【忘れられないあの人】



君はいつからそのネックレスをしているの?

銀色の十字架のネックレス。

片時も話さないそのネックレスには

どんな意味が込められているの?

肌身離さずしているそのネックレスは

きっと自分で買ったものじゃない。

大事な人からもらったんだろうなあ・・・

僕にはそう思える。

絶対に誰にも触らせずに大切にしている。

そうやってものを大事にしている君が好きだ。

そういう君が大好きだ。

だけど。

不安になる。

そんな君だから。

誰にもらったのかは知らない。

知らないから俺は。

とても複雑だ。

「忘れられないあの人」


今日は彼女と久しぶりのデート☆

買い物に行って〜

映画見て〜

食事して〜

楽しみだなあvvv

おお〜っと!遅刻しちゃう!


智久「お〜い!〜!ゴメン!」
「ゴメンって。謝らなくていいよ!待ち合わせ時間ぴったりだよ」
智久「はいつも10分前に来てくれるよね」
「待ってるだけなら何時間でもできる人だよ」
智久「ダメだよ!がナンパされちゃう」
「(笑)大丈夫だよ!ねぇ。どこ行こうか?」

そういって僕の手を握って歩き出した君の胸元には。

やっぱり今日もついている。

銀色の十字架のネックレス。

「智久?」
智久「俺アクセサリー店行きたい!」
「いいよ!行こう」

の胸元にはキラキラと光るネックレスが。

気になって仕方がない。

店についてもは絶対にネックレスを見ようとしない。

だから俺はのスキそうなデザインのネックレスを買うことにした。

もう9:00になる。

時間が経つのは早いなあ。

僕のポケットにはに買ったネックレスが入っている。

智久「今日。うち来ない?」
「今日・・・いいよ!」

@@@智久自宅@@@

智久「あのね。。」
「なに〜?」
智久「に渡したいものがあるんだ」
「なになに〜」
智久「ハイ!」
「智久・・・ありがとう。」
智久「俺つけてあげる」
「うん・・・」

そういってのネックレスをはずそうとしたとき。

「あっ。智久。やっぱり・・・ダメ」
智久「えっ?」
「このネックレスははずせない」
智久「どうして・・・?前から気になってたんだけど・・・」
「これは大切な人からもらったものなの・・・」
智久「大切な人って・・・誰?」
「元カレ・・・。」
智久「元カレって。」
「これ形見なの。その人。もう死んじゃったから」
智久「忘れられないの?」
「えっ?」
智久「だって。まだしてるじゃん。それって忘れられないんでしょ」
「・・・」
智久「じゃあ今付き合ってる俺はなんなの?」
「・・・」
智久「なんで忘れられないのに俺と付き合ってるの?」
「・・・」
智久「答えてよ」
「まだ・・・忘れてない。忘れたくても忘れられない」
智久「俺はその人を忘れるための道具?」
「違う。智久はあの人以上に大切に思ってる」
智久「じゃあ・・・」
「死んじゃってるから。これをつけていればあの人はいつでも・・・」
智久「ヤダよ。俺そんなのヤダよ」
「智久!・・・ごめんなさい。もう未練がましいことはやめる」
智久「それ・・・」
「ゴミ箱に捨ててもいい?」
智久「捨てちゃうの?」
「うん。本気で忘れたいから。そしてこれからはこっち」
智久「・・・」
「智久にもらったのをする!」
智久「つけてあげるよ」
「どう?」
智久「似合う!カワイイよ」


の胸元には。

小さいハートのネックレスがキラキラ光る。


智久「実はね〜」
「あれ?おそろいじゃん!」
智久「俺たちずっと一緒だから」
「智久・・・ありがと・・・」


***chu***