
イタリア各地巡り
山へ行く〜その1〜
【ドロミテ山塊を見る〜コルチナダンペッツォ〜】
さあ山見物である。ええ!イタリアで山ですか?という前に、地図をよくみていただくと イタリアの北部はまさしく、山やま山。どうも南の国というイメージのためか、冬季オリンピック でイタリアチームが活躍すると、なぜ?!と思うかもしれないが、練習する場所は多々あるのである。
このコルチナダンペッツォもかつて冬季オリンピックが開催された場所であり、四方を 3000mの山々に囲まれた山岳リゾートである。その風景は最近では、ハリウッド映画 「クリフハンガー」のロケで使われた場所である。古くは文豪ヘミングウェイもこの地を 愛したとかで、この酔っ払いの文豪の様々なエピソードが残っているという。もちろん、冬場はすばらしい スキー場としても有名である。そういえば日本人のアルペンの銀メダリスト第1号が でたのも、このコルチナ大会であった。(いがやちはる氏)
私がコルチナへ行ったのは、9月の遅い夏休み中のことであった。ベネチアのメストレに さんざん滞在していたのは、ベネチアをくまなく巡りたかったのと、ここから、北部の街 をいろいろまわってみたかったからである。と、言っても時間に限りがあるので、このコルチナ 行きは日帰りにしてはちと遠かったかな?というところであった。
交通手段は国鉄とバスである。まずメストレからだと、カラールツォという所まで行く。 そこから、ドロミテバスというのに乗り換え、1時間ほどで到着する。が、カラールツォ までが遠いのである。日曜日に出発したのだが、朝早く確か6時前の電車に乗り延々 3時間は乗ったであろうか?休日特有の、自転車も載せられる車両も連結されていたの だが、メストレから乗った客はどんどん少なくなり、ある駅で切り離し、再連結などの 作業のため停車すると、ほとんどの乗客はちがう方向へ行くのであろう、隣りで待っていた列車に どんどん乗っていってしまい、こちらの乗客はわたしたちくらいになってしまった。 すごく心細く(1両に乗っているのは私たちだけで...)、私たちもあちらに乗る べきであったのか?と思っているうちに、列車は再び走り出す。
車掌さんが検札にきて、私たちの切符をみてなにもいわなかったので、これで 正しかったんだなと、一安心。列車はそこからどんどんどんどん山道を登っていく。 この、ドロミテの山々は岩山がすごく印象的である。高度があがっていくにつれ、 その岩肌もどんどんせまってくる。しかし、思うにこれはまだまだ序の口であった。 山の湖を抜け、だんだんと日差しが明るくなって、その岩山を照らして行く。日本の 山岳地帯には無い風景がどんどん現れてくる。
カラールツォに到着すると、降りた乗客は私たちと、自転車車両にのっていた 2〜3人だけであった。なんと贅沢なんだろう?しかし、バスはどこからでるのか? と思って駅の外に出てみると、駅前の駐車場に待っていた。しかし、イタリア旅行で 毎回思うのだが、いったいどこでお金をはらってチケットをはらえばいいのか、すぐ にはわからないようになっている。いや、知ってる人はしってるからいいんだ、 みたいなスタンス。非常によそ者にはわかりにくい。ようやくバスのチケット売場 を探し当てて、買おうとするが日本の感覚で「あ〜ひとりいくらね」なんて、お金 を出すと、「全部でこの値段だ!」と言われてしまう。バスが行ってしまわないか 気になっていたが、ようやく何事もなかったかのように、バスは出発する。
バスに乗ると、とにかくさっきの列車からの風景はイントロにすぎなかった 事がよく判る。手前の名もない(と思われる)ピークなんて、ほんとにたいした ことがない。1時間ほど、バスでどんどん登っていくと、とうとう!というかんじで かの「コルチナダンペッツォ」に到着する。この風景はいったい何なんだ!と 思ってしまうほどである。そんな所なのである
街は教会を中心に、チロル風というのだろうか、窓辺に花をいっぱいに飾った 三角屋根の山小屋風のホテルが建ち並ぶ。目抜き通りにはレストラン、土産物店、 ブティック、アウトドア製品を扱う店などが軒をつらねる。どれも趣味のよさそう な店ばかりで、高級ブランドのブティックもひとおおりそろっている。バカンスに きていても、何不自由なく街にいるのと変わらぬクオリティーを保ちつつ、しかし バカンスに来ているのである(?)と、すべてを兼ね備えたリゾート地なのだ。
<高いところにのぼる>
まわりに高いところがあるときは、とにかく登ってみる。
といっても、日帰り客に登山は無理なので、いちばん街の中心に近いロープウェイ の乗り場にいってみる。コルチナの街で標高はすでに1224mあるのだが、ここから 主要なピークは、もっとも高いところで、クリスッタロが3276m、この乗ろうとしている ルートでは、ファローリア2123mを経由してトンディ2362mの山頂まで行くことが出来る。 どちらもロープウェイで乗り継いで山頂にいたることができると、ガイドにあった。
さてトンディへのチケットを購入したところ、なんと、このベネチアから来た国鉄の往復 料金よりも高いではないか。一桁間違えたような気になって確かめたが正しいようである。 乗客は私達ともう一組、トレッキング姿のイタリア人の2人のみ。コルチナからファローリア までは一気にのぼる。その間10分足らずで森林限界を突破して立派な山小屋のある駅に到着。 ここからの眺めもすばらしかったが、チケットをみると更に上へ行くようだが、リフトは 動いていない。山小屋の裏手にいってみると、先ほどのイタリア人が裏手の建物から出たきた おじさんになにか言っている。この2人はここから山歩きをするようで、この人たちは山頂に いくので、と申し送ってくれた。このおじさんが「こっちこっち」と言ってなんとジープを まわしてくる。山頂へはこれで登るのだ。
びっくりしてる私達をのせて、おじさんは「え〜イタリア語?英語?フランス語?ドイツ語?」 と選択させ、英語がいいというと英語の簡単なパンフレットをわたしてくれた。「日本語はないんだよ」 なんとも言っていた。そして山頂に出発。30度くらいあるかという斜面をおじさんはがしがし登って行く。 いろいろ説明つきで、あっという間に山頂へ。「10分写真タイムね」といって待っていてくれた。
いや〜そこからの景色はものすごかった。先ほどの山小屋からのパノラマもすごいすごいと思ったが、 正面にクリスタッロが聳え立つ、その斜面を中心に大パノラマなのである。クリスタッロに登ったら この風景はみれなかったのか?と思いつつ、行き当たりばったりなのにこんな風景をみれて、本当に 感激であった。しかもここは正真正銘スキー場なのである。この風景の中でスキーである。すごすぎる。 と、おもった。いがや氏がここで(このコースではないとおもうが)競技をしたときもこの風景であった (あたりまえね)とは、どのような感じがしたんだろうなあ...なんておもった。

もうとにかくいっぱい写真とって、しかし非常にさむいので、おじさんとの約束の10分はあっという 間に過ぎ、少々おじさんの解説など聞きながらまたジープにのりこむ。斜面のくだりはすごい恐いぞお〜。 ということで、大満足の私達はおじさんとわかれて、ファローリアの山小屋でカプチーノを1杯。 冬のスキーにきてみたいなあ〜なんておもって、コースガイドをみたりしたが、果たして技術がついていくか が問題だなあ〜。でも、来るだけで満足だなあ〜。なんてね〜なんてね〜とぶつぶつ言いながら喫茶... しばらくねばっていたが、そろそろ下に降りることにした。今度はスキーだなあ〜とあきらめきれない私。
最初にかいたように、街は全体落ち着いているが非常に華やかな感じのするところで、午後になって 人が目立ち始めると、更にそういう感じがした。 山岳兵の若者のグループも楽しそうに歩いていた。帽子に羽根の飾りがついていて、すごくかわいらしい 兵士姿である。 私はうっかり休日なのに平日の時刻表をみてしまい、 帰るバスの時間をまちがえていたようだった。国鉄の連絡が不安であったが時間があいたので、ここで 食事をしていくことにした。
休日でいちばん人があふれているのはレストランで、そのにぎやかな1軒にはいってみた。まわりを 見ると、白人の年寄りがほとんどであった。こういうところに滞在するのは、こういう人たちなのか? と不思議におもったが、日本人のすがたもない。 ワインはリースニング系のさわやかな、少し酸味のある ような白だった。出されたパンもベネチアの固いパンとまた違い、ローズマリーを練りこんでカリカリ に焼いた薄いパンや、発酵させたパンなんかもあって、少し違うなと思った。軽くパスタとサラダなんかで とおもって待っていると、なかなか出てこず、結局あったはずの時間がぎりぎりになり、あわててバスに 乗ることになってしまった。しかもまたチケット!バスの中では売らないから、運転手の指差す売店まで 走らされ、ようやく、というか突然帰路についたのである。
<山見物ガイド>
ベネチアメストレ(Venezia Mestre)600前発 カラールツォ(Calalzo-P.C.-Cortina)830頃着L.23400(往復)250km バス(ドロミテバス)1時間ほどで到着L.???(忘れた!)片道42km トンディへのロープウェイ:L.253000 *冬場はスキー用にベネチア空港から直通バスが運行している!要チェック!!