ルリタテハの飼育
はじめに
ルリタテハは気まぐれです。ユリの鉢植えに大量に卵を生んでくれる年もあれば、全然産んで
くれない年もあります。夏の後半に、ふらりとやってきて卵を産むと言う感じです。幼虫はすごい
勢いでユリの葉を食べます。黒い体に黄色のおびがあり、とげもあります。蛹は、こげ茶色で
シックな感じがしますが、瑠璃色に輝く小さな斑点が両腹にあるのが特徴です。表羽のブルー
の帯が、なんともいえない美しさです。
タテハチョウ類では、唯一種、ルリタテハはユリを幼虫の食草とします。成虫はもちろん、樹液
を吸います。果樹園にも飛んできます。スイカなどを捨てているゴミ捨て場に飛来しているのを
以前、見たことがあります。
ルリタテハは夏の終わりに成虫になって、もうほかの蝶が少なくなった時期にも、陽だまりに
ふらりと飛んできたりします。そして、越冬もします。寒さに強い蝶らしく、室内で飼育したときに
は10月ぐらいになってもまだ蛹から羽化して、秋空に飛んでいきました。蛹で越冬するのは、
少数しか見たことがありません。ユリの鉢の裏側の見えにくいところに蛹化していました。この
蝶は生命力が強いような気がします。蛹になったものはぎりぎりの寒さになるまでは、羽化しよ
うとします。できる限り人間の気配のしないところに早く行こうとしているように感じます。ジャコウ
アゲハもお
どろくほど食草のウマノスズクサから離れたところに蛹化することがありますが、人
間の気配
から遠ざかろうとする、小さな虫たちのけなげな努力を感じます。
飼育日記
2007年4月21日。
この時期、ユリは芽を出してどんどん伸び始めています。ユリは、毎年鉢植えのままだと、株
が小さくなっていきます。ルリタテハがたくさんついて葉を盛んに食べてしまった年には、夏の後
半の日光をたくさん受けることが出来ないせいか、球根が太れないのかもしれません。
また、立ち枯れ病になって一鉢全部が駄目になってしまうこともあります。意外にユリの栽培
は難しいなあ、というのが実感です。
鉢植えのユリ。
2007年2月初旬。
ユリの鉢植えは、全部で5鉢あります。ハイブリッド種や日本種の鉄砲ユリなど各種を植えて
ユリの種類によって食べ方が違うか見ています。今のところ、葉の面積の小さな種類のユリに
は付きにくいと感じます。外敵から逃れるために、葉の裏に隠れるので、小さな葉では具合が悪
いのかも知れません。2月初旬には、ユリの芽は出ていません。しかし、表土を少しのけてみると、
既に芽が準備されています。
ルリタテハに食べさせるためには、ユリの茎がしっかりしているほうがよいので、鉢を十分日光
に当たるところに出して育てることにします。ひょろひょろした茎だと、風にあおられて不安定なた
め幼虫も住みづらいようです。
2006年。
2005年にはたくさん産卵してくれました。しかし、2006年はユリを増やして待っていましたが
全然でした。ユリの種類は余り問わないようです。ハイブリッド系のカサブランカなども良く食べま
す。スカシユリや鉄砲ユリも良く食べます。幼虫は、葉の裏側に隠れる習性があるらしいので、
葉が大きい種類のユリを好むようです。
ルリタテハの幼虫は、とげとげがたくさんあって鳥が好まないらしく、私の飼育時には鳥の捕食
はほとんど無かったと思います。また、ユリは茎の形状が直で鳥がとまり難くく、鳥に捕られる率
が低いのでしょうか。寄生バエや寄生蜂も少ないようです。全く無いわけではあ
りませんが、ジャ
コウアゲハやカラスアゲハなどに比べると、圧倒的に少ないです。
寄生率は20%以下という感じ
です。この理由も探求してみたい気がします。アサギマダラやジャコウアゲハのように何らかの
毒性物質が体内にあるのかもしれません。