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急速に進む高齢化社会の中でパッケージに関する身体機能低下の代表的な事例を挙げると、物が見えにくくなる事による細かい文字が読みにくくなる事や力が弱くなる事による蓋があけられない・重たいものが持てない事、指先での細かい作業がやりにくくなることによるツマミがつかめない事や細かいことが覚えにくくなる事による複雑な手順の作業が出来ないことなど、視聴覚機能と運動機能が徐々に衰え、パッケージを扱う上でもさまざまな障害があらわれてくる。このような実情も踏まえると、商品開発・包装設計への取り組みに身体的機能の低下に対する配慮を盛り込む事は、一つの大きなテーマとなっている。ここではJIS S 0022-4に基づき高齢者の人々が満足するモノづくりの包装設計の進め方を説明することとする。
まず、高齢者の人々が商品を購入する際に製品の識別がしやすいか、つまり誤購入の可能性がないかという点がある。これは他製品と類似しない製品名、デザインかどうか、文字の大きさや色の組み合わせなどへの配慮が必要である。また法定表示はわかり易いかという点も考慮することであり内容量、成分表示(アレルギー物質を含む)や使用期限などの表示位置への配慮も必要である。そして商品が持ち運びやすいかという点も重要であり形状、重さ、大きさすべりにくさも配慮すべき点である。
次に高齢者の人々が商品を保管する際に保管方法がわかり易いかがある。直感的な理解、保管の手順、図解、保管上の注意のわかり易さが求められる。また保管性の機能も要求され、保管がしやすいかどうかも配慮する点である。収納性、倒れにくさ、取り出し時のすべりにくさが求められ、保管時の製品識別のしやすさ、期限表示の見やすさ(包装容器の中に複数の内装・個装がある場合、それぞれに必要表示をする)が必要である。また開封後保管において中身の品質、衛生が保てるか、内容物の変質への配慮が求められる。
さらに高齢者の人々が商品を開封する際に開封箇所はわかりやすいか、直感的な認知や一般的な開封箇所、開封箇所表示のわかりやすさが必然である。または開封方法はわかりやすいか、直感的な認知、簡単な開封構造、新しい開封方法の場合、開封手順、図解のわかりやすさが求められる。そして開けやすいかどうか、つまみ、直線カット性、滑り止めなどの開けやすさの配慮や弱い力などへの配慮が必要である。
そして高齢者の人々が商品を使用する際に保持しやすく持ちやすい形状にする必要があり、片手で扱える形状、重さ、大きさ、すべりにくさ、重心やバランス等の安定性への配慮が必要である。また使用方法はわかりやすいか、つまり直感的な理解、使用手順、図解がわかりやすさや警告表示、使用上の注意書きの文字の大きさ、色の組み合わせ、表示位置への配慮、危機回避の表示、誤使用、誤飲した場合の対応表示とわかり易さが必要である。また詰め替え用の場合詰め替えやすいか、使いやすいかが重要となり適正使用量、残量などの確認のしやすさや最後の容器内残量の取り出しやすさ、使用性において安全に使用できるか、つまりうっかりミスによる危険、誤使用、誤飲食などへの配慮が求められる。
つぎに高齢者の人々が商品を再封する際に再封方法はわかりやすいか再封しやすいかを配慮しなくてはならない。弱い力への対応や再封確認を感触や音で確認できる構造とする工夫が必要となる。
最後に高齢者の人々が商品を分別、排出する際に分別方法の表示、分別時の注意表示のわかりやすさが必要であり、素材別の分別、つぶしやすさ、分別時の危険のなさが求められる。排出(ゴミ出し)の際の場合も前記と同様のデザイン機能が求められる。
上記の事柄を具体的な事例をまとめて挙げると、ピクトマークなどのイラスト表現や文字サイズや色使いの使い分け、手で握りやすいスレンダーボディーや指でつまめる大きさの開口、左右どちらからでも開封できる形状や指かかりの良いくぼみの作成、プラマーク等の分類マークの使用、はさみを使わずに指で簡単に開けることが出来るレーザー加工や指先で簡単に開けられる便利なプッシュボタン付きの容器、確実に開封できるようにミシン目の形状を工夫した紙カートン開封部の形状、紙カップの表面に発砲加工することでの滑りにくさの創作や紙パックも二重構造することでの断熱効果や詰め替え用パウチの熱罫加工、ノズルの向きの工夫、そして側面にあらかじめ折り線を入れることにより排出時に簡単につぶせる構造等がある。
2.液体コーヒーの色の変化、香りの拡散等品質劣化・低下を防止方法
液体コーヒーをボトル充填するための包装形態、材質としてボトル缶(TEC)を使用するのが妥当である。ボトル缶とは、ペットボトルと同型のアルミ製ボトル型缶である。さらに、スチール製ボトル缶も開発され、コーヒーの容器として利用されている。
ボトル缶の形態は、その名のとおりボトル(ビン)の形をしており、従来ビンに使用されているスクリュー式のキャップで蓋をした缶です。蓋を閉めることができるので、中身を一度に消費する必要がないことと、事実上使い回しが出来る。そして、金属缶本来の長所である内容物保護性に、一度開けた後でも再び蓋ができるリシール性と持ち運びの利便性を加えるものとして利用できる。また飲み口がカール形状となっている為、飲み口で唇をきる心配がありません。
包装材質については、ボトル缶内面をエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系などの水性有機高分子塗料で塗装したものやさらに素材としてあらかじめPETフィルムなどをTFSにラミネートしたものを使用することで洗浄や塗装工程を簡素化し、環境問題に配慮したものがある。缶胴内面にPETフィルムを貼り付けてある為、ビスフェノールAの内容物への溶出を防止する働きがある。ボトル缶外面の材質をアルミ等金属にすることで、ペットボトルよりも熱伝導率がよく冷えやすいうえ、不要時はペットボトルのような専用プレス機(プレス→針金・ビニルバンド束ね)ではなく、金属製品用のプレス機(針金束ね無し)でスクラップに出来ることが挙げられる。またボトル缶は、蓋も容器自体と同じアルミ等金属材質であるため、蓋も含めてリサイクル可能であり、缶本体とキャップは分別の必要がなく、リサイクル性に優れています。そして、アルミ等金属材質の一番の特徴は、PETボトルに比べ、酸素透過性・遮光性に優れている為、長期間の内容物の品質保持や品質保存が可能です。また金属缶ですから、全面印刷も可能です。欠点としては中身が見えないこと、若干衝撃に弱いことがあげられる。高度のユニバーサルデザインや輸送時の外装保護が必要である。
また、ガス充填包装と品質保持手段として無菌化包装、充填を併用する必要がある。具体的に、ボトル缶入りコーヒーには、おいしさを保つために窒素充填したものや加熱殺菌処理によって失われがちなコーヒー本来の豊かな味わいを生かす低温無菌充填されたものがある。低温無菌充填によって実現した、コーヒーならではの上質な香りとクリアな味わいが得られると同時にコーヒーのボトル缶の飲み口が広い理由として広口ボトル缶を採用されているのは、コーヒーの香りを感じてもらいたいという生産者の気持ちが込められているからです。上記を詳細に説明するとガス充填包装とは、包装内の空気(ヘッドスペース)を不活性ガスで置換する事で残存酸素濃度が低く、コーヒー等内容物の酸化防止に有効な効果が現れる。初期にコーヒーと一緒に封入される空気をなるべく少なくすることが重要で飲料の表面を水蒸気で一定加熱してから容器内の水蒸気と空気を窒素ガスで置換してシールする方法が効果的である。無菌化包装とは、冷蔵、チルド流通など微生物の生育をある程度抑制、延長できる流通と組み合わせることにより、初期の汚染菌濃度を低め、設備、包装材料、環境の清掃度を向上させて微生物抑制を行う方法である。基本は、空気濾過技術(バイオクリーンルーム)を応用することで、微生物抑制を行う。しかし無菌化包装では微生物は一定期間静菌状態にあるが、殺菌状態ではないので品質保持期限の適正な管理が必要である。上記の無菌充填法とは、食品や飲料をあらかじめ熱殺菌(低温度の加熱)によって短時間殺菌し容器を殺菌する。そして無菌状態中で殺菌されたコーヒー飲料を殺菌されたボトル缶に充填、密閉する。ホトル缶の殺菌には、高温の過剰水蒸気やPET素材に対しては過酸化水素水、過酸化水素ガスを使用する場合が多い。これらの併用や使い分けは、ミルク入りコーヒーか、否かなどコーヒー成分の状態で決定し、対応する必要がある。上記の飲料の加熱殺菌は、コーヒーの風味や栄養素が破壊されない程度の有害微生物を殺菌する必要最小限の加熱熱履歴とする。
包装設計のユニバーサルデザインや生産コストの面からも液体窒素充填法が開発されたことにより、メリットができた。低温殺菌されるコーヒー飲料にも内部が加圧状態である陽圧缶の使用が可能となったことにより、加圧状態である陽圧缶の使用が可能になり、缶内の圧力で形状が保て、素材を薄肉化でき容器の軽量化もできる。意外なことにペットボトルよりもボトル缶軽量です。つまりアルミ等金属材料の使用量や持ちやすさにもガス充填法や無菌充填は、貢献している。
最後に当演習課題の条件では、コーヒー用ペットボトルの使用も可能である。ここでは、それについて軽く触れておくことにする。無菌充填、アセプティック用ボトルの使用、PETボトルの延伸ブロー成型法(ストレッチブロー成型法)光を遮断するためのラベルを容器外面に貼り付けること等併用でチルド流通の場合は、賞味期限3ヶ月は、品質保持には可能そうだが生産性コスト面、保存性、環境リサイクル面等からやはりボトル缶(TEC)の使用が最適と判断する。
3.包装印刷の役割を果たすために要求されている事
包装における印刷の役割について、「印刷」は、包装材料に付加する「情報提供機能」に関連している。情報の提供機能とは、包装を見ることによって、内容物に関する適正な情報が得られることである。包装は、生産者の立場からはPRしたい内容を的確に伝えるサイレントセールスマンであり、消費者にとっては、ほしい情報を正しく提供してくれるコミュニケーターの役割を果たす。
現在では、食品・医薬品等の包装用としての紙器・軟包装(フレキシブルパッケージ)などの商業包装、あるいは、ダンボール・木箱などの工業包装(梱包)を含め、商品の流通・消費における包装材料には印刷が表示されていないものは無いといってよい。
これらの包装材料のなかで、消費者(生活者)と直接かかわりのある、紙器・軟包装(フレキシブルパッケージ)おける印刷の機能としては、以下の項目があげられる。大まかに述べると、品名、用途、識別、内容物、特徴、期限、量、メーカー、成分、取扱いの注意等がある。そして商品を目立ちやすさの役割として、ブランドマークやブランドカラーによる表示があげられる。つまり、
流通過程における内容物、品種などの確認や販売における商品のイメージづくりと自己表現力、そして、商品の内容、使用方法の説明や法規制等に基づく商品の内容表示、POS等による商品管理など、多種多様な役割を包装における印刷は、担っている。
4.食品の包装設計について
包装食品の製造で基本となる個装の設計を中心に述べてみる。
まずは、「商品コンセプトの明確化」である。これは、製品がなにを特徴とするのかや競合製品との相対的な位置関係を明らかにすることで、商品コンセプトつまり個性を明確にすること。これがきまれば市場での目標が絞り込まれ、流通方式が定まる。そこで、包装について必要な品質保持期限の設定や個装サイズ、形態、包装の機能性などを設定することができる。この段階で必要な発想は、ずばり、「何が供給できるか」より「何が要求されているか」のマーケティング志向である。
次に、「包装の機能と包装技法の選定」である。これは、その食品の特性を正確に理解し、商品を流通させる場合に包装の機能として何が重要であるかを種久の側面から考察し、もっとも適切な包装機能と、それを具体化しうる包装形態と材料を選定する。さらに個装だけでなく輸送時の包装単位、販売時の包装単位もあわせて選定する。これらの情報を基本にして包装技法と生産設備を決定することができる。
さらに、「容器デザインとそのデコレーション」についても考慮すべき点の一つである。つまり、開発商品の個性は何か、強調したい特徴は何か、これが具体化される容器のデザイン形状と特にデコレーションが重要な要素である。印刷適性、印刷技法、ラベルの使用などの選択が適切に行われなければならない。
そして、「生産技術」もあげられる。包装製品の生産性は極めて重要な設計要素である。優れた機能を有する包装であっても生産性に難点のある場合は、コスト面での注意深い吟味が必要となる。生産規模が将来も含めてどれぐらいか、季節的変動はどうか、品質検査体制や製造ライン自動化の難易度、委託生産か自社生産か、包装ライン新規投資か即存ラインの改良かなども重要な設計要素である。
最後に、「環境・省エネルギー対応」も、そのひとつである。素材や包装廃棄物のリサイクル特性、生産・流通におけるエネルギー消費などが無視できない要素となりつつある。将来の法的・社会的規制や二酸化炭素排出の問題まで考慮に入れた、いわゆるLCA(ライフサイクルアセスメント)を意識した選択が必要な時代となっている。
5.食品包装技法とその特徴
食品を保持する為に使われている主な技術として、@無菌化包装されたデザート、牛乳、ジュー ス等の液体食品や、ハム、ソーセージ、切り餅、無菌米飯等があり、熱に弱い栄養素、味、香り、色テクスチャー等の食品固有の性状が比較的安定して保持できるために、裾野が広がりつつある。商品の成熟化、高級品志向、ガス充填包装が伸長、再シール、易開封化、小口包装化の傾向、料理の素材、利便性追及、詰め合わせ商品化が進むといったトレンドがあげられる。
次にあげるのが、Aレトルト殺菌法であり、これは、高温で熱履歴が長いために食品固有の色、味香り、ビタミン等が変化しやすいが、高温殺菌されているために常温流通がきき長期の保存にも耐え、カレー、惣菜、魚肉ソーセージ、かまぼこ等に利用されている。商品の多様化、スーパー、CVS商品として定着、電子レンジ食品化、外食産業等業務化、新製品・治療用食品が台頭する、途上国での伸び期待といったトレンドがあげられる。
3つ目には、B冷凍保存法があげられる。これは、生鮮、調理加工食品、電子レンジ食品等に幅広く利用されており、マイナス十八℃以下で長期間の保管に耐え、便利な為に、共稼ぎ、高齢化、単身者、利便性の追及といったトレンドに乗り伸びが期待される。調理食品が主流、輸入冷凍野菜が増加電子レンジ食品化、発熱シートの登場、調理冷凍食品の宅配、利便性と美しさの追及が進む、欧米は素材冷凍食品といったトレンドがあげられる。
これらの流通での違いは、無菌化包装は、冷蔵保管、流通が一般的で賞味期限は、スライスハムで35日程度であるのに対し、レトルト殺菌法は、常温流通が法的に認められていて、魚肉ソーセージで2ヶ月以上の賞味期限が保証できる。一方で冷凍保存法にいたっては、品温をマイナス十八℃以下に保持することが義務化されている。
6、CSRとは?
CSRの正式な英文呼称は、Corporate Social Responsibilityである。日本語訳としては、
企業の社会的責任である。大儀としては、従来の「収益をあげ、税金を納める」との企業概念から、株主への説明責任、法令順守(コンプライアンス)、誠実な顧客への対応、環境への配慮等の社会全体に対する責任を企業活動の重要な課題と位置づけ、企業の持続性発展を志向する考え方を示すものである。
法律の遵守は、企業にとっては「最低限品質」であり、さらに業界自主基準や業界標準を遵守することが「当たり前品質」であることを充分に認識して、社内の製品安全管理体制を構築する必要がある。
包装材料の衛生安全性は、世界共通の大きな課題であり、その安全基準の国際的な整合化に向けた努力がつづけられている。日本においては、平成15年に食品安全委員会が発足し、その下に「器具・容器包装専門調査会」が設置されている。
この食品安全委員会のモデルとなった「欧州食品機関」の基本コンセプトは、【透明性、客観性、専門性】である。まさに日本の包装材料の安全基準のあり方も全く同じであろう。業界自主規制は、それなりに約30数年にわたり社会的責任を果たしてきたが、産業界以外の専門家は参加していないために、特に専門性と透明性において不十分であろう。今後、産学官が共同で専門的な立場で討議できる仕組みを作り、そしてその結果を広く公表して、生活者(一般市民)の理解を深める活動が重要である。
企業においても、自社の製品の安全データを広く公表し、顧客のみならず社会全体の理解を求める姿勢が重要になると考えられる。
7.【封緘】について
1つ目に医薬品には、医薬品の製造業者または輸入販売業者の製造または販売責任を明確にするとともに、品質の確保をはかるため、薬事法58条で、「医薬品を納めた容器又は被包に封を施さなくては、ならない。ただし、医薬品の製造業者に販売しまたは授与するときは、この限りではない」がある。この規定の目的は、医薬品がその容器又は被包に記載されているものと同一のものであることを確保することにある。対象は、製造専用の医薬品を除く医薬品、すなわち一般消費者の保護を意味する。罰則は、毒薬又は劇薬のみ1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金となっている。
2つ目に薬事法施行規則第59条で「封を開かなければ医薬品を取り出すことができずかつ、封を開いた後には容易に原状に復することができないように、施さなければならない」と定められている。
なお、本規則を補完する業界申し合わせ「医薬品個装箱の封、密閉性の確保に関するガイドライン」が発出されているので遵守する必要がある。このガイドランでは次のとおり策定するものとしている。まず、個装箱の封については、一旦開封すれば容易に目視で確認でき、再封しても開封した跡が残るか、または再封できないように施す必要がある。したがって、封は局長通知の具体的な方法にもとづいておこない、接着剤等および粘着テープ・ラベル貼り付けでの封の工夫を行うことにより封を剥がしにくくまた開封したことが容易に目視で確認できるようにすることに留意されたい。また、個装箱の密閉性については、形状によっては、接着剤等および粘着テープ・ラベルによる封を開けずに、医薬品を取り出すことができる場合がある。特に巾が狭いワンタッチ方式箱で底貼り部分(ロック、引っかかり部分)の板紙の重なりが少ない、あるいは紙厚が薄い場合は、比較的容易に隙間を開けられることがあるので、箱内の空間量を小さくしたり、ラベル等で封をしたり、またパッドを入れる等の工夫をすることにより内容薬剤が抜き取られないように隙間を極力小さくするか、隙間が生じないようにすることに留意されたい。向精神薬の封については、その薬効の特性上から、他の医薬品より厳密に管理される必要がある。
最後に封緘の種類をおおまかに分類すると、のりづけによるもの、封かん剤を貼り付けたもの、フィルムの収縮によるもの、鋲どめによるもの、熱接着によるもの、圧着によるもの等がある。
8.印刷方式とその特徴について
印刷方法を分類すると、その版の形状から、@凸版(活版)A凹版B平版C孔版に大別できる。
まず1つ目の凸版方式とは、版に画線部(インキがつく部分)が凸状になっているもので、新聞、雑誌などの印刷に用いられる。樹脂版を使用するフレキソ印刷もこの一種である。特徴は、版面に付着するインキ量が多いため、全体に濃度の高い力強い印刷効果が得られる。また耐刷性に優れる。そして、活字組みと写真製版を別々に進行できる。しかし弱点としては、細い線はマージナルゾーンのため太くなる傾向がある。またコントラストがきつく硬い感じになりやすく柔らかな質感の表現には向かない。
2つ目の凹版(グラビア印刷)とは、凸版とは逆に画線部が凹状になっており、版全体にインキをつけ、ドクターナイフで表面のインキをかきとると凹部にのみインキが残る。その残ったインキを紙に転写する印刷方式である。凹部の深さを変化させることによりインキ層の厚さが変わり、印刷面の濃淡の階調が得られる。特徴は、インキの着肉量が多く再現できる濃度域が他の版式より広いので、階調の変化が連続的で、濃淡、明暗、色調ともに豊富である。また印刷スピードは最も早い。その反面、グラビアのインキは、流動性があるため、ベタの部分に泳ぎと称されるムラが出やすい。また刷版が高い。そして一度刷版を作ってしまうと修正が困難である。また文字の輪郭がマス目で構成され、シャープさに欠ける。
3つ目は、平版(オフセット印刷)であり、画線部、非画線部ともほぼ同一の平面状にある版で
水と油が反発しあう性質を利用した印刷方式。画線部を親油性に、非画線部を親水性にし、水をつけた後にインキをつければ親油性の画線部にのみ親油性のインキを着肉させることができる。オフセット方式とは、版上のインキを一度ブランケットに転写して、更に紙に移す方式である。特徴は
インキの着肉量が少ないため、印刷効果は軽くソフトな感じになる。また耐刷性に劣るが、原版からの殖版が容易である。そして刷版は安い。さらに細線や小さな文字が鮮明に印刷できる。しかし校正用の版と実際の刷版が別であるために多少の差異を生じることがある。また印刷工程で水を使用するため、水とインキが混ざり合って乳化する。
最後に孔版があり、これは画線部のみがインキを通すようになっている版をいう。版に設けられた孔をインキが通過して反対側にある被印刷物に着肉することによって、印刷される。シルクスクリーン、謄写版印刷が代表例である。特徴は、最も着肉量が多く、被覆力が大きいため、黒のベタの上に白の印刷をすることも可能であり、多くの種類のインキを使用することも可能である。また版面が柔軟であるため、被印刷物が平面でなくても印刷が可能である。また印刷圧が非常に少なくてすむ。以上の理由からほとんどの材質に印刷することができ、立体物の平らな部分は可能である。
しかし、印刷のスピードが遅いという難点もある。
9.プラスチック容器の種類とその特徴。
プラスチック容器は、@中空成型容器A硬軟質シート成型・インジェクション発泡成形容器Bフレクシブル容器の3つに、大まかに分類することができる。
1つ目の中空成型容器の代表的な容器にボトルがあげられる。熱可塑性プラスチックを使用してブロー成型法で作られた胴部、口部、底部から構成される容器の総称をいいPE、PP、PS、PET等の材料を使用し、化粧品、洗剤、医薬品、食品等広範囲の用途に適用されている。柔軟な材料でつくられたものはスクイズボトルと称される。もうひとつ代表的な容器としてチューブ容器がある。これは、頭部、胴部から構成され、内容物を搾り出す事が出来る円筒形の容器である。チューブには押し出し成型チューブ、ブロー成型チューブ、フィルムラミネートチューブなどがあり、化粧品、バター等の食品用途に使用されている。
2つ目の硬軟質シート成型・インジェクション発泡成形容器の代表的な容器にカップがあげられる。これは、開口部が底部より広いコップ状容器をいう。器具としてメラニン等の圧縮成型品やPE、PP、PSの射出成型品がある。容器としてもPP、PE、PET等の熱成型品、PSの射出または熱成型品、発泡PSビーズを用いた熱成型品が使用されている。またレトルト用途にはEVOH等のバリヤー層を有した多層シート成型品が用いられている。また代表的な容器としてトレイがあげられる。これは比較的剛性のある浅い容器をいい、PSP等の熱成型品がある。ケースも代表的な容器にあげることができるが、これは比較的剛性のある深い箱型形状容器をいい、PP/PS/PPまたは、PP構成で豆腐容器等に使用されている。また透明なプラスチックシートを加熱真空または、圧空成型法などにより内容物を充填できるくぼみを作る形で成型し、開口部を別の基材で密封した包剤をブリスター包装といい、基材をアルミニウム箔とし、開口時に成型側から指で押すことにより破り、内容物を取り出せる包材で、医薬品の錠剤やカプセルに多用されているPTPとシートを商品個々の大きさに合わせて作った真空成型品のコンツアーがある。コンツアーは、ビスケット等のお菓子や卵の包装に使用され、PET、PVCが使用されている。
最後にフレキシブル容器包装だが、これはフィルム、アルミ箔等の柔軟性に富む材料で構成された包装材をいい、代表的な容器にフレキシブルパウチがある。フィルム、紙、アルミ箔等の柔軟な材料の単独または複合でつくられた袋をいう。包材メーカーで製袋した袋を食品メーカーで充填する方式と包材メーカーから供給されたロールフィルムを製袋しながら充填する方式がある。前者は
四方シールされた平パウチ、スタンディングパウチ、ガセットパウチ等があり、厳しい包装適正の要求されるレトルト殺菌包装用途や洗剤等の詰替パウチに多く使用されている。後者にはスナック等に使用される縦ピローパウチ、切り餅等に使用される横ピローパウチ、マヨネーズ等に使用されるスティックパック、添付スープに使用される三方シールパウチがある。バックインボックスも代表例にあげられるが、これは、折りたたみ可能な袋や容器を外装用段ボールに入れた包装で、ミネラル水、濃縮果汁等に使用されている。
10.機能性を持ったフィルムについて
機能性フィルムとは、優れた機能を持つフィルムをいう。包装材料用の機能性フィルムの主な機能として酸素、炭酸ガス、香り、水蒸気、光などの各種バリア性などがある。その内の酸素バリア性と水蒸気バリア性についての2つを例を挙げて説明していくこととする。
まずはじめに酸素バリア性の優れた機能を持ったフィルムについて説明していくと、酸素透過性は、温度、湿度、結晶性、フィルムの厚み、配向度、ガラス転移点などに影響を受ける。例えば、温湿度が高くなるほど酸素透過度は一般的に大きくなる。またプラスチックフィルムの酸素透過性は、結晶化度が大きいほど小さい。そしてフィルムの厚みが増すほど小さくなる。そして何より包装材料(フィルム)により、酸素透過度の値は大きく変わってくる。酸素バリア性の優れた機能を持ったフィルムを具体的にあげていくと次の通りとなる。PVDC(延伸塩化ビニリデン)やPET・AL蒸着/PEやPET/AL箔/PEや透明蒸着PET(酸化アルミ)/PEは、ウルトラハイバリアフィルムの域に達している。複層ナイロン(EVOH)や複層ナイロン(MXD)やPVAコートOPPなどもハイバリアフィルムとしてあげられる。
水蒸気バリア性の優れた機能を持ったフィルムについて説明していくと、透湿性とは、水の分子がプラスチックフィルムを透過する性質であり、更に内部に溶け込んだ水分子は拡散しやすい非結晶部を通り抜ける。これらも酸素透過度と同じく温度、湿度、結晶性、フィルムの厚み、配向度、ガラス転移点などに影響を受ける。また酸素透過度と同様に温湿度が高くなるほど水蒸気透過度は一般的に大きくなる。そしてフィルムの厚みが増すほど小さくなり、包装材料(フィルム)により値は大きく変わるのも同様である。水蒸気バリア性の優れた機能を持ったフィルムを具体的にあげていくと、塩化ビニリデンやアルミ蒸着物、透明蒸着物は、やはりウルトラハイバリアの域に達している。またPP(ポリプロピレン)系やPE(ポリエチレン)系やPET系もハイバリアフィルムである。
つまり、上記のバリア性機能フィルムは、保護性機能の1部にあたり、包装された内容物を保護する機能である。酸素透過率バリアを良くすることにより、油性食品の酸化劣化や変色、カビの発生等を軽減することが可能となる。また、水蒸気バリアを良くすることにより、乾燥食品や医薬品の包装では、その内容物の品質を保持することが長期間可能となる。バリア性を追加する一般的な方法は、バリア機能性包材を単体で使用する場合もあるが、主とする方法は、他のプラスチック材料との組み合わせ、多層化が行われている。表面改質による方法も同様である。
11.ガラスびんの強度について
まずはじめに耐内圧力強度がある。これは、ビール、サイダー、コーラなど炭酸飲料はビン詰めされたとき内圧が伴い、その圧力は、温度が上昇するほど上昇していく。したがってびんはそれに充分耐えなくてはならない。耐内圧力強度はびんの総合的な強度を表すと考えてもよいので、内圧用以外のびんについても、耐内圧力強度を把握しておくと参考になる。一般にびんの形状が複雑になればなるほど耐内圧力強度は低下するものと考えてよい。丸ビン(水平断面が円形)がもっとも強い形状である。また耐内圧力強度は、肉厚が厚く直径が小さいほど強い。
次に、熱衝撃強度がある。これは、ガラスびんは充填工程などで急激な熱変化を受ける。びんの素材であるソーダ石炭ガラスは、熱による膨張収縮が大きいわりに熱の伝導が小さい。それで、急激な熱変化の際、びんの外表面とうち表面が均一膨張あるいは収縮をせず、応力を発生して破壊に至る。急冷時の熱衝撃強度は肉厚が薄いほど強く、ほぼ肉厚の平方根に逆比例する。
3番目に機械衝撃強度がある。ほとんどのびんの割れの直接の原因は衝撃、つまり機械衝撃である。内圧や熱衝撃など、他の力でびんが割れる場合も、衝撃によって厳しい傷が生じていたから割れに至る場合が多い。びんは衝撃を受ける機会が多い。びんが製造されてから、物流、充填ライン販売、消費段階で数多くの衝撃を受ける。それらの衝撃を受けても充分な強度を保持できるようにびんは設計されている。そして衝撃強度は、びんの形状、肉厚、衝撃箇所、衝撃方法などにより著しく異なってくる。
4番目には、ウォーター・ハンマー強度が挙げられる。ウォーター・ハンマー現象による破損は、比較的比重の高い内容液が減圧で充填されたびんがカートン包装された場合、そのハンドリング中に生じる場合が多い。
次に垂直荷重強度がある。びんは打せん時や高積み時に垂直荷重をうける。通常のびんでは垂直荷重強度は非常に高く問題はない。垂直荷重強度はびんの肩部形状と関係が深い。
また転倒強度もある。この強度は衝撃強度の一種で、びんをテーブル上などで倒した場合の強度である。この強度は消費者の安全性に深いつながりがある。
そして次に走行衝撃強度がある。これも衝撃強度の1種で、びんがコンベヤー上を流れるときの強度である。びんがどの程度の走行速度に耐えれるかなどである。
同じくこの強度の衝撃強度の1種である落下強度がある。びんが落下したときの強度である。
12.金属容器の特徴について。
金属容器、すなわち、缶は、食品等の長期保存という点で最も信頼性が高く、搬送性のすぐれた容器として使用が拡大されてきた。特に、20世紀中ごろから有価飲料が汎用されるようになって以来、缶は安全で便利な容器かつサーバーとして生活に浸透している。
金属容器にはさまざまな特徴があるが、それは、金属という材料固有の特徴が反映されているものと、それを加工した結果生じたものとがある。
また、近年、金属容器は、有機材料の利用なしには存在し得ないと言ってもよいほど、有機材料との複合化が進み、その特徴あるいは限界が容器性能を左右している場合も多い。
金属缶の特徴としてまず長所をあげていくこととする。まずはじめに液体、気体、光の遮断性が大きいという点である。それらによる内容物の腐敗、変質を他の容器に比べ起こしにくいということである。次にあげられるのが熱、電気伝導性が大きいことである。よって食品等の充填後の加熱殺菌、冷却効率が大きいという効果、影響がある。そして、成形性や加工性に優れていることもあげられる。つまり効果や影響として多様な加工が常温で高精度、高速で可能であり、多品種、抵コスト生産ができる。また、剛性が大きく空き缶、実缶のハンドリング性が良く、大量積載、大量輸送が出来るという利点がある。そして他の容器に比べ再処理が容易である。よって再資源化に適している。また、外観の光沢がよく、商品価値を付加できる。
つぎに金属缶の特徴として短所をあげていくこととする。まず他の容器に比べ反応性がある。つまり内容物による腐食、高温、高湿下での発錆に対して防食対策が必要となる。そして比重が大きいという特徴があり、紙やプラスチック容器に比べ重いという難点がある。
以上の他、包装に要求される諸特性、例えば、易開封性、自己加熱性等の機能性、容器製造時の排出物に関する環境許容性、エネルギーおよび材料のリサイクル性、省資源化など特に昨今の世界的動きに対して、金属缶は十分に対応できる将来性の大きな容器といえる。
金属容器には、ドラム缶やボンベのような大型容器から電池のような小型容器までさまざまあるが密封が可能である。金属容器は、他の容器に比べガスバリア遮断性も格段によく、内容物の保護機能性に優れ、また強度も他の容器と比較しても、大いにある。
有限会社ホーセンテクノ小林新平