465 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 15:49:55.71 ID:1A0AaS970 真奈美の母親が、死んだ 死因はよく知らない 心不全がどうとか、 とにかく急に倒れてそのまま・・・と 頭の中が真っ白になった テスト勉強も全部飛んで、結果は散々だった 夏休みになるとすぐに実家に帰った そこで俺が目にしたのは あの日の真奈美だった しかし、俺はあの日のように思いつきで無責任なことを言える筈もなかった 真奈美は俺を見ると 「・・・・・お、・・・おにい・・・・ちゃ・・・ん・・・」 と、消え入りそうな声を出し、俺の胸に飛び込み、 泣いた、泣いた、泣いた、俺も泣いた 俺の涙は、多分、自分の非力さのせいだったろう・・・ 476 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 16:06:37.61 ID:1A0AaS970 それから、夏休みの間、俺は実家にいた 高校の友達との約束もあったが、すべてすっぽかした できるだけ真奈美の傍にいたい、真奈美の力になりたい しかし、実際に真奈美と会った時間はほとんどなかった なんて声をかければよいのかわからずびびっていたのも事実だったが、 真奈美に避けられているような気がした 姿をみかけてもすぐ隠れ、声をかけても生返事だった そのまま夏休みが終わろうとし、俺が寮に変える日、やっと真奈美の方から会いに来てくれた だが、たいした言葉も交わせなかった 最後に真奈美が言った 「・・・ごめんね・・・」 なにが?と聞き返しても答えはなく、そのまま別れてしまった 数ヵ月後、俺はその言葉の意味に気付いた 「同じ高校に行くって約束、守れなくて、ごねんね」 父親と、幼い弟のために、真奈美は高校に進学せず、村に残った 484 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 16:20:01.43 ID:1A0AaS970 あの夏の日、真奈美は悩んでいた 進学するか、村に残るか、 いや、そうじゃない 村に残る決心を俺が鈍らせていた そのことに気付いた俺は落ち込んだ ごまかすために受験勉強に打ち込み、大学に合格した 大学での勉強、サークル活動、バイト、 いつしか俺は、あの村に帰らなくなっていった・・・ 494 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 16:35:15.54 ID:1A0AaS970 まあ、俺はオタクライフを満喫してただけだったんだけどねwwwwwww ・・・すまん、自分で緊張感に耐えられなくなった そんな俺の元に、また実家から電話がかかってきた 今度は俺のおばあちゃんが死んだ、と こっちは純粋に老衰 苦しむこともなく逝ったそうだ 帰ると、葬式の準備をしている人たちの中に、真奈美の姿をみつけた 俺を見ると真奈美は言った 「あっ、○○君、おかえり」 ちょおおおおおおおおおおおおおおおおおっと、しょっく? 514 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 16:58:00.25 ID:1A0AaS970 葬式もつつがなく終わり、夜になり、 遠方から来て泊まっていく親戚や、近所の人たちが酒を酌み交わす中を抜け、 俺は一人で自分の部屋のベッドに腰掛けていた そこに真奈美がやってきた 「ここにいたんだ。入っていいカナ?」 「おう、半分物置になってるけどなw」 「全然帰ってこないからだよw」 ぐさっ! 「この部屋入るのひさしぶり〜」 そういって部屋の中を見回す真奈美を、俺は見ていた ちょっと見ないうちに、なんだ、その、あれだ・・・ 「ん、なに?」 そんな俺の視線に真奈美は気付いた 「あ、いや、か、髪、のびたなぁって・・・」 「あぁ、これ?なんとなく、ね」 そういって、肩までのびた髪を、真奈美は指ですくう 俺の記憶の中の真奈美はショートカットだった 髪の毛全体を弾ませて、元気に走っていた そんな真奈美が・・・ 目の前の真奈美は・・・ 523 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 17:15:52.24 ID:1A0AaS970 「よいしょっと」 ふいに真奈美が俺の隣に腰掛けた 「ふぅ、つかれたな」 「これはこれは、お手伝い、ごくろうさまでした」 「いえいえwおばあちゃんにはよく遊んでもらったしね」 真奈美の祖母は遠方にいるため、俺のおばあちゃんが真奈美のおばあちゃん代わりにもなっていた 小さい頃から、二人、いや、三人で遊んでもらっていたものだった ふいに、真奈美が言う 「おばあちゃんの顔、笑ってるみたいだったね」 それは、棺に納められたおばあちゃんの顔のこと 「・・・うん、そだったね・・・」 「あれ?もしかして、泣いてる?」 「・・・泣いてねーよ・・・」 「しょーがないなぁw」 「泣いてねーって」 「あたしが代わりにおばーちゃんになってあげるよ」 「・・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・」 そして、二人で大笑い 540 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 17:30:00.39 ID:1A0AaS970 ひとしきり二人で笑った後、勢いで言った 「そういや、今日はお兄ちゃんってよばないのな」 「あ、あれ、それはその・・・やっぱりアレかなって・・・」 「恥ずかしくなった?今頃?」 「だって、ほら、知らない人もいっぱいいたし・・・」 「うちの親戚とか?」 「うん」 「俺はよばれるたびに結構恥ずかしかったんだけどなw」 「えっ!うそ?」 「ほんとw」 「え〜っ!なんで言ってくれなかったの〜?」 「だって、それは・・・」 「それは?」 「なんつーか、そうよぶお前が元気だったから、さ」 「元気?・・・うん、・・・そうだったね」 555 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 17:51:41.36 ID:1A0AaS970 そういうと、真奈美は顔を下に向けた 髪で顔が隠れ、表情がわからない と、ふいに顔を上げ、にひひっ、と思い出し笑いするように笑った 一瞬、引いてしまった俺に顔をまっすぐ向け、真奈美は言った 「やっぱり、ちゃんといわなきゃね」 「な、なにを?」 「あたし、お兄ちゃんには、ほんっっっっとに感謝してるの」 おっ、お兄ちゃんに戻ったwww 「か、感謝って・・・?」 「うん、あたし、お兄ちゃんのおかげで元気でいられたんだよ お姉ちゃんのときも、お母さんの時も だから、感謝!」 ふいに胸が痛んだ 「・・・でも、俺、おばさんの時にはなんにも・・・」 「そんなことないよ!すっっっっごく助かったの、ほんとに」 そして真奈美は話してくれた 俺と同じ高校に行けなかったことがすごく悲しかったと その夢をあきらめることで、その分全力で父親と弟の面倒をみようと決心できたことを 「なにがあっても、お兄ちゃんがあたしを元気にしてくれる、って そう思えるから、だから、お兄ちゃんは・・・」 「お兄ちゃんは、いつまでもあたしのお兄ちゃんでいてほしいの」 578 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 18:04:33.37 ID:1A0AaS970 つまり、それは、俺のことが必要だったってことで・・・ 一人で落ち込んでいた俺はなんだったんだー! などと考えてる俺に真奈美は、 「あっ、でも、お兄ちゃんってよばれるのが恥ずかしいんだったら、 心の中でだけそうよぶことにするけど・・・」 そっちの問題かいwwwwww 「やっぱり、いや?恥ずかしい?」 ちょっと困った顔をする真奈美がすごくかわいく思えた 「まあ、恥ずかしかったけど・・・、うれしかったよ」 そう言う俺に、真奈美はえっ?となる 「できれば、これからもそうよんでほしいな」 すると、みるみる真奈美の顔が笑顔になる 「ほんと!?」 そういいながら、俺の手に自分の手を重ねて言った 「ありがとう、お兄ちゃん、大好き!」 627 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 18:32:17.62 ID:1A0AaS970 「お兄ちゃん、大好き!」 その言葉は、俺の頭の中に響きわたった 今まで、さんざんなつかれたが、好きと言われたことはなかった 俺の中でなにかがはじけたっ! 「真奈美」 そう言って俺は自分の右手に重ねられた真奈美の手に、自分の左手を重ねる そして、まっすぐ真奈美をみつめる その視線の意味に気付いた真奈美が視線をそらす 俺はさらに真奈美の顔に近づく 真奈美の泳ぐ視線が、ゆっくりと俺に向く そして 633 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 18:36:16.53 ID:1A0AaS970 「おねーちゃーんー!」 俺の部屋の窓の下を、真奈美の弟が元気な声で走り抜ける 続いて、「あら、○○くん、おねえちゃんを迎えにきたの?」と、うちの母の声 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・迎えがきたみたい・・・」 「・・・そだね・・・」 すっと真奈美が立ち上がる 「じ、じゃ、帰るね」 そう言って部屋から出て行く真奈美 俺、ぼーぜん そんな俺にドアのすきまから顔をのぞかせ、真奈美が言う 「え〜と、お、お兄ちゃん・・・」 「・・・・・・・・・」 「お、おやすみ・・・」 「あ、あぁ、おやすみ・・・」 そして、真奈美は帰っていった なんじゃこりゃーっ! 653 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 18:45:59.69 ID:1A0AaS970 すまん、改行大杉で時間かかった 翌日、片付けに来てくれた真奈美とは、ぎくしゃくはしなかったが、 お互い、てへへ〜、てへへ〜、ってかんじでテレまくりってなとこ 結局、色々忙しくて、真奈美とゆっくり話す時間は帰る直前までなかった 672 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 19:06:59.24 ID:1A0AaS970 >>636は俺じゃないよ で、その時話したことは、当然昨晩のこと 「お兄ちゃん、昨夜のことだけど・・・」 「あ、ああ・・・ごめん・・・」 「や、ちがうの、ちがうの、ってゆか、あやまんないで」 「へ?」 「えっとね、お兄ちゃんは、あたしのこと好きなの?」 ・・・このへんのストレートさっつーか、無邪気なとこは変わってないなー、とか思いつつ、 「・・・好き・・・だと思うけど・・・、多分それは妹として、だと思う」 結局、こういう結論になってしまった 「そう・・・、うん、多分あたしもそう・・・。お兄ちゃん、が、好き」 「ん、そだな」 「でも、その、ね、キス・・・は、いやじゃないよ・・・」 また、そういうこと言って俺を揺らすw 「・・・じゃ、してみる?」 なにいってんだよ、俺 でも、真奈美もまんざらではなさそう 困ったような手振りをするが、顔はニヤけているw だが、またそこに、「○○〜、そろそろ行くよ〜」と、俺をよぶ父親の声 俺と一緒に親戚の人を送っていくことになっていたのだ 真奈美は笑いながら 「じゃ、今度、だねw」 「ははっ、そういうことにしておくか」 こうして、おばあちゃんが用意してくれた、真奈美との再会は終わった 693 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 19:24:22.06 ID:1A0AaS970 さて、そろそろエピローグにむけて この後、就職活動、就職などで、しばらく家に帰ることはなかった いや、マジで時間かかるんだ、帰るのに 帰ったとき、真奈美と会っても、なんかまったりして、 まあ、これでいっか、とか思っていた キスもしなかった ぶっちゃけ、この頃、俺、こっちに彼女いたしw 最後に会ったのは、二年前の正月だった 近くの神社に初詣に行こうかと、ぶらりと外に出た時、真奈美にばったり会った 誘うと一緒に行くというので、二人でならんで歩いた 歩きながら他愛のない話をし、一緒にお参りし、神社の近くの公園で缶コーヒーを飲んだ ふいに、真奈美が言った 「あのね、お兄ちゃん・・・あたし、ね、 結婚するんだ・・・」 712 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 19:37:32.15 ID:1A0AaS970 「えっ・・・?」 「・・・・・・・・・・・」 「へ、へぇ、そうなんだ、そっか・・・」 「・・・うん・・・」 相手は真奈美の弟の学校の先生 弟が中学卒業する翌年の4月以降に結婚するとか 「そ、そうなんだ、そっか、そっか・・・」 なんか、頭の中が全然整理できなかった そこに真奈美が一言、 「だから、さ、キス、しよ」 ・・・・・・・・は? 固まっている俺に真奈美は続ける 「約束、守らせて・・・」 その一言で頭がすっとした そして俺は、なにも言わず、真奈美をそっと抱き寄せ、 そして、やさしく、唇を重ねた 721 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 19:42:32.62 ID:1A0AaS970 次で最後だ ここまで付き合ってくれてありがとう 738 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 20:00:07.56 ID:1A0AaS970 エピローグ 去年の9月、真奈美は結婚した 俺は式には出なかった 招待状も来なかった 来ないだろう、と思っていた、というか、わかっていた 今年の正月、苗字の変わった真奈美から年賀状が来た 結婚の報告も兼ねたもので、ウェディングドレス姿の真奈美が、 ダンナと並んでいる写真だった 真奈美は、思った通り、綺麗だった 隣に立つダンナを初めて見る 結構、いい男じゃん、俺ほどじゃないけどなw ふと、ハガキの右下に小さな手書きの文字に気付く 真奈美の字だ そこには、こう書かれていた お兄ちゃん 釣りでごめんね END 769 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 20:05:44.51 ID:1A0AaS970 みんな、ごめん そして、ありがとう お兄ちゃんたち、大好き! 791 名前:266[] 投稿日:2006/01/19(木) 20:24:55.96 ID:1A0AaS970 ああああああ 手がまだ震えてるよ、俺 書いてる最中、緊張しっぱなし 途中、マジで胃が痛くなったしwwwwww 香奈&真奈美の名前はキシュツの通り、「ファーストKISS物語」からです 実は、俺、釣りは初めてです マジ、疲れたんで、もう寝ます 前スレ1とぶっかけによろしく〜
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