化粧考:広告2
化粧の広告の一例として口紅の広告をとりあげ、 口紅に求められているものが4点あることを述べました。以下では残り3点について述べたいと思います。
2つめは「潤いをあたえる」口紅であることです。潤いを与える機能が支持されている理由としては、 潤いが自然らしさのイメージを象徴していることが大きいです。時期的には1990年代以降ですが、 自然らしさ、癒しといったイメージが重視されるようになったことと連動していると思います。
3つめは「自分らしさを表現できる」口紅であることです。 1980年代以降自分らしさや自分探しといった言葉が社会のキーワードとなっていきました。 口紅をはじめとする化粧も自分らしさを表現する 1つの手段として特に女性からも重視されるようになりました。
4つめは「女性性をアピールする」口紅であることです。 1990年代前半までは女性性をアピールするということはイコール男性へ媚を売る行為だとして、 否定的な見方が支配的でした。しかし1990年代後半になっていくと、 女性たちもキャリアを意識した社会の中で生活しながら少しずつ女性性をアピールすることを認めるようになってきているようです。 そうした中で女性性をアピールする1つの手段として、化粧としての口紅が支持されるようになっていきました。 なぜなら、唇は女性の身体・輝き・膨らみ・キスなどを連想することができ、女性にとって自身の女性性を発揮できる武器になるからです。
以上口紅に求められている4点をみてきたが、 社会的な義務として化粧 の好き嫌いを問わず女性なら「落ちない」口紅を求められるという側面と、 美的な表現として自然さ・自分らしさ・女性らしさという二つの側面が求められていることがわかります。