カラスアゲハの飼育
 

はじめに

 ご承知のように、カラスアゲハは青緑色に輝く美しい蝶です。いくら見ていても飽きない美しさです。
 カラスアゲハは、高麗川周辺にも多く見かけます。武蔵台団地の7丁目あたりの山側では、蝶道が
あって、林間を歩いていると何匹ものカラスアゲハに出会います。高麗川周辺の農家の縁などに吸
蜜木のクサギが多数植えられています。高麗川の崖の縁にもクサギが自生しています。カラスアゲ
ハは、クサギの生えている点を伝って蝶道を作っているようです。
 ところで、カラスアゲハと近縁のミヤマカラスアゲハは、自宅周辺ではまだ目撃していません。200
6年に、秩父に近い関八州見晴台の周辺で、勢い良く飛んでいるミヤマカラスアゲハを目撃しました。
関東でもやはり数百メートルの高度の山地には生息しているようですが、丘陵地には少ないのでしょ
うか。
 

飼育日記

2007年4月21日。
 カラスアゲハの食草のキハダは、やっと芽を出してきました。食草のコクサギも芽を出しました。
キハダよりもコクサギの方が芽吹きはやや早い。
 芽吹いたコクサギ

2007年3月29日。
 今年は暖冬だということでしたが、今やっと桜が5分咲きくらいです。急激に暖かくなってきました。
カラスアゲハの食樹のキハダは、茶色の芽が枝の節々に目立ってきました。でも、まだ緑色にはなっ
ていません。芽が膨らんで緑色になると、一斉に葉が開いて行きます。
 ところで、渋谷の志賀昆虫の店主志賀さんの「日本一の昆虫屋」を読むと、昆虫の飼育に関して
次のような記述があります。昆虫を自分の家で飼育しようとして、食草や食樹を庭に植えても、昆虫
は余り食べてくれない。やはり、その食草や植樹が自然にはえているという条件を無視して持って来
ても、微妙な違いが昆虫には分かるのだろう、という記述です。
 そういえば確かにそういう面があるなあ、と感じました。キハダに関して、確かにそういうことがいえ
るような気がしています。キハダは、山地に生える木ですが、私は白馬山麓のキハダを庭に植えま
した。現在、キハダは5本植えています。かなり大きくなり始めて、隣家の庇に届くので切っています。
ユズやコクサギなども植えているのですが、キハダにはあまりカラスアゲハは産卵してくれません。
ユズのほうに産み付けます。全く無いわけではなく産みますが、葉の絶対量からすればキハダのほ
うが圧倒的に多いのに、どうした訳かユズの方を好みます。そのわけが分かりませんでした。しかし、
志賀さんの記述を読んで、そうなのかもしれないと思いました。

2007年2月初旬。
 食樹のキハダは、この時期はまだ葉が出ていません。芽の段階です。茶色の芽が息づいています。
カラスアゲハはユズやコクサギも食べるという報告があります。私自身は、コクサギについている野生
のカラスアゲハの幼虫は、見たことがありません。キハダには、良くつきます。ユズにもつきますが、
両方が植えてある場所では、キハダに付くようです。まだこの時期は、キハダもコクサギも葉芽の段階
です。ユズも越冬の葉で、新芽は出ていません。
 

2006年。
 食草はキハダです。サンショウも試してみましたが、キハダが一番安定しているようです。ユズに
ついた時もありましたが、キハダの方を好むようです。幼虫はおいしいらしく、すぐに鳥にとられてし
まいます。また、寄生蜂にもやられますし、大型の蜂にも捕食されることが多いです。ですから、かな
り小さいうちから飼育箱に保護しないと、すぐにいなくなってしまいます。
 キハダは水揚げがよくなく、飼育箱で切り取った枝葉を水に差して食べさせようとしても、盛夏には
一日でしおれてしまいます。葉だけをやってもうまくいきません。最近は、木の枝をすっぽり網で包む
やり方をしています。このやり方が一番成功率が高いですが、キハダを何本も植えないと十分には
飼育が出来ません。また、風通しが悪くなるためか、網の中で葉が枯れてしまう現象も起こりがちで
す。かなり大きな網袋が必要で、枝が折れないように支柱を数本立てて支える必要があります。オオ
ムラサキの飼育では、東北地方でエゾエノキの枝に袋をかけてやるやり方が以前から報告されていま
すが、関東地方のキハダでは工夫が必要です。

 

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