![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 道は川(多摩川の上流?)に近づいたり離れたりしながら次第に高度を上げ、 ブラインドなコーナーが続くので余りスピードを出せないが、それでも40kmくらい出しながら 右に、左に、体を少し傾けながらコーナリング。 この辺がバイクツーリングの一番の楽しみなのだろう。 時々大型バイクが60〜70kmくらいのスピードで追い抜いていくが、地面に手が付きそうな 原付で(しかも私の実力で)は残念ながらこの真似はできない。 ![]() さらに西へ、西へと進む。 道はもうすっかり山の中だ。 ここが東京の一部とは思えないほど幾重にも山に囲まれた道を、左右にうねりながら 今日の目的地は、奥多摩のはずれにある日原(にっぱら)鍾乳洞。 青梅街道から奥多摩湖の5キロほど手前を日原街道という道に入り、そのどん詰まりにある。 そろそろ曲がり口が近い筈だ。 この鍾乳洞はこの辺では有数の観光スポットなので、必ずサインが出ているだろう。 そう思い周囲に気を配りながらバイクを走らせた。 このあたりはもう完全に深い山の中で、トンネルが次から次に現れる。 中には1キロ以上の長いものもある。 トンネルを出たり入ったりしながら高度を上げてゆくうちに、前方にダムのようなものが ダムの水門の向こう側まで道を上り詰めると、目の前に突然広々とした湖が広がった。 あれ、これは奥多摩湖だ。 これじゃあ行き過ぎだ。 どうも曲がり口に気が付かず、5キロほど来てしまったらしい。 いや、古い地図を持ってきたので、それとは気づかずに新しい道を走っていたのだろう。 実は先日バイカー御用達の地図帖「ツーリングマップル」の最新版を買ったのだが、今日は それを持ってこなかったのだ。 この地図はいろいろな情報が盛り込まれて大変に良い地図だと思うのだが、いかんせん文字 が小さくておじさんには読みづらい事この上ない。 そこで今日は家にあった古い(1994年版)マップルを持ってきてしまったのである。 やれやれ、バイクはやはり若者の乗り物らしい。 来た道を引き返し、奥多摩駅の方へバイクを走らせると、今度は日原鍾乳洞方面の ふう、これで一安心だ。 日原街道へバイクを乗り入れた。 ![]() ここから鍾乳洞まで10キロくらいの道のりである。 この街道は地図で見る限り、鍾乳洞のすぐ先で行き止まりになる一本道だ。 他の車は全く見えないのでスピードを出して行きたいところだが、夜のうちに雪でも 万一凍結して滑ると怖いので、そろそろと上っていった。 道の片側は切り立った崖で、もう片側は深い谷である。 その谷の向こうにはびっしりと杉に覆われた山が幾重にも重なり合って見える。 ![]() 時折り木製の細い吊り橋や古いトロッコの鉄橋が現れて、秘境のムードを盛り上げる。 ![]() ![]() ![]() 古い木造家屋の残る小さな集落をいくつか通り過ぎた。 家の脇に大量の薪の束が詰まれていたが、あれを今でも使っているのだろうか。 ![]() 右に左にワインディングを繰り返しながら進んでゆくと、やがて小さなお茶屋のような建物が その横に「日原鍾乳洞」と看板がある。 バイクを停めて谷底への階段を下りていった。 ![]() 谷底には幅3mほどの渓流が流れていて、そこに木の橋が掛けられていた。 その向こう側が鍾乳洞の入り口だ。 入場料650円也を払って入場した。 ![]() 日原鍾乳洞は国内有数の鍾乳洞という事だが、私の見たところでは規模も小さく、 見学に訪れている人も、シーズンオフのせいか殆どいない。 蛍光灯に照らされた通路を足元を気にしながら順路沿いに見てまわった。 地中を浸透し洩れ出る地下水のせいで、洞内の空気は湿度が高く息苦しい。 天井高の低い場所が多く、岩に頭をぶつけないよう腰をかがめて歩かなければならない。 それが下りの階段の途中だったりすると、リンボーダンス状態でのけぞりながら進む。 どこの鍾乳洞にもお決まりの「○○岩」「○○観音」「○○の間」といったネーミングの 言われてみればもっともだが、半ばこじつけも少なくない。 他の鍾乳洞ではよく見る「石筍」が、ここではあまり見かけないのが、少々不満だ。 ![]() 洞内には「旧洞」部分と「新洞」部分があり、新洞部分へ行くにはビル5階層分くらいの 滑りやすい急勾配の階段に気をつけながら一気に上ると、汗をかきそうなほどへとへとに しかしそのお蔭で冷え切った体が少し温まった。 洞の一番奥に謎の祠を発見。 背後の岩に無数の一円玉が埋め込まれ、それが蛍光灯の光を反射してぎらぎらと なんだこれは・・・。 ![]() 鍾乳洞を出ると、さらに道の先へとバイクを進めてみた。 道の左手は見上げるような石灰岩(?)の岩壁になっている。 百メートルも行くと道の舗装は途切れ、あとは石ころの多いオフロードになった。 見るとまだ先の方まで道は続いているようだが、路上には雪も残っていて、さすがに あきらめて引き返すこととした。 ![]() 青梅街道へ向けて来た道を戻る。 鍾乳洞で温まった体がすぐに冷えてきた。 寒いなあ。 体が芯まで冷えてしまった。 ついつい「神田川」を口ずさんだ。 洗い髪がー、芯まで冷えてー そうだ、温泉でも入っていこう。 青梅街道へ戻って少し走ると、すぐにJRの奥多摩駅があった。 普段私が通勤に使っている中央線の、西の果ての終点の駅だ。 観光客も多いらしく、駅前にはかなりお店もあるが、今はシーズンオフという事で閑散と 案内所も今日はまだ正月休みだ。 案内所の前にある観光案内図を見ると「もえぎの湯」というのがすぐそばにあるので、 ![]() 奥多摩駅はなかなか立派。 青梅街道をしばらく戻り、旧道のような脇道に入ると、すぐに「もえぎの湯」は見つかった。 ![]() もえぎの湯は最近できた施設のようで、建物は新しく清潔だ。 しかし、客数の割に建物が小さいので、待合室も浴室の中もごった返している。 シーズンオフでこれだから、夏はもっと恐ろしい状況になっているのではなかろうか。 浴槽は屋内と露天とが一つずつあるきりなので、こちらの中も芋の子を洗う状態だ。 ふう、生き返るなあ。 冷え切った体に、温かいお湯がしみ込んでいくようだ。 寒くて感覚を失いかけていた指やつま先やに、徐々に血が通い始める。 極楽、極楽。 ここのお湯は塩素臭の強い無色透明泉で、おそらく循環式の沸かし湯(天然温泉ではない?) と思うが、何はともあれツーリング途中の温泉はライダーのオアシスだ。 と言うか、おじさんというものは温泉とビールには滅法弱いのだ。 湯上りにビールを飲みたい気持ちをぐっと抑えた。 すっかり見も心も(?)温まると、再び路上に戻った。 さあ、あとは帰るだけだ。 時計を見るともう3時半を回っている。 急がないと家に戻るのは6時を過ぎてしまうだろう。 帰り道は甲州街道へは入らずに、青梅街道をずっと走ることにした。 夕方になるにつれ、気温はまた一段下がったようだ。 温まった体がすぐに冷えてきた。 「新宿方面」のサインを追いながら、来た道を今度は東へ向け、ひたすら走る。 都心へ向かう車の流れに乗るようにして走ると、50km前後のスピードが出ている。 下り坂ではそれが60キロ近くにもなっていたりするので、慌ててアクセルを緩める。 都心に近付くにつれ、車の量が増えてきた。 小金井を通るあたりで空はかなり暗くなり、ヘッドライトとテールライトの流れの中を 東へ、東へ、ズーマーの快調なエンジン音を聞きながら夕暮れの道を走り続けていると、 人との出会いもそうだが、遊びとの出会いだって、幾つになっても新しい出会いは これから自分がどれだけの趣味や遊びと出会えるのかわからないが、バイクは末永く それから、バイクに乗るようになって、自分の世界観が少し変わったような気もする。 私は自動車の運転暦は25年と長いが、自動車のフロントグラス越しに見る世界と 例えて言うならば、自動車から見る世界はブラウン管の中の虚構の世界だが、 音や、匂いや、風や、埃など、車の中からは味わうことのできない様々なものが、 その違いが面白い。 しかも40Km前後と言う原付の走行速度は、その世界を体感できるぎりぎりの速度である。 この絶妙なスピード感と言うのは、実は自動車にも大型バイクにもない原付の大きな そんなことを考えながら走っているうちに、自宅が近付いてきた。 さすがにこれだけ長時間走ると腰が痛い。 赤信号で停車中は地面に両足を着き、膝を屈伸したり背筋を伸ばしたりして、何とか耐える。 やがて環八をすぎ、環七を右折。 環七はさすがに自動車も多く、それがかなりのスピードで流れていたが、 自宅に着いたのはちょうど6時頃だった。 本日の走行距離は約170km。 なんと、ズーマーを買ってから昨日までに走った距離以上を、今日は一日で走ってしまった。 さすがに体はくたびれたが、また一つバイクの楽しさが見えてきたような気がする。 さあ、次のツーリングはどこへ行こうか。 つぎへ
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