クツワムシの飼育

はじめに
 
このページでは、飼育日記と共に、飼育で気づいたことなども書いていきたいと思います。
 クツワムシは、鳴く虫としては、ほとんど飼育されていないのではないでしょうか。その理由
は、言うまでも無く鳴き声がとても騒々しく、飼育したら近所迷惑だからでしょう。私の経験では
昭和30年代の下目黒の保護された林においても、たった一回、鳴いているクツワムシを夜
に採集した経験があるだけです。昭和40年代の武蔵野恋ヶ窪あたりの雑木林では、うるさい
ほど鳴いていたのを知っていますが、日高市では20年前から一度も聞いたことがありません。
 高麗川周辺の農家のお年寄りにうかがったところ、昔はいた、ということでした。かなり早い
時期から、人里から駆逐されてしまったのではないかと思います。現在は、千葉県や静岡県
や伊豆半島の藪や山林には、野生種がまだ生息しています。
  クツワムシは動作が緩慢で、危険が迫っても体に触れられるまで動こうとしません。そして、
触られると大きな後ろ足で跳ね飛びます。このため、鳴き声を目印に近くまで来られて、すぐに
捕まえられてしまいます。大幅に少なくなってしまった理由には、このことが大きいと思います。
 しかし、生命力は強く、昨年の飼育では12月22日まで、メスが一匹生きていました。今年の
飼育では、07年2月14日まで、メスが一匹、元気に生きていました。クツワムシは、キュウリなど
水分の多い野菜類を食べますが、体内にたまった水を所かまわず排出します。これは、体内の
老廃物をどんどん出してしまうと言うことで、おそらく長命につながるだろう、と私は考えています。
クツワムシが鳴く虫としてあまり人気がない理由の一つは、この体水の放出かとも思います。
飼育箱の中がすぐに汚れてしまうし、籠に入れておくと籠の周囲も汚れます。
 クツワムシには、茶色系と緑色系の2系統があります。キリギリス類はみな同じようです。クツ
ワムシでは、明らかに茶色系が生命力旺盛です。どうしてなのか、分かりませんが、飼育して
みると茶色系のほうがかなり生存率が高いのが分かります。

飼育日記

2007年4月21日。
 クツワムシの飼育箱では、もちろんまだ卵は孵っていません。だんだん外気温が高くなってきて
乾燥しやすくなってきたので、水分補給に注意を払います。土表面に掛けてあった新聞紙は、
この時期には取り外します。飼育箱の上に乗せてある乾燥防止用の蓋は、まだ外しません。土の
表面が乾かないようにしています。
 クツワムシはスズムシよりも孵化の時期が遅いです。5月から6月に掛けて孵化します。今年の
心配は、紫外線の影響です。去年、飼育箱の中に日光が入る時期が長く、その影響がどのように
でるかな、と思っています。

2007年2月14日。
 とうとうクツワムシが亡くなりました。庭の隅に葬ろうと思います。生命がなくなったら、とたんに
体につやがなくなり、枯葉のような感じになりました。頑張って一生懸命生きてくれたことに感謝
したいと思います。
 クツワムシの次の世代は、まだ飼育箱の土の中です。クツワムシは、飼育箱のガラス面近く
に卵を産む傾向があります。土の表面が固くなると、自力だけで産卵管を土中に差し込みにく
いのかもしません。壁に足をかけて産卵管を差し込んでいるためかもしれません。おかげで、
外部から卵の様子がよく観察できます。白色で、3から4ミリくらいの大きさです。

2007年2月12日。
 2月11日の日記で、クツワムシが亡くなったと報告しましたが、間違いでした。葬ろうとして触
ったところ、まだ生きていました。ごめんなさい。新しいキュウリとレタスを口の近くにおいて上げ
ました。でもやはり臨終は近いと思われます。後ろ足はこの種の昆虫にとって大切なもので、片
方が無くなってもまだ生存しますが、両方だとかなりダメージが大きいと思います。重たい腹を
地表から持ち上げておくことができずに、腹を引きずることになります。

2007年2月11日。
 昨年から生きていたクツワムシがついに亡くなりました。飼育箱の壁に上ろうとして後足が
取れてしまったのが直接の原因のようです。片一方が取れてしまって倒れていたので、急いで
助け起こし、レタスの上に置いたのですが、今日になって残ったもう一本の後ろ足もどうしたわけ
か取れてしまい、黒い体液らしきものが流れ出していました。これは排泄物かもしれません。
 昨年の6月はじめから、現在まで約9ヶ月間、生存していました。数日前には、まだ元気に
レタスを食べていたのに残念な気がしましたが、天寿を全うしたと言えると思います。
 さて、クツワムシの産卵した飼育箱は、新聞紙や梱包用のビニールシートなどで保温・遮光
しています。乾燥しない様に定期的に水を散布し、地表面には新聞紙などを敷いて水分が蒸発
しないようにします。特に、春になったら水分の補給は欠かすことは出来ません。
 この時期に蟻が飼育箱の土の表面を歩いていることがありますが、取り去るようにします。草も
生やさないほうがよいと思います。

2007年1月14日、快晴。寒い。
 昨年飼育していたクツワムシが、まだ生きています。2006年6月ごろに孵化して今まで生きて
いる訳です。茶色系のメス1匹です。年末までは、茶色系のオスも1匹生存していました。やはり
メスのほうが長命です。昨年も、メスが年末まで生きていました。今年のメスは、何時まで生きる
か楽しみです。現在、8ヶ月生きています。
 昨年は、キューリで飼育しました。年末にキューリを数日やり忘れたところ、食糧不足でかわい
そうにも死んでしまいました。今年は、そのようなかわいそうなことにならないように、毎日餌を
上げています。今年は、レタス中心ですが、これが一番のようです。
 体内の水分を大量に排出することは前にも述べましたが、さすがに冬季には少なくなります。
固形の糞は夏場と同じように出します。動きがゆっくりしているところは、夏でも冬でも変わりま
せん。なんとなく、動物のナマケモノと似ています。動作がとにかくゆっくりしています。
 夏までの飼育箱の中には、赤玉土の細粒を入れていましたが、冬季の飼育箱は室内に持ち
込むので小型で、中の土も川砂にしています。カビが生えにくいのと、もう産卵しないので土でな
く砂にしています。室内は乾燥しやすいので、砂に水を撒きます。クツワムシが水を吸っていると
ところを目撃したことはありません。しかし、水を飼育箱の中の地面に撒くことは必要です。
 飼育箱は、合計3つあるのですが、冬季には霧を吹いて水分を絶やさないようにすることが
必要かと思います。これはスズムシなどの飼育でも同じです。産卵の終わった飼育箱に、冬のあ
いだ霧を吹き、防寒のためにビニール緩衝材を巻きつけています。これは水分の蒸発防止にも
効果がありそうです。

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