イタリア日記2006/9月


今回はこのオヤジが道連れでした
モレッティと申します

【9月のイタリア日記】

<暑かった夏が去り、まだ日本にいた>

   最近のイントロはこればっかりである。休みが取れるのか取れないのか、はっきりしてほしいところだが、その答えを待っていたら、 何もかも万事遅すぎてしまうのである。組織改革だなんだかんだで、皆どこか浮き足だっており、 猫の集会のように、とりあえず顔をつきあわせて安心している、というカタマリが、毎週あちこちに出没する。 通常の作業もとどこおりがちになり、そんなワタシの夏休みも宙に浮いたような様子で、暑い東京の夏をやりすごしていた。 とにかく今年は、パ・リーグの野球が最後の最後までこじれていた。 これも毎年試行錯誤を繰り返し、改正されるプレーオフルールの賜物であった。妙に食い下がるハムとソフトバンクに辟易しながらも、 絶対有利な展開の西武の 結末をじっくり見届けるという休みでもよかったのだが、やっぱり夏休みはもっといつもと違う事がしたい ではないか。どうしよう、どうしよう...と...悩むまでもないではないか。イタリアへ行こう。

 5月の香港の時に思った事を実行すればよかったのだ。これまで、何度も何度も訪れて大好きな香港だが、それと 同じような感覚でイタリアへ行ってみればいいじゃないか。と。どちらかというと音に違和感を感じる広東語に囲まれて いるよりも、好きでたまらないイタリア語が聞こえるところにいる。それだけで滞在する価値があるというもの。そして、そんな ふらりとした日々に敢えて同行者はいらないだろう、ということで、密かに、こっそりと、しかし綿密に計画を進行して いったのであった。懸念していた「え、イタリアへひとりで行くの?」という事に対する反論は、意外にも、ごく親しいひとり を除いて「そうだよーひとりで行ってきなよー気楽ぢゃんーいいぢゃん」と、後押ししてくれる言葉ばかりであったのが何よりであった。 ひとりが心配な気持ちはわかるし、有り難いのだが、そう心配ばかりされると、 その心配事が現実になるように暗示をかけられてしまうような気がして、どうもイヤな感じがしていた。 いつも自分なりにあらゆる事態を想定して計画をしているつもりのワタシにとって、 最初から心配だからというだけで、ダメだしされるのは納得いかない事もあった。 が、まあ、敢えて言えば、ひとりだと、食事がサビシイってのはあるし、不測の事態に対処するには、 ひとりでは心細いかもしれない。が、悪いことが起こる事 ばかり考えても何も前に進まない。それよりも、なんでも自分でやってみて「慣れる」ことなのだ。 また、イタリア人に見習って、「一発逆転サヨナラ体質」や「終わりよければすべて良し」 がとにかくイイと思うんだがなあ...人生って。

 そんな状況なので、強硬な反対に遭った場合や、会社に反対(うーん。あるかな?)されたりした場合、 最悪キャンセル料払ってもいいかな、なんて思ってとにかく飛行機を押さえてみた。そうすると、なんだか 気持ちが更に前向きになってきて、いつものワクワク感が蘇って来るのだった。その期間何かイベントはないものか?と、 サイトで探していると、火災から8年を経て再建されたヴェネチアのフェニーチェ劇場で、バレエの興行がある。 2003年に再オープンしたこの劇場は、ワタシは未だに足を踏み入れたことがなく、とにかく行ってみたい劇場のひとつであった。 ちょうど演目も「ロミオとジュリエット」で解りやすいし、またまたいちばんエコノミーな席をゲットすることができた。いちおう、 注意書きで、この席は音楽だけで舞台は見えない可能性もあります。なんてあったのだが、まあ、いいや。と思い 購入した。2月の教訓で、本当は、次回劇場に行くときはもっと良い席で見よう、と思っていたのだが、昨今の ユーロ高で100だの200だのが途方もなく高額に感じてしまい(実際値段が高騰しているらしいが)、 やはり「参加席」でもいいか、ということになったの であった。ヴェネチアも2002年に訪れて以来4年ぶりとなる。最近「カサノヴァ」という映画を観て、ああ、ヴェネチア が私を呼んでいる〜と思ったものであった。その映画が、ちょっとイマイチ(どうも英語しゃべってるカサノヴァってのもねえ... 違和感あり)だったこともあり、久しぶりにヴェネチアをぶらぶらしたいなあ〜と、思ったのであった。チケットが24日日曜日 の15時半からなので、前日にはいって、2泊ぐらいしてみよう。ホテルは、荷物があるので駅前で探そう..ということに なった。

 さて、その他の旅程なのだが、ダイレクトにヴェネチアにはいる便があまり空きがなく、夕方乗り継ぎの 夜到着になるため、陸路(鉄道)で22日にミラノからはいる ことにした。しかし、その週はミラノのファッションウィークで、とにかくホテル代が高騰している。ほとんどアリエナイ値段を、 いつもの駅前ホテルが提示しているので、ホテル探しに苦心してしまった。到着した日はホント寝るだけだと思うのに、 2万円近く払うなんて...でも、それほど部屋に空きが出るでもなく、いくらミラノ広しといえど、キャパが限られているのだなあ、 と、痛感する。香港のようにラストミニッツで安い部屋を放出するのとは違い、あくまでも、空き待ち。 ちょうど、スカラ座の裏手にあるホテルが一瞬一部屋だけ130ユーロで空きが出たのでゲット。それでも 高いなあ〜と思ったのだが、中心部でこの値段はこの先ないかもしれないので、ここを押さえることにした。 ヴェネチアは、駅前ホテルで90ユーロだったのだが...。ミラノ1泊−ヴェネチア2泊−ミラノ2泊の予定で、 そのあとのミラノのホテルは、かなり安く取ることができた。ああ、3日ぐらいずらせばよかったかもしれないが、 そうは言ってられない。上半期最後の1日は東京に戻って、仕事のつじつま合わせをしなければならないのであった。 更に、ミラノで2泊するのだからスカラ座でも興行はないものか?と、見たところ、ヒンデマンの「聖スザンナ」という 作品が上演されるようなので、ヴェネチアから移動したその日の夜に行くことにした。もちろん「超エコノミー席」。 シートプランを見てみると、安い席でも、バルコニーの最前列であったので、ひょっとしてエコノミーにしては「良席」 の予感がしたのであった。

 そんなこんなで、いくつかイベントを入れて、あとはのんびり秋冬モノのお買い物にいそしもう... といった感じで旅立つ計画は完了した。 あとは、ヴェネチアとミラノ間の移動だが、今回FS(国鉄)のサイトから、座席指定も含めた購入が出来る、というのを 試してみることにした。ESはチケットレスということも出来るようだが、駅の自動券売機でチケットを取り出す「セルフ サービス」で購入してみた。以前、この自動券売機にトライしたときは、使い方が良くわからなくて困ったことが あったが、それよりも進化しているだろうと思われたので、どうなるかわからないけど、やってみることにした。さて、 無事にチケットを受け取ることができるのだろうか...?しかし、それが出来るとなると、毎回窓口で長蛇の 列に並んでへろへろになりながらチケットをゲットする手間も時間もはぶけることになる。それはそれは、ワタシの イタリアでの生活に画期的な事になることは間違えなかった。また、海外モバイルにも挑戦したいなあ〜と思って、 イタリアの無料プロバイダに登録して、 ザウルスと通信カードをいくつか準備したのだが、ホテルにそういった設備があれば成功するのだが、そうでなければ ネットポイント通いをすればいいことなのだが...。イタリアでネットラジオの野球中継を聞きたい!と思っていた ので、ホテルの設備に大いに期待をしてみるのだが...。その他にひまつぶし「電子文庫」を何冊かインストールして、 ああ、こんな形で本を読むようになるとは思わんかった..などと思いつつも、軽量化を目指す旅行者にとって、 これはこれで画期的だなと、ひとり納得するのであった。

 そんなこんなで、準備を重ねるうちに、なんとか仕事も休めるモードに変わりつつあったので、あとで良いものは後回し。 遅れてもいいものは、遅れちゃえ...なんて感じで休暇に突入したのであった。(最初からそのつもりだったのだが...)
 

★9月22日(金)★

<テロ未遂の後遺症は如何なモノか?>

 先日、英国に於いて、航空機に対するテロ未遂の摘発があり、関係国の便は搭乗客にも不自由を強いる事となり、 「またかあ〜」と なんともやるせない日々が続いていた。いくつかの液体を混ぜ合わせて爆発物をその場で作る方法が採られたようで、 米国便は、機内にペットボトルも目薬も化粧品も何もかも持ち込みが規制されて空身でせまくて乾燥した機内に身を置かなければ ならないとは、なんと過酷なフライトだろうか...。イギリス便は、ここまでの規制は緩和され、ほぼ通常どおりとの ことであったが...。そんなこんなで、成田の保安警備体制も強化されており、おそらく、 何をするにも長蛇の列が出来ているのでは?と警戒していたのだが、午後一の便で時間帯もわりと出国ラッシュ時と 違うために、全然全く混乱もなく、むしろいつもよりも空いている感じであった。全日空などが第2ターミナルから第1 ターミナルへ引っ越しが完了したからそうなのかもしれないが、 それにしても、気合いを入れて来たのに拍子抜けであった。まあ、良いほうで あれば問題ないか...。タダ、いつものように売店で雑誌と水を買うときに「アメリカ便ですか?」と、聞かれたりした。 きっと、そうだと言ったら、持ち込めない旨言われることであろう。今後この先一切、何事も起こらないことを 祈らずには居られないなあ...。

 がらがらのゲートに向かうと、ミラノ便のところだけ、徐々に人で埋まってきた。今回の客層は、おそらくファッション 関係をハシゴしていると思われる、それ系の商人(先週はNYだった...なんていうハナシをしながら 歩いていた)。もちろんパッケージツアーの老若男女のカタマリ。そしてガイジン枠では、 楽団とおぼしき、楽器を手荷物で携行したイタリア人が多く乗っていた。劇場のオフシーズンに、きっと日本で 出稼ぎをした楽団員達だろうなあ...と思われた。今回も2階席に乗り込むと、行きの便から手荷物入れは 結構満杯であった。仕事関係のニホンジンだろうか?お隣は2人女性で、連れではなさそうだったので、 一人旅も結構いるんだなあ〜と思っていたが、実はダンナらしき連れと離ればなれになっている人達のようだった。 (まん中のひとはもうひとりに話しかけていたけど、こちらには話しかけてこなかったなあ..。同じツアー同士なのかもなあ) 通路の反対側には、アンダーテイカーのようなものすごい刺青(でも出来はイマイチ)のイタリア人... といった顔ぶれであった。

 途中、最初のミールサービス中に結構揺れが来たが、概ね航路良好で、例によってつつがない12時間を 過ごした。なんだかだんだん、飛行時間も苦にならなくなってきたなあ。これで慢性的肩こりと首の痛みが クリアできれば、非常に快適なひとときとなるのだけどね...。

<して国鉄切符は手に入ったのか?>

   飛行中は目が疲れるので、ほとんど個人用テレビは見ないのだが、どうも、システムトラブルがあったようだ。 映画をタノシミにしている人はカワイソウだったかもしれないが、修理に戻るわけに行かないのでしょうがない。 マルペンサ空港にはほぼ定刻に到着する。18時を回っていたが、まだまだ日が長く外が明るいミラノだった。 日本がずいぶん暗くなるのが早くなってきた季節だが、明るい時間に到着できるのは何よりである。例によって 延々と待たされるターンテーブルから、ようやく出てきた荷物(今回は移動が多いので、軽いキャリーバッグを 持ってきた)を持って、到着ロビーを出る。そういえば、いつも思うのだが、特別警戒というのは、あるのだろうか? ないのだろうか..と、出てしまってから思うのであった。まあ、何も起こっていない時はそんなものなのかもしれないが...。 1泊目のホテルが、街の中心部なので、今回はマルペンサエクスプレスを使ってみようかと思ったが、何しろ高い! バスの3倍もするから、「ユーロ高貧乏」のワタシは節約節約...と言いながら、中央駅までのバスチケットを買う。 バスに乗り込もうとすると、イタリア人のオネーサンに「チケットはどこで買うのかしら?」などと聞かれる。中で売ってるよ、 と教えてあげるが、実は運転手からも買うことができるようだった。まあ、でもおつりが無いとか言われるかも知れないので、 中で正解だと思うが...。バスはすぐに出発となり、国内線ターミナルを経由して中央駅へ向かう。その間約1時間 ほどだが、すっかり陽が暮れて、外は真っ暗になっていた。中央駅のやたらと大きい建物が見えてくると、ああ、また ミラノに来れたなあ〜としみじみ思う。バスの車内も何故か真っ暗にしてあったので、ぼんやりとオレンジ色の明かりが 浮かび上がって来てミラノの夜らしいなあ..と思っているうちに到着をする。

インターネット予約のチケット受け取りは
駅でこの機械を探してね
(結構たくさんあります)


 中央駅は現在大規模なリフレッシュ工事を行っている最中である。今、以前タクシーなどの車回しがあった正面の 部分を改築している。なので、入り口はこれまでより限定されていて、 側面のエレベーターを上がってホームへ直接出るか、真正面からはいる事に なる。そういえば、車回しの隅の方に、いつもごみの山にうずもれるようにホームレスが1人棲んでいたが、その人は どうなったのだろう?なんて事を考えながら、正面から切符売り場へ向かう。例のネットで取ったチケットを、自動券売機で ピックアップするためである。切符売り場のレイアウトは、特に今のところ変更がないようで、座席指定・当日・予約等々 に別れている窓口のそれぞれに、かなりの台数が置いてある自動券売機を使う。サイトで予約完了した時のプリントアウト を持参し、画面に向かう。タッチパネルで英語を選択(イタリア語でもいいけどね)。メニュー画面が出たら、左下 あたりにあるインターネットの所をタッチ。次の画面で、予約時に付与されている「PNR」記号をタッチ入力。次の画面に 移り、そこでは「苗字」のみ入力をし次へ進むと、予約内容が表示される。それで間違えがなければ、発券のボタンを 押して、しばし待つだけでチケット受領完了である!すごーい。イタリアにあるまじき便利さ。素晴らしい〜!と、往復分 手にしたワタシは、ひとつまたイタリア生活が楽になったことを喜び、メトロに向かう。

 メトロではキオスクの切符窓口が 閉まっていたため(7時頃までか?)これまた券売機へ。かつて、この券売機周辺に、小銭せびりのワカモノがいたが、今 はずいぶん明るくなって、すこし安全な感じである。今日はもうホテルへ行くだけなので1ユーロの1回券を買う。ここでも、 なにがしか尋ねてくるイタリア人が居たが、今日着いたニホンジンが答えられる内容ではなかったので、パス。黄色線で Duomoへ行き、赤に乗り換える。ここでも、大きいオネーサンにLinea1(赤)はどっち?と聞かれる。なんでワタシに聞く のかなあ...。まあ、誰でもいいみたいな雰囲気だけどね。Duomoから2つ目の駅で、ホテルの方向と思われる出口 で出る。が、予想に反して、この辺はかなり栄えた(?)場所であり、来たこともない所なので、なんとなく目測を誤る。 広くて明るいダンテ通りにすいよせられてしまったが、その裏手なんだけどなあ〜と、とぼとぼ。困ったなあ〜というところに、 アジア系の住民が通りかかったので、ホテルスターはどこでしょう?スカラの裏あたりなんだけど....と言ったら、 数人で悩んでくれて、ぢゃあスカラのほうに歩きましょう..と歩き始めたところの路地に目をやると、「をっ!あった〜!」。 皆さんには丁寧にお礼を言って、ホテルに向かった。時間は夜の9時過ぎであった。

いまいちぱっとしませんが立地抜群「スター」ホテルの内部
シンプルですが、ミストサウナ付きが長旅の疲れを癒してくれます...。



<ホテルスターとミスイタリアの夜>

 ホテルスターは、迷わなければ実に便利なところにある。トラムウェイにも近く、Duomo駅にも歩ける距離にある。 スカラ座のちょうど裏手にあたり、お買い物にも観劇にもベストな立地ではないのだろうか?そして、この時期だから 仕方ないけれど、普段はもっと安く泊まることが出来るので、この界隈の高級ホテルと比べモノにならないほど、 エコノミーかつ便利ではないのだろうか?部屋には、日本語はないがケーブル放送で各国番組が見られ、何故か シャワールームにはミストサウナが付いている部屋だった。他の部屋では、ジャグジーが付いていたり、微妙に 豪華な設備投資がされている。でも部屋は至ってシンプルで、ミニバーもあり(しかもちょっと休めの価格設定)、全く 問題のない部屋であった。しかし、目的のインターネットアクセスは無く、これについては、事前にホテル側から メールでその旨お知らせがあった。それには、交通が便利だけれども、トラムの音など気になるかも知れません。 24時間フロントが空いているので、遅く到着もかまいません。禁煙・喫煙の別はありません。 ネット関係はありません。もしそういったことが気になるのであったら、キャンセル承ります。といった内容であった。 なるほどねえ〜。枕の上には、キャンディーかチョコかとおもったら、耳栓がおいてあった。更になるほどねえ〜。 テレビではこの日、ミスイタリアの決勝が行われており、イタリア屈指の美女達が 黒いビキニスタイルで延々競い合っていた。何故かそのゲストにシルベスタースタローンが出ていたのが、ちと不思議な 気がしたのだが...イタリアでは依然人気があるのだろうか...。ミスコンには合わないような気もするがね。 結局その日は、チケットもゲットしたことだし、長旅で疲れたので、ミスイタリアを見届けて、早めに休むことにした。 ミストサウナがなかなかいい〜。ウチにも欲しいなあ〜。

国営放送サイトからちょいと拝借:いやあ〜美しいですなあ〜
あとで良く見てみたらルカ・トニ(フィオレンティーナ)もゲストに来てましたよ。

★9月23日(土)★

<出鼻をくじかれて駅で読書をすることになる>

 そういえば、ホテルからのメールにもコンセプトとして「朝食はしっかりとっていただきたく」というようなことが書いてあったような 記憶があるが、階下の朝食室へ向かうと、皆一様にテンションの低い人々が、もそもそとパンとコーヒーの朝食 を摂っていた。そう、言うほどの朝食ではなかったのが残念であったが、まあ、こんなもんだろうと思う。ヨーグルト と思って取ったカップものが、バニラ味の甘甘であったのはちと衝撃的...。ほかの客のテンションの低さが伝染りそうだったので、 早々に朝食室からは引き上げることにした。部屋に戻ると、鍵が古いタイプなので、なんと、上手く開けられない! 隣の部屋を掃除していたおばさんにタスケテもらい、事なきを得たが、最近カード式になれてしまっているので、 古い扉はますますニガテになってしまうのであった。(どうも逆に回していたような感じだったが、謎である)

 今日のヴェネチア行きの列車はお昼頃なので、駅前のネットポイントに立ち寄ってからヴェネチアへ向かうことに した。10時過ぎにチェックアウトして、天気も良くてサワヤカな日だったので、Duomoまで歩いて行くことにした。 きちんと地図で位置を確認したので、もう大丈夫、ばっちり。そろそろスカラ座の脇に出るハズなんだがなあ...と、 てくてく歩いていくと...なんと、一駅先のモンテナポレオーネにまで来てしまった。とほほ〜。この界隈、ちょっと 歩きが足りないのかもしれないなああ〜。でも、ちょうどよく黄色線に出たので、そのまま中央駅へ行けば良く。 とりあえずラッキーなのかな?ようするに、このへんは、地下鉄にのるほどの距離でない中に収まっているということ。 そのサイズを把握できていないと、また行き過ぎたり、迷うに違いないなあ...。

 黄色線で中央駅に出る。今日は良い天気だ。気温はあまり変わらないかもしれないが、東京よりカラリと しているので、とても過ごしやすい。地下鉄のエスカレーターを上がると、あの巨大な石の建造物が青空をバックに現れる。 とりあえず、駅前にあるネットポイントへ荷物をひきずって向かうが、なんと、いつもは結構朝早くからやっているのだが、 今日に限って12時からと言う貼り紙がしてある。がががーん。こんなことなら、もっとホテルでごろごろしているのであった。 まったくもう...と、仕方がないので、荷物を引きずって駅スーパーをぶらぶら。駅上スーパーは、出発客で結構混み合っている ので、荷物持って時間つぶしにはちょっと不向きかもしれない。とりあえず水などを買い、どこか座れるスペースを探す。 今日ヴェネチアまで行くCISは、ジュネーブから来る国際列車であるが、少々到着が遅れるとのアナウンスがあった。 いつまでも、ボードを眺めていても仕方がないので、新しく出来た切符売り場のあたりに腰を下ろして、今回持ってきた 電子文庫で音楽を聴きながら読書をする。ニホンジンって不思議だなあ〜という視線を、隣のオバサンから受けるも、 これが意外に良かったりするわけで...。これで本を何冊も持って行かなくても済むわけで...。ああ、ニホンジン万歳。 ザウルス万歳。無線LANでつなげれば尚良いのだがなああ...。(実は駅はWi-Fiゾーンのようだったが...後述)

 そうこうしているうちに、10分ほど遅れてジュネーブからのCISが入線して来た。指定の座席を探すのに毎回苦労 するのだが、今回は、コンパートメントではなく、オープンサロン席なのでわりとすぐに見つかった。テーブルの席で、 結局コンパートメントと同じで、常に向かい合っていなければならないのだが、今回の同席は3人組の女性グループ であった。彼女たちもヴェネチアへ行くみたいで、週末のプチバカンスで大変盛り上がっていたのだが、謎のアジア人が 居るために、ちょっと気になっていたようであった。とはいえ、楽しそうに、ずっと話で盛り上がり、お菓子も出たり...で、 やっぱりちょっとお邪魔だったかしらね。周りも週末旅行の母息子や、老夫婦など皆休日を楽しむ雰囲気だった。 途中、ブレシア−デセンツァーノ・ガルダ−ヴェローナ−パドヴァなどの主要な駅に停車をして、人が多少入れ替わり、 (でも常に満席状態であった。予約しておいてヨカッタ) 3人組はヴェネチアでも大陸側の駅、メストレで下車をしていった。メストレであれば、本島に渡るのも10分ほどで、 ホテルもずっと安い。賢いイタリアのOLさんたちといったところだろうか?彼女達が降りていくと、車内は急に静かになり、 列車もラグーナ(潟)側への橋を渡り、ようやくヴェネチアがその姿を現す。となりのブロックの、まだ子供なのに、ミランのピルロの ような、眠そうな不思議な目をした美しい少年が大音量のヘッドフォンをつけたまま、母親と近づいてくるヴェネチアの街を 窓から眺めていた。この辺に住んでいるのだろうか?こういう不思議な気配のする人々が棲む街のような気がするなあ。ここは。

<良き時代という名のホテルにて>

 CISでミラノから、およそ2時間半ほどでヴェネチアに到着する。4年前、ヴェローナの野外コンサート「アレーナ・デ・ヴェローナ」 へ行ったとき(演目はアイーダ)、帰りに足を伸ばして立ち寄って以来である。夏の暑さの中(特にヴェローナは蒸し暑かった)、 ヴェネチアをとにかく歩きたいと思ったからであった。永遠の都の変わらぬ美しさを確認して、ぶらぶらと時間の許す限り... と思っていたのだが、そのときは7月。ヴェローナよりも更に暑いヴェネチアでへろへろになりながら散歩を終え、一休みしたのが、 この駅前通りのあたりであった。その店はどこだか良く覚えていないが、とにかく、この駅前はラグーナの中とは違うが、ちょうど 門前町の目抜き通りのようになっている。人通りも非常に多く、ホテルも無数にあるようだ。たぶん、予約なしでも、この通り を1軒1軒あたっていけば、どこかに泊まれるにちがいない。と、そんなところに、今回のホテル「ベルエポック」がある。

屋根裏で梁の下で陽のあたらないシャワーブースのみの 部屋だけど
シャンデリアはヴェネチアングラス(たぶん)だぜい



 え、ここなの?って思うほど門前通りをちょっと行った左側にある。明るいガラス張りの扉のエントランスであった。フロントでは、 係と客がナニヤラもめていたようであったが、ワタシが声を掛けると、すぐにチェックインを行ってくれた。広々として、明るい 装飾に、アールデコ?ベルエポック?風のインテリアが、明かり取りの天窓に照らされて、とても柔らかく良い感じであった。 が、建物自体が古いらしく、我がシングルルームは、日本式に3階で、なんとエレベーターなどというものはない「屋根裏」部屋 感覚であった。昨日のホテルスターが、いちおう、玄関があって、バスへの扉、部屋への扉、と別れていたのだが、こちらは、 まず、木の梁が見えている部屋、その先にバスが着いているという感じ。窓はあるのだが、隣との壁が近すぎて、ほとんど 光が入らないところであった。なるほど〜。でも、欧州の建物は、窓が小さく、別に暗くてもどうってことがない事が多い。 特に、こんな伝統的人工的埋め立て島。そんなゆったりした土地などとんでもないのだろう。そのかわりに、おそらく、 ヴェネチアングラスと思われる、透明に金色の粉をちりばめたガラスで造った、豪華なシャンデリアが、その質素な部屋を 照らしていた。水もお湯も(ここはシャワーのみ。ミストサウナはない) テレビも問題ないしヴェネチア風のインテリアのクローゼットには、いちおうセーフティーボックスもあるし、カードキーなので 昨日みたいに閉め出される こともないし、冷蔵庫があれば尚良かったけど、とりあえず合格点では?と思い荷物をほどいた。

<ヴェネチアの歩き方>

 部屋でしばし一休みをしたのち、明日のフェニーチェ劇場の場所を確認がてら、ヴェネチア散策をしようということで 出掛ける。もう5時近くになっていたが、まだまだ全然明るく、日差しが少し暑いぐらいだった。ヴェネチアの場合、 ラグーナの中は車が進入できないため、移動は運河とアドリア海を走り回る、水上タクシーが主な交通機関となる。 しかし、何年か前に島巡りをした時の滞在を除いて、ワタシはほとんど徒歩でぐるぐる廻る。と、いうのも、水上バスというのは、 時間がかかるし、いつも満員だし、値段が高いし...と、あまり良いところが無いのだ。しかも、 最近料金改定 をされた様で、ラグーナの中央を通る大運河(キャナルグランデ)を一回券で通過することが出来なくなったようだ。 大運河通過用を買わないといけないらしく...なんだかややこしい...。 1日券などを買って用意すればどれも乗られて 良いのだが、元を取るには相当のりまわらないと...ようするに、短い滞在だと 歩いてしまったほうがずっと良い、という事である。

 あんなにごちゃごちゃした場所で果たして迷子になったりしないのか?と思うかもしれないが、建物の壁には、 「リアルト→」 「サンマルコ→」というふうに書かれているので、それをたどっていけば問題なく到着する。 ためしに、何も書いていないところの路地を曲がると、急に道が細くなり、結局運河に出てしまい、行き止まりに なったりするのであった。でも、そんなところに、激安のアウトレット店を発見したりしたのだが、次に行こうと思っても、 絶対すぐにはたどり着かない....。 サンマルコまでは、だいたい早くて20分。ゆっくり行っても30〜40分で 到着するようだ。 まあ、結局船で行っても歩いても、どちらにしても時間がかかる訳なのだが、 いろんな路地を時間をかけてさまよい歩くのが、ヴェネチアにやってきた時の楽しみなのであった。しかし、やたらと 人が多い。今はそう暑くも寒くも無いので、イタリア旅行にはよい時期とは思うが、ホテルを出て、 目の前の通りからすでにかなりの人である。橋を渡って本格的にラグーナに入るまえから、もうすっかり、人々はヴェネチアに来た 満足感にひたりきってさまよい歩いている様子でもある。 確かに、ここは駅を出てすぐ目の前の景色で、すでにかなりの人が「をを!ここがヴェネチア!素晴らしい!」と、 感動するのではないのだろうか? とにかくその状態がずっと続くのである。ワタシも、多少の高揚感を持ちつつ、以前来た時の記憶で見覚えのある店や、 路地を確かめながら歩く。有名な建物のそばに来ると、 人が滞留するような感じになるので、あ、そこには何かあるんだろうなあ、と思いガイドブックをひらくと、本当に名所だったりする。 しかし、やはり、最高潮に人が増えるのは、リアルト橋に近づいたところあたりだろうか? この有名な橋の上から、大運河(キャナルグランデ)を背景に写真を撮ろうとする人、 いつか写真でみたそのままの風景に打たれる人々。とにかくたくさんの人がヴェネチアにきたことに浸っている。でも、更にハイライト といえば、サンマルコ広場だろうなあ〜。これまでの細い路地をくねくねと歩き回った果てに、突然視界が開けると、そこが、 ヴェネチアの大広間、サンマルコ広場である。

今サンマルコ寺院のファザードは修復も完了して
とてもきれいになっております(皆さん来てね)

鐘楼も現在公開中で長蛇の列となっております


 いつもなら、時計台の下から広場に出るのだが、今回はちょっと横の入り口からの入場となってしまったが、やれやれ、ようやくたどり着く。 サンマルコ寺院は、正面の修復が完了したようで、ずっと板の足場で覆われていた壁面が、すっかり綺麗になっていた。 時計台も、カバーがかかっていたのだが、とうとう完了したようで、今、かなり綺麗な状態かもしれない。まだ、夏の名残の、 テラス席での生演奏などが行われていて、とても華やかな雰囲気である。アクアアルタ(潮の具合で浸水する現象)も、まだ 大丈夫なようで、水没時の「木道」も、広場の隅に積み上げられていた。ワタシは、ドゥカーレ宮殿の先から海を眺め、 サルーテ教会の遠景を写真に納めたりした。ゴンドラ乗り場や、このあたりの風景は、何度も何度も撮っているからなあ... と、何か新しい被写体は無いモノか?と、思ったりするが...。広場に引き返して、カフェ・フローリアンの前を通り、 3月22日通りへ向かう。

そろそろ逆光のサルーテ教会方面
このプロムナードはいつも人でいっぱいだ


 サンマルコ広場のアーケードはどれも高級品店揃いで、とにかく見るだけだが、この先の通りも、いわゆるブランド品 通りとなっており、ニホンジンもたくさん出没している。そして、とにかく異様な光景なのは、アフリカ人たちが、ブランド店 の目の前で堂々とニセブランド品を売っているのである。欧州ではニセモノ売りは、もっぱら、このアフリカ系のワカモノ達 に一任されているようだが、取り締まりが無いのを良いことに、道の両側にずらりと並んでいるのは、笑っちゃうぐらい 厚かましく、図々しく、圧巻である。そんなアフリカンに尋問(?)する老婆がいたり、そんなアフリカンから買い物している 白人なんかもいる。ブランド店のセキュリティは、扉のガラス越しに、その光景を眺めている。はああ...。 そもそも、すぐに真似されるようなものを造っているほうもなんとなくビミョーなのだが、しかし、こうなっては天下のブランド品 も形無しではないか...なんて調子で、アカデミア橋のほうへ向かって歩いていくと、そろそろフェニーチェ劇場が現れる ハズなのだが...行き過ぎてしまって引き返す。その玉石混合ブランド通りの終わり近く、右手に「KETTE」というホテル があって、その路地をはいっていくと、フェニーチェ劇場の前に出る。ここだけ、ちょっと広い前庭があり、スカラ座の半分ぐらいの 規模かと思われる白亜のファザードが、8年を掛けて再建されたヴェネチアのシンボルであった。

これが最安値か疑惑の赤ワイン:7ユーロもするんだあああ


<下見完了で、今日の夕食はどおすんだよおお?>

 チケットは、ネットで前売りをゲットしていたが、スカラ座のように現物を送ってくるわけではなく、当日1時間前からチケット ブースで引き替えという方式だ。なので、今日は、場所の確認だけでもと来た道を戻る。そろそろ、今日の開演時間が 近づいてきたので、着飾った人達が集まり始めていた。ニホンジンもちらほらいるようであった。また、正装した団体ツアー が、添乗員に先導されて数十人劇場に向かっている...なんていうのもあった。ちょっとカッコ悪い白人団体であった。 この時間、例のアフリカ人たちは相変わらず商売を続け、劇場へ向かう人、観光客等々でさっきよりもごった返して来た。 早々に脱出をはかり、結局この日はそれだけでホテルへ戻る事にした。はやくビールが飲みたい!と、必死に歩いてホテルに 戻ると、なんと目の前に酒屋があるではないかあ〜なんだ〜と、はいって値段を確認してみると、むむむ?なんだか高い。 何故にモレッティの大瓶が3.5ユーロもするんだあああ?ワインもなんで10ユーロ以下がないんだあああ〜?と、その 疑惑の高額に、けりをつけるべく駅に行ってみた。駅ならば公正価格なのでは?と、思ったからであった。んが、駅でも 多少安いかもしれないが、そう変わりない値段であった。ヴェネチア高杉イイイイ〜ととりあえず、一番安い赤ワイン (それでも7ユーロもするっ!)と水を買って、駅前通りをとぼとぼ...。すると、デリと酒屋を兼ねたような店があり、 こっちはもすこしまともかも...と期待をして、モレッティと、海鮮マリネサラダ、チキンパニーノなどを購入。今日はこんな もんでいいかなあ〜と思って値段を聞くと、10ユーロも取られる...はああ...。こんだけで10かいな...と、 屋根裏部屋でテレビを見ながらぶつぶつ。でも、夢のような場所に居られることで、ずいぶん満足でしょう..と、 どこからか声が聞こえて来そうであった。夢の代償?対価ということなんだろうか?

に、しても高すぎるヴェネチアの物価 もう貧乏人はやっていけましぇん
(パニーノと海鮮サラダとモレッティで千五百円もするだよ)
すんません。値段の話ばかりで...



★9月24日(日)★


<軽く観光してしまう>

 朝食室は白っぽかった。装飾も白に萌葱色に縁取りが金で鏡張りにシャンデリア...と、 とてつもなく白っぽい 朝食室で、黒髪で黄色い人はワタシだけだった。あとは、ほとんどが、 白人の老人で髪も白い。肌も白い。着ている ものもなんだか白い...ということで、全体的 に明るいのであった。ワカモノも何人か混じっていたが、同じ 団体なのかもしれないが、大盛況 の時間帯に来てしまった。ああ...。黒髪仲間のウェイトレスは、いまひとつ 素っ気ない態度 なので頂けないが、彼らに食い尽くされた残り物(?)でも、なかなか美味しいオープンサンドが あったりして、トマトもヨーグルトも美味しくて..まあいいか。という朝食だった。

 部屋に戻る前に、昨日目の前の通りにネットポイントを見つけたので、空いてるか見に行ってみた。 をを、やってる やってる。日本語も見られるのかなあ?と思いつつ、では出掛けにちらっと使わせても らおうかな、と思い部屋に戻る。 今日の予定は、15時30分に開演なので、その1時間前にフェニ ーチェ劇場へ行く。その前は、事前にガンベロロッソ で調べておいた店で優雅な昼食をとり、時間が あればどこか観光してみようか...といった感じであった。観光は、 来る前に、サンロッコ修道会のティントレット 三昧を見に行こうと決めていた。サンロッコならば、ここからも近いし、 ゆっくり出来る。をっ とその前にネットで、野球の結果を見なければ...。テレビではトリノで行われているマラソン中継 が 流れている。街の中心部にさしかかったところで、見覚えのある建物が続いていた。すると、まだ撤去 されずに 冬季オリンピックのモニュメントがたくさん見えた。なんだかすごく懐かしく、嬉しく思ってしまった。 トリノはこれから ずっと、オリンピックの街として記憶されることになるんだろうな。地元の人もきっとそれを 望んでいるんだろうな... なんてふと思ってしまった。

 ネットポイントは、ホテルの前を駅と反対側へ少し行ったところにある。15分で2.5ユーロとは、 これまたヴェネチア価格 に驚くのだが、まあ、野球の結果チェックがメインなので、レジのおっさんに、 15分かしておくれ。というと、写真付のIDか パスポートを出せという。今日は使わないだろうと思い、 部屋に置いて来てしまったので、しぶしぶ取りに戻ったのだった。 だって、ゼッタイだめだって言う(という か取り合ってくれなかった)し、かと言って他に近くに無さそうだし。と、パソコンに向 かうと、我が西武は 最下位楽天3連戦に負け越ししてるし!はああ。ドタンバでなにをやっているんだああ〜と、ヴェネ チ アで叫ぶのだった。

 そういえば、ミラノでも、こういったネットポイントや、スーパーで50ユーロ以上の買い物をすると、 パスポートのチェックを 最近はされるようになった。海外発行のカードは、確かにチェックは必要かもしれな いが、日本では、ほとんどそう言った 認証は求められないが、単にゆるいのか、システムが確立 しているのか?まあ、たぶん前者だろうなあ。などと思いつつ、 15分経過後(といっても、タイマーが ある訳ではないので、自己申告)支払いをしてラグーナへ向かった。

<サンロッコで首が痛くなる>

 スクオラというのは、ヴェネチア独特の組織だそうだ。スペルからすると学校のようだが、 慈善団体のような役割のものであったらしい。 そう言った、各派団体の主要施設のひとつが、このサンロッコである。入り口で7ユーロ支払い、イヤホ ンガイドを勧められたが、日本語のガイドブックがあるので断り中に入る。建物は2階にわかれており、広い長方形 の1階広間には、聖母マリアの生涯を描いた大作で各壁と天井が覆われている。ヴェネチアの建物は 1階が浸水するので、生活は上層が基本だそうだが、絵は設置位置に気を使うだろうな、と思う。しか し、だだ広く木の梁が浮き出た造りは、やや地味な印象があったのだが、2階へ上がるとその様相は一 変する。よく磨かれた、焦茶色の木目と大理石の柔らかい白。深紅のヴェルヴェットに重量感のある黄 金で縁取られた、めくるめく聖書の世界をテーマにした絵画で埋め尽くされる。このフロアは「宿坊」のよう に訳されているが重厚な豪華の極みのような大広間であった。ここに至る階段もステンドグラスも、階下 から想像できない空間に仕上がっていた。そして、次の間には、キリストの磔刑の題材が集められていた。 これらは、すべて、テッツィアーノ、ヴェロネーゼ、と並ぶこの地で最も重要な画家ティントレットの56枚である 。完成までに18年の歳月を要したということだが、それも納得できる大作に力作揃いである。 ティントレット本人も、自身の最高傑作がこの中にあるとのこと。渾身の大仕事である。そして、 そのような仕事を発注できるとはなんと羽振りの良い「慈善団体」かとも思ってしまう。

 大広間にはA3程の鏡があちこちに置いてあり、見上げるばかりでは、首が痛くなるのでこれを使うようだ。 ワタシは、ちょうど劇場用のオペラグラス(ホントは野球用)を持っていたので、それで眺めていた。 しかし残念なことに異教徒のワタシにはいくら 素晴らしくとも、宗教画はどうもそれがドラマチックであればあるほど、入り込めないところがある。 なぜだろう?この悲劇の大宗教画を描いたティントレットの流れに、後にスペインのトレドで活躍をする、 エルグレコがいたそうだ。なるほど、あの画風にはそういうつながりがあるのか...と思いつつ 売店で、いくつか絵葉書を買おうと思ったが、なぜか1枚もその悲劇の大舞台のモチーフを、 切り出して選びきれなかった。不思議な気がしたが、仕方がないので 「お徳用サンロッコ名場面セット」を買って外に出た。やはりいろいろ考えすぎもあって首が痛い。

サンロッコ正面より:外からはわからないその装飾のすごさ

<3月22日でアフリカ人居座る>

 サンロッコを出て、もうお昼過ぎていたので、そろそろお昼でも食べておこうかなあ..と、事前に調べて おいた店を探す。1軒はリアルト橋の手前のたもとにある「オステリア****」で、店の場所も看板も見つかった のだが、オープンカフェのようで、想像していた店と違ったので、パスすることにした。ホントにあの店なのか、 疑わしいような感じだったので、がっかりして次へ向かった。今度は、住所だけなので、何度もぐるぐる 廻ったけれども、結局見つけることができなかった。日差しも強くなってきて、どうでも良くなってきた、 ということもあるのだが...。残念だけど、縁がないのかなあ...なんて思い、サンマルコ方面へ向かった。 でも、ホテルの朝食もそんなに消化されていないので、サンマルコの手前にあったビラテリアで一休み することにした。ファミレスみたいな造りで、店のスタッフはすべてアジア系であった。最近こういう店イタリア でも良く見るのだが...。中華料理店ならいざしらず、ビラテリア兼ピッツェリアのような店も中華系の 経営者が進出してきているのかなあ...。そこで、ビールと白ワインとムール貝のワイン蒸しなどをつまみに、 道行く世界中の観光客が行き来するのを眺める。ああ、すごい人だなあ...。店にも結構入れ替わり 立ち替わり人が押し寄せる。正餐にする人、お茶だけの人、ムール貝だけの人はワタシだけだったが、 十分繁盛していた。だった場所がいいもんね。劇場の開演は15時半なので、14時ぐらいには、劇場に 向かおうかなあ..と思いつつ...。

さりげにおいしいcozzeです(大好きです)


 その店からサンマルコ広場はすぐだったので、またまた、世界のオノボリさんが集う大理石の大広間を斜めに横切り、 昨日よりも更に人が多くなっている(日曜日だからか?)3月22日通りに出る。すると、道の両側に盛大に店開きを していたアフリカ人ニセモノ売りが、今日は全く気配がない。しかし、ニセモノがたんまりはいった、サンタクロースのような 白いズタ袋と自分のヒザを抱えて道ばたにうずくまっていたり、路地に隠れるように数人集まっている。その目線の 先にはカラビニエリだか警察だか知らないが、制服の数人が立っていた。今日は「手入れ」のある日ということか...。 なるほどねえ〜と思いながら、KETTEの脇をはいり、フェニーチェ劇場に到着する。

突如現れる劇場の正面玄関:わりと地味な外観ね

劇場前の小広場:みんな集まって来ました

時間つぶしてぷらぷら@
せっせまい路地は横幅注意ですぞ!そこの二人っ!

ぷらぷらA
笑う子猫の看板:セルフサービスのレストランみたい
「セルフなんかで食ってちゃだめにゃ〜」


 すでに、劇場前の広場はかなりの人が集まっていた。昨日とは違って、ニホンジンの姿が見えなかったが、何故だろう? ネットでゲットしたチケットは、1時間前からチケット売り場で引き渡しとあった。、正面に向かって右側にある扉が そうなので、入っていくと、サッカーの時とまったく同じように、プリントアウトを見せるだけで、自分のチケットをゲットできる のであった。素晴らしい..。チケット売り場の先はブックストアになっており、帰りにでも覗いてみようかな、と思って外に出た。 こんな風に簡単にチケットはゲットできるというのに、ボードに「チケット譲ってください」と書いた人がちらほらいた。良いチケットの 余りを狙っているのだろうか?はたまた、単に計画性の無い人なのか?まあ、どちらでもいいか。

<不死鳥という名の劇場へ>

参加席からの眺め
オーケストラピットの真上でステージの上手真横でした


 とうとう、憧れのフェニーチェ劇場に入ることが出来る!しかし、今回も11ユーロの超「参加席」である。正面から 入れるワケがないと思いつつ、ひょっとして...ということがあるかも...と、期待して正面から入ってみるが、 やはり撃墜される(係のオネーサンに「んなわけ(=このチケットで正面からはいれる)ないわよね」と言ったら笑っていた)。 参加の人々は、すんなりと右側の路地を入ったところにある裏口から入場する。階段で5階ぐらい上がった所の案内係 が、バルコニーの椅子席(ここは可動式)に通してくれた。そこから仰ぎ見て、見下ろして、見回すすべての視界に この不死鳥(=フェニーチェ)の全貌が現れたのであった。いやあ素晴らしい...。清楚な外観からは想像もつかない、 美しい色彩と絢爛の金の装飾、見たことのないような意匠の豪華なシャンデリア、真っ白い大理石のセイレンの上半身。 内部が焼失して以来、8年の歳月をかけて、忠実に元の姿を再現したといわれるこの内部。しかし、そんな不幸な 出来事がことがあったなど、 ちっとも感じさせず、またこの場所に蘇った不死鳥。いやあ...やはりイタリア人はやるときは すごいことをやってのけるのだなあ..と、 思ってしまう。この街に最もふさわしい劇場を失った絶望感にさいなまれる人々の、 もういちど、これまでと寸分たがわぬ姿の劇場で 楽しみたいという、かないそうもない気持ちに、見事応えてくれるなんて、なんとも素晴らしい話ではないか...。

中央の大シャンデリアの意匠がすばらしい...
この青い色と白と黄金の装飾が明るく豪華な印象


 とにかく、シーズンのプレ・オープニングにふさわしい、エレガントで美しい「ロミオとジュリエット」のバレエが始まる。右側の バルコニーからのぞき込む形になるので、一部舞台が途切れてしまうのだが、極上の音楽と、絢爛の劇場の内部に 抱かれ、素晴らしく磨き上げられた若々しい肉体を持つバレエダンサー達のコラボレーションは、非常に得難いひとときであった。 これまでの、よそいきのヴェネチアにちょっと辟易としていたワタシに、来てヨカッタ...またここに来たい、 と思わせる午後のひとときであった。やはりヴェネチアはタダモノではない...のか?

 不死鳥の余韻にひたりながら、すこし暗くなり始めた路地を散策しながら歩くのも良い。今回は、運河の水もいつもより 異臭を放ち、居るはずなのにちっとも姿が見えないヴェネチアの猫達を思い、ちょっとがっかりしていた所であったが、 あまり欲張らない事...と、言われた様な気がした2日間であった。この際、食事もどうでもいいや、と思って、駅前の 中華料理で済ませてみたが、やはり、思った通りヒドイ料理だった。はああ...。ダメ押しだね...。 もう怒るとか、なんとか言う気持ちよりも、ヴェネチアだから(?)仕方がないので、 高いモレッティを数本買って部屋に戻る。この屋根裏も今宵最後だね。テレビでは、今度「缶入りスプマンテ」が 発売されるとのこと。うーん欲しいなあ〜買って帰りたいものだなあ...。ヴェネチアだと高くなるのかなあ?トリノオリンピックの メインキャスターがスポーツコーナーで登場した。冬はあんなにシャープな着こなしと身のこなしであったのに、 今日はなんとなく、髪も長くなっていて、ちょっとあのときの輝きが失せていた。彼もバカンス明けで劣化しているのだろうか...?

★9月25日(月)★

ヴェネチアは雨の旅立ちとなりました

<雨の朝、ニセ・カサノヴァに見送られヴェネチアを去る>

 外が暗いと思っていたら、雨が降っていた。朝食室も、白い軍団が去って閑散としていた。彼らは週末 ツアーであったのだろうか。まあ、あるだろうなあ..。ヴェローナの野外オペラも、「オランダ発・車中1泊弾丸ツアー」の オジサンオバサン達がたくさんいたからなあ...もう何が起ころうと誰がどこからやってこようと、 不思議ではない。雨も最終日でヨカッタかもしれない。駅まで近いし、ささっと走ればそうぬれなくて済んでしまう。 雨が降ると早速、運河から水があふれ始めていた。 駅で何か買い物でもしようかな..とうろうろしていると、そういえば、なんにもない駅だったなあ〜と呆然といしていると、 「ニホンジンの方ですか〜」キター!ヒマ・イタリアオヤジにつかまってしまう。はあああ...。まあ、でも「オヤジどっかいけー」 と、邪険にするのもなんなので、まあ、話ぐらいはしてやるかあ...ということで、入線していた列車の 席を探してくれたり、荷物を持って くれたり貢献してくれたので、まあ、カサノヴァの末裔に敬意を表して出発までお話につきあったりする。でも、話していると 意外なところで、日本とつながりが(弟はニホンジンと結婚しているという)あったり、それなりに、ウザくとも濃い(?) ヒマつぶし的な時間が流れ、とうとうミラノに向かってESは出発する。はああ..疲れた....。はっ、そういえば、もうひとりのイタリアオヤジを すっかり忘れとった。山の友人R氏だ。今回、時間がありそうだったら連絡する旨伝えていたのだが、全然していなかった。 「ではミラノでワタシがフルアテンドをおおおお〜♪」なんて張り切っていたようであったが、 非・都会派のR氏がミラノに居るなんてことが想像できないので(トリノでもちょっと浮いていたし...)、まあ、今回は 帰る前に連絡でもしておこう...と心に決めたりする。無理は禁物。 今回はとにかく一人旅がいいのだ。

 ラグーナから大陸側に戻る時は、少しサビシイ気がするが、また来る機会もあるだろうと思い、クィーンの曲を 聴きながら流れる風景鑑賞と読書に励む。隣のオネーサンはチケットレスのようだった。プリントアウトを検札の車掌に 見せて、車掌がそれをPOS端末で確認をして、レシートのようなものを渡していた。たぶんそれで発券兼 検札完了ということなのだろう。ワタシがサイトで見たところでは、 チケットレスが使える特急とそうでないものがあるようで、もうすこし調べてみないとかな? ふと見回すと周りはまたまた、女性ばかりで、ニホンジンもいた。指定席のはずなのに、 連れと離れるのがイヤだからと、親切に席を替えてあげたりなんだかんだいろんな国の人が微調整しているうちに、 フレディの声に没頭しているワタシ以外ワケわかんなくなって、 すったもんだしていた。最初から自分の所に座っておけば良い話ではないかあああ.....。と思っているうちに、 約3時間の後、するすると、雨のミラノに列車は滑り込んでいく。

 ミラノの駅は、雨のためか15時なのになんとなく暗い印象であった。でも、ふうう〜ただいま〜という感じで、今回最後の ホテルに向かう。そういえば、オヤジにつきあっていたため、食糧調達できなかった。スーパーに立ち寄り、ライスコロッケを 2種類暖めてもらう。サラダやパルマハム、ビールなどを買い込み、地下鉄でモスコヴァへ向かう。駅からすぐの ところにカーライルブレラホテルがあり、その近くだと聞いていたのだが...と探すと、探すまでもなく隣のブロックあたりに 、今日の宿RITTERを発見。そういえば、何度も何度もこの前の道は通っている所であった。 チェックインをして部屋にはいると、殺風景だけれども、なんとツインのシングルユースで広い広い。昨日までの 屋根裏部屋の3倍ぐらいありそうであった。7階で窓も明るく、なんだか良い気分である。やはりニンゲンは広いところで 暮らさないといけないなあ、などと思ったりして。とりあえず、シャワーを浴びて、ビールを飲みながら、 ちょっと冷めてしまったライスコロッケを食して人心地つく。テレビでは、あのミスイタリアがひっぱりだこである。 ほんとうに若くて美しい。この人もそのうち、サッカーのスターとウワサになったりするのだろうか? この口紅は流行りそうだなあ〜などと余計な事を思いながらひとやすみ。このあとは、スカラ座へ出かけるだけなので、 しばらくゆっくりしていよう。外は雨が降り続いている。あ、同じビールなのに2ユーロしないぢゃんね。 ホント、ヴェネチア高杉だよっ!

モスコヴァ駅から徒歩3分Hotel Ritterでございます
今回の滞在で最も広いお部屋でございました。ヴェネチアの3倍ぐらいありそうだわ

イタリア焼き(揚げ)おにぎり
きっと君もハマるにちがいない:とろーりチーズがウマー


<百鬼夜行のおどろおどろしきスカラかな>

 「イタリア焼きおにぎり」でかなり満足したのち、20時開演の30分前を目指してスカラ座へ向かう。このモスコヴァ駅あたりだと、 緑〜赤地下鉄に乗り換えて地下をぐるぐる徘徊するよりも、実は地上を歩いて行っても、もっと早く到着するのでは?という距離である。 出掛ける前に悩んだのだが、雨足が収まらないので、やはり地下徘徊コースで行くことにした。その前に駅近くのATMで現金を引き出し、 出撃準備完了(と、いっても今日はそんなにお金使わないけどね...)。チケットを握りしめてDuomoの駅から、アーケードを通ってスカラ座へ向かう。 今回は、迷わず、向かって右側の「参加席」階段を目指して行く。でも、このあいだとはまた違う階段で、ちょっとだけ違う気分で席に 向かう。今回は、日本式に言うと6階の舞台の上手側真横最前列である。ここから落ちたらたいへんだあああああ〜と思うが、 意外に見やすい席かもしれない。バルコニーの手すりの下のヘリの部分には、ふわふわのクッションがついており、乗り出して見て、 肘をついていても痛くならないようになっている。同じ最安値席でも、壁にはりついた奥まった席よりもずっと快適である。更に 良いことに、3列の席だったけれども真ん中のひとりが本日欠席だったのだ。もうひとりはオネエサンだったので、ゆったりと1.5人分 座れることになって今回は良い感じである。壁際席と違って、ここでは字幕ガイドがちゃんと見えるので、 これならば、高い席で見なくても十分良いかもしれない...なんて、当分この 「最安値族」から卒業できないかもしれないなあ。

 今回の演目は、字幕ガイドが無いとちと苦しい「聖スザンナ(Paul Hindemith's Sancta Susanna)」と、 あと1本Azio Corghi's Il dissoluto assolto。オペラに詳しい人ならば、どちらも「あ〜」と 思うかもしれないが、ワタシの場合ちと予習不足。ネットなどで、おおまかなストーリーをつかんで見に来るのだが...ほとんど ぶっつけ本番状態。キリスト教的にスキャンダラスな内容のこの作品。カトリックの人々にはどういう風に映るのだろうか? もうひとつの作品はオペレッタ・ミュージカル風のテイスト(に思える)斬新なソロパートは、ものすごく 難解な音程と発声が要求される。どちらも、凝りに凝った意匠と衣装と音階とメイクで圧倒する小作品。後半は銅像がしゃべるし、 ドンジョバンニらしき人物・その娘?や関係者、幽霊や妖怪やら百鬼夜行の様相。字幕を追いながら見るが、登場人物が 多すぎて...。思うに、夏の野外公演は誰でも知っている派手な作品が多く、こういったシーズンのプレ・スタート (本格的開幕は12月からで、2006−2007シーズンはアイーダで始まる):街に皆戻り すっかり落ち着きを取り戻したミラノでは、こういう作品が好まれるのだろうか?などと思ってしまった。昨年のエレクトラも、 きっとこちらの嗜好寄りなのだろうなあ...。確かにほぼ毎日毎晩この劇場で演じられるのであるから、ミラネーゼたちが、 うなったり、ひっくり返ったりするようなものを造りたい、演りたい、ということなのだろうなあ...なんて思いながら劇場を後にする。 いや、できることならばワタシも日常的にスカラ座のあの手この手で翻弄され続けたいものだなあ...。

ああ、そろそろ温かいものが食べたいなああ〜って?
本日夜食はパルマハム大盛とこれとモレッティー♪

 終演は10時過ぎで割と早かったが、まだ雨が少し降っていたので、遠回りの地下鉄で部屋に戻ることにした。ヴェネチアからの 移動もあったし、オヤジ事件もあったし、 おまけに鬱な雨という疲れる要素がそろったので、今日はまっすぐ部屋に引き返す事にした。ああ、 あと一夜のミラノなのだけど、ひとりでダイニングに向かう気はなく、先程買っておいたビールとパルマハムダブルサイズと ナッツ入りのサラダの山を夕食にした。ま、よく考えると非常に贅沢な夜食ではあるのだけどね。 でもそろそろ、温かいものとワインが飲みたくなってくる。 こんな日こそ、ホテルの近くにケバブサンド屋があれば、どんぴしゃりだったのにな...。が、中央駅まで行く気力はなし。 明日は晴れて欲しいな。さくらの香りの白濁浴用剤でゆっくりお湯につかりリラックス。 オヤジたちがエキサイトしすぎなサッカー番組 を見て、まったくほんとにあきれるほど、「そこまでサッカーが好きなのかああああ...」 と驚愕して一日が終わる。しかし、たとえば日本でこんなに盛り上がれる スポーツってあるかなあ、と思う。野球はどうだろう? まあ、ここまではならないだろうな...と、思うほどの超絶エキサイト振りであった。イタリアならでは..か?

★9月26日(火)★


<火曜日は市場へ出掛け〜♪てゅらてゅら...♪>

 ようやく雨があがった。今日は曇ってはいたが、これから天気が回復するようなことをテレビで言っていた。 Ritterでの朝食は、フロントの前を通り過ぎた奥に朝食室があった。カフェテリアで見るような、くぼみのある三角型の トレイを持って、コンチネンタルのフツーの朝食を摂る。特筆すべきは..オレンジジュースが美味であった。あと、 ホール係が、ヴェネチアのビラテリアのように、中国人の小姐達ばかりであった。隣に日本料理店があるので、中庭の スペースには、何故か日本庭園が再現され、枯山水と石灯籠が置かれて、ちょっとだけ風流であった。 ニホンジンの女性2人連れが居て、まあ、よくあることだが、絶対こっちを見ないように(視界からニホンジンを消したいのかっ!) 2人で会話していた。 今イタリアにいるんだから、ワタシタチ以外はガイジンでなきゃ...ということなのだろうか?まあいいか。 それとなく聞いていると、会社の先輩後輩のようで、話題の中心はアトピーの話とか 日本の職場の事ばかりであったなあ...。 カナシイかな、どこへ行っても、日本を引きずるニホンジン達よ。そんな日本の日常の平行移動はツマラナくないのだろうか? 同じ平行移動ならば、どんな国でもところでもマイペースにできるのがワタシの理想だけどね。 なあんて、堅いパンをかじったりしながら思うのであった。まあ、どうでもいいことなのだが。

廊下に自動販売機があるなんて画期的!
って、そんな事で喜んでもねえ〜でも珍しいよね


 フロントで、そういえばホテル施設案内に「インターネット接続あり」とあったのだが、部屋にはその気配が無いので尋ねてみると、 ロビーに2台、頭の大きな(?)パソコンが置いてあった。1時間3ユーロ使い切りのようであった。フロント氏に 日本語のフォントは使えるか?と聞いてみたところ、予想通り「?」であった。しかし、普段使い慣れているPC関連 の用語も、実は外来カタカナ語で、いざというとき「あれ?英語だとどう言うんだっけ?」と、結構迷う。どういうこっちゃ。 見てみるとOSがXPだったので、たぶんOKだろうけどね...。

 今日は火曜日の市場へ出掛けてみる。St.Agostino駅で下車してすぐのところにある Papinianoのみの市へ向かう。 しかしまあ、なんというか、いつもはどこにもその姿を見せない駅係員が、この駅の出口にぞろりと検札をしている ではないか。一網打尽を狙っているのかもしれないが..あまり成果は上がっていないようであった。 Papinianoの市は、毎週火曜日と後1日13時頃まで開かれているそうだ。主に日用雑貨・衣料品。食料品 である。 Papiniano通りは、ずらりと衣料関係の安服が並び、10ユーロのセーターとか、激安下着とか、ストールの アウトレットたたき売りとか、ちゃんと歩けるのか心配なくらい安い靴とか、隅っこのほうに、例のニセモノ売りのアフリカ人 がまぎれていたり、そんな感じである。それに直角に交わるOlona通りは、食料品の嵐である。ひととおりぐるりと廻れば、すべて そろうように、調味料・肉・魚・野菜の生鮮食料品、チーズ・ハムの加工品、ローストや揚げ物などのお総菜...と いった具合である。忘れていたが、ちょうどミラノがファッションウィークということで、その関係者らしき、2メートル近い 身長の小枝のような美女たちも、買い食いなどを楽しんでいる..。でも、2月にトリノで見たような、衣料品や 皮革類のちょっと良い感じの出店は少なく、モノはあまり良さそうではなかった。ちょっと期待していたのだが、 やはり何もゲット出来ず残念無念..。トリノに再来しようかなあ..なんて思ってしまったりして。

 そろそろお昼時なので、その足でナビリオ運河のほうへ行ってみることにした。このあたりは、夜は遅くまで 大変盛り上がる(といっても、日本のようにすごくは全然ない)地域であるので、昼もなにがしかおいしそうな気配 がするかと思ってやってきた。が、実は昼間はそうでもなくて、手前の橋を渡り、向こうの橋を渡って、ぐるりと 1周して、ピンと来る店もなかったので、これは夜に出直すかな?ということにしてナビリオを後にした。この時間に なると、もう雲は去り、温かい陽が差して来て、かなり暑くなり始めていた。

<世界標準のミラノを感じるバー>

 ここへ来る前に、姐さんに「この界隈ではどこがオススメですか?」と聞いてみたところ、モスコヴァならば、 魚屋がやってるカルパッチョ屋・角曲がった所の麦酒屋・あとは2月に行けなかったモッツァレラバーね...との ことだった。なるほど、場所等々アバウトであるが、ここでひとつどこかへ行ってみることにしよう...と思い、ブレラ界隈へ舞い戻った。 この辺に来ると、ちょうどこのあたりのオフィスの昼休みと重なったようで、スーツ姿の男女など、まともな 仕事をしてそうな人々がたくさん歩いていた。そんな人々が行き交う通り沿いにモッツァレラバーObikaは ある。この時間はランチタイムで、定食が10ユーロに飲み物(水かジュース)が付いている。もちろん アラカルトもオーダー可能だが、ほとんどは定食のようであった。かなり店内が混み合っており、一階と 中2階のテーブルはほぼ埋まっていた。ガラスと黒いボードを多用した内装で、壁一面には、ワインボトルがディスプレイ されたりして、クールな印象である。カウンターは目の前に透明なガラスボックスが並んでおり、ひよっとして、 これは寿司カウンターを模しているのでは?と思った。そのボックスの中には、種類別に、寿司ネタならぬサラダのネタが 入れられており、大量のモッツァレラのクッションとなる。この日のランチメニューは3種類あって、ワタシはその大皿に 盛られた「サラダのうえに大量のモッツァレラ載せ」を選んだ。あ、でも温かいモノを食べるハズだったなあ...と、 思ったがまあいいか。とにかく、しばらく半年は食べなくても良いぐらいの量の水牛のモッツァレラが出現、それと格闘して、 水とパンでなんとか片づけた後、本日のデザート「カスタードプリン」が付くというもの。ちょっとこういう冷菜系の 食事が続いたので、ちょっと最後の方は飽きて来てしまったが、とにかく思う存分自分好みの (実はいろいろ種類がある)モッツァレラを堪能したい時には、オススメしたい。あとは、コールドミートとの 盛り合わせ。ピラフの様なセットもあったようであった(メニューをすぐに下げられたので良く見ていないが....)。 さながら、ダイエッターのようなヘルシーメニューとおしゃれな内装。 逆にイタリアらしさをあまり感じられないが、ミラノの世界共通の都市センスを見たような気がして、 やはりここは「北の都」なんだなあ..と、10ユーロきっかり支払いながら思うのであった。

昨晩と何ら変わりのない写真だが、大皿に山盛りのサラダ、
いやというほど水牛のモッツァレッラがどーん!で10ユーロのランチでございます。へるしー♪


 そんなこんなで、都会なのね〜ここは〜と歩いていると、ホテル近くにスーパーを発見!早速入って見ると、 ををを〜安いではないかあ〜庶民の値段のような気がする!平日8時まで、休日7時までとのことなので、 十分この界隈でも使えるではないかああ〜と、アヤシク盛り上がり、モレッティとプロセッコなどを買い込んで、 冷蔵庫にしまうべくホテルに戻った。そして、地下鉄の1日券が切れてしまうので再び中央駅に出没したワタシは (なんとなく、中央駅に戻って乗り換えたほうが便利な気がするのだった)、 例のネットポイントで、今期最終カード、西武×ロッテの試合結果を見るべく向かった。ここも外国人はパスポートを スキャンされるのだが、プリペイドカード方式で使い切りではなく、残りの時間はまたログインし直すこと ができるから便利である。でも1時間4ユーロはちと高い気がするが..。マシンの故障も多く、うまく ログインできない場合、感じの悪い店員に聞くよりも、先にほかのマシンでトライした方が良いようだ。 そうしてドキドキ、さあ、松坂!結果はどおだっ!1位通過決定かっ?!とワクワクまずはメールチェック...。 すると、その試合を観戦に行っていたはるえさんからメール。タイトルが...「負けたー!」

 そうである。狭山丘陵がものすごい嵐だったらしい晩、西武はこの敗戦結果で日ハムに逆転で首位を明け渡すことになったのだった。 ミラノでものすごい衝撃が走る...。まるでカブレラの場外ホームランがここまで飛んできて、直撃したような気分。 たぶんこの街でそんなメガトン・カブレラ級衝撃を受けているのは、たったひとりだと思うのだが...。 まだまだ明るい午後のミラノで落胆するニホンジンひとり..。ああ、今年1年欠かさず 応援し続けた日々が、走馬燈のように..いやいや。まだあと1試合ある。まだ望みはある!しかもプレーオフが あるぢゃないかっ!と、決戦に向けて立ち上がるワタシであった...遠い遠いミラノで...。

 そんなこんなで、敗戦のショックで廃人のようにさまようワタシは、とにかく買い物で気を紛らわそうとするが、どうも集中できない。 Duomoの周辺を魂が抜けた状態でうろうろ。ついでにトリノ通りもうろうろ。リナシェンテもうろうろするが、なかなか ゲットもできずタメイキばかり。「あああ〜フトスケ(=松坂のこと)のばかあぁ...」。ふらふらとギャレリアのメディア プラザに入っていき、そうだ。ガンベロロッソでも買ってうまいもんでも食いに行こう...ということになった。 日本ではなかなか手に入らない、ガンベロロッソのレストランガイド。ずいぶん前に買ったものを、大事に使って いるのだが、最新号もそろそろ見たいものだ。ネットでも見られるのだが、やはり活字が良い。ずいぶん薄くなった と、思ったら、便利だった地図が無くなっていた。ちょっと見にくくなってしまったが、これからしばらくこれが活躍することだろう。

<ダイニングとはプロレスなどに似て..。>

 ホテルに戻ってしばらく落ち込んで引きこもっていたが、今日は今回の滞在では最後の晩餐なので、ちゃんとした店で 食事をしようと思い、昼に閉まっていたナビリオへ再び足を運んだ。2月に行ったオステリアの味が懐かしく、 是非もう一度食べたかったのだった。でも、あのときは3人だったので、サラミやチーズの盛り合わせを頼んだり 出来たが、果たしてひとりでうまい具合にオーダーを完成できるだろうか?ちょっとドキドキしながらも、あれ頼んで、 これ飲んで、デザートも食べて..ぐふふふ..と言った調子で、運河の古い橋を渡り、そのすぐそばにある オステリアVigne へ向かった。

 窓から覗いてみると、ちらほらテーブルが埋まっているようだった。扉を開けると、良い感じのジイサンが現れ、 「あなたひとりですか?」と、ややびっくりしていたが、店の真ん中の席に通してくれた。さあ、試合開始のゴング!目の前には、 ひとりの常連オヤジが何か読みながら、ゆったりとワインを飲んでいる。窓際の席は、家族のあつまりのような グループ席。あとは、カップルがちらほらだったが、自意識過剰ではなくても、視線は熱い。店は役割がそれぞれ 決まっている。若い兄ちゃんはセッティングと給仕。メニューを渡されてどれにしようか悩んでいると、大御所マダム が登場する。給仕人は制服だが、彼女は私服だ。サラミやチーズの盛り合わせといきたいところであったが、 いちばん小さな盛りでもゆうに3人分はあるので、前菜からサラミの黒いちじく(ニホンのよりも小さくて、 外側が黒い:甘みが少ないが裂果しないタイプのよう)添えの皿があったので、そちらにした。 3皿は頼もうと思っていたが、メインをどうしようか迷った。前回のように、煮込みやグラタンスープ(ほんとはこれが 食べたかった)などの、冬の料理はないので、軽目にもうひとつ前菜から、ズッキーニの花にリコッタチーズの 詰め物をして軽くソテーし黒オリーブのソースとムール貝を添え たもの。最後にはメインにするか〜いや、ジェノベーゼソースとまぐろ のパスタをオーダー。やや最後の「パスタ」というのが不本意で大いに悩みどころではあったが、 仕方がない。この組み合わせで、貫禄のマダムも「まあ...よしよし」みたいに注文書をしめる。 さて、飲み物になると先程のじいさん登場となる。ここも、かなりたくさんの地方と他国のワインを取りそろえているの だが、先日飲んだロンバルディアの赤(なぜか1種類しかないのだが)と ても良かったので、それにしてみる。じいさんもこれはお薦めといい、 値段を確認して決定する。と、いうことで、ここまでいけば、 あとはゆっくりと、時間を掛けて楽しむだけ。途中で、ドイツ人のワカモノの団体が入って来たが、ものすごい盛り上がりで、 写真はフラッシュでばしばし撮るは、まあ、どこの国でもこんなのはいるんだよなあ〜と、思いつつ空気の読めん者は 永遠にダメだと思い..。

 窓の外は運河で、その向こうにはキティショップの看板がいろんな色に変化するのが見える。いつの間にかすっかり 世界制覇した猫だな..。と、しみじみ思う。カワイイ♪と思うツボは世界共通ということか。料理はどれも素晴らしく、 量もちょうど良かった。とにかくサラミなどの加工肉が美味しい。ああ、やはり盛り合わせにするべきであったかなあ...。 して、何を持って良かったとするか、それは、デザートと食後酒でフィニッシュ出来るかどうかではないかと、 勝手に思う。目の前のブランソン氏に似た一人客は、ひと足先に帰って行く。こちらに挨拶して帰って行った。なんとなく 、ワタシも今晩はこの店になじんでいたということかなあ。その証拠に、まいたんを終えて店を出て行く時は、じいさんと、 マダムとがっちり握手を交わすという儀式。最後は両者たたえ合って、終わるなど、なんとなくプロレスちっくだなあ〜 なんてムリヤリ思いながら、もときた古い橋を渡り、キティショップの脇を抜けて地下鉄に向かった。やはり来てよかったなあ、 と、しみじみ思う最後の晩餐であった。

モスコヴァ界隈の舗石工事も完了しました。
スーツケースに優しい歩道となっております。


 ポルタジェノヴァからだと、緑線で一本なのでとても便利だ。部屋に帰って、近くのスーパーで買ったプロセッコの 存在を忘れていた。あー。もう赤1本とグラッパ飲んで来ちゃったからなあ〜と、思いつつ、残して帰るのはあり得ない ので、寝酒ついでにごくごく。結局最後の調整がうまくいかず、飲み過ぎてしまうワタシであった。

だめ押しのプロセッコ:結局全部飲んでしまった!!

★9月27日(水)★


<最後の日はこんなものかいな>

ホテルからの眺め:ああミラノみたいだ...あミラノだった(?)


 昨日のプロセッコが残って、朝食後あーうー言ってごろごろしていると、11時半頃にフロントから電話がはいる。 「今日ご出発ですよね...」と、それだけ確認の電話。ををを〜なんだか、殺風景な商人宿風Hotel Ritter。 やるではないか。いい仕事振りだよ...ということで、今日はあのニホンジン 二人組は、先輩のお姉さんだけだった。どおしたんだ後輩は...と、気になるところであったがチェックアウトを済ませ、荷物を預けて さて、最後の買い物に出掛けるかなあ...。昨年5月は近くにタイマッサージ店があったので、1時間足マッサージ を受けたりなんかしたが、今回のユーロ高に行ったら、とんでもない値段を取られてしまいそうなので、じっと 我慢・我慢。マッサージもタイ料理も、最近は日本にいても「不当に高い!」ということで、プチボイコット状態なのだが..。 ああ、でも飛行機に乗る前にマッサージはいいんだけどなあ〜あああ〜成田じゃなくって、バンコク経由で 帰りたいなあ〜なんて禁断症状に陥る。(ちなみに、中央駅前ホテルアオスタの並びに タイマッサージ店は健在であった。イタリアオヤジにきっと大人気になのだろう。げげげ)と、いうことで、お昼時でも 店が開いているDuomo周辺をうろうろ。

 今回は、少しくたびれてきたワタシの皮ジャケット達を新調する、というのも目的であったのだが、ヴェネチアでは ゲットできず(あるにはあったのだがねえ...)ましてや、ヴェネチアのリアルト橋近くにあるワタシの「憧れの毛皮店」では、 とても買い物など出来ず(だって、キツネの襟付きカシミヤのショートコートが4000ユーロだよっ!毛皮だったら、 どーなってしまうのだい?!なんて言っているうちは、手にはいらないのだがねえ...トホホ。庶民万歳)撃沈。 そういうのを見てしまうと、ほかの安物は「うーんあれを見てしまうと...買えない」ということで、ミラノに場所を移して も、あまりピンと来るものがなかった。仕方がないので、あまり好きではないと言いつつ、毎回来てしまうマックスマーラ のアウトレットで、お土産を含めてがさがさ買い物をする。ちとムナシイ...。円高になって欲しい...。と、ブツブツ 文句を言いながら、1枚だけ革ジャケットをゲット。うーん。でもどーせマックスのアウトレット...なんて、思って しまうのだがなああ..まあいいか。庶民だし..。とはいうものの、結構季節に先駆けて、良い仕入れが出来た ような気がする買い物が出来たかもしれん。そのあとは、リナシェンテでうろうろ。地下でお菓子などを仕入れ、 この秋の最新モードの数々を見たが、とにかく、最新入荷品ばかりなので、どれもぴちぴち活きの良い値段だっ!はああ〜。 ということで、意気消沈して、再び広大なメディアプラザの本屋でこそこそ時間を過ごす。昨日ガンベロロッソのイタリア レストランガイドを買ったが、よく見ると「ミラノ特集編」があったので、次回ミラノを征服するためにも購入する。 かなり薄いのだが、レストランの他にも、食料品店、ホテル、近郊都市の情報も載っており、北イタリアをうろうろ するにはもってこいの内容である。しかし、今回のホテルは初日のStarしか載っていないのはサビシイ。今回は 泊まらなかったけど、定宿アンドレオラも載っていない...これはいったいどういう基準なのだろうか...まあ、読め ば解る...でもこれ全部イタリア語だ..。

 てなわけで、散々うろうろした挙げ句にホテルへ荷物を取りに戻る。戦利品をパッキングしているうちに、なんと 軽量キャリー唯一のセキュリティである「南京錠」を紛失してしまう。あああ...なにやっとんだワタシ。小さいので、 たぶんどこかに滑り込んでしまったのかもしれないし、吹っ飛んでしまったのかもしれないし..あー。でも何も 付けていないと格好悪いので、キーホルダーを付けておいた。これで、何となく鍵付きだと錯覚するだろう。悪い人は...。 ということで、商人宿Ritterを出発する。「とにかくなんか付いていればいいのかなあ〜大丈夫大丈夫」なんて思いつつ。地下鉄で、 中央駅まで行き、そこからバスで空港へ向かうことにする。ただ、少し時間が早かったので、ネットポイントで、 残り15分ぐらいの残高を使い切る。ああ、我が西武は最終戦サヨナラ勝ちをしたものの、結局シーズン順位は2位で 終わったようであった。最後に失速してしまったのは何故だろう?やはりワタシが応援に行かなかったからかなあ〜なんて 思ったりする。でもっまだプレーオフがあるんだからねっ!と、ミラノの地で奮い立たせて「さあ応援に帰るよっ!」と、 少し早いのだが、ミラノを去ることにした。

 今回は円安貧乏なので、 久しぶりにタックスフリーの手続もしてみようかな...ということで。マルペンサに到着するも、まだちょっと チェックインには早くて、カウンターにも近づけないようになっている。それでも、ニホンジンの団体は待って いたりするのだから、よほど行列が好きなのか心配性なのかやることがないのか..だろう。 自由席ではないのにねええ...。タックスフリーの手続は、 これまで「必ず手荷物にして、チェックイン後、その商品を示して税関でスタンプをもらう」というのが正しい方法と 思ってきたが、最終目的地がイタリアの場合は2種類あるようだった。預ける荷物に入れたい場合は、チェックイン後、 荷物をいったん引き取り、出国前に税関のスタンプをもらい、荷物をしまって、もう一度預けなおす...らしい。 (詳細はガイドブックなどでご確認を) 手荷物にする場合は、これまでどおり、出国後税関に立ち寄り(出て右手すぐか左手のオフィス)、スタンプをもらった 後、そのすぐ近くにあるタックスフリー窓口で換金(ユーロまたは円)もしくは、クレジットカードへの返金かを選択 する...というふうになっている。手荷物で、ユーロ現金に換金したワタシは「えーっこんなに戻ってくるんだっけ?」 と、今更ながら驚いてみたりする。まあ、ユーロはいくらあっても大歓迎である。(変なニホンジン)だって、次の旅に 出やすいぢゃないねえ...。

 とはいえ、おJALのチェックインのところにいた団体ニホンジンのように、最後の最後までブランド品を買いまくるでも なく、上品そうなグラッパと、ジャンドゥーヤのチョコと、お土産用のミラン・ユーベの雑誌・欧州限定バージョンの 香水などを買い(って、結構買ったなあ...)、ロビーでぼーっと していた。ふと上を見ると「Wi/Fi」のマークがあったので、早速無線LANカードを差して試してみることに...すると、 つながりはするものの、あたりまえとは思うが、フリーゾーンではなく電話会社などのサイトへのリンク・ポータル画面 につながるようになっており、1時間いくらでカード決済して使うような仕組みになっている。いやああ〜なかなか イタリアも手堅いですなあ〜。手軽に試そうと思うのならば、ホテルに無線やLAN設備のあるところへ泊まるか、 それとも、地道にイタリアの無料プロバイダを取得して、ダイヤルアップでつなぐのがいちばん良いようである。 公共施設でも、プロバイダがまちまちで、中央駅の場合はfreestation(http://www.freestation.it/)のサービスで、 いちおう、こちらはプリペイド方式のようだが...空港はTIMやテレコムイタリアなどが参入している。 イタリアは電話代が安いとのことなので、とにかく次回はダイヤルアップでも試してみようと思った。今回もプロバイダ登録は してあったのだけどねえ..ちと準備不足であったなあ..。空港であまりいろんな電波が飛び交うのは、よろしく 無いということかもしれないが、イタリアでいつでもネットでつながっているユビキタス状態はなかなか お金がかかりそうな感じだなあ。ネットラジオで野球中継作戦は失敗に終わった...。

 おJALの機内へ乗り込むと、女優のペネロペクルスみたいなイタリア女性(ホントのペネロペはスペイン人だっけ?)が、 待ちかまえていた。どうも、連れの男性と席がばらばらになってしまったらしく、今回が日本行き初めてなので、 できれば替わってくれないか、とのこと。しかしーワタシはこの席を前から指定して買っているので、それはちと譲れ ない〜(しかも3人席の真ん中と替われという...それはむごい)。他のニホンジンにもトライしてみるが、当然 のことながら、どれも断られていた。して、他のニホンジンも知らんぷりをしている空気となる。 しかし、ぎりぎりに乗り込んできたイタリアおじさん(オヤジと言うには善良すぎる?イデタチ) に「トライしてみるわっ!」と、ペネロペが突撃。すると、そのおじさんはほんとに見たとおり善良で、え、良いですよ、んで どこの席?と、窓際から真ん中席に移る申し出に「そりゃないよおおお〜」と、叫びはしたものの、 なんと快諾してくれたのであった。で、ペネロペが、そのおじさんの窓際席。オジサンがワタシの隣の 真ん中席へと落ち着いたのであった。いやはや。ヴェネチアからの帰りでもそんなことがあったけれど、別に 隣じゃなくていいじゃない〜と思うが、こうして替わってくれる人がいる限り、彼女たちはトライし続けるの だろうかねえ..なんて思ってしまった。まあ、どっちでもいいや。おじさんとは特に会話は無かったが、 成田に到着するときに、両側にちゃんと陽気に挨拶をして消えていった。ワタシもペネロペが気になったので、 最後に声をかけておいたが...。旅は道連れ世は情けってさ。ニホンジンが言った言葉だよなあ... なんて思うのであった。

★9月28日(木)★


<そんでもって到着>

 まあ、そりゃそうだな...フツーに...。最初に思ったとおり、ひとり旅というと、特別な旅のように聞こえるけれども、 無事に終わってみればなんのことはない、いつもの旅行であった。テロ騒動の余波もなく、概ね快適な移動が出来たし、 多少引きこもりがちになることを除けば、自分の行きたい時に行きたいところへ行け、好きなときに、 好きなことができる。もちろんひとりになりたいときはそのままだし、そんなひとつひとつまさにマイペースの 日々を送ることができるなんて素晴らしいではないか。ツレの居る旅もタノシイものだが、とにかく自分なりに、 肩の力が抜けて帰ってきたような気がするな。不思議だなあ..さて次はいつどこへ行こうかな?をっと、その前に、 パリーグを見届けておかなければならない。この悔しさを来年に生かすのだあああ!

ぶひひ

 

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