社会科学習指導案
指導者  真鍋 寛
ゲストティーチャー 
1.日時  1999年10月14日(木) 3.4校時
2.学年  第5学年 27名
3.総合単元名 「守れ!われらがふるさと,地球」
(指導内容項目 自然愛,環境保全 3−1)
社会科小単元名「身近にある公害と環境」
4.単元について
○ 工業生産は,国民生活の向上に大切な役割を果たしてきている。しかし,また一方では,公害を発生させ,環境を破壊し,人の健康を損なう大きな社会問題を引き起こしている。そのため,この問題を解決するために,多くの人々がこれまで努力してきている。そして現在,私たちの生活実態を見ると,私たちは自然環境を壊している加害者であり,その悪影響を受ける被害者でもある。そこで,公害についてを学習していく中で,公害と私たちの関わりについて気づかせ,自分たちのできることを考えさせていくことは,環境や自分たちの健康を守るために,とても重要なことである。
 
 ○ 産業の発達と国民生活が向上するとともに,身近な環境にも問題が生じてきている。しかし,子どもたちは,自分たちの住んでいる地域が,山に囲まれ田畑の多いので,自然が多く恵まれていると感じている。学校では,身近な自然環境を大切にする目的で,学校行事などでクリーン大作戦などの体験活動をしている。このことで,自然を大切にしたい気持ちが少しずつ育ってきている。しかし,アンケートの結果を見ると,乃美尾に環境問題はほとんどないと考えている児童が多く,環境問題に対する意識を高める必要がある。
 
 ○ 指導に当たっては,身近な乃美尾の川や水路に注目させ,環境問題について考えさせたい。そのために,次の3つのことを取り入れていきたい。一つは,メダカやその中の水の様子を見させ,みんなで情報を集めたい。二つ目は,地域のおじいさんに来ていただき,生活体験から昔と今の川の様子について,実際にお話を伺いたい。三つ目は,外部より指導者を招聘し,水質検査をしたり川と私たちの生活のかかわりについてお話を伺ったりして,水を手がかりに環境への意識を高めていきたい。そうしたことを通して,自分たちが,環境を守っていくためにどうしていけばよいか考えていこうとする意欲を高めていきたい。
 
5.総合単元の中での本時の位置づけ
 自然を守ろうとする意欲を育てるために,子どもたちは前時に,国語の「わたしたちの生きる地球」で,環境問題について考えた。そのことを通して,環境問題は,自分たちに関わる問題であるという意識を高めてきた。本時では,さらに,環境問題は自分たちの問題であり,環境を守るためにどうすればよいか考えさせたい。そして,次時の「自分のできること」において話し合いをもち,自分たちのできることを実践していくことへとつなげていきたい。そして,実践の一つとして,「クリーン大作戦」を意識を高めて体験させていきたい。
 
6.単元の目標
○公害の学習から,身近な環境問題に関心をもち,身近な川の水などについて,意欲的に調べ,自分なりにまとめようとする。                       (関心・意欲・態度)
 
○国民の健康や生活環境を守るために,公害の防止がきわめて 大切であることを理解するとともに,公害の防止には,地方公共団体などの積極的な対策と人々の協力が必要なことに気づく。                      (知識・理解)
 
○地図や統計などの資料を効果的に活用することができたり,簡単な表やグラフを作成しまとめることができる。
                 (観察・資料活用の能力)
 
○環境問題(水質汚濁)の解決に向かって,自分なりの考えをもつとともに,自分たちのできることを考える。
(社会的思考力・判断力)
 
7.指導計画(全5時間)
  第1時 私たちの身近な環境を振り返ってみよう
  第2時 川や水路を調べる計画を立てよう
  第3時 川や水路を調べてみよう(1)
  第4時 川や水路を調べてみよう(2)
  第5時 自分たちにできることを考えよう   (本時 3・4時)
 
8.本時のねらい
   身近に見られる公害の様子に関心をもち,調査活動をしたことを  まとめる。
   私たち一人ひとりも公害を発生させる場合があることに気づく。
 
9.準備物
  収集した水,ビーカー,パックテスト,地図,写真,プリント
 
10.学習過程

 学習活動

 発問と予想される児童の反応

教師の支援

1 学習課題
を確認する。


2 持ってき
た水路の水の
場所の確認を
する。





3 水はきれ
いなのか調べ
て予想する。



4 検査をす
る。




 
 
・水への意識
を高める。


・水路の気づ
きも併せて紹
介する。
・水路の周り
の様子の写真
を紹介する。



・調べる観点
方法を出し合
って予想する


・汚れ具合と
生活排水の関
係に注目させ
る。
・調べること
が理解しにく
いグループを
支援する。







 

 乃美尾の川や水路の水はほんとうによごれているのか。
 







 

 どこから水をくんできたのか紹介して下さい。
 
・川        (1カ所)
・メダカのいた水路 (2カ所)
・メダカがかつていた水路(2カ所)
・汚れているように思える水路
            (2カ所)



 

 川などの水はきれいなのか,調べて予想してみましょう。
 



 
・見た様子
・におい




 

 水の汚れを詳しく調べる方法があるんです。住田先生に教えてもらいながら,調べていきましょう。
 




 
・パックテストの説明(汚れと色)
・パックテストの結果

5 結果をま
とめ,疑問を
書く。

6 結果や疑
問の発表


7 結果と疑問について話し合う。

8 GTの先生
の話を聞く。





9 次時の予
告を聞く



 

○分かったこと
・汚れの少ないところ
・汚れているところ
○疑問

・予想と比較
して,分かっ
たことや疑問
を書く。
・結果は代表
して発表する
・疑問は,後
で発表する。
・自分たちの
生活のあり方
を振り返る。

・疑問に答え
る形で汚れの
原因や水と私
たちの生活と
のつながりや
影響について
まとめる。

・意欲を高め
る。


 












 

 グループごとに結果や疑問を発表しましょう。
 












 

 お互いに出した分かったことや疑問について,話し合いましょう。
 

 川の汚れの原因や私たちの生活
とのつながりや影響について話し
ます。
 
・生活排水と川の汚れ
・川の汚れと私たちへの影響




 

 自分たちは,川をきれいにするために何ができるか考えを出し合いましょう。
 




 
 


 
 
 
 
アンケート       (             )
             (当てはまるものに○をしてください。)
(1)「公害」という言葉を知っていますか。
    知っている   聞いたことがある   知らない
 
(2)「公害」には,どんなものがありますか。(知っている事全部)
                             
                             
                             
                             
                             
 
(3)黒瀬町で自然環境をこわしているところがあると思いますか。
  たくさんある  少しある  ほとんどない  まったくない
 
(4)こわしているところが,身近(乃美尾)にもあると思いますか。
  たくさんある  少しある  ほとんどない  まったくない
 
(5)上(3.4)のように,どこからそのように思いましたか。(短く全部)
                             
                             
                             
                             
                             
                             
 
(6)あなたやお家の人は自然環境を守るために何かしていますか
している    たまにしている   まったくしていない
 
(7)している人(たまにしている)は,だれが,何をしましたか。
                             
                             
                             
                             
                             
(8)あなたは,将来,どんな乃美尾にしたいですか。
                             
                             
12.アンケート結果
(授業前)
 
(1)知っている 1人 聞いたことがある 12人 知らない14人
(2)
(3)たくさん 3人 少し 19人 ほとんど 5人 まったく0
(4)     1人    12人     14人     0
 
(5)ゴミのポイ捨て 10人  なんとなく 9人
車の排気ガス   4人  クリーン大作戦 3人
木を切る  火事で木がなくなった 水辺教室 川が汚い 
以上2人
 
(6)している 9人 たまに 11人  全く 6人
  家族 ゴミの分別 6人
母  リサイクル(回収)ー(牛乳パック,生ゴミ,トレイ,古   新聞) 5人    洗剤を使わない 1
父  ゴミ拾い 2人
自分 ゴミ・カン拾い 8人
 
(7)自然を大切・多い(緑・山・みず・空気・川・生き物) 26人
ゴミを拾う(分別,クリーン運動) 8人
住み良い,健康な学校 各1
 
アンケート結果 
 (第2回)99.10.21(授業後)
 
(1)知っている 21人 聞いたことがある 6人 知らない0人
(2)4大公害病 14人,悪臭 8人, 騒音7人,川の汚れ 5人
空気の汚れ 5人,水の汚れ 5人,工場の煙 3人,
土壌汚染 2人,海の汚れ 1人,地盤沈下 1人
 
(3)たくさん 3人 少し 22人 ほとんど 2人 まったく0
(4)     2人    18人      7人     0
 
(5)ゴミ 6人,水調査 4人,川の汚れ 4人,溝の汚れ 4人
洗剤 3人,家庭排水 2人,メダカ 2人,工場の煙 2人
木を切る,排気ガス,道路,山火事など 1人
 
(6)している 8人 たまに 18人  全く 1人
 
(7)  家族 古新聞を使う 1人
母  洗剤を減らす 5人,分別 5人,ゴミ拾い 2人,
   トレイ回収 1人,堆肥 1人 ふきん 1人
父  ゴミ拾い 2人,分別 2人,
自分 ゴミ・カン拾い 10人,分別 4人,シャンプー適量4人
   マヨネーズ適量 2人,ものを大切 1人,洗剤の量 1人
 
(8)自然を大切・多い(緑・山・川・生き物・公害のない) 26人
きれい 3人
13.資料
  (1)CD-ROM
     ・みんなの地球とみんなのクルマ
・森
・環境
   (2)本
・環境に関するもの(シリーズ)
地球環境白書
地球環境白書 U期
みんなで考える地球環境シリーズ
環境とリサイクル
 
・マンガで見る環境白書
・図で見る環境白書
・広島県環境白書
   (3)ホームページ
・NHKたったひとつの地球
・環境庁ー京都温暖化防止会議
環境白書
 
    (4)ビデオ
     ・たったひとつの地球
     ・エネルギー   
 
 
14. 成果と課題
 
 総合単元「守れ!われらがふるさと地球」として,「環境を守ろう」という児童の意識を連続させて取り組んできたため,子どもたちは,環境に対しての意識を高め,主体的に自分たちができることは何か考え,取り組んでいる。
 
 自分たちにできることの一つとして,地域の人に情報発信する方法として,学習発表会など,次への活動へと広がっている。
 
 開かれた授業に取り組んだ。田植えや稲刈りでお世話になっているおじいさんに来ていただいて,昔と今の川の様子と生活とのつながりについてお話を伺ったり,ゲストティーチャーを招いて,現在の川の汚れの検査や川の汚れの原因についてのお話を伺ったりした。そのため,子どもたちは,身近に見られる公害についての認識を深めたり,意欲的・積極的に学習に取り組んだりすることができた。
 
 研究授業は,3・4校時の2時間続きの授業展開となるため,途中に休憩を入れようと計画していたが,児童が意欲的に学習したため,95分続けての授業となった。授業後も,まだ色々と質問をする児童もあり,自分たちの身近な環境への意識を高めることができたように思う。
 
  地域学習で川を扱ったが,乃美尾の川(中流)に注目して学習した。しかし,上流から下流にかけてもっと大きな課題意識を持って扱う必要があったかもしれない。
 
 研究授業の中では,検査に重点が傾きすぎ,水を採取した場所の地理的条件など,社会科的事象にもっと注目させて,授業を展開させる必要があった。(次時で補った)