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注
1 『卜筮樞要』附言の二条目。『卜筮樞要』については、拙稿「新井白蛾の易」(二松學舎大学大学院紀要『二松』 第十三集)注45参照。国立国会図書館蔵本は文政七年の須原屋茂兵衛・秋田屋太兵衛版である。 2 『卜筮經驗』題辭(宝暦二年・隨貞五十五歳)の一条目に小川養軒に師事してから「四十年」の語がある。 3 觀山の研究は大正12年に発表された河野省三「松宮觀山の士鑑用法直旨鈔」、伊藤武雄「松宮觀山の著書に就いて」に始まる。堀維孝はこれに応え、昭和五年に「堀少公の稿せる松宮觀山略傳」で自身の先祖である堀季雄(一 七三四〜一七八六)の随筆『日枝折』中に見える松宮觀山の小伝を紹介した。河野・伊藤両氏は、写本として伝わ った觀山の著作も見出だし、昭和10年に『松宮觀山集』としてまとめられた。その巻頭に小糸夏次郎「松宮觀山について」がある。同じく昭和10年に國分剛二「松宮觀山と堀季雄」、昭和16年には井上豊の「松宮觀山研究(一) 〜(四)」がある。こうした戦前の研究は佐藤堅司『孫子の思想史的研究』、小島康敬『徂徠学と反徂徠』、前田 勉『近世日本の儒学と兵学』といった各氏の近年の著作に於いても、研究の基礎資料として活用されている。 4 東北大学附属図書館狩野文庫蔵本『卜筮靈狐傳』(狩・第二門・三八七一)写本一冊。二二七H×一五〇W。観 山序一丁、目次一丁、本編五十丁(末丁ウラに宝暦七年の志村源光跋、「奥宮成騰写」とある)、奥付一丁(明治 廿五年「暁峰紀禮識」) 5 東北大学附属図書館狩野文庫蔵本『當世武野俗談』(狩・第三門・六五六〇)写本。十巻二冊。巻一の最後に 「平沢隨貞之事」が三丁ある。『古事類苑』の引用と有朋堂文庫本(大正二年、有朋堂書店)の異同が多いため、 東北大学狩野文庫の写本の表記も参考にすべきである。 6 架蔵『卜筮盲・』二巻一冊。平澤左内常知著。一五三H×一〇六W。匡郭内一〇七H×六六W(乾為天の丁)。 見返しなし。上巻三十八丁、うち序三丁、目録一丁(通し丁)、下巻三十一丁。堀野屋仁兵衛版。 尚、拙稿「新井白蛾の易」(二松學舎大学大学院紀要『二松』第十三集)注42の「盲節」の表記は誤り。 7 書誌書目シリーズ10『江戸本屋出版記録(中)』(昭和55年、ゆまに書房)三八一頁に、寛政十二年極月廿三日 割印の書の中に「同九年七月/卜筮盲筇 平澤左内著 再版 全一冊/板元賣出し 堀野屋仁兵衛」とある。 8 慶應義塾大学蔵本『卜筮經驗』(一三二・九一・六)六巻六冊。二五七H×一八四W。匡郭内二〇七H×一四〇 W。刊記「奠辰樓藏板/寳暦六 丙子 年十二月吉日/書肆 弘所 近江屋藤兵衞/彫工 門人 小嶋茂八」。近江屋 藤兵衞は「本白銀町通二丁目」とある。本白銀町は一時期、隨貞の住居があった場所である。尚、慶應大学蔵本と 東北大学狩野文庫蔵本は同版である。 9 小嶋茂八が宝暦十年(一七六〇)には神田の旅籠町一丁目に引っ越していることは、松宮觀山の『三教要論』 (『松宮觀山全集』第一巻所収)の刊記に見えている。 10 井上隆明『改訂増補・近世書林板元總覽』(日本書誌学体系76、平成十年、青裳堂書店)六五〇頁下段に、「堀野屋仁兵衛/翫(玩)月堂、小倉氏、江戸本石町四丁目大横町、旧称小倉屋金兵衛、のちに仁兵衛」とある。 11 国立国会図書館蔵本『日月卦傳鈔』(特二・八〇五)後編(前編欠)は宝暦四年の小川彦九郎版である。また、京都大学附属図書館蔵本の前編・後編は文政十年版の藤屋弥兵衛版(再版)である。 12 国立国会図書館蔵本『非白蛾辨』(二一〇・一五七)に「卦傳鈔發行之後、東武之人、隨貞者著卜筮盲筇。其書與卦傳鈔絲毫無差、如合符節」とある。 13 架蔵『増補盲筇』一巻一冊。平澤隨貞先生口授、門人龍足子仲祇貞訂。一五六H×一一〇W。匡郭内一一九H× 八六W(乾為天の丁)。見返し「平澤隨貞先生著/卜筮・増補盲筇/奠辰楼藏板」。七十八丁(序から通し丁)。 五丁目ウラに板権印。七十七丁目に仲祇貞跋。刊記「寳暦四甲戌九月吉日/奠辰楼藏板」。板元名は伊勢屋甚兵衛 ・下野屋金兵衛だが改彫の可能性がある。 14 『卜筮經驗』十六巻の部分には「極秘伝」の出来上がりを待ってから出版される旨が小さく説明されている。慶 應義塾大学、東北大学蔵本の『卜筮經驗』はいずれも宝暦六年の近江屋藤兵衛版であるが、巻七・八の『占考紀畧』を目録に載せながら、それを欠いたまま出版されている。また『江戸本屋出版記録(上)』六七一頁、宝暦六年の 増補部分に山崎金兵衛から全十二冊で出版された記録がある(索引に『卜筮經縄』とあるのは誤りか)。これも二 巻分の四冊が欠けたままの出版のようだ。つまり『卜筮經驗』は「極秘伝」の完成を待たずに版権が移り、そのま ま近江屋藤兵衛から出版されたと考えられる。その「極秘伝」とは後に『占考紀畧』と称されたものではないかと思う。『占考紀畧』は昭和34年に鴨書店が『卜筮經驗』『占考紀畧』を合本とした謄写版で見ることができる。 15 明版の『斷易天機』(萬暦二十五年版)は、和刻本として正保二年に京都の藤田長吉版が出ている。 国立国会図書館蔵本『斷易天機』(一五四・三八)六巻六冊。二五五H×一七〇W。匡郭内一九八H×一五一W。 見返しなし。無界。花魚尾。刊記はないが巻頭に「増補鬼谷源流・寳善堂梓行」とある。
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