イタリア各地巡り


海へ行く

【イタリアンリヴィエラを見る〜サンタマルゲリータリグレとポルトフィーノ〜】

 私はこの夏もイタリアにいた。埃っぽいミラノにずっと滞在していた。9月だと言うのに 連日30度を越す晴天が続いている。日本の暑さとは違って乾燥しているのだが、日差し は強くこの都会にこの調子だと参ってしまいそうであった。

 ある日1日だけ海を見に行こうということになり、リグリア海を目指した。かつて冬のニースに 行ったことはあったが、夏場にこのリヴィエラへ行くのは初めてである。こちら方面へいくのならば、 ジェノバに滞在すればよかったのだが、東京からだとなんとなくミラノでいいか、ということになって しまう。ま、今回は次回以降の下見と言う感じで、日帰りの海の遠足である。

 リグリア海沿岸はもともと断崖が海に迫る日本でいうリアス式海岸のようなところが多い。 ニースも実はそういうところであるらしいのだが、人工的にあのように長く続く海岸線を作り上げた そうなのだ。今回向かうポルトフィーノもそのリヴィエラの一角にある、非常に有名な観光地である。

 ミラノからは中央駅よりジェノバを経由して、海岸線を行く列車で行けば3時間ほどで到着 する。ポルトフィーノへはまずサンタマルゲリータリグレまで列車で行く、そこからはバスで行くことになる。 ミラノからジェノバまでの沿線はロンバルディアの田園風景の中を行くわけだが、ジェノバを過ぎる あたりからそれまでの風景は一変する。というのも、トンネルが多くなる。先ほども言ったように、 このあたりは断崖絶壁を切り開いて鉄道を通しているので、その昔は船でしか行けない村も あったのだ。海からのアプローチは今でも存在するが、トンネルの合間に一瞬見える海岸の 風景というのもなかなか良いものである。あ、もっと観たいのだが、とおもっているとすぐにトンネルに... ということを繰り返しているうちに、列車はサンタマルゲリータリグレに到着。

 サンタマルゲリータリグレもビーチリゾートである。大きなホテルもあるし、町全体が豊かなリゾートの 雰囲気を醸し出している。ニースのように大きくはないもののそれに近い、リヴィエラの観光地のひとつ である。駅前からポルトフィーノ行きのバスは出ていた。隣接するバールでバスのチケットを購入し乗りこむ。 ポルトフィーノはサンタマルゲリータリグレからさらに海岸線をジェノバ側に戻るような感じで走って行く。小さな 半島の部分にある入り江の街である。海岸線にはまだまだ夏のバカンスを楽しんでいる人々がたくさん 見える。思い思いに、デッキに寝転んだり、シュノーケルを付けて延々と浮かんでいる人々もいる。 駅の近くはそんな風景が続く。しばらくすると、半島に向かう坂道にはいり、道は狭く海岸線は迫る。 その海の色は驚くほどに透明なのだ。カーブを曲がるたびに現れる「秘密の入り江」にはよく観ると、 階段がついており、誰かの別荘につながっているようである、そんなところがたくさんあり、何もなさそうな バス停を降りて行く人々は、恐らくそう言ったヴィラの所有者なのだろう。半島を進めば進むほど、 そういった個人所有のものが多くなっていく。そうしているうちに、およそ20分ほど走ったところに ポルトフィーノの街は出現する。

 バスを降りると、両側にいろいろな店の並ぶ小道に出る。ここはメインストリートである のだが、素朴ないかにも南国の海岸の町のような外観であるが、ここで一夏を過ごすお金持ち のために高級な店が立ち並ぶ。この高級店街を抜けると海岸線に出る。美しい入り江にの 廻りには色とりどりの建物が隙間なく立ち並び、その窓はすべてこの海を臨んでいる。入り江を 囲むのはいくつものレストランが有る。非常に気持ちの良いところである。私達もその1軒に 立ち寄る。客は私達以外には、家族連れもあり、白人の男性同士のカップルもありで、東洋人 はあまり見かけないようだ。このような絶好のロケーションにあるレストランは得てして怪しいのが 常であるが、ここは眺めもよくワインもおいしく、料理も非常においしかった。ミラノの日差しから 開放され、こんな景色を眺めつつよく冷えた白ワインとシーフード。しかもカメリエーレ(給仕人) 達も若くて美しい青年たち....しばし呆然として時を過ごし、私達に興味を持ったカメリエーレ のサービスのレモンリキュールを飲み干し、彼らとのデートをすっぽかして、店を後にした。

 入り江の裏側には半島の先まで行く遊歩道が続いている。私達はその岬を目指した。 眺めのよい場所に古い城の跡などがあり、気持ちがよいがけっこう長い道のりを1時間ほど 歩くと岬に到着する。ここはリグリア海を一望できる大パノラマである。青い空と、ゆったりとした 午後の海。気持ちよく日焼けした人々もその風景を楽しんでいる。私達はその岬で先ほど 飲んだワインのせいか、1時間ほど昼寝をした。海を船がゆっくりと走って行くのがみえる。

 遊歩道から先ほどの入り江を見下ろすこともできる。ここはもともとちいさな漁港であ ったのだが、この美しさのためにイタリア人が好んで訪れるリゾート地となったそうだ。半島の 上のほうの眺めの良いところには、高級なホテルもそびえたっている。しかし、そういった超高級 観光地であるのだが、非常に静かでこじんまりとして、しかも入り江の海の水は覗き込むと なんと、魚の泳ぐ姿が見られるほど透明なのだ。こういうところで一夏を過ごす人になりたい ものだとおもいつつ、それがなかなか難しいのでは?と思わさせるポルトフィーノであった。

 サンタマルゲリータリグレに戻るバスは、行きに「がしゃん」と時間刻印をいれなかったチケットで 戻ってきてしまった。検札もなさそうな雰囲気であるし...(本当は油断禁物なのだそうだ) 列車の時間までサンタマルゲリータリグレを見物し、私たちはまずこちらに滞在して、行く行くは ポルトフィーノに滞在するというふうにするのがベターかな?なんて思った。ここの絵葉書の スタンドで、なぜか「北斗の拳」の絵葉書を見つけた。更に親しみが沸いてくるのであった。

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<サンタマルゲリータリグレとポルトフィーノの行き方>

ミラノ中央駅よりFS(国鉄)でサンタマルゲリータリグレまでおよそ3時間 往復51000リラ

サンタマルゲリータリグレ駅前よりポルトフィーノ行きバス片道1700リラ(97/9現在)

 

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