くも膜下出血を起こさないためにどんなことに気をつけたら良いのだろうか。私の経験から考えてみよう。
身内に脳血管障害すなわち脳卒中で亡くなった人がいるという人は沢山いるだろう。日本人の死亡原因の第3位なのだからあたりまえだ。また脳動脈瘤を持っている人も全体の2%から5%であるからかなりの数だ。しかしその中でくも膜下出血を起こす人はわずか1%なのだからそんなに多くの人がなるわけではない。
また、私の場合高血圧気味ではあったが、境界線程度で、すぐに深刻な問題になるほどではなかった。
小さいとき病気ばかりして身体が弱かったこともあって、母は私は身体が弱いと思っている。しかし、現在は体力的には、あまり優れているとは言い難いが、特別身体が弱いなどということはない。
色々と小さな誘因は持っていたが、一番の問題点は、疲れとストレスだったと思う。あの時点で、天性楽天的な私が家のことその他諸々悩んでいて、こんなことがあるのだと思うほどひどい不眠症になっていた。眠りは浅い方だし、ちょっと眠れないなどということはよくあったが、一睡も眠れない日が何日もつづくなどということはそれまでなかった。しかし、少しも疲れた感じはなかったのだ。
『疲れれば眠れるはずだ。眠れないのは疲れていないからだ』
等と、何でもあまり深刻に考えようとしない性格が、この場合は災いしたのだと思う。医者に行って睡眠薬でも少し出してもらえば良かったのだと思う。
また、父が60歳で亡くなったので
『私も60歳になったら気をつけなきゃ』
と、60歳までは何も起こらないと勝手に決めていた。しかし、くも膜下出血は40代、50代、いや20代でも起こるそうだ。
疲れがたまっていて、ストレスを強く感じているときは、体を動かして気を晴らすことは危険だと思う。身体が疲れていることと疲労感は必ずしも一致しないのだ。全然疲れた感じがしなくても客観的に疲れているはずだと思われるときは強制的に休まなければならないのだろう。過労死などもそうして起きるのではないだろうか?
脳卒中の中で、くも膜下出血の割合は近年増えているという。ストレス社会の今、上手にストレスを解消していくことはくも膜下出血を起こさないために重要なことであると思う。
今では、MRI(磁気共鳴画像検査)による脳の断面や血管像の撮影、その他種々の検査を組み合わせて、くも膜下出血の原因ともなる脳動脈瘤、その他の脳血管障害やその前兆、脳腫瘍などを発見したり、脳の健康状態を診断する脳ドックがある。私は受けたことがなかったが、身内にくも膜下出血を起こした人がいる人は、是非受けた方がよいと思う。破裂を手術により未然に防ぐこともできるし、何か異変が起きたときには、いち早く対処することができる。「脳動脈瘤があることがわかったら、かえって不安になるから受けたくない」という人もいるが、見つかった場合、手術自体が危険であるので、要観察となることが多く、すぐ手術になることの方が少ない。自分でもわからないまま発作が起きて、手遅れになるよりずっといいと思うのだ。