タマムシの飼育

はじめに

 タマムシは、玉虫厨子にも使われたように、大変美しい虫です。ヤマトタマムシが
正式名です。私が子どものころには、タマムシがウラジロガシの木に止まっている
のをよく見かけました。また、欅の木の周辺にもよく飛んでいました。美しい外殻上翅
を開いて、その下に折りたたまれている後翅で飛びます。カブトムシやクワガタムシ
と同じです。ですから、あまりすばしっこい飛び方ではありません。でも、これがなかな
か、捕まえるのが難しかった。やっと幹に止まったところを、網で捕まえたときの嬉しさ
は何にも喩えようがありませんでした。
 今、自宅そばのケヤキの中木にも毎年夏になると、飛んできます。数匹といったと
ころ でしょうか。数は、昔から多くはありません。子どものころも、タマムシが群れて何
十 匹もいた、なんていうのを目撃した経験はありません。
 タマムシは宝物のような虫でしたが、子どものころは飼育したことがありませんでした。
オスとメスの両方が捕まえられる幸運に恵まれなかったこともありますが、そもそも成
虫が何を食べるのか、当時は分からなかったこともあります。ウラジロガシの木の幹に
飛んできていた成虫は、木の幹のはがれたところや傷ついたところに産卵に来ていた
ようです。
 夏の真昼間のうだるような暑さの中、タマムシを追いかけて塀の上や木によじ登って
じりじりしながら待っていたあのころが、とても懐かしい。というわけで、昔やらなかった
タマムシの飼育に、今年は挑戦してみます。

タマムシの飼育日誌

2007年3月9日。
 タマムシの成虫は、何を食べているのでしょうか。文献を調べてみましたが、今のとこ
ろ不明です。成虫の食物について記載されている文献はありませんでした。昆虫に
詳しい人に聞いたところ、ひょっとしたら成虫は何も食べないのかもしれない、と言って
いました。確かに、捕まえたタマムシにエノキの葉やいろいろな果物をやって飼育しよう
とした時がありましたが、何も食べずに数日で死んでしまいました。
 幼虫は数年、朽木の中にいて幹を食べて暮らします。3年から4年は幼生だという
記述もあります。この期間が長いということと、成虫が何を食べているのか不明なこと
は関係がありそうです。
林業関係の本を見ると、タマムシは木を枯らす害虫とされています。私の体験では、
既に枯れかかった木や枯れてしまった木に集まっていました。鉄砲虫のように若木
の芯を好んで食べて、その木を枯らしてしまうようなことは無い。とすると、むしろ倒木
の解体・還元に寄与していると言えるかもしれません。アメリカではタマムシの一種が
果樹の害虫として駆逐されているということですが、カミキリムシのように食害を樹木
に与えているか、実証的に調べてみることも必要です。この件は、農林水産省の森林
総合研究所の昆虫研究室に問い合わせて教えてもらおうと思います。

2007年3月2日。
 タマムシはケヤキ、カシ、ウラジロガシなどの幹に卵を産みます。そして、幼虫は
数年後に成虫になるということです。幼虫の期間は、朽木の中にいるようですので、
それなりの太さの丸太を探さねばなりません。
 自宅では、アルミサッシを利用して、一間四方の飼育小屋のようなものを庭に立て
る計画です。春休みには取り掛かります。丸太はどこかで伐採されたものでも探そう
と思っています。

 

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