このページは、学童保育の内容を保護者の皆さんに知って理解してもらうために掲載しました。
 指導員はこの指針・実践要綱に基づいて日々保育を行っています。
 この指針は、「松戸市学童保育の会」のものですが、法人化される前まではどの学童もほぼこの内容に
従って保育を実践していましたので、参考として掲載しました。


特定非営利活動法人 松戸市学童保育の会

学童保育指針及び学童保育実践要綱

前文

 学童保育は、わが子が健やかに育ってほしい、親も安心して働き続けたいという切実な親の願いから生まれました。

 1997年6月、長年の懸案であった放課後児童健全育成事業(学童保育事業)が、児童福祉法ならびに社会福祉法の中に法制化されました。また、児童福祉法第1条(児童福祉法の理念)と子どもの権利条約第3条(子どもの最善の利益の考慮)等でうたわれているように児童福祉の積極的な推進が求められています。

 

 そして学童保育の一翼を担う学童保育指導員には、一人ひとりの子どもの家庭・学校・地域との関わりなどを把握し、子どもの気持ちや状況、課題をとらえた適切な働きかけ、援助をすることが求められます。そのためには、専門的な知識や技能が必要となり、そのことによって子どもたちが安心して過ごせる生活の場を保障することができます。

 

 こうした観点から、松戸市における学童保育の一層の充実と発展を実現させるために、学童保育が目標とする「学童保育指針」とその具体化のための「学童保育実践要綱」を定めました。この「学童保育指針」と「学童保育実践要綱」は、学童保育所に子どもを預ける保護者と、児童の生活に直接関わる学童保育指導員が長年ともに積み上げてきた松戸市の学童保育の内容の集大成であり、学童保育指導員は、この「学童保育指針」と「学童保育実践要綱」をもとに保育を展開し、保育内容をより充実させるように努力していくことが必要です。

 

<学童保育の基本的役割>

(1) 共働き、母子・父子家庭の親の働く権利を守り、家族の生活を守ります。

(2) 共働き、母子・父子家庭の子どもの放課後と学校休業日の生活を守ります。

(3) 異年齢の子どもたちの生活づくりの中で、仲間意識を育てるとともに、発達を促す場とします。

(4) 地域社会の中で、子どもたちの生活が円滑に進められるようにします。


学童保育指針

学童期の子どもたちは、身体的な成長とともに、運動機能、言語能力、思考力が発達し、知識欲も広がっていきます。

また、友達との関係が人間関係の中心となります。しかし、この時期はまだまだ、親や周りの大人の言動・態度に大きな影響を受けます。

指導員は、こうした子どもたちの発達段階と、前記の基本的役割をしっかり押さえながら、保育に当たる必要があります。

(1)安全と健康に留意します。

学童保育はまず、子どもたちが健康で安全にすごせるよう留意しなければなりません。さらに、衛生面にも配慮し安心してすごせるよう努めます。

(2)子ども一人ひとりの豊かな情操を育て、健やかな心身の発達を促します。

子どもには一人ひとり発達する権利があります。指導員は、子ども一人ひとりが健やかに成長し発達していくことを保障していかなくてはなりません。子どもたちの興味、関心、意欲に応えられるよう、保育内容は、多岐にわたるべきです。一人ひとりの子どもが、どんなことに興味や関心があるのかを聞いたり、ともに見つけたりしながら把握し、それらに沿って個人、あるいは集団での保育内容を創造していく必要があります。そのことで子どもは、要求がしっかり受けとめられたという実感を持ち、安心しのびのびと学童保育生活を送り、心身ともに発達していくのです。

(3)子ども一人ひとりが自分の居場所を見いだせる環境をつくります。

子どもの放課後の生活は、精神的にも身体的にもくつろげ、のびのびと過ごせるような環境(例えば、それは家庭に変わる環境、学校での緊張を解きほぐせる場、自分の居場所があり、親しい人間関係がもてる場等)であることが大切です。

(4)自主性や豊かな創造力を育てます。

子どもが生活を主体的に作り上げていくためには、一人ひとり、あるいは集団として様々な体験をしていくことが大切です。基本的な生活習慣や生活技術を身につけたり、様々な取り組みの中で、喜びや達成感、あるいは悔しさや挫折感などをあじわい、それらを乗り越えていく中で、次への意欲や創造力が生まれます。指導員には、その時々の一人ひとりの子どもの心の動きをしっかり受けとめて、適切な助言や励ましをしていくことが求められます。

また、子どもは、能力や技術を身につけることで自信をつけていきますが、そのことが、周りの子どもたちや指導員に認められたり、受け入れられることにより、さらに自信を持ち、自己肯定感が生まれ、意欲、創造力へとつながっていきます。お互いに認め合ったり、励ましあえるような集団づくりが大切です。

(5)社会性や協調性を育てます。

学童保育所の生活は、つくられた集団とはいえ小さな子ども社会です。この子ども社会の中で様々な体験を繰り返し、集団生活の中でのルールやマナーを学び、少しずつ仲間意識、社会性、協調性を身につけていきます。

一人ひとりの子どもは、異年齢集団の中で様々なかかわりを通して人間関係を学び、トラブルを乗り越える力を身につけていきます。自己表現や相手を理解する力を身につけていくのです。子ども一人ひとりがお互いの違いを認め合い、他者を尊重し、励まし合い助け合うなど、社会性を育んでいくことが大切です。


(6)地域社会の中で、開かれた学童保育とします。

学童保育所に通う子どもたちは、学童保育所を拠点に生活の場を地域に広げていきます。地域の中にある様々な施設で遊んだり、学校や近所の友達と遊んだりします。子どもたちの行動を把握しながらも、子どもたちが地域の中でのびのびと安全にすごせるように努めなければなりません。

学童保育は家庭との連携だけでなく、学校、地域などとの連携を図り、それぞれの立場・機能を十分理解しあい、子どもに適切な対応を行うことが必要です。

また、地域の子どもたちにとっても、学童保育所が拠り所の一つになるよう、開かれた学童保育所にします。

(7)障害児保育の充実に努めます。

学童保育の基本的役割は、障害児であっても保障されなければなりません。障害児の保育実践に当たっては、施設面・指導員体制面を考えながら、関係者と十分連絡を取り合い、協議し、慎重に行うことが必要です。


学童保育実践要領

<1>活動領域の基本的な考え方

学童保育の活動は、指導員、保護者、子どもたちによって実践を通して積み重ねられ、子どもたちをとりまく諸条件を検討し、他の先進的な実践を参考としながら、望ましい姿を求めてきました。学童保育の活動内容のあり方についてはこれまでの実践を踏まえ、より充実したものにするために活動領域を以下の10項目に区分します。

(1)健康と安全

(2)学童保育での遊び

(3)おでかけ

(4)文化的な取り組み

(5)行事

(6)おやつ

(7)学童保育での生活習慣

(8)子どもたちの自治意識を高めるために

(9)学童保育での宿題

10)長期休業中の生活

しかし、この設定についても限定的にとらえるだけでなく、各領域間の結びつき、及びその他の領域についても十分配慮することが必要です。

<2>保育計画の作成と展開

(1)意義目的

学童保育での生活が見通しを持って送れるように、また、一人ひとりの子どもが生き生きとすごせるように、保育計画を作成します。

(2)展開と留意点

@ 学童保育指針をふまえ、各学童保育所でどんな子どもに育ってほしいのか、保護者と指導員と十分に話し合い、相互の理解を深め、ともに保育内容を作り上げていきます。

A 指導員は各学童保育の保育目標を作り、保育計画を作成し、子どもたちの活動が展開されるよう配慮します。様式は、日々、週間、月間、年間などがあります。

B指導員は計画に沿って保育を展開していきますが、子どもたちの実態に合わせ、柔軟性を持って流動的に対応していく必要があります。また、保育計画に沿って総括し、次年度の保育に反映させていきます。

C従来の実践を参考とし、各学童保育の子どもの状況や地域性、施設、設備等の諸条件に合わせて、独自性・主体性を考慮し創意工夫します。

D学校及び地域等の行事計画を把握し、考慮します。

E子どもたち自身が生み出す活動を尊重します。

F学童保育の特性である異年齢集団を活かせるものとします。


<3>各活動領域別の考え方と、保育計画の作成と展開

(1)健康と安全

@意義・目的

子どもたちが安心して過ごすために、健康や安全に留意します。継続的な生活の中で、子どもの様子を見ながら、その日の体調や心の変化に気づくことが大切です。また、ケガをした時や具合が悪いときに、自分から指導員に伝えられるような関係作りに日頃から努めます。

さらに、子どもたちが自分で健康の管理ができるようになったり、危険を認識し、対処できるような力をつけていくよう働きかけます。

A展開と留意点

★健康について

・救急用品をそろえ、適切な処置をします。

・応急手当、健康管理などの知識を、専門家から学んでおくことも大切です。

・ケガをした場合は、状況を把握し、指導員の対応も含め、保護者、関係者に事実を丁寧に伝えます。

・ケガや病気の対応は、体だけでなく、心も含めて受けとめることが大切です。

・健康上気になることは、児童票などで事前に把握し、保護者と話し合い、対処方法、主治医等を確認しておきます。

・学童保育への通所途中や帰りに起こる事故、保育中に起こる事故についての補償のために、保険に加入しておくことも必要です。

・ケガについては、保護者への連絡、保険の手続きなどのために、記録をつけておきます。

・換気や室温に気を配ります。

・手拭きタオル、布巾、食器など、衛生面に気を配ります。

・病気の予防や健康維持のために、手洗いやうがい、衣服の着脱、排泄など、基本的な生活習慣が身につくよう指導します。

・病気やケガが生じた場合の対応について、保護者と合意のもとにルールを決めておきます。

・保育中の病気については、症状や体温を確かめ、場合によっては保護者に連絡をとります。休養室など静かに休める場所を確保し、寝具は清潔にしておきます。

・学校から病気やケガなどで学童保育所へ帰ってくることがあります。その時は学校から症状や原因等を聞き対処します。

★安全について

・子どもたちが安全に過ごせるよう、環境整備や点検を行います。

・安全に必要なルールは、子どもたちに繰り返し指導します。

・防災マニュアルを、保護者と合意のもとに作ります。

・帰宅方法については、家庭や子どもの状況に応じて、保護者と確認をし、安全に帰れるよう指導します。また、帰宅時には、子どもが落ちついて帰れるよう配慮します。

・犯罪から子どもを守るとともに、子どもたちが自らを守り、お互いを守る力を育てます。


(2)学童保育での遊び

@意義目的

学童保育の生活の中で、遊びが豊かに展開されることはとても大切な課題です。遊びは自由で楽しいものであり、子どもは本来、主体的に楽しく遊ぼうとします。子どもは遊びを通して、人とのかかわり合いを学び、心身ともに成長します。指導員は、学童保育での限られた時間、空間、仲間という制約を考慮しつつ、一方でその特性を最大限活かし、一人ひとりの子どもが、主体的に楽しく遊べるよう援助したり、遊びを提供することが求められます。また、子どもの遊び心に共感、共鳴できる感性が大切です。

A展開と留意点

・一人ひとりの姿をしっかりととらえ、子どもが楽しく遊べる場を工夫していきます。

・子どもの遊ぶ意欲を引き出せるような働きかけをします。

・安全な環境で、子どもが楽しく遊べるよう配慮します。

・いろいろな遊びの内容、ルールを教え、遊びの楽しさを伝えます。

・遊びが子ども同士の自主的なものになるよう配慮します。

仲間の中に入っていけない子どもに対しては、その原因をとらえ、遊びを通して関われるよう援助します。

・お互いの遊びを尊重し認め合える仲間づくりをめざします。

(3)おでかけ

@意義目的

日常生活の中で生活に変化やメリハリを持たせるために、指導員が意識的に連れ出す日常的に行うおでかけや、交通機関を利用しての遠足などの機会を作ります。その中で、自然に親しんだり、地域をより身近に感じたり、社会的なルールやマナーを学んだりします。

A展開と留意点

・計画的に行うおでかけについては、事前に父母に知らせたり、話し合っておきます。また、日常的なおでかけについても、日頃から父母の理解を得ておきます。

・子どもたちの希望や意見を取り入れることも大切です。

・場所選びは慎重に、必要に応じて下見も行い無理のない計画を立てます。

・当日の子どもの健康状態をチェックします。

・出欠席の確認をし、子どもたちを把握します。

・ケガをしないよう楽しく過ごせるよう配慮します。

・必要に応じて、救急用品、緊急連絡先名簿、タオル、ティッシュ等を用意します。

・交通機関利用の際は乗り物の時間、費用、安全面などを調べておきます。

・移動中や現地での安全に注意します。

・公共の場でのマナーを守れるよう指導します。

(4)文化的な取り組み

@意義目的

日常生活の中で、子どもたちが興味を持った遊びをさらに展開し、様々な文化的なもの(工作・手仕事、表現・鑑賞、飼育・栽培・生き物との関わり等)に触れる機会を持つことが大切です。「もの」を創造する楽しさを深め、情緒を豊かにし、自然に興味や関心を持つことにより、子どもたちの心の発達に良い影響を与えます。

これらの取り組みは、それぞれの学童保育の特徴を活かして取り組んでいきます。

 


A展開と留意点

★工作・手仕事

・正しい道具の使い方と片づけ方を教えます。また、安全面にも配慮します。

・子どもの要求に応えられるよう、様々な材料や道具をそろえておくことが大切です。

・道具や材料の性質を知り、大切に使うことが身につくように指導します。

・子どもの興味、要求、技術的水準を考慮します。

・ものを作る喜びや、完成したときの達成感を味わえるよう、丁寧に働きかけます。

・おやつ作りや給食作りの時などには、調理器具の使い方や、食材の性質を教えたり、衛生面の指導をします。

★表現・鑑賞

・子どもが楽しんで取り組めるように援助します。

・指導員の思いだけが先行しないよう、子どもたちの状況を把握し、意見を取り入れながら、負担にならないよう配慮します。

・大人も感動できて、小学生でもわかりやすいものを選びます。また、作品は多岐にわたるよう選んでいきます。

・感想を共感することも大切です。

・みんなが気持ちよく見るために、マナーについても考えることができるよう配慮します。

★飼育・栽培・生き物との関わり

・身近な動物や植物に対する興味や関心を引き出します。

・生命を考える機会になります。

・生命あるものということに留意し、責任を持って飼育を行います。

・アレルギーや衛生面に留意します。

・栽培は、育てる喜びや、収穫の喜びを感じることができるよう配慮します。

(5)行事

@意義目的

学童保育の生活を豊かにするためや、生活にメリハリをつけるために、様々な行事に取り組みます。その取り組みを通して集団としての仲間意識の高まり、一人ひとりの成長・発達を大切にします。

また、行事を計画するときには子どもたちの現状を把握し、毎年行われる行事でも、目的を再検討し、子どもたちの負担にならないように楽しみや達成感が得られるよう配慮します。

行事には、「日常的・偶発的に行う行事」、年間保育計画に位置づけられて、「計画的に取り組む行事」等があります。

さらに、父母とともに行事に取り組むことは、共同の子育て、学童保育の運営維持につながります。

A展開と留意点

★日常的・偶発的に行う行事

・日常的に流行っている遊びの中で、行事にした方が、みんなで楽しめそうならば、子どもたちと相談しながら取り組みます。

・みんなで楽しめるように内容を工夫したり、声かけをします。

・強引に行事にもっていったり、嫌いな子に無理強いしないようにします。

・楽しさや、生活のメリハリ程度に考え、気軽に行います。

・子どもが主体的に取り組むように援助します。

 


★計画的に取り組む行事

・子どもが見通しをもって取り組めるよう援助します。

・学校や習い事などの、子どもの状況を把握し、無理のないように進めます。

・取り組みの意義や目的、子どもたちの様子を父母に伝え、行事への理解や協力を求めます。

・準備、当日も含めて、楽しく取り組めるよう工夫します。

・取り組んでみてどうだったかを話し合い、その後の保育に活かします。

・父母とともに取り組む行事については、父母と指導員の役割分担を明確にし、子どもが主体的に取り組むことには、指導員が責任を持ちます。そして、父母の役割についても、行事の流れを把握している指導員ができるだけ援助します。

(6)おやつ

@意義・目的

子どもたちの健全な成長にとって、栄養補給と同時に、働く親の家庭では夕食が遅くなりがちなこともあり、空腹を満たす間食(おやつ)は欠かせません。また、おやつの時間はみんなで過ごす一時でもあり、学童保育の一日の生活の流れからいっても大切です。子どもの状況の把握、出席や所在の確認、指導員からの伝達、話し合いなどの場でもあります。

A展開と留意点

・衛生面、安全な食品選びに気をつけます。

・一日の流れ、子どもの状況を見ながら、おやつの時間の設定には柔軟な対応も必要です。

・水分補給も大切です。

・楽しく食べる工夫をします。

・おやつには、準備片づけなど、様々な仕事が伴います。子どもたちが、スムーズに取り組めるよう工夫します。

・季節の物を取り入れます。

・手作りおやつは、子どもたちが楽しみにしています。施設や環境を整えます。

・手作りおやつは、買い物、調理等、楽しく生活技術を身につける良い機会です。できるだけ取り入れたいものです。

・みんなが気持ちよく食べるために、マナーが身につくよう指導します。

(7)学童保育での生活習慣

@意義・目的

学童保育で生活をしていく上で、自分やそこにかかわる人たちが、気持ちよく生活できるような習慣が身につくように働きかけます。子どもの状況に応じて、身辺自立を促すよう援助します。また、生活作りをしていく中で、工夫や段取りなど、生活の知恵を育めるよう配慮します。

A展開と留意点

・身辺自立の手助けとして、やり方を教える、待つ、安易に手を貸さないなど、状況に応じて援助します。

・自分の持ち物を自分で管理できるよう援助します。

・子どもが理解できるように、丁寧に働きかけます。

・自分のもの、他人のもの、学童保育のものが区別でき、ルールを守って使えるよう援助します。

・自分のことを自分の言葉で伝えられるよう援助します。

・ただいま、さようなら、ごめんなさい、ありがとう等の言葉かけが自然にできるよう援助します。

・その時々に応じたマナーが身につくよう指導します。(おやつ、話し合い、雨の日の過ごし方など)

子どもたちが、整理や片づけをしやすいように環境を工夫します。

・片づけ、掃除など、自分たちで使ったところはみんなできれいにできるように、指導します。

(8)子どもたちの自治意識を育てるために

@意義・目的

子どもたちの放課後の生活を豊かに作り出していくために、指導員の援助のもとに、子どもたち自身が自分たちで考え出し、行動でき、最後までやり遂げる力を育てることが大変重要になっています。

子どもたちが、自分たちの遊びや生活の中で、様々な問題がおきたときにどうするのか、自分たちで話し合いをして、子どもたちなりの解決方法を考え、みんなが気持ち良く生活できるための最低限のルールを作っていけるよう指導します。

当番活動や、行事の準備、それに伴う役割分担なども子どもたちの中で話し合い、一人ひとりが集団の中の一員としてそれぞれの力に応じた形でかかわり、責任を果たしていくという体験を積んでいくことも大切にします。

これらの活動を通して、友達の意見に耳を傾け、また、自分の考えを主張していくことの大切さを知り、仲間と共感し合いながら集団の総意のもとに解決していくという体験を積んでいくことが、自治意識を育てていくことにつながります。

A展開と留意点

・子どもたちの年齢、発達の状況、集団の状況などに応じた方法を選んで、指導員は援助していくことが大切です。

・塾や習い事、部活などでスケジュールが合わない子どもたちの状況をふまえ、取り組みや話し合いを工夫して進めます。

・話し合いの状況によっては指導員が援助をする場面も必要になってきます。

・結論を急ぎ過ぎて、安直に多数決等で決定してしまうことのないよう、十分に話し合いを深め、集団で確認され、一人ひとりが納得できるように進めていくことが必要です。

・継続的に話し合いをするときは、子どもが見通しをもてるように、決まったこと、次回話し合うことなどを明らかにさせて、次につなげていきます。

(9)学童保育での宿題

@意義・目的

宿題は、学童保育と家庭、場合によっては学校と連絡を取り合いながら、それぞれの実態に即して対応いくことが大切です。また、子ども自信が、一日の生活の中で宿題の時間を位置づけ、見通しを持って生活を送れるよう援助します。

A展開と留意点

・学童保育で宿題をやる場合でも、家庭でその内容を確かめるよう保護者と話し合っておきます。

・宿題についてそれぞれの家庭で子どもと話し合い、その内容を指導員が知っておくことが大切です。

・宿題を帰宅後に行うことが難しい家庭もあります。状況によって学童保育で援助します。

・声かけ、時間帯、スペースなど、一定の配慮をします。

・学童保育の施設や生活の流れを父母に伝え、どんな状況の中で子どもが宿題をするのか、理解を得ておきます。

・学童保育で宿題をすることが子どもの大きな負担にならないよう配慮します。

(10)長期休業中の生活

@意義・目的

長期休業は、子どもたちが朝から夕方までの長い時間を一緒に生活するなかで、子ども同士のかかわり、指導員と子どもの一人ひとりのかかわりもいっそう深くなるときです。いつもの2倍、3倍の長い時間を学童保育で過ごすので、楽しい、開放された気持ちで過ごせるよう配慮が必要です。

 

A展開と留意点

・家庭で出かける機会がふえるなど、集団の構成が流動的になるので、子どもたちの人間関係に目を配ります。

・生活のリズムが変わるので、子どもたちの体調に気を配ります。

・子どもの生活状況を把握するため、事前に出欠のアンケートを取っておきます。

・一日の過ごし方を、子どもたちの意見も聞きながら組み立てます。また、学習、休息などメリハリをもたせるよう配慮します。

・長期休暇だからこそできる取り組みなども計画し、生活にメリハリを持たせます。

・春休みは新入所の1年生だけでなく、進級する喜びと不安をもっている在籍の子どもたちにも目を向けた保育をします。

<4>その他の留意点

(1)保護者との保育内容の共有

・連絡ノートやお便り、保育報告などを通して、保育内容を丁寧に父母に伝えます。

・父母会や懇談会などで、学童保育での子どもの様子を伝えるとともに、家庭での様子や保育への要望を聞き、保育内容を作り上げていきます。

・行事の共同運営や、父母会との協力などを通して相互理解や信頼関係を深めていくことが大切です。

(2)学校との連携

・必要に応じて担任と話し合うなどして、子どもへの理解を深めます。

・学校と学童保育でお便りの交換などをして、情報の交換を日頃から行い、相互理解や信頼関係を深めていくことが大切です。

(3)地域との関わり

・孤立したり閉鎖的にならないよう、日頃から近所近隣への配慮をします。

(4)塾や習い事への配慮

・塾、習い事と学童保育の役割、目的の違いを保護者に伝え、個々の保護者の願いや子どもの状況を考えて対応していくことが大切です。

・学童保育から塾、習い事に出かける場合には、あらかじめ把握できるようにしておきます。

・塾、習い事に行くことが、子どもにとって精神的にも時間的にも負担になっていないかどうか、また、子どものその時々において優先しなければならないことは何かなどについて、保護者と時々話し合います。

(5)打ち合わせ、研修

・指導員は、それぞれに関わった子どもたちだけ把握していれば良いということではなく、それぞれが見た場面、関わった状況を出し合って、子ども全員の状態、事実を共有しておく必要があります。そのために打ち合わせが大切です。

・互いにちぐはぐな対応をして、子どもや父母を混乱させないために、打ち合わせが必要です。

・学童保育は、保育士や教師とも違う、固有の専門性を求められる仕事です。研修を通して学びながら、仕事を確立していきます。

・子どもは日々成長し、また、子どもの構成も毎年違います。大勢の子どもたち一人ひとりが安定して学童保育での生活を営み、豊かな放課後を送ることができるために、指導員は学ばなければなりません。

・様々な思いを抱えて生きている子どもたちの心によりそい励まし発達を援助できるようになるためには、より専門的な力量を身につける努力が一層必要になってきています。そのために研修、学習が必要です。


【後書】

「学童保育指針」と「学童保育実践要領」は、学童保育の役割を果たすために、状況に合わせ、改良・改善をしていくものです。

「学童保育指針」と「学童保育実践要領」は、行政や市民に学童保育を理解してもらうためにも有効活用していきます。

学童保育の制度変更があった場合でも、この「学童保育指針」と学童保育実践要領」を松戸市の学童保育の内容を充実・発展していくために重要な財産として引き継いでいくよう、行政に働きかけていきます。

【参考】

◇児童福祉法

(昭和二十二年法律第百六十四号)

(平成九年六月十一日改正 法律第七十四号)

(児童福祉法の理念)

第一条 すべての国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるようつとめなければならない。

2 すべて児童は、ひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない。

(事業)

第六条の二

6 この法律で、放課後児童健全育成事業とは、小学校に就学しているおおむね十歳未満の児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいないものに、制令で定める基準に従い、授業の終了後に児童厚生施設等の施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業を言う。

◇社会福祉法

(定義)

第2条の3

次に揚げる事業を第2種社会福祉事業とする

2. 児童福祉法に規定する児童居宅介護等事業、児童デイサービス事業、児童短期入所事業、障害児相談支援事業、児童自立生活援助事業、又は放課後児童健全育成事業、同法に規定する助産施設、保育所、児童厚生施設又は児童家庭支援センターを経営する事業及び児童の福祉の増進について相談に応ずる事業

◇子どもの権利条約 第3条

1 児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。