カブトムシの飼育
はじめに
子どものころカブトムシを飼育したことのある人は多いでしょう。虫の飼育では、スズムシと同じ
くらいポピュラーでしょう。飼育も比較的簡単で、大切に育てた幼虫が成虫になるのをみる喜びを
味わえます。大人になって飼育すると、子ども
のころの自分の気持ちに戻ることが出来ます。
近頃のカブトムシは、どうしたことか体型が小型化しています。40年ぐらい前には、小さめの
ものもいましたが、黒光りする大きなカブトムシもいました。宮崎県などのカブトムシの生態のテ
レビ番組を見ると、昔どおりの大きなやつがいますが、都会周辺では小さくなってしまったような
感じがします。あくまで、私の印象ですが。
勤務先の学校の裏庭にカブトムシの生育場所があります。枯葉をすてる捨て場なのですが、
ちょうどよい腐葉土が出来ています。7月になると成虫が出てきます。傷つけないように木の板
などで腐葉土を取り除けると、オスが何匹も出てきます。初めのうちはオスが多く、夏本番になる
とメスの方が多くなる気がします。
ここで掘り出す成虫も、私の印象では、小型化しています。体型が小さくなるのは、幼虫のとき
の食物が十分でないときだ、と書かれた本を読んだことがありますが、どうなのでしょうか。また、
おそらく腐葉土の質にも依るのではないかと考えられます。腐葉土中の水分と温度も関係してい
ると思います。今後、腐葉土の質や条件を変えて、体型に変化が出るか実験
してみたいと思いま
す。
カブトムシやスズムシの飼育は多くの人が取り組んでいると思うので、私なりにこだわりを持って
飼育したいと思います。私の関心は、体型の他には寿命です。クワガタムシは長寿で、数年生きる
のも稀ではありません。それに対してカブトムシはだいたいひと夏で死んでしまいます。その原因は
どこにあるのでしょうか。水分の多いえさ、たとえばスイカなどをあげると早死にするという報告が
あります。食物と寿命の関係も、なかなか興味深い点です。樹液と販売されている昆虫ゼリーとで
は寿命に違いが出るでしょうか。試してみたいですね。
カブトムシの越冬実験は、まだ試みたことがありません。室内に飼育箱を置くと、臭いやゴキブリ
などの問題があるからです。なかなか家族の了解を得ることが出来ません。水槽用の保温機をう
まく工夫して、室外で越冬実験をしてみようかと思います。
5月ごろに自然の腐葉土や鉋屑捨て場を掘ってみると、終齢の幼虫になっていますから、伸ばせば
10センチ近くある幼虫が見つかります。2月3月ぐらいですと、6〜7センチもあれば大きいほう
でしょう。飼育する場合は、生育場所の腐葉土をもらってきて、一番下に黒土を30センチぐらい入れ
その上に生育場所の腐葉土を沢山もらってきて入れるのがよいと思います。40センチくらいは必要
でしょう。カインズホームなどで売っている落葉木の枯葉だけで出来ている腐葉土は、べたっとして
いる場合があり、木の実や枯れ草や小枝なども混じっている自然の腐葉土のほうがよいと思います。
どちらが生育にとってよいかは、比較してみないと分かりません。今度、試みてみたいと思います。
飼育日記
2007年4月21日。
だいぶ暖かくなってきましたが、もちろんカブトムシはまだ幼虫です。コンポストで飼育していますが
このころの雨を受けるために、蓋は取り外しておきます。今年は、昔やった木箱方式の飼育ではなく
コンポストにしてみましたが、冬季の保温性や保湿性には問題が無いと思うのですが、これからの
幼虫の摂食期に良い腐葉土環境が提供されるか、少し不安があります。蒸れてしまうような気がしま
す。
また、腐葉土層が厚くなりすぎているかもしれません。蛹室を作るためには土の層まで掘り進まな
いといけないかもしれません。昔の経験だと、余り深い位置で蛹室を作るカブトムシはうまく成虫に
成れなかった記憶があります。今年は、注意深く観察してみようと思います。
2007年3月21日。晴れ。今年は暖冬だと言っていたのに、ここのところ寒くなって、桜の開花も遅れて
います。でも、例年よりは1週間ほど早くなりそうです。コンポストの腐葉土の表面がやや乾燥しはじめ
ましたので、午前中にたっぷり水を撒きました。これからの時期は、水分が重要です。自然環境にお
かれた堆肥の山とは違って人工的なコンポストでは、水分管理が必要です。
2007年2月16日。晴れ。
昨日、自宅の腐葉土の土中温度を測ったので、参考までに同じ時間、同じような時期に、自然状態
での生育環境ではどのくらいの土中温度かを測定してみました。地表から約20センチの腐葉土で、カ
ブト
ムシの幼虫が実際に生息中の地点です。やはり8度Cでして。午前10時ごろ測定。東京地域と
埼玉県で、表土20センチぐらいの深度のところの温度は、余り違いはありませんでした。気温はあき
らかに1〜2度、埼玉県の方が低いですが、地中温度に変わりがなかったのは意外でした。
2007年2月15日。
今年は、雪が降らずに春一番が吹いたそうです。庭の腐葉土の温度を測ってみました。地表から
20センチぐらいのところで、8度Cでした。意外に低温です。これから日差しが強くなっていくとどのように
地中温度が変化していくでしょうか。定期的に測定して行きます。
幼虫の飼育には木の箱が最適だと思いますが、生ゴミ処理のためのコンポストも使えます。地面に
掘り下げずに地表において、コンポストの中に30センチぐらいは黒土を入れ、その上に腐葉土を50セ
ンチくらい入れます。ふたは激しい雨の時には締めたほうがよいと思いますが、通常は板をはさんだり
して半開状態にしておきます。もちろん、蛹が成虫になる時期には、ふたは完全に取ってしまいます。
2007年2月。
今年は例年にない暖冬です。自然状態の幼虫がどのような様子かを見て見ました。自然の腐葉土
の中は枯葉などが発酵して暖かい状態です。親指の太さ程度の幼虫が、地表から20センチぐらいの
ところに沢山育っていました。
腐葉土は、落葉樹のものと針葉樹のものと、どちらでもよいようです。針葉樹の葉は、油分を多く含
んでいるためか、落葉樹の葉より発酵が遅い感じがします。カブトムシの幼虫は、十分な湿気がある
ところにいます。
今時期に幼虫を採取する場合は、環境をしっかり整えて上げる必要があります。下は土で、最低
30センチくらいは腐葉土の層が必要です。雨の半分掛かるような、暖かい場所に設置するとよいと
思います。大敵は乾燥で、定期的に水を散布する必要があります。乾燥を防ぐためには、地表面を
ボロ布や板などで覆うとよい。
木材加工作業所などの裏手にあるゴミ捨て場には、かんなくずやチップが捨てられています。その
ようなところを掘ってみると、幼虫が見つかります。20センチから30センチぐらいのところに集住して
います。一匹見つかれば、数十匹はいます。しかし、むやみに取り出すことは止めたい。今時だと、
チップ捨て場を掘ると、外気温より高いので湯気が出ることがあります。そのくらい、かんなくずは発熱
します。カブトムシにとっては格好の住処です。
もちろんかんなくずなどの捨て場では、真新しいところにはあまりいません。発酵したような古くなった
ところにいます。堅くなったところではなく、ふわふわしたやわらかいところにいます。掘り出すときには
軍手でやさしくやります。金属のシャベルでやると、幼虫を傷つけてしまいます。一気にやらずに、少し
ずつ表面をはぐようにすると、幼虫の一部が見えますから、やさしく掘り出します。
2006年。
カブトムシの幼虫を自宅の庭で見つけたのは数年前でした。自宅の植木の枝を、粉砕機でチップ
にして山積みにしていたところを、偶然掘ってみたら何匹かの幼虫を発見しました。カブトムシの飼
育をやるつもりは、はじめは無かったのですが、腐葉土も簡単に作れるし、雑木林もあることだから
昔に戻ってやってみようか、と始めました。
こどものころは、田舎から送ってきたりんごの木箱に土を入れ、軒下において幼虫を飼育しました。
蛹になったカブトムシが茶色の薄皮を破って成虫になり、穴から出てくるのを何時間もどきどきしながら
観察していたものでした。オスの角にかぶさっている皮がなかなか取れないでいるのがもどかしかった
のを覚えています。何匹も飼うことはできませんから、一番大きなものを飼育箱に入れて、残りは逃がし
たと思います。
カブトムシは特有のにおいがあります。キチン質のにおいなのか何ともいえない甲虫のにおいですが
その臭いが好きでした。また、きしきし首を振って鳴くのも懐かしい。