商品市況が高騰する、あるいは国内の環境汚染につながるなどの批判もありました。
ここで、中国の需要項目別GDP構成比をみると、輸出は1970年には3.2%にすぎなかったものが、2006年には38.6%に拡大(図表1参照)。輸入も同様に3.1%から31.1%まで拡大。安い人件費などを武器に「世界の工場」として中国が君臨し、中国の景気拡大を牽引。ただ、その後は人件費の上昇などにより、繊維、化学など付加価値の低い産業の競争力の低下、経済のソフト化などにより、輸出が牽引役から後退していることがわかります。
さらに、家計消費は1970年以降に低下し、最近はやや持ち直す傾向にあるものの、依然として力強さに欠けます。中国では、企業が賃金に回る比率、すなわち労働分配率が低く、さらに年金など社会保障も遅れていることから、貯蓄率が高止まりしています。
貯蓄率の高さもあり、設備投資などの固定資本形成の比率が上昇。不動産への投資は、地方政府にとっては重要な収入源であることもあり、固定資本に依存した経済成長が続いていると言えます。




おはようございます。今回は、米中関係などについて見ます。
1. 19世紀の経済大国中国
かつてゴールドマン・サックスに所属したジム・オニール氏は、ブラジル、ロシア、インド、中国をBRICs諸国と名付け、特に中国が今後大きく発展すると述べました。その後、南アフリカも加えて「BRICS」という概念を提唱したわけですが、中国の国内総生産(GDP)は、日本を追い抜き、やがて米国をも追い抜くと予測しました。
中国経済はGDPの規模ですでに日本を追い抜いており、現在は習近平主席が「一帯一路」すなわちかつての絹の道(シルク・ロード)のように、中国と欧州を陸と海で結び、交易を活発化させようとしています。そのために、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立しました。AIIBには日米両国は参加しなかったものの、ロシア、インド、ブラジルなど主要な新興国のほか英独仏伊など欧州の主要国、あるいは豪州、カナダなど多くの先進国も参加しており、中国は経済的な覇権の確立に向けて、邁進していると言えます。
ただ、歴史的に見ると、中国は黄河文明以来、多くの期間において政治的、あるいは経済的に大国であったと考えることができます。18世紀において中国は隆盛を誇っていましたが、1840年のアヘン戦争を契機として、急速に国力が衰えることとなりました。
それ以前の状態では、マディソン(1926-2010)によると、1820年のGDPランキングでは、中国は1位で3割弱という大きな比率でした(図表1参照)。以下、インド、フランス、ロシア、英国、日本と続いています。かつては、中国、インドという2大文明国が大きな比率を占めていました。人口がこれら文明の発展の大きな要因であったと考えられます。今後の人口動態を考えると、中国、インドの優位性が考えられます。




おはようございます。中国経済の現状と米中関係などについて考えます。
1. BRICsの成長率
まず、中国経済を概観しておきましょう。中国は従来、代表的な新興国であるBRICs諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で、特に高い成長率を維持してきました。ところが、15年には中国の+6.9%に対して、インドが+7.9%と逆転(図表1参照)。さらに、国際通貨基金(IMF)の予測では、17年においても中国+6.5%、インド+7.1%とインドの優位が今後も継続する見込み。
中国はほかの主要な新興国と比較すると、今後も高い成長率を維持する見込みであるものの、経済の行き勢いに陰りが出ています。IMFは、中国の成長率が今後さらに成長率が低下すると予想しています。




おはようございます。世界経済の長期停滞について見ます。
1. 世界経済の概観
まず、世界経済のこれまでの推移を見ておきましょう。世界経済の成長率は、1930-90年には+3.84%であったものの、08-16年には+3.23%に、16年には3.08%に低下(図表1参照)。特に先進国では顕著に低下しており、米国では83-90年+3.36%から、01-07年+2.45%、16年には+1.58%に低下。ユーロ圏、日本も大幅に低下しているほか、新興・発展途上国でも低下傾向にあります。




中南米主要国のうち、前回のチリに続いて、メキシコを見ます。
1. CPI上昇率はやや加速
メキシコ国立地理情報研究所は7月7日に、メキシコの6月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+6.31%になったと発表(図表1参照)。5月の同+6.16%からやや加速。市場予想の+6.34からはやや下振れ。





前回のチリに続き、今回はペルーを見ます。
1. 金利を2回引き下げ
ペルー中央準備銀行は17年5月11日の金融政策決定会合で、政策金利を▲0.25%ポイント引き下げて4.00%にすることを決定(図表1参照)。その後、7月13日の同会合でも▲0.25%ポイント引き下げて3.75%としました。
中銀は政策金利を引き下げたことについて、「インフレ率は17年の目標値(+1.0〜3.0)の範囲内にある。食品とエネルギーを除くインフレ率は低下を続けており、目標値の範囲内にある。国内経済の成長率は、潜在成長率を引き続き下回っている。政府と民間の支出の増加により、今後成長率は上向くと予想される」としました。





前回のアルゼンチンに続いて、今回はチリを見ます。
1. 金利を5月に引き下げ
チリ中央銀行は5月18日の金融政策決定会合で、政策金利を▲0.25%ポイント引き下げて2.5%にすることを決定(図表1参照)。
中銀は会合後の声明で、「国際的な金融環境は引き続き好ましく、経済指標は、先進国における力強い成長のシナリオを後押している。消費市況は引き続き区々の動きで、銅価格は下落している」としました。
さらに中銀は、「国内に目を移すと、インフレ率は+2.7%にとどまっており、近い将来の予想は目標値に近い。生産と需要の予想は3月の金融政策報告に沿ったものであり、鉱業と建設ではネガティブな影響がある」としました。





中南米主要国のうち、ブラジルに続いてアルゼンチンを見ます。
1. 金利が高止まり
アルゼンチン中央銀行は6月27日に、政策金利を26.25%と、5会合連続で維持(図表1参照)。中銀は、インフレとの取り組みについては成果を強調し、同行の目標である17年中の+12〜17%という目標に向けてインフレ抑制姿勢を継続すると強調。






中南米主要国のうち、まずブラジルを見ます。
1. 政策金利を▲1.00%ポイント利下げ
ブラジル中央銀行は5月31日の金融政策委員会で、政策金利を▲1.00%ポイント利下げして10.25%にすることを決定(図表1参照)。利下げ幅は6会合連続。ブラジルは2年連続でマイナス成長となったものの、足下では景気に下げ止まり感もあります。中銀は、さらなる緩和により景気の下支えを図っています。
前回2月会合の▲0.75%から拡大。利下げは5会合連続で、全員一致。16年10月以来の利下げ幅は合計で▲3.00%ポイント。中銀は、利下げ幅▲1%以上の金融緩和を今後も続ける姿勢を見せています。
▲1%の引き下げ幅は、前回4月の会合に続いて2回連続。ブラジルでは、インフレ率が急速に低下しており、5月の消費者物価指数(IPCA)が+4%を割り込むなど、長年の課題であるインフレ抑制が実現しつつあります。そのため、金融緩和の余地が拡大しています。
中銀は声明で「インフレ率は好ましい水準を維持している。ブラジル経済は短期的に安定し、長期的には徐々に回復している」としました。ブラジル地理統計院(IBGE)が31日に発表した統計では、失業率が3年ぶりの低下に転じました。




ブラジルなど中南米主要国は、2008年前半までは、世界的な資源ブームにより大きく潤うこととなりました。ただ、特に14年には原油価格などが急落し、曲り角を迎えました。16年以降には、資源価格の回復とともに、景気回復の動きも見られます。主要国の現状と今後の展望を探ります。
1.中南米の概観
中南米諸国全体では、人口が6億290万人、名目国内総生産(GDP)5兆7990億ドル、1人当たりGDPは9,619ドル(国際通貨基金=IMF 2014年 データ)(地図1参照)。全体として、原油、鉄鉱石、銅などの鉱産物資源に恵まれており、ブラジル、アルゼンチンを中心として農産物の生産も盛ん。人口も多く今後の発展が期待されていますが、製造業の発達は必ずしも順調ではありません。






中東における「アラブの春」が始まったのは2010年12月。その後約7年半が経過し、中東では混乱が継続しています。トランプ政権の中東への関与、中東諸国の政治情勢、原油価格の動向などを見ます。
1. 北アフリカ、中東諸国の概要
中東、北アフリカにおける反政府、民主化運動である「アラブの春」の主要な舞台は中東及び北アフリカですが、そもそも、どの国がそこに含まれるのでしょうか。この地域は非常に広く、西はモーリタニア、西サハラから北はトルコ、南はソマリア、東はイランまで、多くの国が含まれます(地図1参照)。
民族もアラブ人だけがいるわけではなく、また宗教も、イスラム教が優位な国ばかりではありません。経済的な発展段階も、イスラエル、カタールのように比較的1人当たりの国民所得の高い国から、スーダン、ソマリアのように非常に貧しい国まで、変化に富んでいます。
また、中東・北アフリカ諸国では、石油が豊かであるとのイメージがありますが、サウジアラビアなど湾岸諸国とリビア、アルジェリアを除くと、モロッコ、トルコなどでは石油を産出しているわけではありません。石油の産出がない国においては、経済的な貧しさが不満となり、反体制運動に結び付いている場合もあります。






前回の財政、政治に続き、リスク要因、課題、為替、株価などを見ます。
1. 人口
ロシア経済にとって、最大の足かせとなるのは人口問題。人口の予測で代表的なものとして、国連人口統計(UN World Population Prospects, 2015Revision)があります。この統計によると、ロシアの人口は、2010年には1億4295万人となっています(図表1参照)。





前回は足下の景気、金利と物価、外貨準備高を見ました。今回は財政、欧米による経済制裁、政治などを見ます。
1. 財政バッファーを温存
ロシアの財政は、かなりの部分を原油及び天然ガスなど鉱物資源に頼おり、原油価格・天然ガス価格低迷により、財政赤字が拡大。2015-16年には、原油価格低迷により、財政赤字が拡大。財政赤字の埋め合わせのために、財政バッファー(基金)の取り崩しが進行。
財政バッファーは予備基金と国民福祉年金に分かれており、予備基金はロシア中銀への外貨建て預金として全額支出目的は、在氏江赤字の補填と、対外債務の繰上償還。国民福祉基金の支出目的は、年金基金の赤字補填と、任意追加保険料の積み増し補助。
17-19年には、歳出削減により、財政赤字を縮小させることにより、財政バッファーを温存させる予定。1バレル=40ドルを想定しており、予備基金は17年途中で底をつくものの、国民福祉基金は17年末時点で430億ドルが残ると想定(図表1参照)。



前回は他のBRICs諸国との成長率・株価の比較、経済構造の特徴などを見ました。今回は足下の景気、金利と物価、外貨準備高などを見ていきます。
1. 10-12月期GDP成長率は+0.3%
ロシア連邦統計局が3月31日発表した統計によると、10-12月期国内総生産(GDP)は、市場の予想通り、前年同期比+0.3%(図表1参照、速報値)。昨年10-12月期の▲0.4%からプラス圏に浮上しました。7四半期にわたるマイナス成長から脱却。16年通期では▲0.2%で、速報値から変わらず。




ウクライナ問題を契機とした欧米諸国による経済制裁、原油価格の低迷により、ロシア経済は昨年までは低迷していました。このところ、景気にはやや明るい兆しも見えます。ロシア経済を展望します。
1. ロシアの基礎データ
ロシアの面積は約1,707万km2。2位のカナダの998万km2を大きく上回っており、世界第1位。日本の45倍、米国の2倍近い。また、人口は1億4441万人(2015年)で、世界9位(図表1参照)。宗教はロシア正教が多いものの、イスラム教、仏教、ユダヤ教徒などもいます(以上、日本外務省による)。
ロシアは広大な領土に豊富な資源を有しており、また強力な軍事力を背景に、外交・政治的にも大きな影響力を誇っています。国連安全保障理事会の常任理事国でもあり、シリアに対する国連の制裁について、中国と共に反対しています。国連の常任理事会では、欧米諸国と対立する場面が増えています。
























































中南米主要国のうち、前回のチリに続いて、メキシコを見ます。
1. CPI上昇率はやや加速
メキシコ国立地理情報研究所は7月7日に、メキシコの6月の消費者物価指数(CPI)が、前年同月比+6.31%になったと発表(図表1参照)。5月の同+6.16%からやや加速。市場予想の+6.34からはやや下振れ。





前回のチリに続き、今回はペルーを見ます。
1. 金利を2回引き下げ
ペルー中央準備銀行は17年5月11日の金融政策決定会合で、政策金利を▲0.25%ポイント引き下げて4.00%にすることを決定(図表1参照)。その後、7月13日の同会合でも▲0.25%ポイント引き下げて3.75%としました。
中銀は政策金利を引き下げたことについて、「インフレ率は17年の目標値(+1.0〜3.0)の範囲内にある。食品とエネルギーを除くインフレ率は低下を続けており、目標値の範囲内にある。国内経済の成長率は、潜在成長率を引き続き下回っている。政府と民間の支出の増加により、今後成長率は上向くと予想される」としました。





前回のアルゼンチンに続いて、今回はチリを見ます。
1. 金利を5月に引き下げ
チリ中央銀行は5月18日の金融政策決定会合で、政策金利を▲0.25%ポイント引き下げて2.5%にすることを決定(図表1参照)。
中銀は会合後の声明で、「国際的な金融環境は引き続き好ましく、経済指標は、先進国における力強い成長のシナリオを後押している。消費市況は引き続き区々の動きで、銅価格は下落している」としました。
さらに中銀は、「国内に目を移すと、インフレ率は+2.7%にとどまっており、近い将来の予想は目標値に近い。生産と需要の予想は3月の金融政策報告に沿ったものであり、鉱業と建設ではネガティブな影響がある」としました。





中南米主要国のうち、ブラジルに続いてアルゼンチンを見ます。
1. 金利が高止まり
アルゼンチン中央銀行は6月27日に、政策金利を26.25%と、5会合連続で維持(図表1参照)。中銀は、インフレとの取り組みについては成果を強調し、同行の目標である17年中の+12〜17%という目標に向けてインフレ抑制姿勢を継続すると強調。






中南米主要国のうち、まずブラジルを見ます。
1. 政策金利を▲1.00%ポイント利下げ
ブラジル中央銀行は5月31日の金融政策委員会で、政策金利を▲1.00%ポイント利下げして10.25%にすることを決定(図表1参照)。利下げ幅は6会合連続。ブラジルは2年連続でマイナス成長となったものの、足下では景気に下げ止まり感もあります。中銀は、さらなる緩和により景気の下支えを図っています。
前回2月会合の▲0.75%から拡大。利下げは5会合連続で、全員一致。16年10月以来の利下げ幅は合計で▲3.00%ポイント。中銀は、利下げ幅▲1%以上の金融緩和を今後も続ける姿勢を見せています。
▲1%の引き下げ幅は、前回4月の会合に続いて2回連続。ブラジルでは、インフレ率が急速に低下しており、5月の消費者物価指数(IPCA)が+4%を割り込むなど、長年の課題であるインフレ抑制が実現しつつあります。そのため、金融緩和の余地が拡大しています。
中銀は声明で「インフレ率は好ましい水準を維持している。ブラジル経済は短期的に安定し、長期的には徐々に回復している」としました。ブラジル地理統計院(IBGE)が31日に発表した統計では、失業率が3年ぶりの低下に転じました。




ブラジルなど中南米主要国は、2008年前半までは、世界的な資源ブームにより大きく潤うこととなりました。ただ、特に14年には原油価格などが急落し、曲り角を迎えました。16年以降には、資源価格の回復とともに、景気回復の動きも見られます。主要国の現状と今後の展望を探ります。
1.中南米の概観
中南米諸国全体では、人口が6億290万人、名目国内総生産(GDP)5兆7990億ドル、1人当たりGDPは9,619ドル(国際通貨基金=IMF 2014年 データ)(地図1参照)。全体として、原油、鉄鉱石、銅などの鉱産物資源に恵まれており、ブラジル、アルゼンチンを中心として農産物の生産も盛ん。人口も多く今後の発展が期待されていますが、製造業の発達は必ずしも順調ではありません。






中東における「アラブの春」が始まったのは2010年12月。その後約7年半が経過し、中東では混乱が継続しています。トランプ政権の中東への関与、中東諸国の政治情勢、原油価格の動向などを見ます。
1. 北アフリカ、中東諸国の概要
中東、北アフリカにおける反政府、民主化運動である「アラブの春」の主要な舞台は中東及び北アフリカですが、そもそも、どの国がそこに含まれるのでしょうか。この地域は非常に広く、西はモーリタニア、西サハラから北はトルコ、南はソマリア、東はイランまで、多くの国が含まれます(地図1参照)。
民族もアラブ人だけがいるわけではなく、また宗教も、イスラム教が優位な国ばかりではありません。経済的な発展段階も、イスラエル、カタールのように比較的1人当たりの国民所得の高い国から、スーダン、ソマリアのように非常に貧しい国まで、変化に富んでいます。
また、中東・北アフリカ諸国では、石油が豊かであるとのイメージがありますが、サウジアラビアなど湾岸諸国とリビア、アルジェリアを除くと、モロッコ、トルコなどでは石油を産出しているわけではありません。石油の産出がない国においては、経済的な貧しさが不満となり、反体制運動に結び付いている場合もあります。






前回の財政、政治に続き、リスク要因、課題、為替、株価などを見ます。
1. 人口
ロシア経済にとって、最大の足かせとなるのは人口問題。人口の予測で代表的なものとして、国連人口統計(UN World Population Prospects, 2015Revision)があります。この統計によると、ロシアの人口は、2010年には1億4295万人となっています(図表1参照)。





前回は足下の景気、金利と物価、外貨準備高を見ました。今回は財政、欧米による経済制裁、政治などを見ます。
1. 財政バッファーを温存
ロシアの財政は、かなりの部分を原油及び天然ガスなど鉱物資源に頼おり、原油価格・天然ガス価格低迷により、財政赤字が拡大。2015-16年には、原油価格低迷により、財政赤字が拡大。財政赤字の埋め合わせのために、財政バッファー(基金)の取り崩しが進行。
財政バッファーは予備基金と国民福祉年金に分かれており、予備基金はロシア中銀への外貨建て預金として全額支出目的は、在氏江赤字の補填と、対外債務の繰上償還。国民福祉基金の支出目的は、年金基金の赤字補填と、任意追加保険料の積み増し補助。
17-19年には、歳出削減により、財政赤字を縮小させることにより、財政バッファーを温存させる予定。1バレル=40ドルを想定しており、予備基金は17年途中で底をつくものの、国民福祉基金は17年末時点で430億ドルが残ると想定(図表1参照)。



前回は他のBRICs諸国との成長率・株価の比較、経済構造の特徴などを見ました。今回は足下の景気、金利と物価、外貨準備高などを見ていきます。
1. 10-12月期GDP成長率は+0.3%
ロシア連邦統計局が3月31日発表した統計によると、10-12月期国内総生産(GDP)は、市場の予想通り、前年同期比+0.3%(図表1参照、速報値)。昨年10-12月期の▲0.4%からプラス圏に浮上しました。7四半期にわたるマイナス成長から脱却。16年通期では▲0.2%で、速報値から変わらず。




ウクライナ問題を契機とした欧米諸国による経済制裁、原油価格の低迷により、ロシア経済は昨年までは低迷していました。このところ、景気にはやや明るい兆しも見えます。ロシア経済を展望します。
1. ロシアの基礎データ
ロシアの面積は約1,707万km2。2位のカナダの998万km2を大きく上回っており、世界第1位。日本の45倍、米国の2倍近い。また、人口は1億4441万人(2015年)で、世界9位(図表1参照)。宗教はロシア正教が多いものの、イスラム教、仏教、ユダヤ教徒などもいます(以上、日本外務省による)。
ロシアは広大な領土に豊富な資源を有しており、また強力な軍事力を背景に、外交・政治的にも大きな影響力を誇っています。国連安全保障理事会の常任理事国でもあり、シリアに対する国連の制裁について、中国と共に反対しています。国連の常任理事会では、欧米諸国と対立する場面が増えています。





















































